ハーバードも有機を食べるよう推奨

有機食品を食べる

早分かり -

  • 最近、欧州議会が有機食品と有機農法が、通常作物に農薬を使用する従来式栽培による食品より優れるメリットがあることをまとめたある報告書をまとめました
  • 従来式農法では共通して高い生産量を求めて食品に農薬を使用してきましたが、その報告書は農薬が人間に有害であり、特に子供の脳を損傷することを明らかにしました
  • 農薬を使用している場所にいる農業従事者や近隣住民はその使用中と収穫期に最大のリスクに晒されるが、過剰噴霧が衣服に着き、これを自宅に持ち帰ることになるので労働者の家庭に危険であることを研究が示しています
  • 最も農薬の負荷が高い食品である「汚染されたトップ12」の有機バージョンをピックアップすると、リンゴ、キュウリ、桃、セロリーが挙げられますが、一方では最も安全で汚染度が低い果物や野菜の「きれいなトップ15」のリストもあります
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Dr. Mercolaより

空気、水、住居に加え人間の基本的ニーズの第4が食品です。何世紀にもわたり、最大の課題は十分な食品を獲得すること、健康維持のために食品から必須栄養素を得ることでした。

今日、世界は一世紀前には予測がつかなかったほどの困難な食糧問題に直面しています。人間の消費用作物が容易に生産されるべきほどには最適な健康を期して生産されていないという事実がその原因です。農薬」という用語には殺虫剤、抗菌剤、除草剤、殺鼠剤が含まれます。

最近、有機食品と有機農法の健康への可能な有意性について、欧州議会がハーバード大学のT.H.チャン公衆衛生学部に委託して可能なメリットをある報告書にまとめさせた際に、数カ国の専門家が検討を委託されました。

研究者らは試験管内実験と動物実験、疫学的研究、食糧作物の分析を利用して、従来式に栽培された食品に関する最大の切迫した懸念が、洗っても残留が検出される農薬の使用であることを特定しました。比較のため、有機食品は概して農薬が着いていません。

作物の残留農薬は安全でしょうか?

欧州連合(EU)でも米国でも当局は作物に使用されている農薬さらにその量までも完全に安全であると言い切りますが、限界値は動物実験によるもので、一回に一種類の農薬のみを精査するだけで、数種類の農薬の累積量については精査していません。その報告書が主張する問題の原因は次の事実です:

「人間の脳はラットの脳よりはるかに複雑であり、人間の脳の発達は起きるべき時にしかも正しい順序で起きなければならない多くのプロセスがあるので、はるかに影響を受けやすいことで、すなわち戻ってやり直すことはできないということである。」

その後に続いた報告書も家畜に投与される抗生物質の危険性について着目し、次の結論に至っています:

「従来式家畜飼育に一般的に普及した抗生物質が抗生物質耐性の主な促進要因である。有機的生産の実務に見られるような動物の疾患予防と抗生物質の使用制限を今より厳しくすることで、こうしたリスクを軽減できそうであり、潜在的には公衆衛生のために相当の便益がある。」

3件の研究が以下のように確認しています:「農薬が子供の脳を損傷している」

米国で実施された3件の長期的な出生コーホート研究の結論は、農薬が子供の脳に取り返しのつかない害を生んでいるというものでした。

尿試料から妊娠中の農薬暴露が子供のIQ低下、神経的行動学的発達の異常、注意欠陥多動性障害(ADHD)につながっていることが判明しました。

核磁気共鳴画像処理でも脳の構造の変性を明らかに示しています。実際に母親が有機リン化合物(第二次世界大戦中に神経ガスとして開発されたのが起源の農薬)への暴露が多いほど生まれる子供の灰白質が薄くなる傾向があります。

農薬が発達中の脳に及ぼす有害な影響について証拠に不備があるという科学者もいますが、その報告書から一つのことは判明しています:妊婦や授乳期の女性または妊娠予定の人は、「農薬が子供の健康に大きなしかもおそらく取り返しがつかない悪影響を及ぼすので、予防措置として有機食品を食べるほうが賢い。」

