深い睡眠は感情的回復力に欠かせない

不眠

早分かり -

  • ストレスは避けがたいですがこれにいかに対処するかによって後の健康の異常につながるか否かが決まります。ストレス反応は知覚した危険が過ぎ去った後は急に解消します
  • 深い睡眠を多くとれる人ほど回復力が大きいです。REM睡眠が感情的落ち込みに対するバッファーとなる一方、睡眠が乏しいと困難な状況を感情的外傷として体験するリスクが高くなります
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Dr. Mercolaより

乏しい健康や早死に寄与する要因のなかでもとりわけ、ストレスがよく見過ごされていますがこれが最も悪いです。

ストレス応答は攻撃者と闘うまたはこれから逃避することを可能にする命拾いさせてくれる生物的機能ですが、この「命拾い」反応は金銭的不安、公での発表の恐れ、気難しい上司、交通渋滞等によって発生するとはるかに悪影響を及ぼします。

日常的に体験するストレスを誘発するような状況が多く、ストレス応答をゼロにすることは困難です。

その結果終日腐食性のストレスホルモンで全身をマリネ漬けにしている可能性があり、このために肥ったり高血圧や心臓発作リスク増大等の問題を複合化させ重篤な帰結につながる場合があります。

感情的回復力でストレスの影響を軽減する

明白なことは、ストレスは人生において避けがたいものですすが、これにいかに対処するかによって後に健康の異常につながるかが決まります。

ストレス反応は知覚された危険が過ぎ去った後は急に解消します。この現象のことを科学用語では「回復力」といって、ストレスを感じる出来事が過ぎ去った後で正常な心身の状態に速く戻る能力をさします。

回復力のある人はストレスの肉体的合図に応じて微調整できる

人によっては生来他者より回復力が優れており、研究者らはその理由を長年熟考してきました。一つの仮説として、回復力に富む人ほど身体に耳をよく傾けています。

ある実験でエリート冒険運動家や特殊部隊兵士にフェースマスクを着けて研究者がボタンを押すと呼吸困難になるようにして、脳走査装置で計測しました。

パニックが増えつつあるのを示す身体から来る信号を密接に監視して肉体的応答を抑制する能力があることを発見しました。言い換えると、生物学的ストレス応答には鋭く気が付く一方ではこれに過剰に反応しないのです。後に同じテストを「普通の」人について実施し、被験者は最初に回復力の自己評価アンケートに記入しておいてもらいました。

高い回復力があると自己評価した人は前記の冒険運動家や特殊部隊兵士ととても似た脳の活性を示しました。低回復力だと自己評価した人はこの反面逆の反応を示しました。

REM睡眠と恐れ応答の関連性

一般的規則として約8時間静かに寝るとすると、そのうち2~3時間はREM睡眠すなわち最も深い眠りのフェーズで、この間身体は完全に弛緩します。この時期は夢を見る睡眠のフェーズとしても知られています。

この研究で行った恐れの条件づけ実験では参加者らに異なる色の照明が点いた部屋の写真を見せ、一部には指に電気ショックを与えました。

REM睡眠が多かった人ほど偏桃体(恐れの処理中枢)と前頭前野腹内側部及び海馬(両者は記憶中枢)の間に連関性が少なかったのです。その人たちは全体的にこの二つの野での活性が低下していました。この事実が示唆することは、深い眠りが少なかった人よりこの人たちの脳が恐れのパルスをさほど強く「有線接続」していなかったのです。

The Atlanticに掲載されているように「PTSDが睡眠妨害に関連していることは既知であり、過去の研究が睡眠阻害された人は動揺させるような画像を見せたとたんに偏桃体内部の活性が高くなっていました。ではREM睡眠が外傷的感情を処理しなくする理由は何でしょうか?"二三種類の仮説がこの現象を説明しようとして提案されたことがあります。

