外反母趾: 外反母趾、その原因、症状、治療

外反母趾

早分かり -

  • 外反母趾は足の痛みと解剖学的構造上の変化を来す異常です
  • 柔軟性や強化運動を含む予防措置を利用すると外反母趾の進行を遅めるか止めることができ、それにより根本の問題を治せない手術を避けることができます
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Dr. Mercolaより

足こそ、動き、歩き、走り、跳ね、立つ能力の基盤です。片足と足首毎に29個の異なる骨があり、ここだけで身体の骨の25%を占めます。

正しい形と姿勢で歩き走らないと筋肉が硬直し、足関節の形状と機能が変性します。かかとのないサンダル、きつめの靴、ハイヒールが足の構造を変え始め痛みや変形につながります。

簡単な体操と正しい履物で外反母趾の潜在的発生を阻止するために大きく役立ちます。50歳までにはたいていの人は120701km程度は歩いた勘定になります。多くの人があれほど不快感や痛みを感じるのも無理ありません。

外反母趾とは何か?

外反母趾は解剖学的な変形でおそらく生来の構造欠陥か足の機能がよくなかったり筋肉構造が硬いことから始まっているようです。締め付けられた筋肉や腱のために足関節に強力な力が加わります。

こうした力によりしばしば変形するのが足の親指と足を結ぶ関節です。ここに外反母趾が通常は起きます。こうした変形はこれと反対側つまり足の小指と足の長い骨の間の関節にも起きることがあります。

このでっぱりの上では皮膚も分厚くなる場合があります。この部位は腫れて炎症を起こし、骨の変化による痛みや不快感を感じるわけです。

外反母趾が足の親指と第一中足骨(長い足の骨)の間に発生すると、足関節全体に体重が分散され方がアンバランスになります。

このため変形と不快感がますますひどくなります。小指と第五中足骨の間に出来た外反母趾のことを内反小趾と呼びます。

外反母趾はいかに出来るか

ほとんどの外反母趾は成人になってからできますが、外反母趾は思春期の少年少女でも発生することがあります。少年少女の場合10~15歳の女子によく発生します。女性は外反母趾や内反小趾ができるリスクが男性より高いです。

外反母趾のリスクを高める要因がいくつかあります。これらの要因のうち一部については自分で管理できますが、その他は骨格機能や骨の発達の機能によるものです。

ハイヒール

フラットシューズ

関節炎、特に関節リウマチ

足の負傷

生まれる前足が正常に発達しなかった

関節を不安定化する体重の荷重アンバランス

硬い筋肉や腱

遺伝的な足の形状

こうした要因それぞれが原因で足の位置が不自然になります。悪い位置にある足に常に体重がかかったりこうした足を日常的に使用することで、筋肉が柔軟性を失っていきます。柔軟性が乏しくなるにつれ外反母趾による変形リスクを高めます。

外反母趾の症状

症状が出る前に通常は足に変化があるのが見えます。親指のすぐ下、または内反小趾なら小指のすぐ下の外側にこぶができ始めます。外反母趾が大きくなるにつれ以下のようなその他の症状も出てくることがあります:

外反母趾が履物に触る箇所の皮膚の痛み

骨のある部分の痛みやヒリヒリ感

外反母趾周囲の痺れ

焼けつくような感じ

特に立っていた後に、外反母趾ができる場所の関節が腫れる

その出来ていく指の付け根の上の皮膚が分厚くなる

靴と擦れるためもっと深い所の関節炎が原因の皮膚の赤み

体重の配分が異常になるので反対の親指に新たな魚の目やたこができる

損傷した関節の動きが制約される

こうした症状は葛藤を感じさせ、痛みがあり、快適に履ける履物の種類が制約されていきます。治療も注意もしないでいると、外反母趾が多くなって幅広の靴さえ当たるようになり変形が収まらなくなっていきます。

どんな外反母趾の治療オプションがあるでしょうか?

いつかの処置方法があります。私個人的には手術は最後の最後の救いとして残しておくべきだとおもいます。手術で解剖学的構造を変えられますが、そもそも外反母趾が起きた根本原因には対処できません。

私には数年来処置してきた外反母趾があります。治療のために痛みや不快感は減りましたし、足の変形も進行しなくなりました。

外反母趾は手術で矯正しない限り一生残ります。しかし、その他の侵撃性の程度が低い治療でも痛みや不快感等の症状が減り、進行を遅くするか止め、足と関節の柔軟性が改善することはできます。

7 外反母趾の自宅治療方法

炎症を減らし、足の柔軟性を増し、外反母趾に掛る応力を減らすために自宅で以下の方法をお試しください。

1. 圧迫を減らす

外反母趾への圧迫を減らすと痛みが薄くなります。外反母趾をモールスキンやジェル入りパッドで保護する。つま先にじゅうぶんな空間がとれる履物をはく。

店員が足を測定しきちんと合う靴を見つけてくれる店で買う。実際の靴のサイズが過去数年買ってきたのと違うことに驚く場合もあるでしょう。

2. 循環の改善

気泡風呂、温かい靴下、熱いパック、超音波、マッサージは部位への循環をよくし、炎症を減らして治癒を早める効果があります。

3. 炎症を減らす

氷、クルクミンやウコンが外反母趾の炎症性反応や痛みを減らすのに役立つでしょう。

4. 柔軟性を増す

外反母趾になった方は変形した親指が反対の親指と同じように柔軟ではないのに気づくでしょう。親指は数度しか動かせないほど柔軟性がなくなっている場合があります。こうした硬直性が外反母趾をさらに大きくする要因です。

