Dr. Mercolaより
運動が認知力衰退や痴呆の防止に役立つことを多くの研究がすでに確認しています。
Neurology(神経学専門誌)に掲載されたある研究によると、中度から集中強度の運動で10年も脳の老化を遅くできるそうです!明敏な脳の機能を維持するのに役立つ運動に関しては何を意味しているのでしょうか?
研究者らは身体脳連関の背後に多くの異なるメカニズムを発見しました。一つのおそらく主要な要因としては、運動が脳由来の神経栄養因子(BDNF)の増加に効果があることです。この因子は筋肉と脳ともに存在します。
運動は初期はFNDC5というタンパク質の生産を刺激します。次にこのタンパク質がいくつかの観点からして素晴らしい若返り物質であるBDNFの生産を促します。脳内でのBDNFの機能:
ある研究で、運動しているマウスの場合、海馬組織の試料1立方ミリメートル当たり平均6,000個の新しい脳細胞ができ、別の研究では、30~45分週に3日ウォーキングしている高齢者の場合海馬の体積が2%増加しました。
典型的に、海馬は年齢とともに委縮していく傾向があります。その結果を受けて研究の筆者らは運動が「医薬品を使わずに脳の健康をよくするために最も有望な処置である」と主張までするようになりました。
運動は前頭皮質、側頭皮質、頭頂葉皮質内の灰白質の保全によく、そのため認知力の衰えも防止するのに役立ちます。この謎にはまだ他にも効能が知られています。
脳はグルコースと脂肪の両方を燃料に使用できます。しかし、後者が推奨されます。グルコースが運動で消費された場合、海馬はエネルギー源として脂肪を使用するように切り変わります。この燃料源の変化がBDNFの分泌および認識の改善を引き起こすのです。
この事実から間歇的絶食と高脂肪低正味炭水化物量の食事が認知力と脳の健康のために運動と同じメリットがあることを把握できます。
また、もう一つ別のメカニズムは、新陳代謝が燃料として脂肪を燃焼するように最適化されるときに肝臓で生成されるβ-ハイドロキシブチレートと呼ばれる物質に関係があります。
血糖値が低下すると、β-ハイドロキシブチレートは代替ネルギー源として役立ちます。この他β-ハイドロキシブチレートBDNFの生産を阻害するヒストン酵素も阻害します。つまり身体はBDNF生産を多くの異なる経路で肉体運動に応答して改善するようにできているようです。
すでにご説明しましたがBDNFは神経筋肉系にも発現します。そこでは神経運動 — 筋肉内部で最も重要な要素 — を劣化から保護します。神経運動が欠如していると、筋肉はイグニッションのないエンジン同然です。
神経運動の劣化は加齢にともなう筋肉萎縮の原因となるプロセスの一環です。BDNFは筋肉と脳の両方で活発に関与しており、この相互連関性によって肉体運動が筋肉と, 脳組織療法にそれほどよい影響がある訳が説明されます。
字義通り加齢にともなう筋肉委縮を予防して逆転するのと同様に脳の劣化さえ予防し逆転させるのに役立ちます。肉体運動は脳の健康と関連する多くのその他の化学物質にも効果があります。
何か新しいことを学習後に運動すると学習したばかりのことを長期的に覚えやすくなることを近年の研究が示しています。運動を学習 直後にしても同じ効果はありませんでした。
この4時間という遅れが記憶の保持にいかに役立っているかについてはまだ解明されていませんが、記憶力の統合を改善することで知られる化学物質カテコールアミン類の分泌と関係がありそうです。
これらにはドーパミンとノレピネフリンが含まれます。これらのカテコールアミンを増やす一つの方法が運動であり、おそらく 後になってからする運動はこの方程式の一つの項を成しているとみられます。
身体の健全状態と脳の健康は深く関連し合っています。運動で脳の健康を保護し促すその他のメカニズムには以下を含みます:
インスリン抵抗性の正常化
運動はインスリン濃度を正常化しインスリン抵抗性のリスクを下げるために最も効果的な方法の一つです。糖尿病リスクを下げるほかにも、糖尿病がアルツハイマー病の発病リスク増加のうち65%の説明要因を占めることからして、運動は認知力の健康も保護します。
血糖レベルを調節するのに加え、インスリンは脳の信号伝達のためにも機能します。脳内の正常な信号伝達を研究者らが妨害したら、痴呆が発生しました。
脳への血流を改善して増やせる
