Dr. Mercolaより
尿失禁は、意図しない尿漏れと説明されています。失禁の種類には、緊張性尿失禁、過活動膀胱や夜間頻尿などがあります。
数百万人が尿失禁に悩まされており、尿失禁は非常に恥ずかしいと思う人が多いため、製薬会社にとっては、非常に大きな市場となっています。
テレビ、デジタルおよび紙媒体での宣伝には、薬の使用や、尿漏れパッドなどで症状を軽減し、恥ずかしくないようにしようと謳っています。
しかし、最近の研究では、薬の副作用のリスクを伴わずに、骨盤底筋が弱くなることによる尿失禁には他の方法があることが示されています。興味深いことに、この解決法は、姿勢のサポートと腰痛の軽減にも役立ちます。
緊張性尿失禁は、若い女性より閉経後の女性に多い身体的障害です。
Journal of the American Geriatric Society(米国老年医学誌)に発表された研究は、除脂肪筋肉量を維持している女性や握力が強い女性は、緊張性尿疾患になりにくいことを突き止めました。
研究者たちは、これらの女性たちは、骨盤底筋の強さを維持し、そのため骨盤底の臓器がしっかりサポートされていると理論づけました。
これらの筋肉は、尿失禁や大便失禁の原因となり、骨盤の関節を安定させ、骨盤内のリンパや静脈のポンプの役割を果たし、性的能力を助けます。
これらの筋肉が弱くなりすぎると、咳、くしゃみをするときや、重いものを持ち上げたり、運動中に尿が漏れてしまいます。この研究では、試験開始時に70歳~79歳であった1,400以上の女性たちから得たデータを検討しました。
3年間の試験期間を通じて、筋力が衰えなかった人たちは、緊張性尿失禁になりにくいことが分かりました。また、体重減少や体脂肪を減少させた女性たちでは、リスクが減少しました。それは、肥満が尿失禁の全体的なリスクに関連しているからです。
若者や中年の高体格指数(BMI)は、危険因子として知られていますが、年齢を重ねるごとに体の構成が変化するため、尿失禁との関連性は、より複雑になります。
ある研究では、尿失禁についてのアンケート調査を行い、BMI、握力、大腿四頭筋の強さと歩く速さに関するデータを収集しました。
女性では、握力が5%弱くなると、尿失禁を起こす可能性が60%増え、BMIが5%以上少なくなると尿失禁になる可能性が低くなりました。
過活動膀胱または切迫尿失禁は、膀胱の炎症、膀胱がん、膀胱結石または神経の損傷によっても起こる可能性があります。基礎にある病気がないと分かれば、治療には骨盤底筋の強化と生活習慣の改善が含まれます。
切迫尿失禁や緊張性尿失禁は、過体重によってリスクが高くなります。過体重により、骨盤底筋にかかる圧力が増大するからです。不活動性、糖尿病、うつ病なども、骨盤底筋の強さに影響を与えることがあります。
尿失禁を起こすリスクを増大するその他の要因には、次のようなものがあります:
尿失禁は閉経中に最も発症し、その後どんどん増えていきます。女性は、ホルモンレベルが徐々に低下していくため、筋力を失いやすいからと考えられます。
骨盤底筋が弱くなることは、加齢の徴候と見られがちですが、実際には違います。ケイティ・ボーマン氏は、運動が体と世界にどのような役割を果たすかについて教育活動を行っており、骨盤の不整列と骨盤底筋が短くなることが、骨盤底筋が弱くなることで起こる症状を起こすリスクを高める可能性がある1つの問題であると提唱しています。
骨盤底筋を鍛えることで、尿失禁のリスクを低減することができますが、これらの筋肉は、尿漏れを防ぐ以外にも多くの役割があります。
実際、ハーバード大学医学部によると、男性でも骨盤底筋が弱くなることによって、尿失禁、腸の問題、勃起の問題を含む同様の問題が生じるそうです。
