認知力減少

早分かり

  • Dr. デール・ブレイデセンのReCODEプロトコルはアルツハイマー病に寄与することがわかっている150個の要因を評価する。これで病気の亜種や亜種の組合せを特定することにより効果的処置手順を作成することができるようになる
  • 1型アルツハイマー病は主に炎症性の要因によって起き、2型は萎縮性応答によっており、1.5型は炎症と萎縮、3型は主に毒素への暴露によって起きる
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ReCODE:認知力減少の逆転

2018年2月8日 | 415 ビュー |
バージョン:日本語

(英語版のみ)

D. Mercolaより

アルツハイマー病は米国では今や心臓病がんに次ぐ第三の死因になりました。

この病気はますます広まってはいるもののかなりうまく制御して抑えられる病気でもあります。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部で神経萎縮疾患研究部長で「The End of Alzheimer's: The First Program to Prevent and Reverse Cognitive Decline(アルツハイマー病の終焉: 認知力減少の予防と逆転を可能にする初のプログラム)」という著書もあるDr. デール・ブレイデセンはアルツハイマー病において作用している多くの分子レベルのメカニズムを発見し、この病気を治療し回復させる画期的プログラムを開発しました。

元はMEND (神経萎縮に対するための代謝的強化)プロトコルとして知られていましたが、今はReCODE (認知力減少の逆転)と呼ばれています。

「ルツハイマー病のことになると誇張に聞こえることをよく耳にしますが、残念ながら誇張ではないのです」と同氏は語っています。「この病気だけで現在米国では年間2200憶ドルものコストが発生しています。

人口の約15%が罹っているので信じがたいほど蔓延しています。診断が下される20年も前すでにこの病気の病態生理は存在しています。初期アルツハイマー病だとは気が付かないまま多くの人は生きています。

この問題は深刻に増加し続けており、このひどい病に効果がある単一の決め手となる処置はいまだにありません。」

機能性医学が最適な処置アプローチである根拠

予測研究によるとアルツハイマー病は次世代高年者の約半分に起きるそうです。遺伝的素質は確かに一役演じます。

(米国では)推定7500万人がアポリポたんぱく質E エプシロン4 (ApoE4)に対する対立因子を持っています。ApoE4陽性の人は一生のうちにこの病気に罹るリスクが30%あるそうです。約700万人にこの遺伝子のコピーが2個存在しており、この場合に生涯罹患リスクは50%にもなります。

それでもこの遺伝子を一個か二個持つかに関わらずアルツハイマー病の発病を予防することはできます。しかしそのためには先取的に行動しなければなりません。ブレイデセン氏のチームが発見したこの病気のメカニズムの一つがアミロイド前駆体たんぱく質(APP)及び1993年に初めて特定された依存受容体に関わっています。

ブレイデセン氏はこう説明してくれました:

「これらの受容体は栄養要因とホルモンへの依存状態を実際に生み出し、これらの受容体が適切な要因を受け取らないと、プログラムされた細胞死の誘因になります。これらの受容体は神経突起の撤回[編集注:神経突起とはニューロンの細胞本体から突き出ている部分]等これに似た現象を誘発します。ここで驚くべきこととしてはAPPが実際に依存性受容体に似た姿をしていることです。これを継続して観察した結果発見したことは、APPは実際に統合因子として機能することでした。

言い換えるとこれは1個の分子だけを待っているにとどまらないのです。これは多くの異なる物を呼び集めます。これがシナプスを作れとか記憶を維持しろという信号、またはこの反対で忘却しプログラムされた細胞死を作動させる信号を発するかは、信号の集合全体にかかっています。

これらの信号にはエストラジオール、プロゲステロン、遊離T3、NF-ĸB、炎症が挙げられます。これすなわち疫学者が言い続けてきたことだと気が付いたわけです。これが正に機能性医学の行っていることです。

関与する分子を観察していると、機能性医学アプローチこそ最適な手法であると結論つけざるをえないほどはっきりとしています。だからといって薬剤開発を止めろと言っているのではなく、適切なプログラムを背景にして薬剤を試験すべきなのです。

患者さんにこう言います:「あなたの屋根に穴が36個開いていることを想像してください— 初期に36種類のメカニズムが関与していることを発見したからこの数値なのです— 一つの穴を継ぎ当てしてもたいして役立ちません。全ての穴を継ぎ当てしなければなりません。」ここで、一種類の薬剤は一つの穴を典型的に埋めますが、他の穴35個も埋めなければなりません。」

アルツハイマー病が全て同種であるとは限らない

ブレイデセン氏は研究した結果アルツハイマー病に数種類の亜種があることを発見しました。そのうち二つは実際はそれ自体としては病気ではありません。

これらは多くの異なる入力に基づくシナプス密度の戦略的プログラミングの不利な側面なのです。ブレイデセン氏が勧めることを実践すればこれらの問題を逆転させることができます。ブレイデセン氏はこう説明してくれました:

「この問題については骨粗しょう症について 考える必要があるのと同じしかたで思考することができます。造骨性の活性があります。破骨細胞活性があります。骨粗しょう症になるには、これらの二者が人生の間にバランスしなくなるのが原因です。[アルツハイマー病亜種]に見いだされる物は同じです。

ここでわかることはシナプス粗しょう症そのものです。造シナプス活性があり、造シナプス活性を助長する数十の信号があります[同時に破シナプス細胞活動もある]。」

わかりやすくいえば、発話、学習、意思決定のための脳の能力は脳細胞間の接続を必要とします。脳内には1000億個のユーロンが存在しており、ニューロン一個につき平均して10,000本ほどの接続があって、これらのことをシナプスと呼びます。これらのシナプスは記憶の貯蔵や意思決定等の認知機能のために欠かせません。

アルツハイマー病になると最初にまずシナプス機能が失われ、究極的にシナプス構造そのものが喪失します。結局脳細胞自体が死に始めます。この過程こそアルツハイマー病に典型的な症状をもたらします。正しく機能するには、造シナプス活性と破シナプス活性とかバランスしていなければなりません。

アルツハイマー病の亜種

以下の分類はまだ一般に受け入れられていませんが、ブレイデセン氏は代謝特性に基づいてアルツハイマー病亜種に関し二本の論文を発表したことがあります。これらの戦略には以下が含まれます。

1. 1型炎症性(「熱い」)アルツハイマー病:患者はたいてい炎症性の症状を訴えます。こうした患者は高感度CRP(C反応性タンパク質)、インターロイキン6、腫瘍壊死因子αといった慢性的炎症状態を象徴する症状が出ます。炎症のうちNF-ĸB部分が活性化すると遺伝子転写をも変成します。「オン」にされる2個の遺伝子はβセクレターゼとγセクレターゼであり、その後者がAPPを折り、シナプス破壊プロセスを助長します。

2. .5型、糖毒性(砂糖毒性、「甘い」)、混合型亜種:これはインスリン抵抗とグルコースに誘発される炎症が原因で炎症と萎縮を併発する中間型の亜種です。

3. 2型、萎縮性または「冷たい」アルツハイマー病:これは萎縮性応答を示す患者として分類されます。炎症とは全く異なるメカニズムである一方これも同じ最終結果を生みます — APPをアミロイドプラークとアルツハイマー病細胞信号伝達を生み出す方向に推進します。

神経成長因子、脳由来の神経栄養因子(BDNF)であるエストラジオール、テストステロンやビタミンD — 萎縮性支持を発揮する任意の化合物 — を除去すると、脳はシナプス生成を阻止する反応を示します。その結果新しい事を覚えるまたは学習する能力が減衰します。

4. 3型、毒性(「悪性」)アルツハイマー病:毒素に暴露された患者の示すタイプです。正式なCIRSの基準を満たしていなくても多くの患者は慢性抗炎症応答症候群(CIRS)を発現します。「認知症を持つCIRSの患者は同様に行動します(ラボの範囲で、必ずしも症状があるとは限らない)」とブレイデセン氏は説明しています。

これらの患者は典型的に高い転換成長因子βと補完的構成要素である4Aを持っており、メラニン形成細胞刺激ホルモンが低く、高い細胞外基質分解酵素9やヒト白血球抗原抗原D関連qs (生体毒素感度と関連)を示します。しかし、肺の障害、発疹、線維筋痛症、CIRSに典型的な慢性倦怠は稀です。「こうした患者は処置すれば回復します。治療しないでおくと悪化し続けます」とブレイデセン氏は語っています。

遺伝要因はどうか?

遺伝性についてはブレイデセンが次のように説明しています:

「遺伝子とアルツハイマー病に関していうと、95% のアルツハイマー病症例はいわゆる「家族型」アルツハイマー病ではありません。こうしたケースは比較的稀です。実際にAPP自体の突然変異はほとんどアルツハイマー病をめったに引き起こすことがありません。これらの症例は極めて明瞭に家族にクラスター化されています。若くして発病します.