  • REM睡眠はノレピネフリンをこの物質の分泌箇所である青斑核からなくすことがわかっています。 ノレピネフリン(ノルアドレナリンとしても知られる)は精神的集中力と注意力に関与しており、脳と身体を行動に向けて準備します。これは気分をよくし痛みも軽減します。
  • ラトジャーズ大学の分子・行動神経科学研究所研究員のシラ・ラプキン氏(この研究の主任筆者)によると「一つ考えられることはこのために翌日を開始する前にこの物質をきれいに拭い去るというものです。REM睡眠が少ないとノレピネフリンの全体的濃度を下げる時間が少ないので、このため所与の刺激に対して翌日より反応しやすくするのです。」
  • ストレスホルモンはREM睡眠中は少なく、脳が記憶を活性化することができ — ときとしては夢というかたちをとる — ると同時に「感情的音調」の記憶を除去できます。つまりREM睡眠が多いと感情的記憶を呼び起こす出来事に対して反応度がさがります。

REM睡眠を増やす方法

睡眠に大きく影響するとても大切だがしばしば見過ごされている要因には以下のようなものへの夜間暴露が挙げられます:

電子的画面。就寝前遅くとも一時間かそれ以上前までに電子媒体の使用を避ける。こうした機器(テレビを含む)から出る青い光がメラトニン生産を阻害します。メラトニンは睡眠と覚醒の周期を調節するばかりではなく、強力な抗酸化物質でもあり、この量が減るとがんリスクが高まることは繰り返し実証されてきました。

大量の光。夜間光に当たると概日時計とメラトニン濃度に悪影響し、これらの要素が深い睡眠と翌日よく休んだという実感をどの程度感じるかのために機能しています。

LEDや蛍光灯は青い光のピークが赤や近赤外光で相殺されていないので特に問題が多いです。白熱球なら赤いや近赤外波長が多く青い波長がとても少ないので安全です。ろうそくの光や塩ランプは晩に使用するために最適です。

就寝したらたとえわずかな光(夜間光や目覚まし時計等の光など)でも睡眠の質と量ともに悪影響を与え、翌日の認知力にマイナスの影響を与えます。寝室は暗黒化シェードやアイマスクを使って可能な限り暗闇にしてください。

電磁場(EMF)(寝室の壁の中を走る電気配線)も細胞の交信やメラトニン分泌を阻害して睡眠に悪影響を与えます。EMFは酸化損傷を引き起こしてミトコンドリアを破損します。また、記憶力や学習能力に影響する神経的変性に関連しています。

マイクロ波放射(携帯電話、コードレス電話、WiFiモデム、ベービーモニター、スマートメーターその他諸々ある物から出ている)は細胞とDNAを損傷し、老化を早めます。

EMFは細胞膜内の電位開口型カルシウムチャネルを増幅するので不眠、不安、うつ状態、認知症等多くの神経精神的悪影響につながることはすでに判明しています。夜間はWiFiと携帯電話類をオフにしましょう。

睡眠を奪うEMFを寝室から削減するためのヒント

ベッドの下に電気コードを這わせない。ベッドから約1.8mの範囲にいかなるトランス(電源アダプター等)もプラグインしないこと。

もう一つ実に重要な手順が夜間にWiFiをオフにすることです。睡眠中はネットアクセスは不要ですから、たいていの人ができる簡単なことです。もっとよいことは、WiFiを止めて有線のみで家の中を配線することです。

目覚まし時計やその他の電気機器を頭からはるかに離すか、最適なのは寝室から出すことです。私の場合全くの暗闇の寝室で時刻がわかるようにするため、視力のない人のために設計された電池式の話す時計を買いました。

電気機器を寝室でも使用せざるをえない場合は、ベッドからできるだけ遠くに置いてください(少なくとも1m程度は離す)。携帯電話の電源アダプターや充電器はベッドから少なくとも約1.2m以上離し、コードレス電話ステーションやWiFiルーターは寝室から遠く離してしてください。携帯電話を寝室に置くなら機内モードにしましょう。約9m離してもオンにしておくと夜間ずっとマイクロ波放射を浴びます。