外反母趾のある親指だけ処置したいと思うかもしれませんが、足全体の処置をするのと同じ効果を得ることができません。これはドミノ効果に似ています。両足に自重を掛け方が膝、ヒップ、背中下部の機能に影響します。

足の親指が足の残りの部分の機能のしかたに影響します。一つの範囲に支障が生じるとその周りに影響します。下のビデオで足の柔軟性をよくするために自宅でできる正しいストレッチをご覧いただきます。

(英語版のみ)

5. 筋肉の強化

柔軟性は重要であり、強い筋肉も同様に大切です。足こそ日常活動と運動の成果の基盤です。日常の足運動に柔軟性改善を混ぜて足の機能態様を高めて外反母趾の進行を抑えてください。

足の筋肉の強さにアンバランスがあると正しい歩き方や走る形が悪くなり、足の動きが完全な範囲でできなくなってきます。これら両方の要因とも足のケガや外反母趾リスクを高めます。足の筋肉を強くするには:

足のアーチを鍛えるには洗濯物やビー玉を足指でつまみ上げます。

足首を鍛えるには親指で空中に文字を描きます。

片足で(何にも掴まらずに)10~20秒立つ。バランスを取るようにすると足全体を強くし、全体的な平衡感覚がよくなります。

足の下でテニスボールやフォームローラーを転がして足底筋膜をストレッチします。これは足の指の付け根の膨らんだ場所から踵まで伸びる丈夫な腱です。

裸足のままでつま先立ちするとふくらはぎや足を鍛えられます。

親指から小指ま順に足指を上げ、次に逆順に元に降ろしていきます。

裸足のままで踵に体重をかけ、両足の指をできる限り開きます。これをバランスを取りつつ行います。

6. スプリント

夜間用スプリントを着用するのも親指周囲の筋肉を伸ばして柔軟性をよくするのに役立つもう一つの方法です。指が正しい位置にとどまるので筋肉が柔軟になり、足の長い骨が不ぞろいから解放されます。

研究の参加者が夜間スプリントと日中は指セパレータ付き装具を装填した靴を着用したところ、統計的に有意な痛みの軽減が見られました。この特定の研究は足の構造的変化には着目せず、3か月の治療後の結果のみを評価したものです。

外反母趾は大きくなるのに長年かかり、変形した骨を正常に戻すのにもそれだけ長くかかります。

7. 健康な体重の維持。

これで足から圧迫が減り、その結果外反母趾も圧迫から軽減されます。

装具は本当に役立つのでしょうか?

装具は足への体重の掛かり方を変えるように設計されたインソール式の装具です。装具は市販でも買えますが、足治療医師が足に合わせて成形することもできます。装具は人気があり多くの運動選手も使用しますが、役立っているかについては専門家の考えは一致していません。

その基本的機能は足をより正しい位置にして、損傷した部位から応力を逃すことです。しかし、足の筋肉を常時楽にしておくと筋肉が弱くなり、柔軟性を失っていきます。

装具は回内速度を下げ、足の着地力を広範囲に分散させることで、足の一か所にかかる応力を減らします。怪我が治るまで短期的には有用ですが、長期的に使用するものではありません。

正しい履物を選ぶ

履物が足の健康に直接影響します。踵の無いサンダルがいちばんという方でもそろそろ考え直すときです。こうした履物では足指が掴む動作が多くなり、弛緩状態での指への慢性的緊張が残ることとなり、結局バランスが悪くなっていくことさえあります。

足に合う絶対よい履物は結局何も履かないことになるでしょう。靴メーカーが歩き方の悪さであると解釈するようなことを補正するためのパッドやリフトで足を囲むと、足は不自然な姿勢になり、足と全身にアンバランスが生じます。

このため、足の筋肉を正しく使えなくなり、本来あるべき強度と柔軟性の度合いが変わります。

当然、裸足では懸念があります。仕事に裸足で行ったり、鋭い石やその他の残骸等があるので何も履かずに外出するわけにはいかないでしょう。しかし正しくする限り、履物の無い時間を楽しむことができ、その結果、足を強化でき外反母趾のリスクが減ります。

「しのび足姿勢歩き」運動で自宅にいるときはほぼ履物なしで過ごすとよいです。靴では踵から地面に着くことが促されますが、しのび足の姿勢でつま先歩きすると関節、膝、ヒップ、背中下部のためには楽なのです。膝を曲げたまま、足の裏の先の方から床に着地し、次に踵の方へと着けていきます。

膝を曲げたままで、突然止まったり、伸ばしたりせずに行ってください。これはほぼ音が立たず、靴を履く前に子供の歩き方に似ています。

糖尿病の方はだんだん感覚が鈍くなっていき、足の痛みを感じにくくなっていくので、自宅でも足を保護せず歩かないようがよいです。転がっていた鉛筆や鋭い物を踏めば気づかぬうちに足の裏で踏み抜いていて、感染リスクが高まります。

外反母趾の予防はできる

外反母趾になってから矯正するより予防するほうがはるかに容易です。足の筋肉の強さと柔軟性に注意してください。6つに割れた腹筋は夏の水着のためにお望みの見栄えを付加するものになるのかもしれませんが、こうした状態だと背痛を軽減したり内蔵を保護するのにも重要な役割を果たしています。

同じことは足の筋肉にもいえます。筋肉のストレッチと強化で足の見栄えが悪くなるのを防止できます。お勧めしたストレッチや強化運動を持続し、きつめの靴やハイヒールを避け、自宅ではできる限り裸足でいてください。