Dr. Mercolaより
老化は避けられませんが、年齢のせいと思われている異常は実は年齢に関連していません。
多くの人が年のせいだと思う異常に視力減退があります。しかし、一般の思い込みとは異なり、視力は時系列的な年齢ではなくライフスタイルによる影響のほうが大きいです。
加齢に伴う視力喪失のよくある原因は白内障、糖尿病性網膜症さらに失明の2大原因である黄斑変性症と緑内障が挙げられます。
ジョンズ・ホプキンズ大学のある研究を行った科学者らはアメリカ人のほぼ半分が視力喪失こそ健康の問題のなかでも「起こりうる最も悪い」異常であると答えていることを発見しました。 失明はHIV/AIDS、聴覚喪失、四肢のうち1本を失うことよりはるかに恐れられていました。
絶煙、血糖の正常化、アスパルテームやトランス脂肪を減らすか全く取らないようにすること等視力を守るためにいくつか常識的な戦略があります。
目は補助栄養に応答しますが最近の研究によると中強度集中運動で緑内障リスクが73%も下げられることがわかっています。
目は光を脳が画像として解釈する色や形に変える複雑な球体です。片目ずつ常に入れる光量を調節しており、遠近の物体との焦点を合わせ、情報をほぼ瞬時に脳に伝えます。
視力機能を司る多くの異なる構造が目の中に存在します。
視力は角膜を光が通るときから始まります。角膜は目の表層を覆う透明なドーム型の表面です。
角膜で光を収束しこれが網膜に当たるようにしており、目の色がついている部分、虹彩は瞳孔のサイズを調節して眼球に入る光量を調節しています。瞳孔のすぐ後ろにレンズがあり、これは透明な物体で光を網膜に収束します。
目の奥にあるこの網膜の上に受光細胞のある感光組織があり、ここで光は電気信号に変換されます。
この電気信号は網膜から視神経を通り脳内の視覚野に直結し、ここで信号が処理されて色や形、動き、深さに解釈されます。
視神経はこの情報を伝達する約100万本の神経線維からなる光ファイバーのような物体です。視力は以上の過程のどの点でも影響を受けます。
例えば色盲の人は特定の色領域にだけ受光体数が極めて少なく、電気信号がもともとこの異常のために生成されなかったから脳が色を正しく処理できないのです。
近視の場合レンズの中に反射の異常があります。言い換えるとレンズが光を屈折させられないので画像は網膜に投影されても、実際には光を曲げるすなわち屈折させるので画像が網膜より手前に結像してしまいます。このため近い物ははっきり見えても遠くなるとかすむのです。
カリフォルニア大学の研究グルー-プがNational Health and Nutrition Examination Survey (NHANES、国家健康栄養検査アンケート) 全米調査データを使用して最も不活発な人と最も活発な人について緑内障リスクを比較しました。
NHANESは1960年代以来行われてきた成人の健康と栄養状況の大規模追跡調査で参加者が日常的に運動もしインタビューにも応じるという点で独特なものです。
長年ライフスタイルが眼圧に影響するとは考えられていませんでしたが、近年の研究が運動で目への血行すなわち眼圧に影響することが立証されたのです。
研究の主任著者であるDr. ヴィクトリア・ツェン氏とグループがNHANESのデータをもとに運動の強度に基づいたリスクの差を分析しました。
2003年までその研究は自己申告データに基づいて活動レベルを決めていましたが、それ以降は参加者がデバイスを身に着けて肉体活動を計測しました。そのデバイスから集めたデータを基にしてツェン氏のグループは1分当たり歩数と歩く速さに基づく活動レベルを定義しました。毎日7,000歩は週5日1回30分の軽度な運動に匹敵すると判断しました。
ツェン氏とグループはその研究パラメータによる定義に基づいて見ると中度から強度な活動を楽しんだ人は緑内障になるリスクが73%削減していました。
その研究結果はニューオールリンズにある米国眼科アカデミー(AAO)の第121回年次学会で発表されました。
運動すると眼圧が減ることが研究からわかっており、眼圧こそ損傷や失明にまで至る緑内障の主な症状なのです。
この病気は液体が目の前に溜まるので視神経を損傷し、眼圧が高まり、神経を破損します。健康な目では房水という目の中の液体が目の虹彩と角膜の間の直下にある前房(前の空間)の中を流動しています。
微量の液体が常に生成されていて、これがこの空間の中を巡っています。一定圧を保つには2つの構造によって供給量と同じ量が排水されます。。
線維柱帯網が房水のほぼ85%まで排水しており、前房から排出されるか留まるかのいずれかである液量の変動に決定的な役割があります。
肉体的な変化や線維柱帯網内部の信号伝達経路に変化があると前房内圧が上がり始め、後眼房を圧迫して結局視神経に及ぶことになります。
線維柱帯網内の細胞はこの構造体を組成し維持し、房水の流出に対して自然な抵抗力を維持しています。緑内障症例の約90%を占めるタイプの原発開放角緑内障に掛った人の場合このプロセスに支障があることがわかっています。
この開放角という用語の意味は虹彩と角膜の接線領域が広く開いていることです。この種の損傷はゆっくりと進行し、その間に悪化する症状や損傷は視力が衰え始めてからでないと気がつかない程じわじわと進行悪化します。
