アスタキサンチンを豊富に摂ると体力が62%アップする

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身体へのアスタキサンチンの効能

Dr. Mercolaより

体力とスタミナを増やし、無理が掛かった後の回復時間を短くし、肉体活動の後のヒリヒリする痛みを抑えることができるとしたらよくありませんか?

話がよすぎて信じられないでしょうか?

高価でもなく副作用もなくそれが可能な天然化合物が偶然あることを臨床研究が実証しています。

それはあまり知られていないカロチノイドでアスタキサンチンと呼び、自然が与えてくれる強い効能がある抗酸化物質と今では考えられています。

ずいぶん以前に科学者らがカロチノイドという天然色素に健康のために欠かせない抗酸化性があることを発見しました。カロチノイドはあの生き生きとした豊饒な色をあなたに与えてくれる食品に含まれる化合物で、緑の草をはじめ赤いビート、ピーマンの目に訴える黄色やオレンジ色の色素です。

自然界には700種類のカロチノイドが存在しますが、数種類しかよく知られていません。今この時、あなたの血流をおそらく10種類のカロチノイドが循環していいます。最も周知なのがベータカロチンです。

最近になって初めてアスタキサンチンが最前線まで躍り出て「スーパー栄養素」としての地位を獲得し、学界で検証を受けた多くの科学研究で注目されるようになりました。

研究者らが注目しているアスタキサンチンのある効能とはスポーツ記録を伸ばせることです。トップスポーツ選手か庭仕事をもっと続けられるようになりたいだけかに関わらずこのカロチノイドで助かります。

アスタキサンチンの健康への効能はそれ以外にもあり、実際にこのあっと驚くほとの栄養素の活性を扱うだけでも数本の記事に及んだほど多くの効能があります。多くのカロチノイドは新鮮な有機の産品を豊富に摂る食生活をしていれば簡単に摂ることができます。しかしこちらのパワフルなカロチノイドはそう容易に得られません。

アスタキサンチンの何が特殊なのでしょうか?

このカロチノイドを独特のものにしている多くの特性が存在します。以下に主な違いを列挙します:

アスタキサンチンはフリーラジカル退治に関してははるかに強力きわまりないカロチノイド抗酸化物質です: アスタキサンチンはこの点に関してはビタミンCより65倍、ベータカロチンより54倍、ビタミンEより14倍強力です。

アスタキサンチンは特殊な酸化形態である一重項酸素クエンチャーとしての効果に関しては他のカロチノイドよりはるかに優れます。日光や多くの有機物質による損傷がこの不安定な形態の酸素が原因で起きます。アスタキサンチンは一重項酸素を中性化する効果がビタミンEより550倍、ベータカロチンより11倍ありです。

アスタキサンチンは血液脳関門さらに血液網膜関門を通過し(ベータカロチンやリコペンは通過しない)、酸化や炎症から目、脳、中枢神経系を保護し、白内障、黄斑変性症、盲目、認知症、アルツハイマー病のリスクを削減します。

アスタキサンチンは脂質に溶けるので、細胞膜に同化されます。

効能に優れるUVBの吸収物質であり、DNA損傷を軽減します。

また、強力な天然の抗炎症性物質です。

さらにいくつかすばらしいことがこの物質にあるのをご存知でしたか?アスタキサンチンを服用する人に重篤な反応は一切発生したことがありません。とても安全で無毒です。

世界中のスポーツ選手が証人

アスタキサンチンサプリメントを服用するととても健康がよくなると、世界中のスポーツ選手が伝えています。 

例えば、ハワイのホノルル在住のプロのトライアスロン選手ティム・マールさんはハワイの強い日差しの下でハードトレーニングした結果、酷使により負傷し日光にも当たり過ぎました。天然アスタキサンチンのサプリメントを始めて以来、酷使しても負傷しにくくなり、日光に対しても重篤な反応がほとんどなくなっていきました。

マールさんはアスタキサンチンが自分の目的達成を助けてくれたと認めており、このサプリメントがプロスポーツ選手としてお気に入りのツールの一つになったそうです。私は実際役立っていると言えます—同氏は2006年に全米長距離トライアスロンで優勝しました。

別の証言を挙げるとハワイのトップマラソン選手ジョナサン・リャウさんが天然アスタキサンチンサプリメントの体験談を書いています。

「マラソンのトレーニングはとてもきつく、アスタキサンチンのおかげで自分の齢が経ても集中運動から早く回復できるようになりました。抗酸化物質やグルコサミン等様々ななサプリを摂る必要がなくなったことにも気づきました。アスタキサンチンがこれらのサプリメントの効能も持っているからです。」

ことさらトライアスロン選手でなくても、アスタキサンチンの効能を得られます。肉体活動のレベルに関わらず、アスタキサンチンなら体力とスタミナ増強に役立ちます。では、この天然色素がスポーツ選手の成果を伸ばすのに役立つ仕組みは何でしょうか?

