排水管に流してはならない10種類の物

キッチンの流し

早分かり -

  • たいていの住宅配管は見えず、流しの下とか壁の中を走っているものですが、その手入れとなると高価につくものです
  • グリース、トイレに流せる猫砂、ペーパータオル、コーヒーの滓等排水管に流す物によっては汚染に寄与し、配管の修理費が嵩みます
  • 間違った使い方を止めると配管の流れをとてもよくできるようになるばかりではなく、腐食性の化学品を使わずに排水管が速やかに流れ続けるように維持する簡単な方法をご紹介します
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Dr. Mercolaより

キッチンの流しは自宅の中で最も汚い場所の一つと考えられます。

公衆衛生・安全性試験認証機関NSF Internationalによると、食器洗い用のクロスとキッチンの流しは自宅の中で最もばい菌が多い物の一つです。

浴室や便座より悪い状況にある流しは病原菌が繁殖するのに最適な場所です。

キッチンの流しは詰まるといらいらの原因になるほか、気づかずに環境を汚染している場所でもあります。自宅の配管は通常壁の裏や流しの下にあって見えないので謎のように思えるかもしれません。

しかし自宅の中でその機能を把握し、外出するときの処置法がわかると、配管の維持と環境汚染を減らすのがうまくなります。

配管の機能

自宅の配管は体内で栄養素や酸素を運ぶ血管に似ているともいえるでしょう。

配管とは液体を移動するシステムを指す実際には広範な概念です。配管は衛生関連、暖房、冷房、給水に使われることがありますが、これ以外にも用途があります。

自宅にある配管は排水を外へ流し、飲料水を引き込むため、たいてい流しの下や壁の裏を通っています。液体はパイプ、固定具、タンクからなるシステムを利用して輸送され、これらのどの部分も排管を流れる物で詰まることがあります。

排管は重力の法則に従っており、2つの分離されたシステムからなります。1つはきれいな水を供給する方で、他方は廃水を輸送します。給水は加圧されています。排水は下へ向かって傾斜しているパイプを通って流れます。この管にグリース、食品の残骸その他の物体が詰まると、排水が流れにくくなります。

その好例として、ミシシッピ州マディソンでの大規模排水詰まりが発生したとき、地元のカントン都市公共サービス当局の役人はクッキーメーカー・デビューキレア社が、クッキー工場の機器を洗浄して余剰のクッキーを排水に洗い流していたのが原因であるとした事件が挙げられます。

同当局のケニー・ジョーンズ局長は、同社が自社の原因ではないと主張しており、排管の底に沈殿しているクッキーの塊を写した写真を見せ、排水の不具合に関して工場が頻繁に対処しなければならかったと主張していたと言っています。

同局幹部はジョーンズ氏に排管系統に影響を及ぼさないようなクッキー滓の処分用ソリューションを見つける任務を全権委任しました。そのクッキーメーカーは排管に廃棄物を破棄していただけではなく、夜間の保管前に設備機器を清掃もしていました。

これと同じ状況は、自宅で食後に食器を洗ったり、ホビーや工作用器具類を洗うときにも起こります。余分な食品、グリース、化学品、化合物が排管に捨てられています。

排管に流してはならないもの

排水に混ざって流れる物が配管や環境に影響を及ぼしているので、配管の機能とご自宅の財産や環境への損害を軽減する方法を把握することは重要です。

これは以下の物を排管に決して流さないことで守ることができます。配管修理は高いので財務的リスクも軽減できるでしょう。

グリース

グリースは自宅の設備や公道の下水管の内面に付着します。時が経つにつれ管を詰まらせることになります。グリースは掬い取ってゴミ箱に捨てましょう。

マヨネーズ、サラダドレッシング、バター、クッキングオイル、さらにベーコン、ビーフ、ポーク等の肉から出る脂肪も排管を詰まらせます。エンジンオイルやトランスミッションフルードは流しにもトイレにも捨ててはなりません。

玉子の殻

玉子の殻は堅い外殻と内側の被膜からできています。この殻は廃棄物処理ユニットのブレードには硬く、この装置の耐用期間を縮めます。

その内側の被膜は破砕機に絡みつき、モーターの減速さらに焼き切れるまで損害を及ぼします。殻は他の閉塞物をさらに発生させ問題をこじらせます。

コーヒーの濾し滓

これは廃棄物処理ユニットに損害を与えず、臭いを吸収するのでよいかもしれませんが、管には蓄積して詰まらせるリスクが高くなります。コーヒーの濾し滓は生ごみの堆肥にとてもよく合う材料です。

膨張性の食品

パスタやお米等の食品は廃棄物処理ユニットや排管の中で残余水を吸い込み続けて膨張します。パスタは通常サモリナ麦製なので、ねばつき、排管を容易に詰まらせます。

小麦粉

小麦粉と水を混ぜ合わせたことがありますか?この混合物は糊状になり、排管の側面に着き、管を流れるに従いその他の残骸物も吸いつけて行きます。これこそマディソン郡がその町にあるクッキーメーカーから出るクッキー廃棄物のために直面した問題です。

製品のラベル類

お買い物に付いてくるラベルをまさか流しから捨てているとは気が付かないでしょうが、このラベル類はフルーツや野菜を洗っているとき剥がれて流れています。

ラベルはプラスチックを含み、接着剤の被膜があり、どちらも水に溶けません。これが排管を流れるうちに排管のコーティングに使われているグリースと付着し、ポンプやホースに詰まる、または水処理場のスクリーンやフィルターを詰まらせます。

紙製品

トイレットペーパーは最終的に水の中で分解するように開発されています。その他の種類の紙はトイレから流したり、流し下の廃棄物処理ユニットを通ってから分解しません。ペーパータオル、生理用品やコットンボールなどの製品はゴミ箱に必ず捨ててください。

