Dr. Mercolaより
飽和脂肪ではなく添加砂糖やトランス脂肪をより多く食事から採るようになったことは現代史において最悪のライフスタイルの変貌といえます。
これこそまさに肥満、心臓病、がんその他慢性病に罹るためのレシピであることがすでに判明しています。
こうした病気の多くが今では子供に多く発生しており、母親が食べる食事を通して生まれる前からこれらの成分に暴露されている現状です。
日々のカロリーの18%を添加砂糖から採るようになった場合、前糖尿病症状や糖尿病を促す新陳代謝への害悪が200%増加することを大部分の研究が示しています。
幸いにも低脂肪を勧める理屈はゆっくりではありながらも根拠が薄れつつあります — この理屈は心臓病を飽和脂肪と結び付け、砂糖に原因があることを示す研究を抹消してきた不正な科学の結果としてあたかも通用していました — 。
揚げ物に含まれる有害な脂肪はこうした疾患の発病率を急増させてきたもう一つの要因です。揚げ物は特に心臓や心臓血管の健康にはよくなく、心不全リスクを高めます。
一方研究によって一貫して低脂肪食生活が心臓病の予防にはならないことが証明されてきました。動脈血栓を起こすのは実際にはトランス脂肪と 酸化コレステロールです — 飽和脂肪や健康的な食事から採るコレステロールではありません。
チーズは飽和脂肪が多いので長年悪者扱いにされてきましたが、飽和脂肪の神話がますます疑いの目で見られるようになっており、チーズのリバイバルはさほど遠くなくありえるでしょう。
チーズの健康へのメリットに関する近年の多くの研究がこうした絶賛するような結論に達しています。New Nutrition Businessのアナリスト、ジョアナ・マリケートさんが次のように説明しています:
「過去の研究は栄養素を個別に取り上げその身体への効果を分析することしか行っていませんでした。今では食品や食品群を全体的に見る傾向が強まっています。
その結果乳製品特にチーズに関する研究が、チーズの成分が組み合わさり、過去では検討されたことがない多くの有望な健康への効能があることが証明しています。」
ごく最近、高脂肪チーズを食べると高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールが増えるので健康によいことをデンマークの研究チームが発見しました。HDLレベルが高いと新陳代謝異常や心臓病から保護するものと考えらえています。
高脂肪チーズの生体への効果を見ようとしたその12週間行われた研究には約140人の成人が参加しました。三つのグループに分けたうち二つのグループに高脂肪チーズか低脂肪チーズのいずれかを毎日80 g食べさせました。第三グループはチーズを食べずに毎日90 gのパンとジャムを食べました。
どのグループでも低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールに変化はあまりなかったものの、高脂肪チーズグループのHDLが増加しました。
乳糖耐性がない方でもチーズ製造工程では大部分の乳糖がなくなるので自分に合うチーズを多く見つけられるはずです。ナチュラルチーズと加工「チーズ食品」にはたいへん異なります。
ナチュラルチーズは牛乳、発酵開始剤、塩、レネットという酵素といった数個の基本的成分だけから作るシンプルな発酵乳製品です。塩は風味、熟成、保存のために欠かせない成分です。
ナチュラルチーズはラベルでわかります。ラベルにチーズの種類名例えば「チェダー(cheddar)、「ブルー」や「ブリー(brie)」と表示されています。
本物のチーズは冷蔵が必要です。プロセスチーズは通常滅菌処理されているほか栄養価にはならない各種の添加剤で変質されたものです。
ラベルを見るとき注意すべき点は「滅菌処理(PASTEURIZED)」という表記の有無です。成分表示の内容が多々あることもプロセスチーズを本物のチーズと見分けるもう一つの方法です。Velveetaは好例で、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムその他着色料が添加されています。