頭をシールド無しの電線が走る壁際、壁の向こうにや電気メーター、ブレーカー、テレビやステレオがある箇所の際にして寝ないようにしましょう。不幸なことに、米国では壁内配線を金属ダクトに設置する要求事項があるコミュニティーはまずありません。このダクトは防火対策になるばかりではなく、ほとんどの電場を解消します。

従って、壁の向こう側に何もエレクトロニクスがないとしても、ベッドの頭側では壁の中の配線から出る電場の放射に暴露されている可能性がとても高いです。いずれのケースでも方策として、寝室へのブレーカーを切るとかできれば寝室に隣接する他の部屋のも切ることです。

集中呼吸で改善できる回復力

集中呼吸方は感情面の回復力を強くするのによいもう一つの方法です。このテクニックでは体内のストレス信号や身体から来る合図に注意します。

エリート冒険運動家や特殊部隊兵士について実験を監督したカリフォルニア大学サンディエゴ校のローリー・ハースィー臨床精神学教授は、何も反応することなく静かに自分の呼吸に注意を向けることをアドバイスしています。

この練習をすると時がたつにつれ、「心配なときに呼吸を変えることが身につきますが、反応にはより気がとられなくなり、ストレスを感じる状況での反応を改善するのに役立ちます。」多くの呼吸テクニックが存在し、ほぼ全ては身体と連絡して心を静める効果があります。

一つ簡単な方法としては4-7-8呼吸運動というのがあります。これはDr.アンドルー・ウェイルが勧めているもので、「心を動揺させるようなことが起きたときに反応せずこれを行うこと」さらに「自分の中で緊張感があると感じたときならいつでも」行うとよいそうです。この運動の要は4、7、8を覚えておくことです。

直立して舌先を前歯の裏に当てます。呼吸中、これをキープします。4つ数える間に鼻から息を吸います。7つ数える間息を止めます。8つ数える間に息を吐く音を出して行います。

これで1回分の深呼吸です。呼吸のどの段階にどれだけの時間を費やすかに注目することは、あまり重要ではありませんが、その比率を正しく行うことが重要です。この運動はいつでもできるときに頻度を問わず行うことができますが、初めて行うときは最初の1か月は1ラウンド4回以上行わないように勧めます。その後は一度に8回行うように回数を増やしていきます。これに本気で取り組めばいかに速く簡単に集中させてくれリラックスできるかが心地よく実感できるでしょう。

エネルギー心理学でストレス征服

呼吸運動以外にも多くのストレス管理法があります。私の気に入っているもう一つの方法は、感情解放テクニック (EFT)です。これは日々のストレスへの身体の反応を初期化するのに役立つエネルギー心理学的方式で、重篤な健康への影響が出にくくします。

これは鍼と同様で、経路点という見えない経路に沿う体内の生命エネルギーの流れコンセプトに基づいています。EFTは指先でこの経路を軽くたたいて体にある異なるエネルギー経絡点を刺激します。

このようにして、体が精神的ストレスに反応する方法を再プログラムします。これらのストレス要因は、一般的には身体症状とつながっており、大勢の人の病気や症状が改善したり、なくなることがあります。重篤または定着してしまった感情的問題がある方の場合、実績豊かなEFTセラピストに診てもらうとよいです。これには重篤な問題を解決するために高度に洗練されたプロセスに及ぶ有意な方法が存在します。

その他のストレス管理法

規則的肉体活動

瞑想:仕事の休憩中にたとえ10分でも静かに座るとストレスや不安感情を軽くするのに役立ちます

よく心するトレーニング

ヨガ:規則的なヨガ練習による健康へのメリットにはとりわけストレス軽減、睡眠改善、免疫系強化、異常な食欲の軽減が挙げられます

社交

笑いと気楽さ

外で自然の中で過ごす

音楽や自然の音

楽しむ時間を予定に組み込む

アロマセラピー