アスパルテーム:これまで数十年間の科学研究の蓄積により重篤な健康への害は明らか

アスパルテームの危険

早分かり -

  • 人工的に甘味をつけた甘い味の低カロリードリンクはこれよりカロリーが高いドリンクより大きな代謝応答の引き金になります。
  • 甘いが低カロリーのものを摂取すると、脳の喜びの経路が甘味で活性化しますが、カロリーが来ないのでこれが不活性化して元に戻りません
文字サイズ:

Dr. Mercolaより

ほとんどの人がダイエット製品を消費し始める理由は味が好きとか追加の栄養を摂りたいからではなく、そうすれば減量できるだろうと思うからです。

アスパルテームで甘味を付けた製品は今日に至るまで減量どころか体重増加にしか役立たない確率のほうが高いことをじゅうぶんに豊富な研究が実証済みであるにもかかわらず、「ダイエット」製品の大部分を占めています。テキサス大学サンアントニオキャンパスの健康科学センターの研究者による2011年の研究を取り上げましょう。

474人のダイエットソーダを飲む人々を約10年追跡した結果、この人たちのウェストサイズがダイエット品ではないソーダを飲んだ人より70%増えたことが判明しました。また、一日に2杯以上のダイエットソーダを飲んだ人はウェストサイズが500%増加しました。

ダイエットソーダを飲んだことがない人は研究の観察期間9年間で平均約2cm+だけウェストサイズが増えただけでしたが、ダイエットソーダを飲んでいた人は平均ほぼ8cm+も太ってしまいました。ダイエットソーダを全く飲まなかった人のほぼ4倍です。

たとえダイエットソーダをときどきしか飲まなかった人でさえ同期間中にウェストサイズがほぼ4.6cm+増えていました。アスパルテーム(世界で最も多く使用されている人工甘味料)と体重増加、肥満その他健康の問題は、いまだかつてなかった消費者に対する最大の詐欺行為とまで呼ぶ人々もいるほどです。

人工甘味料は代謝応答を破壊する

人工甘味料の問題の一つに、その甘味(たいてい砂糖の数百倍も甘い)が食糧から得られるエネルギー(つまりカロリー)の比較にならないほど少ないことです。

しかし、人間の身体はカロリーと甘味を関連付けるように出来ており、近年エール大学医学部で行われた研究が、人工的に甘いだけの食品や飲料を消費すると発生するずれ(カロリー不足と甘味の強さ)が新陳代謝を破壊することを証明しました。

その研究は人工的に甘味をつけた甘い低カロリードリンクがこれより高カロリーの飲み物より大きく代謝応答を引き起こすことを発見しました。身体は飲み物の甘さを頼りにその代謝方法を決めているのです。

甘味がカロリーと合致していれば、脳の報酬回路は適正に満足します。しかし甘味にこれに伴うだけのカロリーが入ってこないと脳は同じだけの満足させる信号を得ることができません。

この事実からダイエット食品や飲料がむしろ食欲や渇望を増大させること、さらに、糖尿病その他の代謝系の病いと関連している原因が説明されています。

何か甘い物を食べると通常の場合は脳がドーパミンを分泌し、脳の報償中枢を活性化します。食欲を調節するホルモンであるレプチンも分泌され、このため一定量のカロリーが取り込まれると脳に満腹感を伝えます。

ところが、甘くても低カロリーのものを何か摂取すると、脳の喜びの経路が甘味で活性化しますが、カロリーが来ないのでこれが不活性化しなくなります。

人工甘味料は身体を砂糖(カロリー)を摂取すると思うように騙しつつ、実際には砂糖が入ってこないために身体はさらに欲し続ける信号を出し、これが炭水化物の渇望につながるのです。

ダイエット製品でむしろ肥る

人工的に甘味をつけた製品は減量ないし現状維持を目指しているなら逆効果にしかならないことを実証した研究が増え続けています。

2017年にCanadian Medical Journalに掲載されたあるメタ分析が人工甘味料は体重管理に役立たないこと、むしろ体格指数(BMI)の増加と心臓代謝リスクにつながることを示しました。