大部分のプロセスチーズは冷蔵が不要です。Velveet、チーズウィズ、スクイーズチーズとかスプレー チーズその他のブランド名のいずれにせよ — 偽物なので買っても価値はありません。
本物のチーズでもさらに絞り込めば、草地で飼育した牛乳を原料とする(牛を草地で飼った牛乳で作るもので、穀類飼料や大豆飼料を使い畜舎に閉じ込めて飼育した牛ではない)牛乳から採るチーズを選びましょう。
牛のために生物学的に適正な食餌は草ですが、一般に市販されているチーズの90%は高密度家畜飼養経営体(CAFO)で飼育される乳牛から作られ、チーズにする前に滅菌処理されています。
CAFOの牛乳は不潔な密集した飼育施設に蔓延する有害な細菌による汚染リスクが高いので滅菌処理せずに安全に消費するこができないものです。
生チーズは滅菌牛乳から作られるチーズ(高熱でチーズ本来の風味を出す酵素や善玉菌が破壊される)より風味が豊かなだけではなく、草で育てた牛の乳製品は栄養価も高いです:
• 草で育てた牛の牛乳から作るチーズには最適な比率のオメガ6:オメガ3脂肪比率で(2対1)含まれます。
穀類飼料で飼育された牛の牛乳ではオメガ6対オメガ3比がとてもオメガ6脂肪に偏っており(25対1)、これが標準的食生活ではすでに過剰になっています。自然に育てた牛の牛乳から作る乳製品は体内の炎症と闘えますが、穀類飼料で飼育された牛の牛乳では逆に炎症を促進します。
• 自然に育てた牛の牛乳には穀類飼料で育った牛よりCLAが3~5倍多く含まれます。草で育てた牛のチーズにはこの効能がある抗ガン成分量も多いです。
• 生チーズは滅菌されないので、牛乳の中の天然酵素が生き続けており、栄養価が高いのです。
• 草で育てた牛のチーズにはカルシウム、マグネシウム、ベータカロチン、ビタミンA、C、D、Eが豊富に含まれます。
• 草で育てた牛の有機チーズには抗生物質や成長ホルモンが含まれていません。
極めて残念ながら米国のDietary Guidelines for Americans(「アメリカ人の食事ガイドライン」)がいまだに高脂肪食ではなく粉ミルクや低脂肪乳製品を推奨しています。
このため学校の給食は低脂肪粉乳やチョコミルクを支給するのみで、このうち後者は砂糖が添加されているので未添加の粉乳に輪をかけて悪質なものです。モザファリアン氏の研究は高脂肪乳製品がはるかに優先すべきものであることを示した多くの研究の一つにすぎません。
モザファリアン氏が指摘する通り、「低脂肪乳製品を食べた人のほうが高脂肪乳製品を食べた人より健康がよいという納得できる証拠はどこにもありません。」以上のケースは政府の勧告など間違っており全世代に有害になる典型的な実例です。
さらに重大な不正としてこうしたガイドラインが減量のために脂肪ゼロか低脂肪の食事に固執し続けています。低脂肪勧告は全面的に弊害をもたらす確率が高く、特に減量に関して逆効果にさえなります。
実際に、多数の証拠が高脂肪低炭水化物食は減量のために極めて効果的であることを示しています。
飽和脂肪は適正な細胞機能やホルモン機能のために不可欠なだけではなく、エネルギーが高濃度に含まれる食糧でもあります。高脂肪低正味炭水化物食の組み合わせは正味炭水化物(総炭水化物ー繊維質)を減らすことでこの不足するエネルギーを体脂肪でまかなわざるを得なくなくなるので、最適な食べ方なのです。
ここで要は、砂糖を可能な限り絶つことと、一人ひとり異なるので自分に合う脂肪を摂ることです。
草で育てた牛の生チーズ以外にも他の健康的な脂肪を含む食品として、オリーブ、本物のオリーブ油(冷食によい)、調理や焼き物用ココナッツオイル、草で育てた牛の生バター、マカダミアやピーカン等の生ナッツ類、アボカド、有機玉子の黄身、草で育てた牛の肉、MCTオイル、生カカオが挙げられます。加工サラダ油やマーガリンスプレッドは避けましょう。
