プロバイオティクス

早分かり

  • 世界で毎年100万人程度が化膿症に罹り、このうち半数以上が死亡していると推計されます。世界で特に発展途上国で毎年600,000人の幼児が化膿症で死亡していると推計されます。
  • 生まれたばかりの赤ちゃんにプロバイオティックス(健全な細菌)を一週間与えたら化膿症リスクとその死亡リスクがそれぞれ40%、9%が5.4%に削減されました。その他のよくある感染症も34~82%だけ減少しました
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プロバイオティックスは幼児の化膿症予防にとても役立つ

2018年2月28日 | 288 ビュー |
バージョン:日本語

Dr. Mercolaより

医薬品に耐性がある感染症が増え続ける中、敗血症も例外ではなく — この進行性疾患は感染のために機能障害を起こした攻撃的な免疫反応が血流の中で発生するもので、このため別名敗血症とも呼ばれています。

早期に把握して処置しないと、この異常が敗血症によるショックまで進行し、極度の低血圧、心臓の衰弱、多器官の機能障害、さらに死亡に至ります。

推定100万人が世界で毎年化膿症に罹り、50%は全身感染のため死亡しています。気管支炎、肺炎、連鎖球菌性咽頭炎、腎臓感染症や局部感染症等の病気が敗血性に悪化し、化膿症は特に病院環境で最も罹りやすいのです。

致死率50%が示す通り、残念ながら従来式の処置ではだめなのです。

お金がかかりすぎます。ヘルスケア研究・品質局(Agency for Healthcare Research and Quality)によると、化膿症は2014年の例では240億ドルを超す医療費につながった病院で処置される病気の中で最も高価につきます。

それでも望みを託せる面もあります。近年では著しく有望な医薬品を使用しない2つの処置が実証されています。

プロバイオティックスですくわれる幼児

化膿症は幼児を含め誰でも罹り得る危険なものです。生まれたばかりの赤ちゃんにプロバイオティックス(健全な細菌)を食べさせると子供の化膿症リスクを大きく削減できることが最近の研究からわかりました。

それは化膿症が日常的に起きるインドの村落部に住む幼児を対象にした研究です。世界で特に発展途上国で毎年600,000人の幼児が化膿症で死亡していると推計されます。

選定された細菌株はラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum ATCC-202195)といい、キャベツの漬物(ザウアークラウト)やキムチ等の発酵野菜にいる一種の乳酸菌でした。この菌にプロバイオティックな菌種のコロニーを増殖させ維持するためのプレバイオティック、フルクトオリゴ糖を添加しました。

この菌株は予備研究で280種類以上の株を一定の方法でスクリーニングして選んだものです。ラクトバシルス・プランタラムを選んだわけはこの菌が小腸の細胞に付着する能力があるからでした。

NPRによると、研究チームは「この細菌がいかにうまく機能するかに驚いた」そうです。合成混合物(プロバイオティックスとプレバイオティックスを混ぜた物)を幼児に一週間与えたところ、化膿症のリスクは40%減り、致死率は9%から5.4%へ下がりました。

インドで幼児死亡率が最も高い州 — オディシャ州の149村が研究の対象でした。当初計画では8,000人の幼児を募集することにしていましたが、4,557人の赤ちゃんまででこの研究は打ち切られました。顕著な効果があることが明確に実証されたので、生まれたばかりの赤ちゃんの半数にこの処置を行わずに継続していたとしたら非倫理的であったかもしれません。結局は全員に処置するほうがよいことが明らかになったわけです。

プロバイオティックスは他の感染症罹患率も下げる

プロバイオティックスで他のよく見られる感染症リスクも下がりました。例えば呼吸器系感染症は34%減り、このことは全く予想されていなかったことでした。

グラム陽性細菌の感染は82%、グラム陰性感染症(処置しにくい)は75%減りました。価格面でも大きな効果があります。幼児1人当たり1週間の処置に掛かる費用が$1と、信じがたいほど安価にできます。