2013年のある研究も同様に砂糖で甘味をつけた飲み物のように「人工的に甘味をつけた (ダイエット)飲料は肥満につながる」と結論しており、さらに:

「こうした砂糖の代替物質をよく消費する人は異常な体重増加、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、心臓血管病のリスクも高まるという証拠がますます増えている。

この研究論文は関連発見事実について検討し、甘いがカロリーゼロまたは低カロリー食品や飲料の消費がグルコースやエネルギーのホメオスタシスに本来なら寄与するはずの学習した応答に干渉するという仮説に関して考察する。

この干渉が原因となって、高濃度甘味料を頻繁に消費すると新陳代謝に異常をきたすという直観的にはわかりにくい影響がある。」

一週間に21回以上人工甘味料で甘くされた飲料を飲む人は、これほど飲まない人より体重過剰や肥満のリスクがほぼ二倍高まっています。

アスパルテームの消費は特に腹部を肥満にさせるリスクが高く、このため冠動脈性心疾患や心臓発作等心臓血管病の重篤なリスク要因であると見なされています。人工甘味料の消費による全体的健康リスクについて言うと、肥ることは単なる初端にすぎません。

人工甘味料には重篤な健康リスクがある

ダイエットソーダから砂糖フリーガム、子供向け薬剤や砂糖無しケチャップまで6,000以上の品目に含まれるアスパルテームによる健康リスクのごく一部を挙げると以下のものがあります:

がん

イタリアのがん学者Dr. モランド・ソフリッティ氏率いる研究はたとえ少用量であっても、動物にアスパルテームを与えたらがんが発生することを発見しました。

ソフリッティ氏は、尊敬を集める独立機関で非営利団体であるがん学・境科学欧州ラマッツィーニ基金の理事長です。この基金は35年以上がん予防に取り組んできました。

アスパルテームを与えたラットではアスパルテームを全く与えなかったラットより「異常に高い脳腫瘍発生率」も確認されています。また、US RTKが次のような記事を載せています:

「2012年にハーバード大学の研究者らはアスパルテーム摂取と男性の非ホヂキンリンパ腫と多発性骨髄腫及び男女ともに白血病のリスクが上がることと正に相関していることを報告していた。」

心臓病

閉経後の女性約60,000人が参加したある研究では、約10年追跡した結果、一日にたった2杯のダイエットドリンクを飲むだけで心臓病による早期死亡リスクが劇的に増加することが判明しました。

2017年に掲載されたCanadian Medical Association Journalのある研究も人工甘味料が心臓血管障害や高血圧と相関性があることを発見しており、その後2016年にもPhysiology & Behaviorの研究が人工甘味料と心臓代謝その他リスクとの関連性を「憂慮すべき」と判断しているのと合致します。

認知症と心臓発作

毎日ダイエットソーダを飲むと脳卒中や認知症リスクが3倍高くなります。人工的に甘味をつけた飲料を一週間に1~6回飲むと脳卒中リスクが2.6倍高くなります。

少々背景について説明しておくと、ダイエットソーダ等に見られるような液状アスパルテームの場合、分解されるとメチルアルコールすなわちメタノールにを発生しこれがホルムアルデヒドに変換されるので、ここがアスパルテームの問題の根っ子なのです。

ある研究では、ラットにアスパルテームを投与した24時間後でさ、脳内に酸化ストレスを誘発するメタノールが検出可能であったということです。動物実験では慢性的にメタノールと接触すると記憶喪失やアルツハイマー病につながることが判明しています。

ダイエットをゼロに切り替えますか?