草で育てた牛の有機牛乳には免疫力を高める善玉菌が豊富なほか、アレルギー体質を改善します。さらに関節リウマチ、発疹、下痢、痙攣等滅菌ミルクにともなう健康への害もありません。
飲むなら草で育てた牛の生乳が最適ですが、これにはガラクトース濃度が高いことを忘れないで下さい、従って、自然のままの生乳といっても牛乳から炭水化物の摂り過ぎになりやすいです。この点では牛乳よりバターとチーズのほうが、ガラクトースが少なく健康的な脂肪が多いのでお勧めします。
カゼインに敏感な方の場合、生乳であっても問題があります。さらに、脳内にミルク由来のオピオイド受容体があるので、牛乳タンパク質であるカゼインにはカゾモルフィンという天然オピオイドが含まれています。牛乳やチーズ等の乳製品には「依存症」的になる場合があるのはこのためです。
ヨーグルトとケフィールともに発酵した牛乳から作るので、腸の健康を増進する善玉菌のよい摂取源です。ヨーグルトとケフィールの主な栄養面の相違点は含まれる細菌の量や種類です。
ケフィールに含まれる細菌の方が多種多様であり、さらにそのほとんどはヨーグルトに通常見つかる善玉菌の菌種で3倍、量にして40倍多いです。
全体の組成としては、ヨーグルトは通常どろっとしておりクリーミーですが、ケフィールには一様に濃い牛乳のようです(スプーンで食べるのではなく飲み物)。ケフィールは砂糖を添加していなくてもどちらかというと甘いヨーグルトより酸っぱいです。
他の乳製品と同様にその原料である牛乳こそ栄養の効果という点で鍵を握っています。草で育てた牛の生ミルクから作ったヨーグルトやケフィールなら最適です。実際に大部分の市販ヨーグルトは健康食品というより砂糖系のデザートと同類です。
Cornucopia Instituteは二年を費やしてヨーグルト業界を調査し、Buyer's Guide and Scorecard(「バイヤーズガイド/スコアカード」)という報告書を発刊しましたが、そこでは市販ブランドの格付け一覧を載せています。「USDA 100% Organic」を最高格付けを付与された5つのヨーグルトブランドはTraders Point Creamery、Butterworks、Cedar Summit Farm、Maple Hill Creamery、Seven Stars Farmでした。
添加砂糖(通常は高果糖コーンシロップ(HFCS)という形で添加)以外にも、ほとんどの市販ヨーグルトには人口色素、風味料、添加剤が含まれ、これら全てが善玉菌に有害ないっぽうでは腸内病原菌の栄養素になります。
市販ヨーグルトで滅菌牛乳(高温処理)を使用していないものはまずないといってよく、これを再加熱してヨーグルトを作っているわけで、この二回の加熱による害が内在的に存在します。最高格付けされているヨーグルトは概していうと比較的低温でのVAT滅菌によって処理されており、すでに滅菌された牛乳でなく生牛乳から製造されています。
ヨーグルトを生牛乳から自宅で作る(加熱しない)ほど最適とはいえなくても、市販ヨーグルトよりはましな選択です。
同報告書はさらに「Live and Active Cultures」(生きた活性培養)と銘打った食品業界のラべリグキャンペーンも対象にしており、この場合健康的なプロバイオティクスを高濃度に含む製品を消費者が選択しやすくすることを目的にしています。プロバイオティクス成分評価のためCornucopiaは工場検査レベルという業界標準を用いずに商店から直接ヨーグルトを買い集めて検査しました。
「Live and Active Cultures」(生で活性のある培養品)ラベルのブランド品の多くはCornucopiaの格付けでトップクラスの有機ブランドで「Live and Active」キャンペーンには含まれない商品よりプロバイオティクス成分が少ないことがわかりました。ヨーグルトとケフィールに関して言うなら草で育てた牛の生牛乳と開始菌を使い自分で作るほうが絶対正しいです。
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