Dr. Mercolaより
慢性痛は推定7650万人に起きている甚だ一般に広まっている異常でおり、その3分の1は痛みがひどく、「無能にするほど」と言い表しています。
とりわけ、米国疼痛基金によると首の痛みに多くの人が苦しんでおり、これは痛みの中で3番目によくあるタイプです。
70%の人が人生のある時期には首の痛みを経験していることが推定されており、効果的処置の研究は想像以上に少ないです。
痛みのために従来的な医者にかかると、現代の医学界において痛みに効く通例の処置として、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、アセタミノフェン(ティレノール)、果てはオピオイド(オキシコンティン、ヴィコディン等)等の薬を処方されるのがおちでしょう。
しかし、痛みの軽減のためだけではなく、痛みの根本原因を処置して真に癒すこともできる、首の痛みによい薬以外の方策があります。
Annals of Internal Medicineに掲載されNIH(国立衛生研究所)がスポンサーのある研究によると、薬は首の痛みを処置するための最適な方法ではありません。
首の痛みを持つ患者の272症例を12週間追跡した後、カイロプラクターか運動した人は薬を飲んだ人より痛みがなくなる確率が2倍以上ありました。 具体的にいうと:
研究者らは次のように結論づけています:
「急性と亜急性の首の痛みを持つ患者についてSMT [脊椎手技療法]のほうが薬より短期にも長期にもはるかに効果的であった。しかしHEA [助言に従う自宅運動]を行った人についても、ほぼどの時点でも同じような結果が出た。」
運動すると姿勢がよくなりやすく、動作範囲や身体の機能性が改善されるので、痛みの根本を治すほか、慢性的な首の痛みがまず起きなくなります。
運動すると主要な支持筋肉が強化され柔軟性が復活することを含む多くの仕組みにより痛みを予防し軽減できます。
ご想像がつく通り、とても多くの人は勤務日のほとんどをコンピュータの前での座業で費やすることから、反復的な捻りによる負傷がますます一般的になりました。
コンピュータに向かう仕事は特に僧帽筋から発生する首の痛みを生みやすく、多くの種類の首の痛みは仕事中や通勤中の姿勢が悪いことが原因です。
姿勢が悪いと首の痛みにつながり、首の痛みが起きると姿勢がますます悪くなるので、この問題は悪循環です。例えば、慢性的な首の痛みを持つ人は集中が欠けた時に直立姿勢を維持する能力が減退していることを実証しました。
しかしその同じ研究で特定の運動コースをこなした後、首の痛みのある人は長時間の着座中に中立的頸部姿勢を維持する能力が改善されたので、このことは姿勢/首の痛みという悪循環をなくすのによさそうだという結論でした。以下を含む別の研究でも、運動が首の痛み処置のために造像以上に効果が良いことが判明しました:
5種類の筋力運動は慢性的な首の痛みの原因になっている首と肩の筋肉に照準を当てます。
上記の研究は両者ともハンドウェートを使った同じ5種類の運動を行ったもので、運動のしかたについての詳細な説明が勤務環境国立研究所(National Research Centre for the Working Environment)によって行われました:
1. ダンベルシュラグ
体の両側でハンドウェートを以て直立する。一定の一回の動きで両肩を耳の方へ上げ、ゆっくりと再び降ろす。同時に顎と首をリラックスさせる。
2. 片腕ボート漕ぎ
ベンチの上に片膝で立ち、ベンチの前側に膝と同じ側の手で寄りかかる。空いている方の腕でウェートを胸の下部へ引き上げる。ウェートが胸に触ったら、制御しながら下げていく。
3. 直立ボート漕ぎ
両腕を伸ばしハンドウェートを身体前側に持って直立する。ウェートを胸の中ほどまで届き胸と肘が突き出るようになるまで身体になるべく近く真っすぐに上げる。この運動の最中にハンドウェートを常に肘より低く持ち続ける。
4. リバースフライ
45°前へ傾いた姿勢でハンドウェートをフロアに向かってぶら下げたままベンチに伏せる。ウェートを水平になるまで外へ次に上の方へ上げ、次に制御しつつ一回の動作で降ろす。運動の最中に両肘は若干曲げておく。
5. 水平上げ/肩外転
体の両側でハンドウェートを以て直立する。ウェートを水平になるまで外へ次に上の方へ上げ、次に制御しつつ一回の動作で降ろす。運動の最中に両肘は若干曲げておく。
この運動を週三回(一日おき)に行い、一日に運動1、2、5のセット、翌々日に運動1、3、4 のセットを交互に行うように研究者らが勧めました。開始するときは2セットの運動を8~12回セット毎に反復して行います。自分のペースで毎回3セットまで増やすこともできます。
運動と現在の筋力に応じて、ビギナーの場合推奨される2.7~5.5kgぐらいのウェートで行います。
原則として3セットを楽にこなせるようになったらウェートを重くします。ガイドラインとしては、その研究の参加者の場合10週間かけてウェートをだいたい二倍まで増やしました。約4週間後に最後の反復回数を減らしてウェートを増やします。
慢性痛があれば有資格カイロプラクターに診てもらうのは確かに賢いです。内生的治癒という身体が持つ知恵能力に注目し、薬や手術といった絆創膏を貼るような対症処置にほとんど依存しないというカイロプラクターの理念を私は深く信じています。