従来式農法では抗生物質耐性を生じさせ農業従事者に有害

その報告書が明らかにしたことはそれがすべてではありませんでした。家畜には懸念すべき抗生物質の使用が「極度に普及し」ています。この方法だとバクテリアが抗生物質耐性を得ていくことになるからです。

この事実がそれほどの公衆衛生への脅威になる1つの理由はこの耐性が動物から人間へ広がるからです。有機農場では抗生物質の使用は制限されています。

動物がより広いスペースで自然な条件の中を動き回ることができるので、感染リスクを下げ、病気を予防し、抗生物質耐性を軽減するように家畜を「放牧」することに主眼が置かれます。

農薬を播き、作物を収穫する農業従事者が農薬と接触する高いリスクを負っていることを多くの人が考慮しません。服に農薬が浸み込み、そのまま家族の元へ帰宅するわけです。

農薬を頻繁に使用する地域の住民も高いリスクに晒されています。

妊娠中の農業従事者は知らぬ間にお腹の中の子供を農薬と接触させており、農薬流出や関連事故に近接する男性農薬散布者は前立腺がんリスクが高まることと関連するDNA変成を被る確率が高いことをある研究が発見しました。

Beyond Pesticidesは有機農法が有毒な農薬に依存しないので、労働者、その家族、地域社会の健康への計量不可能な害悪が無くなると主張します。

何が「有機」を成しているのでしょうか?

Organic.orgでは次のように説明しています:

「端的に言うなら、有機産品その他有機成分は農薬、化学肥料、どぶのヘドロ、GMO(遺伝子操作組織)、イオン化性の放射線を使用せずに栽培される。肉、鶏肉、卵、乳製品の元である動物が抗生物質や成長ホルモンを投与されない。」

米国農務省(USDA)は有機農業が食品生産において再生可能資源を使用し土壌と水を保全することに重点を置いていると明言しています。産品が「有機」のラベルを取得できるには政府認可の認証機関が農業生産者がUSDAの有機規格に準拠していることを証明する必要があります。

有機食品を取り扱うか加工する会社もスーパーマーケットやレストランへ出荷する前に認証を受けなければなりません。但し、有機農地の中には雑草や害虫を除去するか少なくとも制限するために自然な農薬を時には使用すること、しかし違いを生むのは産品の生産地であることを知っておくのが重要です。

有機のラベルを貼られた農薬 も人間や環境に有害なので作物に使用する材料について注意することが必要です。

ベストとワースト産品の「汚染されたトップ12」と「きれいなトップ15」

どの従来式に栽培された果物や野菜には農薬による毒素が最も多く含まれるかについて知りたい方は、環境作業グループ(EWG) による「汚染されたトップ12」という最悪の違反産物リストを参照するとよいです。これらの食品は有機を買うのが最も重要なものに含まれます。以下に最新リストをご紹介します:

リンゴ

アマトウガラシ

セロリ

ネクタリン

イチゴ

サクランボ

トマト

ブドウ

ほうれん草

ミニトマト

キュウリ

EWGがさらに次のように説明しています:

「米国で販売されている少量のスイートコーン、パパイヤ、夏物のスカッシュはGE [遺伝子操作]種子から生産されたものである。GE産品を避けるつもりなら有機品を買うとよい。」

幸いにも、EWGは従来式に生産される産品を買うなら最も安全な賭けと見なされる植物ベースの食品もリストアップしています。一般的に言えばこれらの食品には農薬噴霧による残留が最も少ないです。こちらの方が「きれいなトップ15」と言われる産品です:

タマネギ

アボカド

スイートコーン

パイナップル

マンゴ

ジャコウエンドウ(冷凍)

ナス

カリフラワー

アスパラガス

キウィ

ハニーデューメロン

グレープフルーツ

キャベツ

パパイヤ

スイートコーン

お住まいの地域ではとても有機食品を入手できない場合、大量に噴霧されている産品を食べることによる潜在的な害悪を軽減する一つの方法ができる限り、サツマイモやパイナップル等の果物や野菜の外皮を剥くことです。

