年とともに衰える目を若返えらせることが判明したビタミンD3

ビタミンD3

早分かり -

  • ビタミンD3サプリメントを6週間投与しただけでマウスの視力が改善し網膜炎症が減少したほか老化の典型的現象であるアミロイドβタンパク質の蓄積が減少ました
  • これらの発見事実からビタミンD3が加齢による黄斑変性症(AMD)(高齢者の失明では最もよくある原因)を予防できることがわかります
  • ビタミンDが目の中のアミロイドβ蓄積を阻害することからして脳やその他の部位への蓄積も阻害し、アルツハイマーや心臓病など潜在的に影響が大きい病気を予防しうると思われます
  • 目の健康によいその他の重要な栄養素にはアスタキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、ビルベリー、ブラックカラント、オメガ3脂肪があります
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Dr. Mercolaより

ビタミンDが骨の健康のほかにも多くのことに重要であることは一般的に知られるようになりました。

この数年、多くの研究が高濃度ビタミンDでがん、心臓病、感染症、多発性硬化症(MS)等の重病を予防できることを証明しており、現在では老化に対しても重要な役割を果たしていることが明らかになりました -- 特に年とともに衰える目に対して効果があるようです。

ビタミンDは目にいい

栄養素や目の健康について考えるときたいていは「ビタミンAかベータカロチン」だと思われています。

ビタミンDのほうがより決定的要因であることを新たな研究が実証しました。

ロンドンユニバーシティーカレッジの眼科研究所による新研究が老齢マウスにビタミンD3サプリメントで驚くべき目へのメリットがあることを発見しました。

具体的に言うとサプリメントを6週間投与しただけで次のような改善が見られました:

  • 視力がよくなる
  • 網膜炎症の減少、老化の特徴であるアミロイドβ蓄積の削減
  • 網膜のマクロファージ数が激減し、その形態が大きく変化(マクロファージは炎症性の損傷を与える免疫細胞)

これらの発見事実はビタミンD3が加齢による黄斑変性症(AMD)(高齢者の失明では最もよくある原因)を予防できることがわかります。AMDはアミロイドβ蓄積と炎症ともに関連しているので、ビタミンDサプリメントが一挙両得の効果があるようです。

アルツハイマー病、心臓病その他加齢による異常

興味のある事実として、アミロイドβ蓄積は盲目と関連しているだけではなく、アルツハイマー病患者の脳内にプラークを蓄積させるタンパク質でもあることです。アミロイドβが神経細胞を破損し、このためアルツハイマー病に典型的な認知や行動上の問題につながります。

ビタミンDが目の中のアミロイドβ蓄積を阻害することからして脳やその他の部位への蓄積も阻害し、アルツハイマーや心臓病などの重病を予防しうると思われ、研究者らはアミロイドβがマウスの大動脈内でも減少したことを発見しました。LifeExtensionが報じている中でその研究主任は次のように説明しています:

「アミロイドβがアルツハイマー病と関連していることは聞いたことがある人も多いと思いますが、ビタミンDで脳内のアミロイドβ蓄積を削減できるという新たな証拠があります。従って、この効果が目にもあることがわかった現在、その他の部位でも削減できるのではないかとすぐに思います。

ビタミンD サプリメントを投与したマウスの血管からアミロイドβ蓄積が削減された事実からして、ビタミンDが加齢による健康の問題ー視力の衰えから心臓病まで多くの問題を予防するのに有用であると思われます。」

さらに 2009年に実実施された研究で Journal of Alzheimer Disease に掲載された研究が、ビタミンD3はアルツハイマー病患者の脳内でウコンがアミロイドβを削減する効果を助長することを示しています。

ビタミンD濃度の最適化は比較的容易で安価な修復処置であり、がん予防を含む多くの健康への効能があり、こうした重要なメリットを見逃す理由はありません。

目の健康のためによい追加的な重要な栄養素

健康のあらゆる側面と同様に、ライフスタイルが加齢にともない目を「持ちこたえさせる」ために重要な役割を演じています。例えば、肥満や糖尿病は至る所に発生している流行病的状況にあり、これらはともに視力に悪影響があります。同様に、喫煙、コンピュータの前で長時間過ごすことも視力によくありません。

正しく食べること、環境毒素を制限する、運動など健康的で基本的なライフスタイルの原則は目の健康のために欠かせません。健康な視力を維持するためにより具体的な戦略をお探しでしたら、一部の抗酸化物質や栄養素が他を引き離して有力な候補です。目に特によいことがわかっているものを以下に挙げます:

ルテインとゼアキサンチン

カロテノイドの中でもゼアキサンチンとルテインのみ網膜に含まれており、網膜こそ体内組織の中で最も多くの脂肪酸が含まれています。これは網膜が高度に光と酸素が豊富な環境であり、酸化性損傷を阻止するために豊富なフリーラジカルを解消する要素を必要としています。

この機能のために身体はゼアキサンチンとルテインを網膜に集結しているものと考えられています。これら二つの色素濃度は網膜の中でも黄斑で最も高く、特徴的な黄色の色を出しています。(黄斑は「macula lutea」すなわち黄点ともいいます。)ゼアキサンチンとルテインともに血液脳関門を通過しますが、アスタキサンチン(下記に説明)も通過します。

興味を引く事実としては、目がゼアキサンチンのほうをルテインより黄斑網膜領域(網膜中心窩

)では選好して濃縮していることで、ここで最大光量が指すところ -- ですが、ゼアキサンチンだけでもルテインより優れる酸素スカベンジャーです。

身体はいかにもこのことを「知っている」かのうように見え、最も必要な部位に集結させています!ルテインとゼアキサンチンはホウレンソウ、ケールなど緑の葉野菜や玉子の黄身に含まれています。

