Dr. Mercolaより
抗うつ剤の効果を疑問視するある研究があります。
American Journal of Psychiatry(精神医学専門誌)に掲載されたこのメタ分析は特定の栄養サプリメントで特定の抗うつ剤の効能がアップすることを発見しました。これらはSSRI、セロトニン-ノレピネフリン再取り込み阻害薬(SNRIs)、三環系抗うつ剤です。
そのレビューには合計40件の臨床検査が含まれ、サプリメント — 魚油、ビタミンD、メチル葉酸(葉酸の有効な形態)、S-アデノシルメチオニン(SAMe) — が薬剤のみのときより効能を促進することが発見されました。
魚油 — 具体的には脂肪EPA — で最も顕著に改善しました。クレアチン、亜鉛、ビタミンC、トリプトファン(アミノ酸)、葉酸(B9)で複合的な効果があることがいくつかの研究でわかっています。
そのメタ分析の筆者らによると、「研究対象の患者は、オメガ3、魚油、メチル葉酸, ビタミンD、SAMサプリメントに抗うつ剤を組合せ処方したら薬剤のみの患者より優れて改善した」そうです。」
ここに欠如しているのはサプリメントのみ、薬剤のみ、両方の服用の比較でした。
抗うつ剤が偽薬よりたいしてよくないこと、抑うつ状態が人によっては悪化することが証明されたことを前提として、おそらく患者はサプリメントのみ(薬剤を摂らない)でも同じ程度かそれよりよく改善したのではないかと思われます。
もしそれが当たっているのだとしたら、抗うつ剤で健康のリスクを受ける理由があるでしょうか?実際に他の研究では、オメガ3とビタミンDだけで精神衛生が改善することがわかっています。
これらの栄養素がなぜ効くかについて考えられる理由は、サプリメントが脳ばかりではなく腸の炎症や酸化ストレスと闘うのを助けるからです。
抑うつ状態はしばしば胃腸炎、自己免疫疾患、心臓血管病、 神経萎縮性疾患、2型糖尿病、がんとの併発症例が多いです。
慢性的軽度炎症はこれらすべてを悪化させる主な要因で、研究者らは「うつは慢性炎症症候群の神経精神的発現である」ことを示唆しており、炎症の主な原因は腸脳軸の機能障害であることが考えられます。
胃腸炎をプロバイオティックス、オメガ3、ビタミンB、Dで処置すると抑うつ状態の症状は腸から脳へ及ぶ炎症促進的刺激を軽減することを実際にますます多くの臨床検査が確認しています。
多くの人の食事から動物性オメガ3脂肪のEPA (エイコサペンタエン酸)とDHA (ドコサヘキサエン酸)を含む健康な脂肪が欠落しています。オメガ3は心臓の健康における役割で有名ですが、さらに脳の健康およびメンタル・ヘルスに不可欠な役割を果たしています。
2001年に出版された本「The Omega-3 Connection」(「オメガ3の関連性」、著者:ハーバードの精神医学研究者Dr.アンドリュー・ストル(Andrew Stoll))が抑うつ状態にオメガ3を使用するとよいことを注目させなおかつこの効果を支持しました。
オメガ3の必要な摂取量は定められていませんが、健康関連機関では健康な成人は、EPA とDHA を250-500mg摂取することが推奨されています。抑うつ状態にお悩みの方はこれより多く服用するとよいでしょう。
ある研究ではオメガ3サプリメント用量をEPA200~2,200 mg/一日としたら、抑うつ状態に対して効果があることがわかっています。オメガ3はより重篤な精神障害(統合失調症、精神分裂、双極性障害)に効くこともわかっています。
食事で十分なオメガ3をアラスカ産野生サケや、イワシ、アンチョビ、高品質のオメガ3サプリメントから摂るようにすることが、私の考えでは、最適な健康のために必須であると思われます。これには脳の健康を含むので、抑うつ状態に対抗するために最も効果的なサプリであることが判明していることは驚くに値しません。
ビタミンD受容体は胎児の成長において様々な脳組織に現れ、活性化ビタミンD受容体は脳神経の発達を促します。研究者の考えるところによると、ビタミンD濃度が最適なら、脳内の重要な化学物質の量が増える可能性があり、損傷したニューロンを回復させる際にグリア細胞の効果を増進して脳細胞を保護します。
その精確な仕組みはともかく、多くの研究によってビタミンDの低レベルと抑うつ状態の相関性はすでにわかっていて、以下の問題があることがわかっています:
SAMは全ての細胞に自然に存在するアミノ酸派生体です。これはメチル基をDNA、タンパク質、リン脂質、生物維持に不可欠なアミン類に移転することにより多くの生体反応で役割を果たしています。数本の科学研究はSAMが抑うつ状態の治療に有用であることを示しています。
5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)は従来式の抗うつ剤に替わるもう一つの自然な代替物質です。身体がセロトニンを生産し始めるとき、最初に作る物質が5-HTPなのです。5-HTPサプリメントを摂るとセロトニン濃度が上がる可能性があります。
抑うつ状態の軽減に関する限り5-HTPが偽薬より効能があることはわかっています — 抗うつ剤の効き目について正当化するより説得力があります!しかし、不安と社交恐怖症はセロトニン濃度が高くなると悪化するおそれがあるので、大きな不安を持っている方についてはこのサプリは禁忌です。セントジョーンズワートが軽度のうつ症状を軽減することもわかっています。
ここで取り上げた研究がメチル葉酸のメリットを発見した一方、ビタミンB12欠乏は抑うつ状態にも寄与しうるもので、4人に1人がこの欠乏症です。メチル葉酸についてご興味をお持ちの方は以下の副作用にご注意ください。