女性は、出産によって骨盤底筋が弱くなる傾向がありますが、女性も男性も長時間座っていることで、筋肉が硬直してしまうことがあります。
また、骨盤底筋は、腰やお尻を安定させることにも役立っています。これらの筋肉が硬直すると、筋肉が弱ったのと同様に不具合が生じることがあります。体の他の筋肉と同様に、硬直した筋肉は、バランスが整っている筋肉のように機能することができず、体をしっかりサポートすることができなくなります。
骨盤の筋肉が強さを失うと、骨盤内臓器の脱出が起こります。骨盤内臓器が重力によって下がり、膣壁まで飛び出してきます。また、 腰痛と骨盤痛の原因にもなます。腰や骨盤が不安定になることによって、バランスを失ってしまいます。
多くの女性は、これらの筋肉を鍛えるのを忘れ、大半の男性もこれらのエクササイズのメリットに気付きません。また、体幹を鍛えることも、エクササイズのやり方を間違えると、骨盤底筋を弱くしてしまうことがります。
伝統的な腹筋運動や腕立て伏せは、腹圧を増加させ骨盤底筋を歪めます。同様に、妊娠や体重増加も、これらの筋肉に圧力をかけてしまいます。
重要なのは、内部の体幹筋肉を鍛えることで、これにより骨盤底筋が弱くなることを防ぐことができます。体幹の筋肉を激しく鍛えることは、必ずしもメリットがあるとは言えません。
ケーゲル体操は伝統的に推奨されてきた、骨盤底筋を強くする運動です。この体操は、とても強力で効果がある一方で、筋力を鍛えるのに役立つエクササイズというだけではなく、運動する部位の硬直も軽減します。
ここで、ケーゲル体操を含むいくつかのエクササイズと、男性と女性の両方が尿失禁を防止し、性的満足感を向上するのに役立つ保護メカニズムについてご紹介します。
骨盤底筋を守る
転ばぬ先の杖。骨盤底筋の安全と安定に重要なのは、エクササイズや日常活動による圧力を減らすことです。ここでお勧めすることの大半は、腹腔の圧力を減らすため、これらの筋肉への圧力をが軽減されます。
活動中に呼吸を続け、息を止めないようにしてください。これには排便や腕立て伏せも含まれます。腹筋を安定させるときや、物を持ち上げたり、押したりするときなど体に無理がかかるときの骨盤底に意識を向けるときを含めて、正しい姿勢とフォームを保つように心がけてください。
骨盤底筋を緊張させずに腹筋を鍛えられる程度のエクササイズを行ってください。エクササイズをしているときや座っているときは、膝をそろえてください。これにより筋肉が支えられ、梨状筋症候群の発症リスクを減らします。
ケーゲル体操
他のエクササイズと同様に、間違って行えば、ケーゲル体操は骨盤底筋に良いどころか、悪影響を与えてしまいます。正しいテクニックを覚えて、真面目に行うことで最大の効果を得ることが重要です。
まずは、医師に相談し、尿管感染や前立腺の問題といった、ケーゲル体操を始めてはいけない基礎にある病気がないかどうか確認してください。
ケーゲル体操は、骨盤底の収縮と弛緩を助けます。重要なのは、筋肉を収縮させた後は、完全に弛緩させることです。少しだけ収縮させた状態が続くと、最終的には筋肉が弱くなってしまいます。これらのエクササイズは、重力に逆らわないように横になって行ってください。
骨盤底筋は、膣や肛門を取り囲んでいるので、お腹やお尻の筋肉ではなく、この部位を捻ったり、頭の方に持ち上げることを視覚化するといいでしょう。
収縮を5~8秒間キープし、最大10回繰り返してください。このやり方を覚え、筋肉それぞれを意識できるようになったら、椅子に座ってでも、立ってでも行うことができるようになります。誰もあなたが体操をしていることは知りません。歯磨きや信号待ちで座っているとき、メールをチェックしているときなど、日常的に行う別の活動に組み込むことができれば、毎日体操をすることを忘れずに済みます。
全方向に向かって動く