アスタキサンチンがサケのために役立っていることは人間にもよい

アスタキサンチンの効能の大部分はその強力な抗炎症性と抗酸化性特性によるものです。

炎症はスポーツ選手を遅くし、貴重なトレーニングの日々が無駄になります。プロのスポーツ選手なら過労や関節痛、筋肉痛から回復するまで仕事を休むわけにはいきません。

炎症を抑えることができる物なら何でも選手としての能力を明らかに強くします—そこでアスタキサンチンこそ存在する最も効果的な天然抗炎症剤です。

アスタキサンチンは細胞、組織、器官に行き渡り、以下のような仕組みで肉体機能をよくします:

エネルギー生産しているミトコンドリア細胞内でフリーラジカルを退治する

細胞膜やDNAの酸化損傷を軽減する

筋肉の炎症を軽減する

筋肉内の乳酸を削減する(肉体的負荷の副産物)

視覚や深度の知覚力をよくする

日光に対する耐性をよくし、日焼けしにくくする

アスタキサンチンのミトコンドリアに対する効果

ミトコンドリアへのアスタキサンチンの効果こそ耐久力改善効果のカギであるようです。ミトコンドリアは細胞内の小さい「発電所」です。ミトコンドリアで脂肪酸その他の物質を代謝して身体のエネルギーのうち95%を生産しています。

ミトコンドリア細胞の多くは筋肉組織にあります。ここがエネルギーを集中的に発散する必要が最もある部分だからです。

しかしこのエネルギー生産機能にはマイナス面がともないます—代謝の結果遊離して反応性を持つフリーラジカルが発生し、これが細胞膜を損傷し、DNAを酸化します。細胞の損傷は炎症マーカーを活性化させるので、筋肉が疲れ痛みます。

ミトコンドリアがダメージを受けると、効率が下がり、身体の需要をまかなうためのエネルギーを十分に生産できなくなります。その結果体力も耐久力も落ちます。

活動がきつくなるほど、より多くのフリーラジカルが発生します。

例えば、マラソンを例にとりあげます。身体は基礎消費率より70%多くの酸素を消費し、安静時より12倍のフリーラジカルが発生します。

アスタキサンチンはとても強い抗酸化物質なので、筋肉組織からフリーラジカルを退治し、一重項酸素を解消します。アスタキサンチンががんばりの効くようにできる経路が以上のメカニズムではないかと考えられています。

アスタキサンチンがまだ知られ始めて間もない時の1998年に、スウェーデンのC.マルムステンさんが行ったある研究をご紹介します。17~19歳の男子学生に一日4mgのアスタキサンチンを半年摂らせたところ、体力と耐久力がなんと62%も増しました。しかも耐久力は対照群の学生より3倍早く増加しました!

同様の結果を得た動物実験も行われてきました。

マウスにアスタキサンチンを投与すると疲労の限界に達するまでの泳ぐ距離が伸びました。泳ぐマウスは脂肪の堆積も大きく減少していました。その研究の筆者らによると、アスタキサンチンがエネルギーに変換するために脂肪酸の利用度を高めた可能性があると同時に、正確なメカニズムを解明するためさらに研究が必要であると説明されています。別の日本で行われたマウスの実験ではアスタキサンチンが筋肉の炎症を50%以上軽減しました。

つまり、アスタキサンチンは耐久力を増したり、炎症を軽くしヒリヒリする痛みを和らげるだけではなく、体脂肪もとれるようになります!

乳酸との関連性

筋肉組織内の乳酸減少はこの素晴らしい藻の化合物によるもう一つの活性によるものです。日本で行われたある臨床検査はアスタキサンチンが運動中の乳酸生産に及ぼす効果を計測しました。

乳酸は集中運動の間に「焼けつくような感じ」を生む、 スタミナ制約要因でもある、肉体の無理による副産物です。20歳の男子グループに毎日6mgのアスタキサンチンを4週間与えました。1200メートル走った後、参加者は対照群より血清乳酸濃度が28.6%低かったのです。

乳酸の削減は2001年のある健康調査(リンクなし)でも発見されており、その研究はアスタキサンチンの運動への効果を調べました。アスタキサンチンサプリメントで参加者の88%は筋肉や関節のヒリヒリ感が減ったと報告しており、おそらく筋肉に溜まる乳酸が減ったからではないかと思われます。