その種の緑内障を早期発見するには定期的に眼圧を専門医に計測してもらう必要があります。
閉塞隅角緑内障(挟角緑内障ともいう)は稀ですが突然発症するので即治療しなければなりません。
これは 房水の排水が止まることで起き、眼圧が急速に上昇します。症状は明確にそれと判断がつくほどなので直ちに医療処置をして永久失明を阻止しなければなりません。
緑内障のリスクを高める要因がいくつかあります。AAOによるリスク増大要因:
• 年齢
アフリカ系アメリカ人の場合は40歳その他の人々では60歳を過ぎるとリスクは高くなります。
• 病気
目の負傷、近眼や遠視の既往症があれば緑内障のリスクは高くなります。その他のリスクを高める要因には糖尿病、高血圧や心臓病が挙げられます。別の病気の治療薬としてコルチコステロイド剤を長期服用してもリスクが高くなります。
• 円錐角膜
2,000人に1人の稀な角膜の進行的薄化異常です。最も起きやすいのは20代です。原因はまだ不明ですが、先天的な要因や環境要因ではないかと研究者らは考えています。角膜が薄くなるにつれ、前房が歪んでいき圧力が増すリスクも増えます。
• 視神経委縮
視神経委縮症ともいいますがこの疾患は視神経の健康を直接悪化させて緑内障に至ります。眼圧に関わりなく委縮しますが、視神経が目の裏面に入る場所では機械的なダメージが発生しているものと考えられています。神経への血行が減ることで視神経委縮につながっていると思われます。平常圧での緑内障の症例では血行の支障が重要な要因になっていると一部の研究者は考えています。
• 遺伝要因
緑内障が一親等にいる家族の場合はその他の人よりリスクが高いです。老化による開放角緑内障の場合はこの異常になるリスクをもたらす遺伝子の突然変異が1か所以上はあります。しかし、こうした遺伝子の発現にはライフスタイルが決定要因となっています。
青光を見る時間を減らす
青系の光は可視光線の中でも波長が短くエネルギーが高いスペクトルの一帯域です。科学者らはすでにこの光線が目の奥まで差し込むことを把握しています。経時的にこうした露光により網膜が損傷を受けます。緑内障に特に関連するわけではないのですが、この露光を特に日没後は避けるようにしたほうが加齢にともなう黄斑変性症のリスクが下がります。この病気は高齢者の失明の最大原因です。
血糖の正常化
血中に過剰の砂糖に加えインスリン抵抗性があると目のレンズから液体が抜かれ、視力が衰え焦点が合いにくくなります。長期的な過剰の砂糖や糖尿病は網膜の血管に障害を与え、血流を閉塞して視力を永久に損傷します。
ルテインとゼアキサンチン
これらは強力な抗酸化物質である植物性化合物です。ルテインが豊富に含まれる緑色の葉野菜にはほうれん草、ケールがあり、他のカラフルな野菜、例えばニンジン、ブロッコリ、赤や黄色のピーマン、トマト、香辛料が挙げられます。 これらの食品にはゼアキサンチンも豊富です。
アスタキサンチン
この栄養素は微小海藻類が生産しており、水が干しあがっても藻をUV暴露から保護しています。少々は野生のアラスカサケからも得られますが、この栄養素本来のメリットを得るにはサプリメントで補給する必要があります。アスタキサンチンは失明から守るために最も重要な栄養素の一つであるカロチノイドです。
ビタミンC
この強力な抗酸化物質でも緑内障からは守れないのですが、失明の2番目の主要原因である白内障からは保護します。米国国立目研究所(National Eye Institute)によると50%を超すアメリカ人は80歳までに白内障に罹るといわれます。
動物性オメガ3脂肪
糖尿病性網膜症は網膜に血が流れにくくなったときに起きる2型糖尿病の重篤な合併症の一つです。Journal of the American Medical Associationに掲載されたある研究で、 500 mgのオメガ3脂肪をオメガ3が豊富な魚を毎週2回食べて摂取した2型糖尿病患者の糖尿病性網膜症リスクが48%も減ったことが発見されました。
お勧めできる原則的な決まりとしては、本物の野生のまま捕獲したアラスカサケやいわし、ニシン、サバ、アンチョビ等の小型魚のみ食べることです。これらは多くの毒素を避けると同時にオメガ3脂肪を摂るにはよいです。
運動すると活発になり、心臓や目の健康に良く、体重管理、血糖管理、その他一部のがんリスク減少等多くの健康によいことがありますが、楽しむことで精神的にも感情的にもメリットがあることを忘れないでいてください。
こうして精神や感情面によいのとでフィットネスを継続するやる気がでます。
運動は精神衛生とやる気を改善するために最も効果的な方法の一つです。運動するとストレスが減り、うつ状態や不安の解消、睡眠の質改善、自尊心向上にもつながります。
以上の要因のどれも運動を継続し、健康的なライフスタイルを選び、能率を上げ、創造力を生み、仕事の業績もよくしようという気にさせます。
つまり運動は長期的な身体の健康にとてもよいですが、日常生活によいインパクトがある今までとは違うライフスタイルを選ぶために欠かせない要因でもあります。
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