Dr. Mercolaより
睡眠不足は多くの健康の問題に結びついていることそしてよく発生していることが科学的に実証されています。
数百件の睡眠研究を検討した結果、一般論としては、たいていの成人は健康を維持するには7~9時間の睡眠 - 8時間前後がよい - が必要なことが判明しています。
身体、実際にどの器官や個々の細胞レベルまで、生物「時計」があり、これがメタボリズムから心理機能までを調節しています。遺伝子の半数も概日制御下にあり、周期的な波動でオン/オフしていることもわかっています。
これらすべての身体時計は脳内にある中枢概日時計と同期していて、 脳内の時計は日の出日没に同期しています。但し、夜間の人工照明に当たったり日中の日光が不十分なために混乱していないことが条件です。
睡眠が長期的に足りなくなると — 概日時計を狂わす確実な道 — 慢性的な健康の問題が多く発生します。
業務上事故や交通事故
6時間に満たない睡眠をとっていると認知力が障害を受けます。眠気に襲われた運転手が交通事故を起こして致死事故を起こすまたは負傷させます。一晩に4~6時間しか寝ないだけでも翌日明瞭に思考できなくなります。
体重増加
一晩に7時間未満しか寝ないと、食欲を増すホルモン濃度が増えて肥るリスクが高くなります。
糖尿病
2015年のある研究は「日中の異常な眠気」が2型糖尿病リスクが56%高まっていることと関連していることを発見しました。
抑うつ
抑うつ状態と診断された人の過半数は不眠症にもなっています。長い間不眠症が鬱病の症状であると考えられていましたが、今や一部の症例では不眠症のほうが鬱病より先に来るようです。一晩中繰り返し睡眠が遮断される睡眠中無呼吸の人の約70%も抑うつ状態の傾向があります。
記憶形成障害と記憶喪失リスク増大
睡眠は長期的記憶に出来事を定着させるためだけではなく、生きている意味のためにも必須のことです。睡眠中に脳は回復して、意味を抽出し、重要ではない詳細を破棄します。実際に、睡眠は寝なかったらあいまいなままであったはずの深く理解する能力を250%程度まで増加させます。
睡眠中に脳の一部は新たな記憶を定着させ、増進して統合するのに多忙なわけです。また、規則も抽出しており、生活の中でも出来事の「核心」も抽出しています。仕事上の能率低下や学業不振は睡眠不足と関連する副作用です。創造力も劣化します。
性的機能障害
慢性病
睡眠遮断は免疫機能を減退させ、これが雪だるま効果を伴って、数例上げるだけでも心臓血管病、アルツハイマー病、がんといったリスクを高めます。がんの場合、これに係るもう一つの重要なメカニズムがメラトニン生産の阻害です。メラトニンは抗酸化活性と抗がん活性を持つホルモンです。
このホルモンはがん細胞の転移を阻害し、がん細胞のアポプトーシス(自己破壊)を促します。メラトニンは腫瘍が急激に成長(血管新生)するために必要な新しい血液供給も妨害します。多くの研究が夜間シフト勤務者のがんリスクがこのため高くなっていることを明らかにしました。
日中の眠気は睡眠不足の表れですが、ときどきは睡眠遮断の兆候はそう多く出ません。
シカゴ大学心理学名誉教授で睡眠研究の著名なパイオニアである故ナサニエル・クレイトマン博士は睡眠不足を判定するための「睡眠開始遅延テスト」を開発しました。その仕組みはこうです:
1. 午後早い時間帯にスプーンをつかみ、暗めの寝室へ行き、ひと眠りします。ベッド横の床に金属製のお盆を置き、寝付こうとしながらそのスプーンをお盆の真上になるように持っています。横になるとき時刻も確認することをお忘れなく。
(スプーンと金属製のお盆がすぐになければ、このテストは15分の目覚ましタイマーをセットして鳴る前に寝付くかどうかを見ることでもわかります。)
2. 寝付くとスプーンがお盆に落ちます。音で目が覚めたらすぐに時刻を確認し、どれだけ時間が経過したかをメモします。
◦ 5分以内に寝付いた場合、かなりの睡眠不足です。
◦ 10分で寝付いた場合は、まだもっとよく寝たほうが良いです。
◦ 寝付くまで15分またはそれ以上かかった場合、おそらくよく休眠できています。
睡眠の問題は多くの要因によって起きたり悪化しますが、特に重要な要因は - 主に見過ごされがちなことが原因で - 睡眠中の姿勢、光公害、電磁場(EMF)への暴露です。