ダイエットソーダが米国で販売される炭酸飲料の量にして25%を未だに締めているとはいっても、2005年以来この記事の執筆時点までに売上高は27%(8憶3400万ケースに匹敵)減少しました。

ダイエットコークの評判が悪くなり続けるほころびをごまかすためにコカ・コーラは人工的に甘味をつけたゼロカロリーCoca-Cola Plusを発売しましたが、これには日本では繊維質を添加した物が、イギリスではCoca-Cola砂糖ゼロ(元Coca-Cola Zero)というのが出回っています。

Coke Zeroとダイエットコークの違いは何でしょうか?両方とも2種類の人工甘味料(アスパルテームとアセサルフェームK)とほぼ同じ成分を含み、違いはただクエン酸(ダイエットコークのみに含まれる)とクエン酸ナトリウム(Coca-Cola砂糖0に含まれる)だけです。

端的に言うと、これらの商品はほぼ同一のもので、肥らせ肥満を促す製品に「ダイエット」と表示すると多額の法的責任を取らざるを得なくなるおそれがあるので、これをかわすために別表示にしたまでのことです。

コカ・コーラの言い訳に関しては、同社の報道担当者はまたもダイエットの主張を避けて通り、その代わり、「両方の製品とも砂糖を使用せずカロリーはありません。Coca-Cola砂糖0はCoca-Colaクラシック風に見え、そのような味がし、その一方ダイエットコークは味が軽くなるように別の風味料を添加してあります」という言い方をしていました。

サクラを使って「愚言の偽りを正し」たいスプレンダ

人工甘味料スプレンダ(スクラロースのブランド名)も「ゼロ」のトレンドに相乗りして、現在ではスプレンダ ゼロ甘味添加液を「飲み物がちょうどよくなるまで甘味をつけるカロリーゼロの手法」として売り込んでいます。

アスパルテーム同様、スプレンダもカロリー消費増加、マウスのがんリスク増大やインスリン応答破壊等懸念の多い健康への影響が確認されています。

後者の場合に、研究参加者がスプレンダで甘くした飲料を飲むと、インスリン濃度がグルコースチャレンジ試験前に水だけ飲んだ場合に比べ約20%上昇しました。

ある動物実験でも、スプレンダを12週間消費したラットの腸内細菌叢が大幅に変化しました。これには善玉菌がなすフローラの削減も観察されました。それに反して、Splenda Livingのブログにこうした重篤な健康リスクは一切取り上げられておらず、それどころか「愚言の偽りを正す」ために科学を応用しているとまで主張しています。

このブログにはSciBabe(サイベービー)ことイヴェット・デアントレモンという「長年来代替医療や似非科学運動を懐疑的に見てきた」という女性と手を組んでいます。

見かけは中立的な「スプレンダについて言われる愚言の偽りを正す」というブログ投稿ではこの女性がスプレンダで甘くしたコーヒードリンクを飲む写真を特集しています。その特集でこの女性がスプレンダの美徳を大言壮語し、約40kg+減量できたライフスタイルの変化に役立った様子を紹介しています。

しかし、いちばん下には小さすぎる字で免責条項が表示されます:「このブログ投稿はSplenda® ブランド甘味料との提携によります。」

人工甘味料を破棄するのに役立つ簡単な工夫

人工甘味料をたいていはダイエットソーダから日常的に消費する成人(子供の1/4さえこれに該当する)の方は、真実を把握することが重要です:多くの人工甘味料を消費すると、健康のリスクになります。ダイエットソーダその他の人工的に甘味をつけた商品に手を出したくなったら、その衝動を自然な自分のためになる代わりの物で抑えてください。

発酵野菜やレモンジュース、ライムジュースと水のブレンドなら甘い物への渇望を抑えるのに役立ちます。この方法があまり自分には訴えないという方は有機ブラックコーヒーを一杯試してみてください。オピオイド受容体と結合することができるあるオピオイドはこれらの受容体を占有するので他のオピオイドを放出する食物への依存症を阻害することができます。

感情的なレベルでの渇望に対処したほうがよいと私も思います。感情解放テクニック(EFT)の一種であるターボタッピングは特に甘味を求める渇望を解消するために適しており、ほぼ場所を問わず、いつでも渇望に襲われたときに行うことができます。