カイロプラクティック、整骨、自然療法の療法士は、卒業時の実地訓練で通常4~6年間のヘルスケア実習中に筋骨格の不具合の管理について広範なトレーニングを受けます。
筋骨格管理について包括的トレーニングを受けてているので、多くの証拠である情報源がカイロプラクティック管理が対症療法的医療処置より特に背中と首の痛みについてははるかに安全で効果があることを実証しています。
また、研究者らはカイロプラクティックによる調整をすると身体の深い細胞レベルで効果が上がることも発見しています。
すなわち、カイロプラクティックによる処置が酸化性ストレスとDNA修復に影響する基礎的生理学的プロセスに効果があり、従って、痛みの原因である可能性がある直接的な脊椎の整列異常に対処するのに加え、身体の深い所での機能障害にも対処することが可能なわけです。
読者の多くがご存知の通り私は整骨医です。カイロプラクター等の整骨医は脊椎調整の追加トレーニングも豊富に受けており、よいアドバイスをしてくれるでしょう。
しかし私の経験からいうと、従来的な対症療法モデルを身に着けているので整骨医のごく一部しかこの分野でよいスキルを持っていません。こうした痛みのために整骨医にかかるならこの種のサービスを行えるのかを確認してください。
全体としていうと慢性的な痛みを処置するのに薬ではなく多くの他の方法があることを把握することが重要です。
例えば、治療マッサージが首の痛みを持つ人の機能や症状を臨床的におおいに改善できることがわかっている一方、各種の補完代替医療(CAM)による処置(鍼術、マッサージ、脊椎手技、モビリゼーション等)が、首や背中下部の痛みに効く処置後に痛みを直ちにまたは短期的に軽減するには、未処置、偽薬、物理療法、通常のケアよりはるかに効果的であると見なされています。
従って痛みに関していうといくつか方策があるので、薬で軽減するのを選ぶ前にこれらの方策を試してみてください。さらに、多くのマッサージと物理療法士が効果的な代替方法を提供しています。
首の痛みの場合、根本原因は通常身体の力学的作用に関連しているので、姿勢や筋肉のバランスが好調でないのです。
姿勢(または捻りにつながっているその他の要因、例えば寝ているときの姿勢が変であるとか)に対処し、その痛みの問題を運動で解決するほうが痛みの軽減や根本原因の解決のために効果的です。
どんな種類であれ慢性的な痛みがあれば、辛抱が必要になるでしょうが処方箋や市販鎮痛薬に代わる多くの安全で効果的な代替処置があることを念頭に必ず置いてください。
その中でも最も効果的なもの:
その一方、不要に弊害を被る必要はないわけです。鎮痛薬に伴う健康への害悪がなく、痛みをおおいに軽減できる方法を以下にご紹介します。
アスタキサンチン:アスタキサンチンは既知のものの中で最も効果的な脂溶性抗酸化剤の一つです。とても効果ある抗炎症特性を持ち、多くの場合、NSAIDよりもずっと効き目があります。通常、多くの服用量が求められ、効能を得るには1日8㎎以上が必要でしょう。
しょうが:このハーブは抗炎症作用が高く、鎮痛と胃の安定化特性があります。新鮮なしょうがは沸騰したお湯で煮だしてお茶として、または、すりおろして野菜ジュースにして飲むと効果があります。
クルクミン:クルクミンはスパイスであるウコンに含まれ得る治療効果のある主な化合物です。変形性関節症患者の研究で、治療計画に1日200mgのクルクミンを追加した被験者の痛みが緩和され、可動性が増したことが分かりました。実際に、クルクミンが50件を超す臨床検査で抗炎症作用があることが実証されており、4件の研究ではティレノールによる重篤な健康への影響を軽減する機能を持つことも実証済みです。
ボスウェリア:ボスウェリンとか「インディアン・フランキセンス」としても知られるこのハーブには強力な抗炎症作用があり、数千年間珍重されてきました。これは、私の個人的なお気に入りの一つで、多くの関節リウマチ患者によく効くのを目撃したことがあります。
ブロメライン:このタンパク質分解酵素はパイナップルに含まれる天然の抗炎症成分です。サプリメントとして摂ることもできますが、新鮮なパイナップルを食べても良いでしょう。ブロメラインは大部分パイナップルの芯に含まれることを覚えておいてください。パイナップルを食べるときはパルプ状の芯を少しは着けたまま食べるとよいです。
セチルミリストレレート(CMO):この油は魚やバターに含まれ、「関節の潤滑剤」としてまた抗炎症剤として作用します。私は局所用調製剤を自分自身のために使用したことがあり、私が人間工学に合わないキーボードで入力し過ぎたときに現れたガングリオン嚢胞や、ちょっと悩ましい軽度の手根管症候群を緩和するために利用したことがあります。
月見草、ブラックカラント、ルリヂサ油:これらは関節炎の痛みを治療するのに有用な脂肪酸γ-リノレン酸(GLA)を含みます。
カイエンクリーム:カプサイシンクリームとも呼ばれもので、このスパイスは、乾燥した唐辛子に由来します。カイエンクリームは、脳に痛みの信号を送る神経細胞の化学成分であるサブスタンスPの身体への供給を止めることにより痛みを緩和します。
ヨガ、基礎訓練(運動)、鍼治療、 運動、 瞑想、温湿布・冷湿布等の療法、さらに両手を当てるだけでも、薬なしに驚くべき鎮痛効果があります。
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