上のビデオで、カイロプラクターである運動生理学者のDr.ピーター・マルトーン氏が睡眠中の中立的姿勢のメリットについて説明しています。
体を横にしたり腹ばいで寝ており、寝相が悪いまたは痛くて目が覚める場合、寝る姿勢が主な原因です。マルトーン氏の説明によると、健康的な睡眠のためには仰向けで寝て、首と脊柱が中立的姿勢であることが最適だそうです。
この姿勢をとるためのカギは枕を首の下に、頭の下ではなく、入れておくと正しい脊柱の曲線を維持できます。ビデオの中で頭を単に枕に乗せるのではなく、首をいかに枕で支えるかについて実演をご覧いただけます。
仰向けで寝る習慣がない人は、この姿勢になるまで時間がかかると思います。焦らず、十分に期間を取って調整してください。最初は仰向けでは数分しかいられないと思います。この姿勢を始めた頃は痛みが余計に感じることもあるでしょう。
ピーターが私に教えてくれて以来この姿勢は私の優先している寝る姿勢になりました。また、私の場合、口で呼吸しないように床に就く前に紙テープで口を閉じます。口での呼吸はしないほうがよく、するなと言われても寝ていて無意識のときは難しいことです。
マルトーン氏の経験では、横寝姿勢から仰向け姿勢の睡眠になるまで平均して3~4か月かかるそうで、腹ばいの習慣の方ではさらに長期を要するそうです。
睡眠の質と健康に重大な影響を及ぼすもう一つの要因は配線や電子機器から出ているEMFです。晒されている時間にかかわらず、夜間は特に問題が多いです:
室内配線からくる電場への暴露を夜間になくすか急激に制限するための最も容易な方法として、寝る前には寝室への回路ブレーカーを落とすことです。私の場合は、電気工事士に依頼してブレーカーをリモートコントロール操作できるようにしています。
こうすると隣室の配線が生きていない限り、寝室からほぼ電場がなくなります。隣室の配線があれば電源を落としてからテスターで電場の強さを測って最低レベルになるのを確認する必要があります。
建物の規則上電気配線はダクトを通す仕様であれば、幸運です。これなら電場や電磁場を解消するには電気機器や照明を全てオフにするだけで済むからです。
もう一つ実に重要な手順が夜間にWiFiをオフにすることです。自宅をすべて有線にして、常時WiFiがないようようするのが最適ですが、多くの人はこれを行う気が進まないか行うことができません。隣人が常時WiFiを使っているのでそれをしても違いはないという正当化は止めましょう。
自宅の中のWiFiは屋外から来るものより危険であることを認識してください。これを測るためのテスターがあるのでそれでマイクロ波を計測して自分の暴露されている線量を確認することができます。
睡眠こそ最適な健康のための基礎的柱の1つです。これを犠牲にすると精神的、情緒的、肉体的健常状態に大きなリスクを及ぼします。じゅうぶんな質のよい睡眠をとれていない場合、基本に立ち戻って対策を開始すべきです:
• 早く就寝する。
• 朝や正午前後の明るい日差しに当たり、メインの体内時計を「セット」して、日没後はこれと同じ理由で青系の光に当たらないことです。青系光を阻止する眼鏡が照明や画面から来る青い光から保護します。
• 暗闇で寝ること(ダークシェードを使うかアイマスクを着ける)研究によるとたとえ弱い光でも当たると翌日の認知力に影響しているそうです。
• 自分に最適な寝る気温を見つける。睡眠中の最適気温は15~20℃と、多くの人が思うより涼しいことを研究が示しています。これより高くても低くても落ち着いて寝れなくなるそうです。
裸で寝るという極簡単なことでエアコンの温度を下げなくても効果があります。裸で寝る実証ずみのメリットの1つが睡眠の質の改善です。これは部分的に過熱を予防することによって実現します。
ある研究が皮膚の表面温度差が0.4℃下がるだけで睡眠がより安定することを示しました。裸で寝るとメタボリズムや血行の改善を含む他の健康への効能がいくつもあることも研究からわかっています。
• 寝室を電磁場無しのゾーンにして夜間の脳デトックスを最適化し、ミトコンドリアの健康を保護しましょう。
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