Dr. Mercolaより
物理療法のPh.D.ケリー・スターレット(ケリー Starrett)氏は「Deskbound: Standing Up to a Sitting World(デスクしがみつき:反座業世界で立ち上がれ)」の著者です。この本は真にそうだったのかと確信させてくれる著作で、私も自分の動作上の課題を解消するのに役立ちました。
座業の方はこの本で健康と全体的に健全な状態をさらによくすることができる役立つ案内役として真に金鉱を見つけたのと同じ価値を得られます。ケリーはCrossFit運動のリーダーの一人でジム内外での適正な身体の動きが大切なことについて強調します。
同氏の最初の著作「Becoming a Supple Leopard」(しなやかなヒョウになる)は増大する可能性を秘めている生体力学的不備について論じています。
その著作の中で、ケリーは「1時間の着座で寿命が2時間縮む」ことを実証したDr.ジェームズ・レビン(James Levine)の研究を引用して説明しています。比較のため、タバコを1本吸うごとに余命は11分ずつ短くなります
つまり座ったままでいると健康には喫煙よりはるかに有害である — きっとほとんどの人にとってショッキングで開眼的ではないでしょうか。
しかし、ケリーは座っていることを単に立っていることに置き換えることはできない、と注意します。身体はあらゆる動きをするように作られているので、単に立っているだけでは生理機能を最適化できません。正しく座る限りこれもメリットはあります。言い換えれば健康的な座り方があります。
床に座った姿勢から立ち上がる能力を見ることで早期死亡確率を予測できることを示し、その後有効性が検証済みの研究があります。両手をつくか膝をつかないと立てない場合、または何かにつかまらないと起き上がれないなら、体が弱くなっているか動作範囲が乏しくなっています。
有史以来人類は地面に座っていました。あぐらをかいて座ることが前提になっています。地面で作業することができるようにできているはずです。椅子ではなく床に座るかヨガボールに座りやすい環境を整備することで勤務時間は健康と全体的な健全な在り方をさらによくするために役立ちます。
「デスクにかじりつき」の読後、私は最適なヒップの外転欠如こそ私の外反母趾.の原因であったことに気が付きました。私自身過去50年間で2憶5千万歩は歩いたか走った計算になります。
私の場合はヒップの回転不足と多く歩く/走ることの組み合わせでした。基本原理として、動作のバランスがとれていないと時間がたつうちにある種の負傷に必ずつながる傾向があることです。
ヒップと脊柱はボディーのシャーシのような機能を果たしています。シャーシが歪曲していれば、脊柱は動作中に優先されるので、脊柱周囲の機能が低下することは自然の理です。姿勢を正すには、お尻をきゅっと引き締めてください。こうすると骨盤が背骨に対して適正な形状に再調整されます。
これだけでもヒップと肩の機能がよくなります。お尻を引き締めると、両脚の外側が締まるのを感じるはずで、両足は前へ引かれる感じがするはずです。このため大腿骨と骨盤の関係が補正され、骨盤が大腿骨の上で安定化し、背骨は骨盤の上で安定化します。
身体は神経生物学的力学系統です。多くの痛み、動作性の減退、体のこわばりは病理学的なものではありません。たいていの場合、こうした問題は動作の効率が悪いか不完全なために生じているだけです。身体の力学的機能を改善する1つの方法としては背筋をまっすく伸ばして座ることが挙げられます。
身体の力学的機能が効率的なときは身体が補償すべき量が減り、すなわちこわばりや痛みが減ります。例えば、歩くときに足を外へ回すようなら、ひとつにはふくらはぎが正しく機能していません。
一部の筋肉が短くなり、別の筋肉が伸びているため、そのうち足の甲を支持する筋肉構造の一部が仕事をせざるをえなくなります — これは不備のある足の自然な整列の欠如を身体が補償しようとしているためです。外股歩きは外反母趾がこの部分に余計な重みがかかるために起きます。
ケリーが指摘しているように、身体の全組織はある程度の圧迫なら痛むはずがありません。脚、臀部の筋肉、背中、肩にフォームローラーを使ったときに痛むなら、身体に不自然な凝りがあります。
この凝りを解消するには、フォームローラーに寄り掛かりながら筋肉を約5秒縮め、そして弛緩させます。痛む部位の組織がほぐれはじめ痛みが減るまで、この収縮と弛緩を反復します。
軟組織に仕事をさせると副交感神経が大いに応答します。このため交感神経による闘争か逃避のモードが解消され、身体は回復モードへ落ち着き始めます。
本質的にはフォームローラーの上で軟組織への作用を10~15分行うマッサージから得られるリラックス反応を刺激できます。
プロに見てもらいながら運動するのが最適ですが、ケリーの説明では2週間に一回マッサージを受けるより、自分なりに日常的に行うほうが効果的だそうです。マッサージに通う間の13日に何が起きているかを考えてみましょう。毎日フォームローラーに乗って数分でも軟組織運動をしたほうがよりよく持続的効果が得られます。
子供にとって動くことは特に重要であり、ケリーは地元の各学校に座業デスクからスタンドデスクへ切り替えさせるよう懸命に取り組んでいます。