残念ながら、外皮には最も貴重な栄養素が含まれているものが多いので、このことは一部の栄養素を無駄にせざるを得ないことも意味します。

有機食品と有機農法が世界中でますます注目されている

1990年代初頭以来、米国でもその他世界の国々でも有機農法の考え方をよく評価し始めました。実際、たいていの人は従来式に栽培された食品を食べると多くの有害化学物質、抗生物質、ホルモンを摂取することになることを知っています。

しかしこうした化学物質と個別または組み合わさって、特に微量で長期的に接触した場合に人間の健康に及ぼす真のインパクトについては豊富なデータが存在しません。科学者らはさらに試験を行うことが必要である点で一致していますが、単に取り扱うことでも毒素が人体から検出されるので有機的食糧生産方法のほうが優れています。

ほとんどの農業専門家は従来式農法のほうが収穫が多いと信じ込んでいるので、有機農法という発想を懐疑心で見ますが、有機農法による生産は最終的な収穫率と利益の点で匹敵しうることを研究が証明しました。ハーバード チャン公衆衛生学部の健康・世界環境研究所が次のように明言しています:

「有機的で様々な統合型かつ混合型農業システムは、特に旱魃期に、従来式経営システムにほぼ近いか凌駕さえするほどの収穫を上げうることを、ますます多くの研究が実証している。しかも有機農法なら大規模かつより高いエネルギー効率で可能である。」

実際に、消費者が従来式農法に伴うリスクにますます気づいてきており、別の選択肢があることを実感しているので、有機農法は多くの工業化諸国で急速に普及しており、農薬の負荷を受けていない食糧を入手できます。

有機産物では食費がかさみ過ぎると感じる人もいますが、有害な残留農薬を含む食品を選び家族に食べさせることによる長期的費用を考えれば、ときには食費が高くてもその価値はあります。それでもマーケットプレースは変化しつつあり、さらに多くの店や外食が消費者の知識と量より質の選好について気付いています。

有機食品対従来式食品の栄養面比較

あるイギリスの研究が、有機栽培された食物に従来式栽培種より「大幅に」高濃度の抗酸化物が含まれることを発見しました。非営利教育団体である有機センターの科学プログラム所長ジェシカ・シェード氏(Ph.D.)がWhole Foods MarketのブログWhole Storyで、従来式より優れる有機食品のメリットについて報告しています:

フェノール系酸が19%多い

フラバノン類が69%多い

スチルベン類が28%多い

フラボン類が26%多い

フラボノール類が50%多い

アンソシアニン類が51%多い

また、 有機果物と野菜を食べる と抗酸化物質を20~40%多く摂ることができるそうです。例えば、有機イチゴは従来式l栽培によるものより栄養素や抗酸化物質が多く、有機トマト のほうがビタミンCを50%、総フェノール含有量が139%従来式の者より多いのです。

さっぱりしすぎたり見栄えが訴えないその他一風変わっているわでは全くなく、有機産品はまだ想像したことがないほど多くの効能があると、Huffington Postが伝えています。さらに:

  • 有機食品のほうが鮮度が高く、満腹しやすく、身体への吸収を阻害するような添加物もありません。
  • 有機食品は本物なので従来式のものよりおいしいです。従来式農法では有機に比べて硬く、粗いないし味気ない果物や野菜が育ちます。
  • リンゴをはじめ鶏肉さらにパンまで加工すなわち「処理した」食品は交配されたり、ホルモンや保存料を注入され、遺伝子操作やその他のプロセスにより処理され、消費者に有害な成分が添加されます。
  • ファストフードレストランは「暖かくてすぐ用意できる」ことに尽きるものですが、ほとんどのファストフードに含まれる添加物はお腹の張りやガスの溜まり、胸やけ、胃液の上がりなど、以前より空腹感が増すと同時にこうしたあらゆるマイナス面をともないます。
  • 有害な処理を受けず添加剤がない有機食品は細菌や腐食に対する自然な抵抗力があります。

このプロセスを始める一つの方法は立法担当者がいかに有機食品で皆が得するかについてさらなる研究を支持し自身も学ぶことではないでしょうか。