しかしアルツハイマー病患者の約2/3はApoE4のコピーを1個か2個持っています。こうしたケースではアルツハイマー病の遺伝リスクが極めて高くなります。ApoE4で1型のリスクが高くなります。この場合は2型のリスクが高くなります。その一方3型の毒素関連[亜種]でのリスクは下がる傾向があり、このことはApoE4は寄生虫に起因する認知症に関しては保護的であること[が発見された]という点で極めて興味深いです。

実際にApoE4は特定の事に関しては保護的な作用をします。これはより炎症状態を促進するものなので、微生物のような物に対処し易くなります。老化のためにはあまりよくなく、拮抗多面発現という症例に該当しており、これは若い時には回復のためには有利ですが、高齢だと慢性病に関しては不利になります。」

ReCODE

ReCODEは寄与要因を全て見ますが、ミトコンドリア機能の復元はアルツハイマー病処置を成功させるためのポイントです。ミトコンドリア機能の最適化によい最も効能がある方法は脈動式または周期的ケトーシスであり、このことは私の著作「Fat for Fuel(脂肪を燃料にする)」で説明しています。

想像つく通り、ブレイデセン氏のReCODEプロトコルは栄養面のケトーシスを利用し、同氏は周期的ケトーシスにも習熟し始めているようです。典型的な場合、患者にケトンメーターを使用してもらいます。0.5~4 ミリモルのβヒドロキシブチレートを含む軽度のケトン生成状態を維持します。

ReCODEプロトコルは150種類の変数を評価します。これには生化学、遺伝、画像履歴を含みどの要因がこの疾患の主な推進要因であるかを判定します。ブレイデセン氏の優れる新作「アルツハイマー病終焉」を読めばこれらの変数についてより詳しくわかります。

次にアルゴリズムが亜種別の百分率を生成します。ほとんどの患者は優勢型を持っている一方、他の亜種が典型的にこの病気を促進します。

これに基づいて個体別の処置プロトコルを策定します。例えば多くの症例で見られるインスリン抵抗がある場合、インスリン感受性を高めます。炎症があれば炎症促進効果の源泉を除去しようとします。

よくあるケースは毒素の解消や漏れる小腸の処置、最適ではない腸内細菌叢の処置です。興味深い点としては、鼻腔細菌叢に焦点を当てていることで、この細菌叢は鼻や鼻腔に生息しています。

ブレイデセ氏によると鼻腔細菌叢はこの病気に重要な影響を及ぼします。アルツハイマー病の患者はたいてい異なる病原菌が増えています。特に、口内細菌、例えばP. gingivalisやヘルペスシンプレックスウィルス1が挙げられます。

いかにスクリーニング検査をご紹介します。

アルツハイマー病スクリーニング検査

検査 推奨範囲

フェリチン

40~60 ng/mL

GGT

男性16 U/L未満、女性9 U/L未満

25ヒドロキシビタミンD

40~60 ng/mL
この検査はここで受けられます

高感度CRP

0.9 mg/L未満(低いほどよい)

空腹時インスリン

4.5 uIU/ml未満(低いほどよい)

オメガ3指数とオメガ6:3比

オメガ3指数は8%を超えており、オメガ6:3比は0.5~3.0であることが必要です
オメガ3指数検査はここで受けられます

TNFα

6.0未満

TSH

2.0 microunits/mL未満

遊離T3

3.2~4.2 pg/mL

逆T3

20 ng/mL未満

遊離T4

1.3~1.8 ng/mL

血清銅:亜鉛比

0.8~1.2杯分

血清セレニウム

110~150 ng/mL

グルタチオン

5.0~5.5 μm

ビタミンE (αトコフェロール)

12~20 mcg/mL

BMI(自分で計算できる)

18~25

ApoE4 (DNA検査)

対立因子の数:0、1、2

ビタミンB12

500~1,500

ヘモグロビンA1c

5.5未満(低いほどよい)

ホモシステイン

4.4~10.8 mcmol/L

主な処置

ブレイデセン氏は軽度のケトーシスと大部分が植物系の食事を勧めます。同氏のプロトコルで勧められる具体的な食事はKetoFlex 12/3です。これは12時間毎日絶食します。ApoE4陽性患者については、12時間ではなく14~16時間絶食を勧めています。

BDNFの増加のために運動も勧められます。ストレス軽減、睡眠の最適化、これは認知機能のために必須であり、栄養支持にも欠かせません。重要な栄養素には動物系オメガ3、マグネシウム、ビタミンD、繊維質があります。これらすべての栄養素を最適化しなければなりません。

同氏はマイケル・ハンブリンの光生体変調についての研究も採用しています。660~830 nmの波長の近赤外線や赤光線でアルツハイマー病を処置します。Dr. ルー・リムはこれらの波長のLEDを利用したVielightというデバイスを開発しました。アルツハイマー病がこのデバイスを毎日20分使用すると顕著に回復しました。

無線技術による電磁暴露が細胞内で電位開口型カルシウムチャネル(VGCCs)を活性化するのでこの問題に対処しなければならない重要な課題であることをブレイデセン氏も認識しています。このチャンネルは脳、心臓ペースメーカー、睾丸に最も高密度に分布しています。

過度のマイクロ波やグリフォセートへの暴露が血液脳関門を阻害し、アルツハイマー病の二大要因の一つであると私は考えています。

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