同氏のご令嬢が世界初のカリフォルニア州サンラファエル市ヴァレシト地区にある立ち続けさせ/動き続ける学校に入学しました。現在同校の全生徒は各自の身長に合わせられる立ち上がりデスクを使用しています。デスクには前後にスイングする「そわそわ動く棒」も取り付けられており、子供たちは常に動き続けられるようになっています。
ケリーのイニチアチブ「スタンドアップキッズ」は多くの企業と提携し、約30,000人の子供たちに学校でもっと動く機会を提供しています。
カリフォルニア大学バークレー校と地元の郡の公衆衛生局と提携してさらに研究を深めようとしました。子供たちを慢性的機能障害から救う望みがあるなら、全国的に山火事のように広がる必要があるほど重要なことです。
「問題はこうしたトップダウン方式の健康イニシアチブアプローチではお役所的で困難すぎることです。これでは間違ったアプローチです。究極的にはボトムアップイニシアチブを支援できるような体制を州、連邦政府が採用することを期待します。結局のところ、自分の娘の教室を自分たちで開始することが必要であることに気づきました。
私たちは3年前に自分たちの原則を貫くことを最初に始めた、それは最初に小さいパイロット教室を行ってみた後、二三の教室に増やしたのですが、私たちこそ前例を作る必要があることが肝心なのです。 妻は弁護士で最高裁に提出する申立書を作成しておいたので、すぐに私たちの原則は実り『その通り、全くもっとその通りだ。これなら完璧に意義あり』といった感じのものでした。異論はありませんでした。むしろ現在の必要性に応じた十分な資金調達をすることができないことのほうが最大の課題でした。
フィンランドでは、子供たちのための推奨として、毎日3時間運動しさらに日光に当たり、その他すべての必要なことを行わせることであると論じた研究を実施しました。そこでは欠如している部分が突かれています。大部分の学校には体育の授業がありません。従って、私たちはこうした全くもって誤りでしかないことを行っているのです。このアイデアにご興味があれば、子供の先生に話し、さらにStandUpKids.orgを利用すると、単一の教室を変えることについての対話を開始するためのテンプレートやリソースがあります。」
注意欠陥多動障害(ADHD)の子供たちは動くことなく学習できないこともデータが示しています。こうした子供たちは常に動いている必要があります。立って学ぶ教室ならこうした子供たちは以前には認められなかった方法で優秀な成績を上げることができるようになるでしょう。
最初のうちは座業が当たり前だったので終日立ち作業は想像することさえ理にかなっていないと思うでしょう。最初は1日20分まで立つことから始めてみてください。これを一週間継続します。翌週からは40分に増やします。
三週目に一時間に伸ばします。立つことによって荷重や必要性に変化があるのでこれに慣れる時間を身体に与えます。毎日最後に10~15分フォームローラーの上で軟組織運動をして凝っている点があれば解します。
私は移動中でない限り1日に30分未満しか座りませんが、ケリーが説明する通りで、さらに好ましい方法は異なる姿勢で床に座ると、身体の柔軟性や動作範囲が広がります。
ケリーの著作にはこの移行を行う方法を説明している章があります。また、高価な立ち上がりデスクがない限り立って仕事はできないという観念にとらわれないでください。私は立ち上がりデスクを自分の従業員全員のために購入し、実際に優れる調節式の電動スタンドアップデスクを(米国では)約10万円そこそこでみつけられます。これでも無理という方や会社がそんなことはしたくない場合、費用効果的に工夫できます。
箱だけあればできます。私は旅行するときくずかごを持っていきます。これを単にデスクの上で逆さまに立ててそこにノートブックを置いて仕事します。これでよさそうですが、こうすれば経営者は真剣に投資を検討するのが当然と思うようになるでしょう。
「経営者に理解してほしいことは、最も危険な職業はオフィス労働であることが研究で実証されていることです。油井や建設現場の労働者よりオフィス労働者のほうがより多く筋肉や骨格の障害を訴えます。
喫煙者は離席して表に出るまで10分歩き、また歩いて戻ってくるので、吸わない人より健康だったことがわかった実に面白い研究さえあります。喫煙者ほど余計休憩をとり、タバコを吸っていても実際にはより多く動いているのです。ここで究極的に言えることは生活の質を実際によくする事が可能な簡単な介入手段はあることです。
経営者の方なら、テキサスA&M大学のマーク・ベンデン博士が6か月の介入によって会社は4000万ドル利潤を上げたことを示す研究を参照してほしいです。その介入とは従業員が立って仕事する場を作ったことでした。立っていると誰でも若干生産性が上がるようです。お金を儲けるためにこのことを実施したいなら、お金に主眼を置いて行えばよいのです。
ヘルスケアのためにこのことを行うつもりなら、私は多くの人事部長に話し、筋肉や骨格の問題、背中の痛み対策により多く出費していることを言いました。経営者として行うべきこととは、仕事していただく従業員を人間として扱うこと、つまりより動ける環境を整備することです。」
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