プロバイオティックスはいくつかの根拠によって医薬品よりはるかに強力であることを研究者がコメントしています。まず、赤ちゃんの腸内に蔓延してしまう悪玉菌を善玉菌が抑制します。

プロバイオティックスは小腸壁を強化する化合物も発生し、このため悪玉菌が血流に侵入しなくなります。さらに、赤ちゃんのより健康な免疫系の成熟を支持し促します。

健康的な腸内善玉菌の減少は疾患率を高める

数十年も抗生物質は必要以上に処方され、濫用もされてきたので、腸内細菌叢から健全な細菌を減らし、薬品耐性がある細菌を生み出すことで人間の健康への重大な脅威になりました。

ニューヨーク大学医学部ヒト細菌叢研究プログラム座長のDr.マーチン・ブレーザー医師の説明によると、「人類にこれまで存在していた細菌叢が損失したことで身体がもはや防衛できないような異常が全面的に増加しています。」

ブレーザー医師は腸内細菌叢の減少が1型糖尿病、自閉症、腸炎、食品アレルギーその他多くの原因となっており、幼児期は腸内細菌叢の発達にとって重要な時期であることを指摘しています。帝王切開がますます頻繁になっていることもこの際一役演じており、この処置方法では赤ちゃんが母体の細菌叢と接触できなくなるからです。正常出産では新生児が産道を通るときに細菌叢を取得できます。

母乳は赤ちゃんの腸内細菌叢に健全な細菌やこの細菌のえさになる消化しにくい糖分を供給するので、母乳での授乳がないこともこの問題を悪化させます。妊娠中や出産直後の抗生物質使用により細菌叢のバランスが崩れ、近年の研究によると、妊娠中の抗生物質は奇形児リスクを高めることもわかっています。

抗生物質も新陳代謝が永久に変わってしまうことにつながっており、幼児が成長してからの肥満リスクを高くしています。多くの親たちは子供を泥やばい菌から何が何でも守るべきだと考え、抗生物質を使用することに躍起になっています。このため子供の免疫系は強化されずむしろ脆くなる影響が及びます。

外で泥んこ遊びは実際には子供時代に大切な一面であり、これは健康の観点から見ると、土壌に生息する微生物が免疫系を刺激し、炎症を削減し、デトックスにさえ役立つからです。

ビタミンCも化膿症処置に有望

化膿症をビタミンCで処置できることはもう一つの重要な医学的発見でした。イーストバージニア州センターラ・ノーフォーク総合病院(Sentara Norfolk General Hospital)肺・危機管理医療主任のDr.ポール・マリク(Paul Marik)さんは、ビタミンC、チアミン(ビタミンB1)、ハイドロコルチゾン(一種のステロイド)の混合液を静脈から注入(IV)すると効果的でコスト高を防げる化膿症の処置であることを発見しました。

マリク医師は、敗血症患者にこの簡単な王脈注入混合液を2日間投与したら致死率がほぼ5分の1すなわち40%から8.5%まで減ったことを示す臨床研究を振り返る記事を公表しました。処置を受けた50人の患者のうち、死亡したのは4人だけしたが、この4人は実際には敗血症が死因ではなく、既往症によるものでした。

ビタミンCは感染病の予防と処置の能力があることでよく知られています。それより以前の研究ではビタミンCが炎症促進性のサイトキンとCRP(C反応性タンパク質)を効果的に削減することがわかっています。インフルエンザ、脳炎、はしかはすべて高用量のビタミンCで治ります。

化膿症に対する作用の仕組みを調査するためマリク医師はオールドドミニオン大学薬理学者ジョン・カトラヴァスさん(Ph.D.)の応援を求めました。

マリク医師の要請に応じてカトラヴァスさんは独立的なラボ研究を行った結果、その処置の効果を確認しました。興味深いことに、ビタミンCはハイドロコルチゾンと同じような機能があり、ビタミンCかステロイドを個別に投与したところ、何も起きませんでした。しかし共用したら感染が根絶したのです。

