天然の風邪薬:効くもの、効かないもの

風邪の天然薬

早分かり -

  • 風邪やインフルエンザはウイルスが原因で発症します。つまり、抗生物質では有効な治療とはならず、実際、治るまでにより時間がかかってしまうこともああります
  • ウイルス感染期間を短縮し、再び感染しないようにするには、様々な方法がたくさんあります
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Dr. Mercolaより

風邪を治す方法は、薬棚にはありません。生活スタイルを変え、ハーブ療法とビタミン補給でウイルスと闘い、免疫系をサポートしてウイルスの攻撃から身を守るのです。

17種類の天然の家庭薬

1. 瞑想

瞑想は心拍数、脳機能、ストレス軽減、血圧に対して非常に良い効果をもたらします。また、ある研究では、マインドフル瞑想法、つまり意図的に注意を払う活動より、脳機能と免疫系に持続的な良い効果をもたらすことが示されています。

2. 運動

全ての症状が首より上で生じている場合、例えば、くしゃみ、鼻づまり、涙目などである場合は、汗をかくことが、一般的に安全と考えられています。定期的に運動により免疫系がうまく機能し、正しい予防法となります。

3. 睡眠

睡眠不足は、免疫系への悪影響から認知症まに至るまで、膨大な数の医学的障害と関連していると言われています。

睡眠は、免疫系に強力な規則的影響を与え、体がウイルス感染と闘うために必要な抗原提供細胞とへルーパーT細胞の間の相互作用を刺激するサイトカインの影響を促進します。

具合が悪いときは(そうでないときでも)、大半の人は、夜間に約8時間の睡眠か、日中に多くの休憩を取る必要があります。

4. 生理食塩水による鼻うがい

研究者たちは、生理食塩水による鼻うがいで、ウイルス感染とその再発の治療と予防に有効であると断定はしませんが、実際には効果的です。うがい液には、滅菌された通常の生理食塩水を使用してください。

水道水を使用すると、鼻孔内の炎症反応が悪化したり、脳に感染する可能性のある寄生虫を持ち込んでしまうことがります。

5. 過酸化水素

1928年、リチャード・サイモン医師は、風邪ウイルスは鼻ではなく外耳道から体内に侵入するのではないかという仮説を立てました。彼の説は、医学界により却下されました。

しかし、1938年、ドイツの研究者たちが、外耳道に過酸化水素を注入して風邪やインフルエンザを治療することに大成功しました。しかし、このデータは医学界から大いに無視されましたが、私は多くの患者さんをこの方法で治療し、非常にすばらしい成果を経験しています。

風邪の期間を短縮させる大きな効果が出すためには、ひき始めの24時間に治療を開始する必要があります。

6. リンゴ酢

風邪ウイルスにより、体の酸性度が増します。ウイルスと闘うには、毎日ティースプーンに数杯のリンゴ酢を飲んでください。これにより、酸性度が下がります。また、リンゴ酢にはウイルスの増殖を防ぐのに役立つ酢酸が含まれています。

7. 生はちみつ

はちみつには、自然の抗菌、抗ウイルス作用があります。しかし、体内のウイルスに対して有効な治療効果を得るためには、はちみつを過剰に接種しなければなりません。

ただし、風邪が原因でのどの痛みがある場合、生はちみつは咳止めシロップや咳止めドロップと同等の効果があります。はちみつは天然の砂糖なので、大量に接種すればインスリンやレプチンの値に悪影響を及ぼすことを忘れないでください。

はちみつレモン咳止めシロップ

レモンは体を迅速にアルカリ化させることにより健康を促進し、はちみつがあらゆるバクテリアを殺します。迅速に咳を止めるには完璧な組み合わせです。

手順

  1. 少量のはちみつを入れた鍋をコンロに置き、ごく弱火で加熱します(沸騰させると薬効成分が変化してしまうので気を付けてください)。
  2. レモン丸ごと1個を別の鍋で、少量のお湯と一緒に2~3分加熱してレモンを柔らかくし、レモンの表面に存在するかもしれないあらゆるバクテリアを殺してしまいます。
  3. レモンを手に持てるほどの温度に冷まし、スライスしてコンロ上の少量のはちみつが入った鍋に加えます。
  4. この混合液を約1時間温めます。
  5. ここでレモンをはちみつから取り出します。すべての種がきちんを取り除いてください。
  6. はちみつを冷まし、ふた付きのジャーに詰めて冷蔵庫で保管します。

このシロップは、冷蔵庫で2週間保存します。咳を和らげるには、体重25ポンドの小児でティースプーン1/2杯、体重50ポンドの小児でティースプーン1杯をだいたい1日4回または必要に応じて飲ませます。成人なら、テーブルスプーン1杯分を飲むことができます。

