Dr. Mercolaより
ノイズを色に結び付けて考えたことはないと思いますが、雑音には虹色のような変化に富んでます。テレビが放映終了したときのよく聞くホワイトノイズをはじめ水がほとばしるスプレーの音に似た高音のブルーノイズまで様々あります。
その中間の辺りにピンクノイズが位置しますが、これはせせらぎの音や森の中で葉を揺らす風の優しい音に似た音です。
ピンクノイズには音の周波数20~20,000 Hzまでが含まれ、これはちょうどホワイトノイズに似ていますが、低周波は高周波より大きく、より力強いです(対症的にホワイトノイズは全周波数帯域で同レベルです)。
しかし、ピンクノイズはオクターブ当たり同じ出力があり(低周波限界値の2倍の高周波限界値になる周波数帯域)、これがたいていの人に平坦なノイズに聞こえる理由です。
トレーニングされていない耳にはピンクノイズはホワイトノイズに似ていますが、前者は寝やすくさせ、脳を含む他の健康分野をよくするので特に有望なサウンドです。
Frontiers in Human Neuroscienceに掲載されたある研究が、ピンクノイズを聞くと睡眠と記憶力が60~84歳(低波長の睡眠すなわち深い睡眠が若者より少ない傾向がある人口)の間ではよくなる可能性がることを明らかにしました。低波長睡眠は記憶の定着とも関連します。
睡眠実験室で一晩寝る間に参加者らはピンクノイズを一晩中聞きながら寝て、その翌日はノイズなしで寝ました。注目すべてきことは、ピンクノイズを参加者らの低波長睡眠とのタイミングを合わせて間をおいて突然再生しました。
ピンクノイズは低波長睡眠を促しただけではなく、記憶力試験の結果もよくなりました。参加者らは睡眠中にピンクノイズを聞いた後の朝に記憶力テストで約3倍いい得点を得ました。
その研究の主任筆者であるDr. フィリス・ズィー氏(ノースウェスト大学フェインバーグ医学校神経学教授)がTime誌で「このノイズはとても心地よいです。一種のせせらぎの音に似ており、脳は音がしていることをわかる程度でも睡眠を邪魔するほどではない音です。」
睡眠はご自分のエネルギーレベルよりはるかに大きな影響を持っています。睡眠は体重を含むほぼすべての健康の領域に複雑に関わっています。遺伝的に肥満傾向のある人の場合睡眠に違いが出ます。
The American Journal of Clinical Nutritionに掲載されたある研究が一晩に7時間未満または9時間以上寝ている人が平均的には7~9時間寝ている人より体重が増えることを発見しました。
短時間しか寝ない人は標準的な睡眠をとる人より約2kg、長時間寝る人は約4kg体重が増加していました。
この関連性は食生活に関わりなく見られ、さらに、シフト勤務や昼寝がこのセグメントの人々の間では体重増加と関連してもいました。その研究の共著者で提携研究員でグラスゴーBHF心臓血管研究所のカルロス・セリス・モラーレス氏が説明しています:
「肥満になりやすい遺伝的リスクがある人は健康的な体重を維持するためにライフスタイルについて余計注意しなければなりません。睡眠が食生活や肉体活動以外にも考慮しなければならないもう一つの要因であることをデータが示しています。」
その研究では睡眠時間と体重の間の相関性は遺伝的に肥満になりにくい人の場合はそれほど高くありませんでしたが、他の研究は体重と睡眠の相関性を示していました。
例えば、一晩に5時間以下しか寝ない人の場合、内蔵脂肪(心臓病その他の慢性病につながる危険な脂肪)が32%増加しており、一晩に6~7時間は寝ている人の13%をはるかに上回り、さらに、毎晩8時間以上寝ている男女の増加率22%とも対照的でした。
睡眠が体重に影響する原因は様々あります。睡眠の欠如はまた、飢餓ホルモンのグレリンを増加させるとともに、脂肪調節ホルモンレプチンの濃度を低めます。結果として、飢えと食欲の増加が起こるので、過食と体重増加が容易に起こります。
さらに、Sleep誌に掲載されたある研究によると、夜遅く寝る人ほど健康な肥満ではない人でさえ体重が増えることがわかっています。
深夜のスナックもそのリスクをさらに高めます。実際に、就寝前少なくとも3時間前を過ぎたらものを食べないことは身体が脂肪を主な燃料として燃やすのでスマートでいられることから、私が常日ごろお勧めしていることの一つです。
Obesity誌に掲載されたある研究がさらに明らかにしています:朝型の人と夜型の人が好む食品の種類が異なり、夜型の人ほど不健康なものを食べる傾向があり、おそらく「体内生物時間に反して生活している結果ではないかとみられる。」
具体的に言うと夜型は平日に糖分が多く繊維質が少ないい朝食型の食品を朝型の人より選ぶ傾向がありました。夕刻以降は夜型ほど余計に糖分も摂る傾向がありました。
フィンランド国立健康福祉研究所のその研究の主執筆者であるミルッカ・マウコネン氏がTimes誌で説明する通り、「現代社会は朝型のほうにより向くような構造になっているので、自分が夜型か朝型かについて知っておくこと(自分にとって自然な寝る時間と起きている時間の把握)で全体的に健康的なライフスタイルを選ぶように注意を払うよう促されます。」
