アスパラガスの育て方これだけ知っていればだいじょうぶ

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アスパラガス

早分かり -

  • 庭で栽培できる二三種類しかない多年生草野菜の1つ、アスパラガスは毎年安定した収穫が得られ、15~20年もつこともあります
  • アスパラガスの健康への効能として気分を高め、高血圧を下げ、ガン予防効果があることが発見されています
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Dr. Mercolaより

地元の野菜売り場にアスパラガスが背が高く誇らしげに並んでいるのを見たとき、栽培方法まではなかなか想像できないでしょう。自分の庭で菜園を作って育てられることはもっと想像できないことかもしれません。

アスパラガスの栽培は忍耐力が要ります — 活発に成長し始め成熟するまで約三年かかる — が、栽培自体は想像するほど難しくありません。

初期の準備と苦労は最初に細目の芽を収穫したとき豊富な成果となって帰ってきます。庭に植える場合でビタミンやミネラルが豊富な柔軟性のある健康に効能がある野菜をお楽しみなら、アスパラガスの栽培を検討してみてはいかがでしょうか。

アスパラガスがそれほどよい理由

アスパラガスには気分を高める能力があるので「気持ちよくする」野菜と呼ばれる通り、もっと頻繁に食べるようにするためばかりではなく、庭で栽培することも検討する価値があるスーパーフードです。

ビタミンA、E、Kが豊富なよく栄養のバランスがとれた野菜です。1カップ (180g)の煮たアスパラガスでも40kcalしかありません。

アスパラガスはさらに葉酸を含み、ビタミンCやB群のよい摂取源でもあります。葉酸は体内のドパーミン、ノレピネフリン、セロトニンの生産を促進する物質でアスパラガスが気分を支えると考えられているのはこのためです。

アスパラガスが抗がん作用を持つという主張は強力な抗酸化剤であるグルタチオンが豊富にあることによっています。小さい血管が切れないように保護するバイオフラボノイド(植物色素)であるルチンも含んでいます。さらに放射線による損傷の影響からも保護します。

アスパラガスには数種類の含有ミネラルの例を挙げるだけでも健康的な濃度の銅、鉄、マグネシウム、セレニウム、亜鉛を含みます。腸内善玉菌の栄養素になるプレバイオティックのイヌリンに加えて不溶解性と溶解性繊維質があるため消化作用を助けます。

結局研究者らは高血圧を下げるためによいアスパラガスに含まれる自然なアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害因子を特定しました。2015年のある研究はアスパラプチンというアスパラガスに含まれる硫黄含有代謝産物が「新たなACE阻害因子」として機能することを発見しました。

アスパラガスについての面白い事実

アスパラガスは見た目がユニークなだけではありません:この春を告げる野菜について以下のような面白い事実が知られているので把握しておきましょう。まず、アスパラガスが二三種類しかない庭で栽培できる多年草の野菜であることには気づいていない方が多いでしょう。一回植えるだけでいいのです。正しく世話すると毎年きちんと発芽し、ときには数十年ももちます。

第二に、アスパラガスは雌雄同株の植物であることを把握しておくことが大切です。つまり1本の草で雄と雌のいずれにもなりうるのです。雌雄の違いは葉と種を実らせる能力の有無にあります。雌の株は種を実らせ、とても大きく咲く花弁3枚からなる花が特徴です。雄の花は種を実らせず、雌の花よりずっと大きくて長いです。

第三に、グリーンアスパラガスは最も一般的で紫、白のバリエーションもあります。紫の品種はグリーンアスパラガスより繊維質が少ない傾向にあり、糖分も多いです。ホワイトアスパラガスがグリーンアスパラガスと実際には同じ植物であっても生産方法が違うのには驚くことでしょう。

ホワイトは光合成を阻止するために覆って育てています。ホワイトアスパラガスのほうがグリーンアスパラガスより値段がはるかに高い理由はここにあります。漂白工程のコストが上乗せされているからです。

特に欧州大陸では栽培できる季節が短く需要が高いので、ホワイトアスパラガスは最高級品のお値段で、しばしばビネグレットソースやホランデーズソースをたっぷりかけていただきます。