大半の人々は、歩いたり、ジョギングしたり、エリプティカル・トレーナーやローイングマシンや階段昇降など、1日中前を向いて動くことに慣れています。あなたは、常に前を向いて動いています。しかし、体には、他の方向にも動く能力があり、これらの動きは機能的に骨盤底筋に作用します。
ヒップアンドボディサークルや、反復横跳びを、スピードスケート選手より体を上げて行えば、骨盤底にくっついているお尻の筋肉を鍛えることになります。機能的エクササイズは、筋肉と筋肉の間の相互作用を向上し、長い目で見ると、怪我による問題を減らすことができます。
黙って行う
1日中腹筋に力を入れてキープすることは、腰痛を軽減し、全体的な姿勢が良くなります。しかし、ほとんどの人は、内部の骨盤底筋のことを忘れて、外部の筋肉のみを使ってしまいます。軽めのケーゲル体操を行い、両肩を後ろに押しながら、お腹の下部を背骨にゆっくりつけるようなイメージを持ってください。
これらの筋肉を鍛えることにより、頭からお尻までが正しく整列した状態を保つのに役立ち、腰、お尻、骨盤底への圧力や歪みを軽減します。
頭からお尻までの正しい整列
素晴らしい姿勢をキープすることは、筋肉を鍛えるため多くのカロリーを消費し、腰と背中のバランスを良くするため、腰痛を軽減します。コンピュータの前に長時間座っていたり、肩を下げて経っていたり、背筋を曲げていると、骨盤が不自然な位置に置かれてしまいます。頭からお尻までの姿勢に常に気を付けることで、痛みを緩和し、怪我をする可能性も減ります。
腰の曲線は弛緩させますが、やりすぎてはいけません。腰の筋肉が硬直すると、お尻が突き出す原因となるため、腰の筋肉をストレッチして正しい姿勢で立てるようにしてください。
ヘッドアラインメントもチェックしてください。頭は、体とお尻の上の中心において、顎を引きます。顎を引いて、頭が骨盤の上に位置しているため、硬直やストレッチをやりすぎることなく、機能的に筋肉を鍛えることができます。
背中のアラインメント
よく猫背と呼ばれる後弯は、オフィスの椅子に何時間も座っていたり、前のめりになったり、下を向いて歩くなどにより背中が丸くなることがあります。また、この曲線の増大は、尿失禁や骨盤底筋を弱くするリスクを増大させます。
1日中、座った姿勢や立った姿勢に注意することは、腰痛や尿失禁の問題の両方を減らすために重要です。夜にフォームローラーで背中を伸ばし、疲れた筋肉をマッサージして、腰の筋肉を鍛えて強くするっために何度かスクワットをしてみてください。
最後になりますが、重要なこととして、恥ずかしい事故を防ぐために使用するかもしれない製品の安全性についてご紹介します。
アンドレア・ドンスキー氏は、体の中でも非常に血管の多い部分にじかに接触する製品の原材料について完全に知ることができないことに不満を述べています。また、彼女は、製品がどのように異なるかを実証するために、2つの女性用衛生パッドを燃やしました。
尿漏れパッドや女性用衛生用品は「医療機器」と分類されるため、製造者は原材料を公開する必要はありません。
パッドを清潔な白にに見せるため、製品はまず脱色され、塩素が残っているはずです。これが、炭素を基礎とする有機物(人の組織)に接触すると、消毒副生成物(DBP)が生じます。これらの副生成物は、接触する部分に対して最も危険な物質が含まれます。
毒性のある化学物質に接触することを減らせる、より安全な代替法があります。オーガニックコットンで製造された製品を探してください。パッドの中には、1枚あたりビニールが4袋分も含まれているものもあります。プラスチックへの接触について今知られていることをすべて踏まえると、これだけでも、懸念材料です。
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