アスタキサンチン

アスタキサンチン は目の健康と失明予防のために究極的にいいカロテノイドですルテインとゼアキサンチンよりはるかに強力な抗酸化物質であり、目の組織に容易に入り、効果を安全に発揮する程度は他のカロテノイドよりはるかに高いです。

詳しく言うとアスタキサンチンは光による損傷、光受容体細胞の損傷、ガングリオン細胞の損傷、網膜内層ニューロンの損傷を改善または阻止します。さらに以下のような多くの目に関連する問題から保護する効果もあることがわかっています:

白内障

加齢性黄斑変性症(AMD)

嚢胞性黄斑浮腫

糖尿病性網膜症

緑内障

炎症性眼疾患(すなわち、網膜炎、虹彩炎、角膜炎、強膜炎)

網膜動脈閉塞

静脈閉塞

アスタキサンチンは微細藻類Haematococcus pluvialisだけが生成します。しかも、水が干上がって、紫外線照射から自分を守らなければならないときにだけです。

これは海藻の生存するための仕組みで、アスタキサンチンが海藻を栄養分の欠乏や強い日射から保護するための「防護壁」的な機能を果たしています。アスタキサンチンの主な供給源は2つだけです - それを産生する微細藻類、鮭、甲殻類、オキアミのような藻類を消費する海洋生物です。

ビルベリーとブラックカラントのアンソシアニン

目にいい水溶性の最も注目されている抗酸化物質はブラックカラントとビルベリーに含まれるアンソシアニンです。これらは眼房水溶性なので目の健康によいです。この水は目のレンズと角膜の隙間を満たす水のような液体です。

眼房水は眼圧を維持し、他の眼球組織に栄養を送り、抗酸化物質の輸送を担っています。

アンソシアニンも眼圧を削減する効果があり、コラーゲンの維持に役立ちます。コラーゲンは目のレンズの主成分で、目を支持する結合組織です。

動物性オメガ3脂肪

オキアミ油などに含まれるオメガ3脂肪は健康的な網膜機能の保護と促進に役立ちます。その中の一つ、ドコサヘキサエン酸(DHA)は網膜で濃度が高く、AMD予防に特によいことがわかっています。

さらに、AMDには炎症が関わっており、オメガ3脂肪には抗炎症性の効果があります。

動物性オメガ3脂肪酸の摂取量が最も多い人はその消費量が最も少ない人に比べて進行性AMDのリスクが60%低いことがわかりました。

2009年のある研究によると、オメガ3脂肪酸の消費量が最も多い患者は、12年間に渡って病気が「進行した」状態にまで進む割合が30%低くなりました。

オメガ3脂肪を支持するさらにもう一つの根拠として2009年の別の研究があり、オメガ3脂肪が豊富な食事をビタミンC、ビタミンE、亜鉛、ルテイン、ゼアキサンチンとともに食べた人ほどAMDのリスクも低いことがわかりました。

目の健康を最適にするための包括的計画

加齢にともない目の機能を正常に保つには単に一つの栄養素等のみを取り込めばよいというのではなく全体的戦略が必要です。結局多面的アプローチこそ目をさまざまなレベルで保護できます。例をあげましょう:

ビタミンDのレベルを最適化ビタミンDレベルを最適化する方法は日光曝露です。可能なら正午の太陽で、うっすらピンクになるまで、皮膚を日に当てると最適なビタミンDの生産に必要です。

日光曝露でない場合、安全な日焼け用ベッド(磁気バラストではなく電子安定器でEMFへの不必要な接触を回避できる)を使用することができます。または、最後の手段としてビタミンD3サプリメントを飲むことも考えられます。

心臓血管系の注意。高血圧は網膜上の微小血管に損傷を与え、自由な血流を妨げる可能性があります。

最適な血圧を維持するための主な方法の一つはフルクトース(果糖)を避けることです。コロラド大学腎臓病・高血圧部門主任Dr.リチャード・ジョンソンの研究によると、果糖を一日74グラム(甘い飲み物2.5杯分に等しい)以上摂取すると、血圧が160/100 mmHgに上がるリスクが77%高くなるそうです。

血糖の正常化。血中に過剰の砂糖があると目のレンズから液体が抜かれ、焦点が合いにくくなります。さらに網膜の血管も傷つけるので血流が阻害されます。

特にケール等の新鮮で濃い緑色の葉野菜を豊富に食べる。濃い緑色の葉野菜を豊富に食べると目の健康によく、ルテインとゼアキサンチンが特に豊富なカロテノイドを多く含む野菜を最もよく食べている人は視力の健康が増すことを研究が示しています。

健康な動物性オメガ3脂肪を豊富に摂る。すでにご説明したように、オキアミ油等に含まれるオメガ3脂肪酸は健康的な視力を保護します。

トランス脂肪を避ける。トランス脂肪酸の多い食事はオメガ3脂肪酸を妨害することによって黄斑変性症に貢献してしまうようです。トランス脂肪酸は、マーガリン、ショートニング、フライドポテト、フライドチキン、ドーナツ、クッキー、ペストリー、クラッカーなどのフライ食品を含む、多くの加工食品および焼き菓子に含まれています。

アスパルテームを避ける。視力の問題はアスパルテーム中毒の多くの潜在的な急性症状の中の一つです。

絶煙。喫煙は体内にフリーラジカルを増加させ、多くの面で健康を損ない、これには視力減退も含まれます。