脳は睡眠量にも影響を受けており、寝すぎず寝足りず最適な「絶好調の」ゾーンが存在するようであることを研究がここでも示しています。
例えば9時間以上寝る習慣の人はこれより少ない人より10年以内に痴呆症になるリスクが6倍高いこともわかっています。
睡眠時間が長いと脳容積が縮小し、執行機能が乏しくなるので、長時間睡眠は早期神経委縮のマーカーとなりそうであるとその研究者らは判断しています。睡眠不足が過度になっても痴呆症につながっていました。
不眠症がある場合は精神病の予兆である可能性がある一方、睡眠の問題に対処すると精神衛生によいです。Epoch Timesにオックスフォード大学概日神経科学のラッセル・フォスター教授が説明しています:
「今日までに睡眠阻害と精神異常において重要な機能をしている多くの遺伝子が特定されてきた。精神病が睡眠や概日リズムを阻害していないならば、睡眠阻害が場合によっては精神病発症の直前に起きるようである。
睡眠の異常は精神病になる前の人では実際観察されてきた。例えば、睡眠阻害はうつ状態の前に通常起きていることは把握されている。さらに、双極性障害や児童の精神分裂病の「リスクがある」と特定された人は通常の場合病気であると臨床診断される前に睡眠の問題が起きている。」
例えば精神分裂の場合、患者の最大80%は不眠症などの睡眠障害に罹っていました。
別の研究では、不眠症が解消されたうつ病患者の87%は、うつ状態に大きな回復が見られ、8週間後には症状がなくなることが発見されました。
興味を引く点としては夜間に弱い光に晒されていると睡眠が妨害され、これもうつ状態につながっていました。この連関はホルモンのメラトニンの分泌によるものと考えられ、この分泌が夜間光に当たっていると妨害されます。
多くの研究がメラトニン濃度(および近接した光への暴露による)がうつ状態に関連するような気分と関連する症状を制御します。例えば、メラトニンと概日フェーズの不一致(自然な睡眠時間から「相がずれた」状態) に関するある研究は概日不調とうつ症状重度に正の相関性があることを発見しました。
睡眠の質をよくする対策は最適な健康に欠かせません。ピンクノイズ、落ち着かせる曲、自然のサウンド、ホワイトノイズやファンなどの気持ちを落ち着かせるノイズを寝室に流すことは、多くの人の睡眠がよくなる傾向がある一つの簡単なヒントです。
睡眠環境改善の基本に戻ることが重要です。私のリストのNo.1は何でしょうか。日没後は、LEDを含むブルーライトを浴びないことです。青色をブロックする眼鏡を着用することが、それを簡単に実現します。その他のヒント:
夕方からは、TVの視聴、パソコン、スマートフォン、タブレットの使用を止めます。就寝前の少なくとも1時間前には止めます。
明るい日光を必ず浴びるようする。松果体はメラトニンを生成するのですが、それは、日中の明るい日光を浴びた時間と夜間の完全な暗闇との対比をほぼ元にしています。1日中暗闇にいる場合は、違いが判らないため、メラトニン生成に適していません。
午前中に日光浴する。あなたの体内システムは明るい光でリセットされる必要があります。朝10~15分日を浴びれば、「その日が始まった」という強いメッセージが体内時計に送信され、後で弱い光信号で混乱する可能性が低くなります。
完全な暗闇または、可能な限りそれに近い中で眠る。ラジオ付き時計からのわずかな光でさえ眠りを妨げるため、夜はラジオ付き時計を何かでカバーするか、すべて部屋の外に出してください。電子機器はベッドから最低90cmは離してください。カーテンや遮光のシェードを使用して窓を覆うか就寝時アイマスクを着用します。
夜間起きたときに光源が必要な場合は、低ワット数の黄色、オレンジ色、または赤の電球を取り付けます。これらの帯域幅の光は、白や青の帯域幅の光と異なりメラトニン分泌を止めません。岩塩ランプは、この目的のために便利で、天然の無害キャンドルと同様です。
寝室の温度は21℃以下に保つ。多くの人が部屋(特に上階の寝室)を暖かくしすぎています。研究によると睡眠に最適な室温は15~20℃です。
就寝時間の90~120分前に熱い風呂に入る。これにより身体の中心部の温度が上昇し、風呂から出ると急激に低下するため、眠る準備ができたという信号を体に送ることになります。
大きな音がするアラーム時計は使わない。毎朝、揺り起こされるのは、とてもストレスを感じるでしょう。常に十分な睡眠を取っていれば自然に目が覚めるので、アラームを必要としないでしょう。
寝室内の電磁場(EMF)に注意。EMFは松果腺とメラトニンの生成を阻害し、他の負の生物学的影響ももたらします。
もし家の様々な場所のEMFを測定したい場合にはガウスメーターが必要でしょう。できればすべての電気を消すスイッチを寝室に付けましょう。時計が必要であれば、電池で動くものにします。
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