これらの製品は吸水率が高く、排管を詰まらせます。

生物分解性や「トイレに流せる」製品

トイレに流せるとか生物分解性と唄われている多くの製品はこの用語の規格には準拠しているでしょうが、排管を詰まらせるリスクがあります。

例えば、トイレに流せる猫砂は排管の中でも吸水し続けています。猫の糞はトキソプラズマ症の原因になる寄生虫を含む場合があり、水処理施設で壊滅されないので海洋動物への脅威になります。

濡れたクレンジングパッドも下水管の重大な問題の一つです。この製品は完全には水中で分解せず、他の製品と結合して大きな絡んだ塊になります。ニューヨーク市は「トイレに流せるクレンジングパッド」による機器の修理に5年で合計1800万ドル以上を支出したことがあります。

塗料や清掃用製品

これらの製品は液状ですが、排管の詰まりや環境汚染リスクを高めます。都市によってはラテックスやオイルペイントの廃棄要件が異なるので、お住いの地区の役所から関連の案内をもらってください。

従来の清掃製品にはたいていリン酸塩、抗菌剤、その他の化合物を含んでおり、これらが浄水場で除去し尽くされることはありません。これらを使わずに、ご自宅で環境に安全なお酢、重曹、エッセンシャルオイルで自家製洗剤を作ることができます。

医薬品

期限切れや未使用だった医薬品をトイレに捨てたり、流しに捨てて廃棄物処理ユニットに任せるのは理にかなっているように思えるでしょうが、研究によると、こうした医薬品の多くが浄水場で除去され尽くされず、環境を害することが示唆されています。

浄水場でも医薬品をすべて除去できるとは限らないので、毎日飲んでいる水道の水にも微量の医薬品が混ざっている可能性があります。

効率的に廃棄物処理ユニットを維持すること

これまでに述べた物はほぼすべて廃棄物処理ユニットに損害を与え、排管を詰まらせます。処理ユニットの耐用期間を延ばし、流しから出る悪臭を減らすための方法:

  • 清潔を維持する。処理ユニットを清潔に維持することで、自宅の中の臭いが減り、流しに細菌が繁殖しにくくなり、廃棄物処理ユニットの耐用期間も延びます。毎晩食器を洗った後、廃棄物処理ユニットに食器用洗剤を少量流し、1~2分水を流したままにします。グリースを分解する製品を日常的に利用しても詰まりを防止できます。
  • 廃棄物処理ユニットに滓を貯めない。大きい食品の滓を刻み、廃棄物処理ユニット(流しの下の処理タンク)を日常的に流し、このユニットに食品を溜まらせないようにしてから排水すれば、もっと効果的に機能するようになります。
  • 冷水を使用する。廃棄物処理ユニットに冷水を流すとモーターは使用中に低温のままで、グリースを凝結させるので排管の中を流れさせません。こうしてグリースが固まれば粉々に切り刻まれてから排管を流れ去ります。食品の粒子が入った廃棄物処理ユニットに水を通してから約1分水を流し続けると、廃棄物が公道の下水管に到達できます。
  • 日常的に水を流す。廃棄物処理ユニットに日常的に水を通して錆や腐食が部品に堆積しないようにすれば、処理ユニットが良好に流れ続けます。

排水が自宅から外へ流れた後は?

環境には少量の水中廃棄物を削減できる素晴らしい力がありますが、人間が利用した後の下水は数十億リットル以上も自然に負荷を与えるものなので、浄化してから環境に放出しなければなりません。

正しく浄化されないと水は細菌を運び、健康によくなく、魚、植物、海洋生物の成長を阻害します。

廃水処理は3段階を経ます。最初に機械的処理を行い、懸濁した固形廃棄物を除去します。ろ過して固形物を除去し、水に堆積させ、沈殿物を除去します。機械的除去とはいっても、通常薬品を添加しており、堆積を迅速化しています。

第2段階は生物学的に行い、機械処理で除去しきれない水中に溶解している有機物を除去します。次に堆積用タンクを通して処理します。

第3段階は第2段階とほぼ同じで、次に水が環境に放出されない限り、塩素で消毒します。塩素は有機物を抹消するのに効果があり、疾病の拡大を防止するのですが、リスクもともなっています。

塩素が植物素材等有機炭素系の物体と接触すると元の塩素より数百倍も健康に危険を及ぼす、消毒の副産物を生成します。

配管を清潔に維持する

自宅の配管を清潔に維持することはそうしなかった後で発生するかもしれない問題より簡単でコストもそうかかりません。時が経つに連れて堆積するリスクがなく、化学物質を使わずに配管をきれいにするにはいくつか方法があります。

浴室の洗面台はたいてい髭剃りの汚れを排水にそのままシェービングクリームその他の傷防止用製品を流しているので、なかなかすぐに流れていかないことがあります。キッチンの流しも予防的メンテナンスをすれば流れやすくなります。

白酢と温水を混ぜて流しに週一回流すと排管がきれいに維持されます。流しに水とお酢の混合液を満たし、排水します。お酢と流し一杯の水の圧力が合わさって管をきれいに流れるようにできます。

これで不十分なら重曹をテーブルスプーン数杯加えて流してから、白酢を流します。この状態で最長1時間かそれ以上置いておき、流しに熱湯を満たして一気に排水します。

熱水ヒーターとシャワーヘッドの堆積物を減らしてください。シャワーヘッドを取り外し、半年おきに白酢に浸します。これで水圧もよくなります。半年起きに湯沸かし器の水抜きをして沈殿物を除去すると加熱効率が回復し、この器具の耐用期間を維持できるほか、配管に流れる沈殿物の量も減ります。