チアミンも添加したら功を奏しました。チアミンはビタミンCの代謝産物の新陳代謝のために必須なだけではなく、化膿症自体がビタミンを欠乏させるものなので、チアミンを投与すると腎不全や死亡率のリスクを軽減できます。

マリク医師の処置計画が全米で検査中

化膿症は乳がんや大腸がん、AIDSを全部合わせた以上に致死率が高く、マリク医師の処置計画は根本的に効果があるだけではなく、副作用が無く、安価で入手しやすく、投与も容易です。

マリク医師の勤務するセンターラ・ノーフォーク総合病院ではすでにその処理計画を化膿症の標準的処置に採用しており、50施設以上がその後この成功例に倣っています。それでも臨床段階で成功が確認されているのに多くの医者はさらに根拠のある研究がなくこの処置法を採用するのを拒んでいます。

この理論を大規模に検証するため、エモリー大学医学部化膿症研究主任Dr.クレーグ・クーパースミスさんはマリク医師のビタミンC処置法を全国的に複数施設を対象にして検査しています。クーパースミスさんはSmithsonianに対して、「その効果が実証されれば、私の人生の中で最大の化膿症治療の画期になるでしょう」と語っています。

その臨床検査結果は成功例が未だ不十分なのでまだ揃っていません。例えば、最近の研究によると、IV注入液を急速かつ大量に投与することを勧める標準的方法では生存率に効果がなく、特定の医薬品を使用する古いガイドラインは百害あって一利なしな状態です。

端的に言えば、有効な代替処置法がほとんどないので、マリク処置法がますます有意義なものになっています。

化膿症のリスクはどれほどある?

化膿症に世界で年間百万人以上が罹っていることからして、その兆候、症状、リスクを把握しておく必要があるでしょう。ヘルスケア従事者でさえ兆候をつかめず手遅れになるケースがあります。疾病管理予防センター(CDC)による化膿症リスクが高い状況:

  • 慢性病。大多数 — 10症例のうち7症例 — の化膿症患者にはたいてい何らかの慢性病があります。糖尿病患者や肺病、腎臓病、肝臓病の患者は特に感染されやすく、そのリスクが高いです。
  • 免疫系の衰弱、AIDS、がん。
  • 最近入院した、介護施設にいた、その他ヘルスケア施設に行ったことがある場合、こうした施設では感染を促す細菌が蔓延しているので感染症になりやすいです。

化膿症リスクを減らす常識的戦略

ヘルスケア従事者が潜在的に化膿症にまで至るような感染予防と化膿症の疑いがある症状について患者への情報提供に責任を持つと同時に、自分でリスクを下げることはできます:

尿道感染症(UTI)の早急処置。UTIは体内感染のなかで2番目によくある感染症であり、年間800万人以上が治療を受けており、化膿症の1/4が尿道感染症に関連しています。

従来式の処置は典型的に抗生物質を使用するもので、UTIの90%をグルコースに密接に関連する天然の糖分、Dマノーズで治すことができます。

皮膚の傷を正しく浄化する。化膿症症例の10件に1件は皮膚感染症によるもので、傷やすり傷はじゅうぶんに時間をかけ正しく処置してください。傷を負ったらマイルドな石鹸水で洗い流し、汚れや残骸を落とし、無菌の傷テープを貼ります。糖尿病患者は危険な足の感染症を防止するために注意して足のケアを行ってください。

病院感染を防止する。ヘルスケア施設を訪れるときは、自分の手を洗い、医師と看護師に自分を触診したり自分に使う機器を扱う前に手を洗う(かグローブをはめ替える)ようにお願いしてください。

大腸内視鏡検査やその他柔軟な医療用検査鏡を使用して検査を受けざるを得ないときは、こうした器具の洗浄方法や洗浄溶液の種類について確認してください。

その答えがグルタールアルデヒド(商品名Cidex)なら過酢酸を使用する他の施設へ行くのが正しいです。こうした予備的手間を掛けると、汚染した器具による感染リスクを大きく減らすことにつながります。

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