8. チキンスープ

チキンスープを使う生物学的根拠は不明ですが、ネブラスカ大学医療センターの研究者チームが、チキンスープ(手作りと缶詰めの両方)には抗炎症作用があり、風邪の副作用を防止する証拠を発見しました。

9. コロイド銀

銀は、はるか昔のヒポクラテスの時代から治療で使用されています。ヒポクラテスは、銀の抗菌・抗細菌作用について記述した最初の人物です。しかし、風邪やインフルエンザはウイルスによって生じるため、コロイド銀の使用は、有効ではありません。

10. ココナッツオイル

ココナッツオイルには、抗細菌・抗ウイルス作用の両方があるため、風邪やインフルエンザの治療や予防のために使用することはとても良いことです。皮膚にココナッツオイルを塗りつけてください。ココナッツオイルは、すぐに体内に吸収されます。さらに良いことに、肌もすべすべになります。風邪をひいたときは、ティースプーン半分をコーヒーや紅茶に加え、料理にもココナッツオイルを使ってください。

11. 発酵食品

免疫系の健康は、腸にかかっています。発酵食品は、腸に多くの種類のバクテリアを届け、免疫系をサポートします。

12. 重層

アームアンドハンマー ベーキングソーダ社は、風邪やインフルエンザの治療において、体の酸性化を軽減するために重層の摂取を推奨しています。しかし、私は体内のpHを逆方向に進めることで、感染期間の短縮という同じ結果を達成しています。

1925年にアームアンドハンマー ベーキングソーダ社が風邪やインフルエンザに対して推奨する摂取量は次の通りです:

  • 1日目 — 重層をグラスの水で溶かし、ティースプーン半分を約2時間おきに6回摂取する
  • 2日目 — 重層をグラスの水で溶かし、ティースプーン半分を同じ間隔で4回摂取する
  • 3日目 — 重層をグラスの水で溶かし、ティースプーン半分を朝晩に摂取し、その後はティースプーン半分のグラスの水を風邪の症状がなくなるまで朝に摂取する

ただし、これは時折に行う(長期間でない)処置としてのみに使用するべきであり、重度の電解質や酸/アルカリの不均衡を生じる可能性があるため、過剰摂取に気を付けなければなりません。

13. 生活スタイルの変化

体が風邪から回復するために役立つその他の生活スタイルの変化には、アルコール摂取と喫煙を止めるか大幅に減らすことが挙げられます。これらの要因はともに、免疫システムに悪影響を及ぼし、体がウイルス感染と闘い難くします。

14. 蒸気

蒸気で風邪の期間を短縮することはできませんが、鼻孔の粘膜分泌(鼻水)を止めたり、鼻腔の炎症を和らげたり、呼吸がしやすくなるのを助けます。

15. ストレスの軽減

瞑想やヨガ、感情解放テクニック(EFT)を行うことは、免疫システムをサポートし、ストレスによって生じるその他のダメージを防止するには、シンプルかつ有効的な方法です。ストレスに関連する病気には、肥満、アルツハイマー病、うつ病、2型糖尿病、心血管疾患や消化器疾患などがあります。

16. 手洗い

手洗いは、ウイルスによる感染を防ぎ、具合が悪いときのさらなる感染を防ぎます。また、ウイルスが家族への拡散を減らしますが、風邪の期間を短縮することはありません。手の洗いすぎは、手洗いが足りないのと同じくらい悪いことであることに注意してください。頻繁に手を洗うことで皮膚を保護している皮脂がはがれ、皮膚のひび割れやあかぎれの原因となります。

17. リアルフードを食べる

リアルフードを食べ、加工食品を避けることで、体にウイルス感染と闘うために必要なツールが備わります。また、すぐに再度感染してしまう可能性が低くなります。リアルフードとは、食料店の外側の通路に置かれている鮮度を保つために冷蔵が必要な食品というのがぴったりの表現です。

風邪に効く8つのビタミン

亜鉛

亜鉛は免疫機能にとって必要な栄養素です。風邪やインフルエンザに使用するために、亜鉛トローチや粉末が利用できます。不足が軽度の場合は、風邪の期間を短縮することができます。亜鉛を取りすぎると銅のバイオアベイラビリティ(薬が体をめぐる血液に到達して作用すること)を邪魔し、鉄分の取りすぎは亜鉛の吸収を抑えてしまう可能性があります。亜鉛を豊富に含む食品には、ロブスター、牡蠣、牛肉、カニ、豚肉、カシューナッツ、ひよこ豆、鶏肉、スイスチーズなどがあります。

ビタミンC

この水溶性ビタミンが風邪の期間を短縮するという証拠があります。また、血中ビタミンC濃度が高い人ほど、あらゆる原因による死亡のリスクを減らします。通常は、多く摂取するほどいいのですが、口からビタミンCを摂取する量は比較的少量に限られています。