お庭でのアスパラガス栽培空間の選び方

アスパラガスを栽培するときは次のことによくご注意ください:

  • 高さ:アスパラガスはかなり伸びる — 1.5 mにも及ぶ — ので近辺の小さい植物が影になってしまわないようにご注意ください。
  • 場所:アスパラガスは多年生なので毎年芽を出し、長いと15~20年はもち — 庭にずっと植えたままにしておける野菜です。
  • 土壌:アスパラガスは水はけのよい軽い腐葉土の豊富な土壌で繁茂し、土壌のpH範囲6.0~7.0が最適です。
  • 空間:約1.2~1.5 mを株毎に余裕を取り、初期の数年はあまり広がりませんが、成熟するといかに速く成長するかには驚かされます。
  • 日光:アスパラガスはある程度の影に耐えますが、直射日光がよく当たる場所のほうが病気になりにくく、生き生きとした植物に成長します。毎日の日光が不足すると細々した芽の弱弱しい草になってしまいます。

アスパラガスを植えるときは2つのやり方があることを覚えておきましょう: 種から育てるか1年の株から育てるかです。

アスパラガス種からの植え方

Rodale's Organic Lifeによると種からのアスパラガス成長には辛抱強さが要求され、さらに追加的な手順も必要になります。種から育てたほうが安価で済み、移植の外傷がありません。アスパラガスの種一袋をアスパラガスの若い芽一株の値段で買えます。種から育てるアスパラガスのほうが健全で、概して株から始めたものより生産性が高いです。

アスパラガスを種から育てれば雌株を間引きして雄株の苗床を育てることもできます。雄株のほうが雌株より歩留まりが高いです。種から育てる場合は最後の霜が降りる予想より4週間ほど前から撒き始めることができます。

北方の場合は2月下旬か3月上旬に屋内で種播きすることができます。種を一つずつ生物分解性苗容器に蒔いて日差しのいい窓際に置いておきます。

最初のうちは底の加熱による容器の温度を25℃に維持します。発芽したら温度が約5℃下がっても構いません。霜のおそれがなくなった頃苗床に深さ5.1~7.6cmに植え付けます。

小さい花が出始めた頃虫メガネでメス株を間引きして雄株を庭の所定植え付け場所に移します。

アスパラガスの発芽した株からの栽培

たいていの人特にアスパラガスの栽培は初めてという人は株から育てるのが簡単と思われるでしょう。正しく株を使えば一年間面倒な草むしりの手間が省けます。特にアスパラガスを種から育てるときは雑草がやっかいものです。春になると容易に買える株は古びたひも状のモップのような恰好をしています。

株の選び方としては、新鮮でしっかりしたものをお選びください。煮崩れたようなまたはしおれた風体のものはだめです。移植の外傷を受けやすいので2歳の株を避けましょう。また、基本的にこうした株は1年ものより速く成長しません。株を買うタイミングはちょうど植え付けるときがよく、買って来たらできる限りすぐに移植してください。

アスパラガスの株を植えるには溝を掘るのが一般的な方法です。溝の深さは20.3~25.4cm、幅が45.7~50.8cmにすると最適です。株をこの溝の底の中央に置きます。

これと同時に利用可能なたい肥かコンポスト材料を土壌に投入するとよいタイミングです。Rodale's Organic Lifeでは株をコンポストティーに20分漬け込んでから植え付けるとよく根がつきやすいと勧めています。

溝の底に根を広げてください。株どうしを30.5~38.1cm間隔で植えることで育つ余裕ができます。それぞれの株を5.1~7.6cmの土で被せて、水をじゅうぶんにやってください。

約2週間ほどして株が育ち始めたら、土を加えます。株から育った茎の地面から頭を出す程度にアスパラガスを定期的に土で覆っていくと、そのうち溝が完全に埋まります。

アスパラガスの庭床を維持する方法

アスパラガスが毎年よく採れるかどうかは庭床の維持がうまくいくことに掛かっています。以下のことをするとうまくいきます:

特に若い頃は雑草をよく毟り、茎が頭を出しても窒息せず、歩留まりが減らないように管理します。

水分を保持させるため根覆いを株の回りに被せ、冬はこれで保護でき、また雑草が生えにくくもなります

植え付けてから最初の二年は定期的に水をやり、後に根が深くまで延びた頃は水をそう頻繁にやる必要はなくなります

春と秋にコンポストティー等の液状肥料を地面に掛けます。アスパラガスが多くの栄養を必要とする春の旬にはまた施肥するように勧める人もいます。

若い芽が出てくる前にシダ状の雑草は全て抜き去り除去してください。この種の雑草は病気やアスパラガスクビナガハムシ等害虫の卵を潜ませていることが知られています。

ホワイトアスパラガスをご希望なら芽が頭を出す前に庭床に土か根覆いを被せます

秋を優先して、しかし新芽が出るよる前に、毎年地面から茎を切り取ります。

アスパラガス作物を台無しにする害虫類

良質のアスパラガス作物に対する最大の脅威はアスパラガスクビナガハムシで、春に芽を食いつくし、夏には葉を食いつくします。このハムシの特徴はメタリックなブルーブラックの甲虫であることで、この甲に3つの白か黄色の斑点があります。この虫のサイズは0.64 cm程度です。

アスパラガスクビナガハムシは葉に沿って暗い色をした卵を産み、頭と足が黒いのが目立つ茶色かライトグレーの幼虫にかえります。手で取れますがパウダーかスプレーで駆除することもできます。手でこの虫を取り去るときはまだ飛んで逃げるには寒い早朝行うと効果があります。

その他考えられる害虫には12点アスパラガスクビナガハムシがあり、赤系の茶色い虫で羽一枚当たりに6個の黒い斑点があります。また、アスパラガスマイナーという虫は茎にジグザグのトンネルを掘ってだめにするのが特徴です。

アスパラの収穫について知るべきこと

アスパラガス収穫で最も辛い部分の1つが初収穫を待つ間です。このデリケートな野菜の収穫について知っておくべきことがあります。

初期2年間は根を深く張るためにすべてのエネルギーを費やす必要があるので、この期間は収穫しないほうがよいとガーデニング専門家は勧めます。三年目に長さ約20.3 cmになった指の太さの芽を四週間に渡り収穫することができます。四年目になると、8週間まで収穫できるようになります。初春に二日おきに収穫します。

温かくなってきたら、生産量に応じてアスパラガスを一日二回収穫することができます。最適な収穫を得るには鋭いナイフでアスパラガスの芽を地面からまたは地面からちょっと下から切り取ります。カットしたアスパラガスはすぐに冷蔵庫にしまってください。冷凍する前に芽を軟白してください。ピクルスにするのも一つの方法です。

アスパラガスの栽培の本番:食べてください!

アスパラガスはサクッとして風味が豊かでジューシーなだけではなく、健康にもよいです。この味わい豊かな野菜の栽培でいちばんのタイミングは疑いもなく食べるときです!

柔らかめのアスパラガスの芽はどの食事にも合うおかずになります。軽く調理します、例えば8~10分蒸すとアスパラガスのヘルシーな化合物の生体利用能が増しjます。

朝食にアスパラガスをオムレツに添えるといけます。昼食ではアスパラガスを生のままか軽く蒸してサラダに添えます。夕食にはアスパラガスを焼いても、グリルにしても蒸して草で育てた有機肉に添えていただくとおいしいです。私がよく食べるのは野生捕獲したアラスカサケと一緒です。

どんな食べ方をするかに関わらず、アスパラガスは私が強くお勧めするスーパーフードで、お買い物の定番にしてください。アスパラガスには残留農薬が微量しかないので、従来農法で収穫した産物でも安全です。

最後に、アスパラガスを食べた後、特に排尿したとき変な臭いがするのに気づいても慌てることはありません。WebMDによると約25%の人しかこの特殊な臭いを検出する特殊遺伝子を持っていません。もしあなたがこの一人でもご心配なく、不快かもしれませんが単なる臭いだけなので安全です。