その一方ビタミンB12は多くの人にとって欠かせないもので、これが欠乏していれば、もっと摂ることで抑うつ状態を軽減できるかもしれません。私の知る限り、ビタミンB12には過剰摂取リスクがありません。信じられないくらい安全です。
多くの人は「運動不足」を被っており、運動は自分で利用できる最も効能がある抗うつ剤の一つです。運動が実際に薬剤により処置より効き目があることを研究が確認しました。運動は不安障害に対する主な処置戦略でもあります。
運動は主に、インスリン濃度を正常化するのを助けると同時に、脳内の「いい気持」ホルモンを飛躍的に増大します。しかし、近年、研究者らは運動すると身体が、憂鬱と関連する有害なタンパク質、キヌレニンを解消することを助けることも発見しました。
炎症と抑うつ状態の関連性を確認できる事実として、身体はストレスや炎症要因によって活性化されるプロセスを通して、まずキヌレニンを新陳代謝します。さらに、運動はBDNF(脳由来神経栄養因子)を増やし、ミトコンドリアの生体生成を強力に促進します。
本物の食品を食べ、加工食品、砂糖(特に果糖)、穀類とGMOを避ける
糖分やでんぷん質の炭水化物の摂りすぎはインスリンの過剰な放出につながり、血糖値が下がって低血糖になります。低血糖により、脳でグルタミン酸が分泌され、焦燥、うつ、怒り、不安、パニック発作などを引き起こします。
砂糖は体内の炎症を悪化させます。砂糖や穀物が多く入っているのに加え、加工食品には脳の機能や精神的状態に悪影響を及ぼす様々な添加物が含まれており、特にMSGのほか、アスパルテーム等の人工甘味料が含まれます。
グルテン感作も抑うつ状態の原因としてよくある隠れた要因であり、グルテン非含有の食事をするのも解決策になります。最近の研究によるととうもろこし、大豆、サトウダイコン等遺伝子操作作物に大量に含まれるグリフォサートは異物の化学物質を解毒する(デトックス)身体の能力を劣化させます。
結果として、毒素の損傷の影響は拡大し、行動に影響を及ぼす可能性のある脳障害を含む多くの疾病を引き起こす危険があります。
伝統的に発酵させた熟成食品の消費を増やす
内臓疾患を減らすことは、精神的な健康に取り組むうえで必須であるため、腸内細菌叢の最適化は重要なことです。健康な腸内細菌叢を促すには漬物、キムチ、納豆、ケフィア等のプロバイオティクスをもっとよく食べるようにしてください。
適正量のビタミンB12を取る
ビタミンB12欠乏もうつに寄与するもので、4人に1人がこの欠乏症になっています。
ビタミンDレベルを最適化する
ビタミンDは気分のために極めて重要です。季節性感情障害は日光不足に関連する一種の抑うつ状態です。従って紫外線に当たりビタミンD濃度を最適化するのが最適です。ビタミンD濃度は(血液検査で)少なくとも年に1~2回はチェックするようにしてください。ビタミンDレベル40~60 ng/mlを常時維持するようにしてください。この濃度があれば臨床的にいって正常範囲です。
最適な濃度範囲になるほど十分に日光に当たれない場合は、ビタミンD3サプリメントを服用することをお勧めします。経口ビタミンDサプリメントを服用するならビタミンK2の摂取も増やすように注意してください。
高品質の動物性オメガ3脂肪を取りましょう
脳は60%が脂肪です。動物性オメガ3脂肪DHAはEPAとともに正常な脳の機能と精神衛生のために欠かせない要素です。しかし、たいていの人は食事からは十分に摂れない物なので、高品質のオメガ3脂肪のサプリを服用することを忘れなく。
塩分の摂取量を評価する
ナトリウム欠乏も抑うつ状態の症状とほぼ同じ多くの症状を発生させます。しかし工業塩(よくある食卓塩)は避けてください。80種類を超す微量栄養素を含むヒマラヤ塩等純天然の未加工塩を使いましょう。
適切な毎日の体操
気分がよくなると有酸素容量もよくなるという強い相関性があることは研究でわかっています。心(マインド)と肉体は本当に連関していることは一般に理解されてきており、このために健全な肉体を維持することはまずうつ発症リスクを大幅に下げます。
運動するとGABAを生む新たなニューロンが増え、これが自然な落ち着きの誘因になります。運動はセロトニン、ドーパミン、ノレピネフリンの濃度も上げ、これがストレスの影響に対する緩衝材として機能します。
十分な睡眠
最適な食事と運動をしてもよく寝ていないとうつ状態になりやすいです。睡眠と抑うつ状態は密接に関連しているので、睡眠障害は抑うつ状態というラベルを張られる症状の複合体を実際に定義した言い方でもあります。
エネルギー心理学
感情開放テクニック(EFT)等のエネルギー心理テクニックは身体の反応を起こしている生体電気の短絡を副作用なく補正することで、不安を軽減するのにとても効果があります。
EFTは希望や喜びといった前向きな気持ちを大幅に増やし、否定的な心の状態を少なくすることを近年の研究が実証しました。EFTは何かが脅威かどうかを判断する際の脳の部位である偏桃体や海馬を特にターゲットとしているため、ストレスや不安といった気持ちの処理に特に強力なのです。
重篤な状態や複雑な問題があれば、EFTのトレーニングを受けてプロセスを通して指導できる有資格ヘルスケアプロに依頼すべきです。
ビタミンD不足による、うつ症状、痛み、炎症性腸疾患、乳ガン
うつがどのように脳に影響を与えるか
うつ病の理解が進めば、新しい希望が生まれます
食事内容の偏り、日光浴の不足および精神的な不足要素- 抑うつと不安を悪化させる3つの要因
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