ビタミンD

調査研究では、この脂溶性ビタミンは、免疫系の機能にとって必須であることが示されています。ただし、風邪やインフルエンザの予防においては重要な役割を果たしますが、風邪をひているときに摂取しても回復までの期間を短縮することはなさそうです。

マグネシウム

以前は、このミネラルの健康にとっての重要性は、過小評価されてきました。研究者は、激しい運動後にマグネシウムが減少し、それがウイルス感染の数の増加につながることを発見しました。風邪をひいている間の摂取では、風邪の期間を短縮することはなさそうです。しかし、エプソムソルトバスは、筋肉痛を和らげ、エプソムソルトからのマグネシウムの吸収を促進し、気分を良くしてくれます。

ビタミンE

この脂溶性ビタミンは、高齢者におけるT細胞関連免疫媒介応答を向上します。しかし、予防にとっては重要ですが、風邪の期間を短縮するために迅速な効果は出ません。

ビタミンB6

このビタミンは、タンパク質の代謝に関わる100種類の酵素を産生するために必ず必要です。健康にとっては重要ですが、風邪の期間を短縮することはありません。

ビタミンA

この脂溶性ビタミンは、体のほぼすべての細胞の分化と調節にとって重要です。これには通常の免疫機能も含まれます。このビタミンは風邪予防には重要ですが、風邪の期間を短縮することはありません。

セレニウム

この微量元素は、様々な生体機能にとって重要です。しかし、重度の不足は重大なウイルス感染につながることがありますが、風邪を引いているときに摂取しても回復までの期間を短縮することはほとんどなさそうです。

11 ハーブの風邪薬

エキナセア

アメリカ原住民の薬用植物の中でも最も有名なハーブの1つです。エキナセア茶を使用した調査は一貫していません。いくつかの研究では、風邪をひいた当日または翌日からエキタセア茶をカップ1日2~3杯飲むと風邪の期間を短縮する最高の効果が示されました。

ニンジンとアンドログラフィス

ニンジンは塊茎植物であり、アンドログラフィスは南アジア原産の植物です。二重盲検試験により、特定のエゾウコギ(シベリアニンジン)とアンドログラフィスを発症後72時間以内に摂取した場合、風邪の期間と重症度が低減することが示されました。

ペラルゴニウム・シドイデス

調査では、このハーブは少量でも感冒の重度と期間を低減することが示されました。このハーブが、侵入するウイルスから宿主細胞を保護する際に、サイトカインを増加させるという科学的な理論が立てられています。

生ニンニク

ニンニクが感冒に作用するという証拠はほとんどないという国立保健研究機構(NIH)の報告がありますが、いくつかの研究では、ニンニクが風邪を予防し、既に風邪をひいている場合はその重度を和らげることが発見されています。

オレガノ油

このオルガノの濃縮油には、強力な抗菌・抗ウイルス作用があります。ある研究では、他の4種の芳香植物と併用したスプレーにすると、風邪の副作用を即座に軽減しました。この治療の効果は、使用後3日には効果を発揮しなくなります。オレガノ油は、小児、妊婦または授乳中の女性、妊娠する予定のある女性には使用しないでください。

カンゾウ根

カンゾウ根は、伝統的なハーブ療法で、風邪や上部呼吸器感染の治療に使用されます。現在まで、カンゾウ根が風邪の期間を短縮することを裏付ける調査は行われていません。

オリーブの葉の抽出物

非毒性の免疫系サポートとして広く知られていますが、オリーブの葉の葉の抽出物:が既に風邪をひている人の重度や回復までの期間を短縮することを示唆する十分な証拠はありません。

ハーブ茶

ゴールデンシール、ニワトコ、 ノコギリソウ、ヒヨドリバナ、リンデン、ペパーミント、ショウガで作ったハーブティーも、免疫系をサポートし、のどの痛みを和らげ、最大1~2日程度風邪の期間を短縮します。

クルクミン

強力な抗酸化剤であり、炎症の原因となる2種類の酵素濃度を下げます。クルクミンが 試験管内で風邪ウイルスと闘うことを示す証拠があります。

プロポリス

これは、葉芽や樹皮から蜂が集めてきた物質です。この抽出物は、風邪の期間や重度を低減するのに役立つ可能性があります。

ホワイトウィロー

ヤナギの樹皮はヒポクラテスの時代から使用されており、痛みや熱を和らげるために樹皮を噛むことが勧められていました。樹皮の化学的な特徴は、アスピリン(アセチルサリチル酸)とよく似ています。痛みや熱の緩和には、アスピリンより時間がかかりますが、長時間持続します。これは、症状を緩和させるものであって、風邪の期間は変わりません。

+ 出典および参考資料