脳は正常に機能するために大量の酸素が必要で、この事実から何がなぜ心臓のためによく心臓血管系の健康が脳にもよいわけを説明しやすくなります。運動によって増加する血流は脳を直ちによりよく機能させます。その結果運動後は集中力が増し、仕事でも自宅でも能率がよくなります。
プラーク形成の削減
脳内に存在するタンパク質に損傷を与える経路が変わるので、運動がアルツハイマー病の発症を遅らせると考えられています。ある動物研究で、運動したマウスは脳内でアルツハイマー病に関連しているプラークとβアミロイドペプチドの量が大幅に減少していました。
骨形成タンパク質(BMP)を減少させる
BMPは新しいニューロンの生成をスローダウンし、このため神経発生を削減します。BMPが多いと脳の成長を遅くし敏捷度が減ります。運動がBMPの影響を軽減するので成人の幹細胞は脳を敏捷に維持する基幹的役目を果たし続けられます。動物を使った研究で車回し運動をさせたマウスは1週間だけで脳内BMPが半減しました。
ノギンを増加させる
運動はさらに脳のもう一種類のタンパク質でノギンと呼ばれるBMPの拮抗物質を大幅に増加させます。運動はBMPの有害な影響を軽減すると同時にもっと有益なノギンを増やすのです。BMPとノギンがこのように複雑に相互作用していることはニューロンの拡散と若さを維持するのに役立つ強力な要因であるようです。
炎症を軽減する
運動は脳機能を悪化させる慢性的炎症と肥満に関連している炎症性サイトキンの濃度を下げます。
心と気分に関連している神経伝達物質の増加
運動は気分の制御に関連している自然な「いい気持ち」ホルモンと神経伝達物質も大幅に増加させます。これにはエンドルフィン、セロトイン、ドーパミン、グルタミン酸、GABAが含まれます。
プリンストン大学の研究者らによるある研究で、運動が新しい興奮させるニューロンと同時にニューロンの過度な活性化を阻害し自然な落着きを生むのに役立つGABA神経伝達物質を放出するニューロンも生成することが判明しました。運動で気分がよくなるメリットは運動直後にも長期的にも生じます。
ストレス化学物質を代謝する
研究者らは運動がストレスや関連性があるうつ状態 — 両方とも 痴呆 やアルツハイマー病の主なリスク要因 ー を削減するメカニズムも解明しました。よく鍛えている筋肉はキヌレニンというストレス化学物質の代謝を助ける酵素濃度が高いです。その研究から分かったことは筋肉運動で身体から有害なストレス化学物質を除去できることです。
理想的なことを言えば、できる限り若いうちから運動を日常行うようにするとよいです。しかし始めるのに遅すぎるということはありません。
高齢者でもフィットネスを始めると認知機能がよくなります。例えばエジンバラ大学のチームが70歳で始めた600人以上を追跡し、毎日の肉体的、精神的、社会的習慣を仔細に記録しました。
3年後に参加者の加齢に伴う変化(脳の縮小、脳の通信システムの「配線」と考えられている皮質の損傷)を見るため脳画像を撮りました。想像できる通り、最も活発に肉体運動した高齢者では脳の縮小が最も少ないことがわかりました。
筋力トレーニング — 特に脚の筋肉を鍛える — は脳の機能と記憶力に特に強くよい効果があるようです。ある研究で、脚の筋力運動を20分しただけで長期的記憶力が10%よくなりました。
活動的なライフスタイルは将来にわたって肉体的にも精神的にも健康を維持するため本当によい投資といえます。全体として言えば高強度集中インターバルトレーニングは運動による健康へのメリットを最大限に生かせるものであると同時に、最小限の時間しか必要ない能率よい運動です。しかし、様々な運動を取り入れた変化に富み。しかも、くまなく動けるフィットネスプログラムなら最適です。
私がさらに強くお勧めしているのが、できる限り座らないようにすることと毎日もっと歩くことが大切です。フィットネストラッカーがあればとても役立ちます。私のお勧めは1日に7,000~10,000歩を目指すことです。これは通常のフィットネスに加えて行うのが必要で、それを置き替えるものではありません。
加齢に伴い心まで失う必要ないことを科学研究が明確に実証しています。脳は一生の間再生し成長することができ、運動は年を経るに従って連続的に再生できるようにする実に効能がある戦略です。
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