より目がいい選手は成績も上がる

アスタキサンチンは目への効能ではおそらく最もよく知られているはずです。選手にとって視覚の鋭さは重要な要因ですが、スポーツの種類によっては他のスポーツよりさらに重要です。深度知覚が弱いテニス選手はウィンブルドン選手権まで進むことはまずないでしょう。

アスタキサンチンの目に対する効能について多くの研究があり、これについては私は別の記事に詳しくまとめました。

ある臨床検査がハンドボール選手の試合前後について実際に行われました。アスタキサンチンを投与されたハンドボール選手は深度知覚力が46%改善しました。

日光からの保護

肉体的に活発な方はかなりの時間日に当たることが多いと思います。太陽はビタミンDについては莫大なメリットがあります。しかしそのよい物でも過度になれば―当然、余計になります。

多くのスポーツマンは屋外で長時間トレーニングした後日に当たり過ぎて気分が悪くなることを訴えます。アスタキサンチンのおかげで気分が悪くなったり日焼けせずに長時間日光の下で過ごせるようになったと多くの人が伝えています。日焼けしにくいとはすなわち皮膚がんリスクが下がることです。

この物質はこの際いかに機能するのでしょうか?

ヘマトコッカス藻が強い紫外線から防護している仕組みにその答えがあります。この藻は天然のサンスクリーンとしてのアスタキサンチン色素を生み出し、この色素を摂れば「体内のサンスクリーン」を生み出すことになるわけです。言い換えると日光から藻を保護している同じパワフルな抗酸化物質で身体も保護されます。

日焼けとは実際に炎症です。アスタキサンチンが皮膚を火傷から保護する精確な仕組みはまだわかっていませんが、抗炎症性のプロセスが機能していることは確かです。

最近の研究が少なく2 mgのアスタキサンチンを毎日一か月服用すると日焼けしにくくなることを示しています。この色素が組織内に十分統合されて日焼けから保護するようになるまで2~4週間かかるので、2週間の服用は最小限必要です。大切なのは自然のアスタキサンチンを使用することで、合成物質を使ってはなりません。

海洋の藻から取った天然アスタキサンチンであり—合成でないことを確認する

一部の養殖会社はコスト高になってもはるかに劣悪な合成アスタキサンチンではなく自然のアスタキサンチンを使用し始めるようになりました。

これなら動物の健康によく、健康的な色や色素定着を促すためはるかに効果があります。天然アスタキサンチンを含む魚系の餌で育てた動物は生存率、成長率、免疫力、生殖力、繁殖力が高いです。

合成アスタキサンチンがいまだに世界中の養殖サケ業界を独占しているのは残念なことです。

サケのラベルに「野生」や「天然色素」と書いてなければ、抗酸化物質よりエンジンオイルに近い着色料を食べることになります。天然アスタキサンチンは抗酸化性が合成アスタキサンチンの20倍あります。

野生のサケは養殖サケよりアスタキサンチンを4倍多く含んでおり、その色素は100%天然アスタキサンチンであり、合成は含まれていません。また、野生サケには養殖サケよりはるかに多くのオメガ3脂肪酸が含まれます。

本物の野生サケを買うことに成功したとしても、とても高価なことは当然のこと、高濃度の水銀その他の毒素による問題があります。

健康をとてもよくするための最後の一言

オキアミ油に関連して私が取り上げたことがあるのでアスタキサンチンという名前はおそらくご記憶にあると思いますが、オキアミ油は動物性オメガ3脂肪酸の私が気にっている摂取源です。私がそれほどオキアミ油が大好きな理由の1つが天然に含まれるアスタキサンチンです。私どものオキアミ油には市販のオキアミ油の中で最高濃度のアスタキサンチンが含まれています。

しかし、高濃度であるとはいっても、オキアミ油サプリメントをすでに摂っている方がアスタキサンチンの摂取量を増やすとさらに効能を得られることを新たな研究が示しています。

あなたが、アスタキサンチンを試してみようと思うなら、1日2mgから始めることをお勧めします。あなたがすでに、オキアミ油サプリメントを取っているなら、次を考慮してください。オキアミ製品はそれぞれ、アスタキサンチンの濃度が異なるため、ラベルを確認する必要があります。運動の成果を上げるためやその他抗炎症性や目への効能を目指す方は一日8~10 mgに用量を増やすこともできます。

豊富な種類の新鮮な有機食品にアスタキサンチン等のスーパー栄養素を加えると、睡眠改善、運動やアージングと並ぶ最適な健康のための方策になります。

+ 出典および参考資料