Dr. Mercolaより
大みそかは、1年の中でも最もアルコールを飲む人が増えます。
それは、元日が1年で最も多くの人が二日酔いになりやすい日であることを意味しており、その症状には、倦怠感、吐き気、胃痛、頭痛、ふらふら感、嘔吐、めまい、その他にもたくさんあります。これらの症状は、飲みすぎたときに起こります。
二日酔いを予防する最も優れた方法は、もちろん飲まないか、飲んでもせいぜいカクテル1杯か2杯で済ませることです(ただし、1杯でも二日酔いを起こす人もいることに注意してください)。
しかし、あなたがお祝い事に夢中になる傾向があり、いつもより少しだけ飲みすぎているのではないかと感じたとしましょう。二日酔いの症状が出ないように助けてくれる自然の解消法がいくつか存在します。しかし、実行に移すのは 今、お酒を飲む前です。
アルコール、特にその量が多すぎると、体の中で次々と反応が誘発され、二日酔いとして知られる様々な症状を引き起こします。例をあげましょう:
頻尿
アルコールは抗利尿ホルモンであるバソプレッシンの分泌を阻害します。抗利尿ホルモンとは、排尿させないように無意識に働くホルモンです。この酵素の分泌が抑制されると、水分は電解質とともに直接膀胱に送られ、排泄のため、頻繁に排尿がしたくなります。
脱水症状
頻尿は、すぐさま脱水症状を引き起し、脳が機能するための水分が体に回されるため、倦怠感やめまいが生じることもあります。
アセトアルデヒドの増加
アルコールが肝臓に達すると、アルコールデヒドロゲナーゼという酵素がアルコールをアセトアルデヒドに分解します。アセトアルデヒドは、アルコールよりはるかに毒性が強いものです(最大30倍です!)。
したがって、体はアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼという酵素と 強力な抗酸化物質であり、肝臓の解毒作用に非常に重要なグルタチオンによってアセトアルデヒドを再度分解しようとします。(グルタチオンには、高濃度のシステインが含まれています。このため、システインをサプリメントで摂取することによって、二日酔いの予防に役立つことがあるとご紹介しました。詳しくは以下で説明します)。
この強力なデトックスコンビが一緒になって、アセトアルデヒドを無害なアセテート(酢に似た物質)にまで分解することができます。
ただし、アルコールを多量に飲みすぎた場合、蓄えられたグルタチオンが枯渇してしまい、アセトアルデヒドの体内での増加を許してしまうため、毒性のある二日酔い効果が生じてしまいます。
女性は、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼとグルタチオンが男性に比べて少ないため、体重が同じくらいの男性と同じ量の飲酒であっても、より重症な反応が出てしまうことに注意してください。
コンジナー
コンジナーとは、発酵および蒸留の副産物として産生される原材料です。コンジナーには、アセトアルデヒド、タンニン、様々アルコール飲料に入っている香味料がいくつか含まれています。コンジナーには、二日酔いを悪化させる効果があると考えられており、ウォッカやジンのような透明なお酒よりも、色の濃いお酒(ブランデー、ウイスキー、赤ワインなど)により多く含まれています。
グルタミンリバウンド
アルコールは体内にある天然の興奮剤であるグルタミンを阻害します。アルコールに抑制効果があり、最初の頃は簡単に眠ってしまうことがある原因の一部はこの作用のです。飲酒をやめると、体のなかで時間をかけて徐々にグルタミンが増えてきます。そのため、最終的には何度も目が覚めるようになり、飲酒後は夜間の睡眠が断続するようになるのです。
このグルタミンリバウンドにより、倦怠感、震え、不安、情緒不安が生じることがあり、二日酔いの時にしばしば感じられる血圧の上昇まで引き起こす可能性があります。
胃壁、血管および血糖への悪影響
アルコールは胃壁を刺激し、胃酸の産生を増やします。それにより、吐き気やおう吐、胃痛などが起こります。また、アルコールは血糖値を急激に低下させるため、震え、気分変動、倦怠感、発作を生じる可能性があります。そして、アルコールは血管拡張の原因となるため、頭痛を起こすこともあります。
炎症反応
最後になりますが、アルコールは体内で炎症反応を起こすため、免疫系が働いて記憶の喪失、食欲減退、集中力の欠如といった二日酔いの症状を引き起こす物質を誘発することがあります。
あなたにも関連するかもしれないこのアプローチの有効性が確認できる素晴らしい例としては、歯科治療の前に歯を麻痺させるために局所麻酔を投与する歯科医師を訪問するためにビタミンCを摂取したことがあるかということです。まず間違えなく、麻酔がまったく効かず、投与量がはるかに多くなり、すぐに効き目がなくなることに気づくでしょう。これは、ビタミンCが肝臓による麻酔の解毒能力を加速させるからです。
アルコールは全く別物ですが、これほど広範に体に影響を与えるのですから、有害な効果を避けるために手順を踏むほど、結果は良くなります。飲酒をすることがあらかじめ分かっている場合、天然のプロトコルを 前もって 摂取することで、体を「事前解毒」しましょう:
1. Nアセチルシステイン(NAC)
NACは、アミノ酸システインの形で存在します。NACは、グルタチオンを増加させ、多くの二日酔いの症状の原因となる アセトアルデヒドの毒性を軽減します。NAC(200㎎以上)を飲酒の30分前に摂取してみることで、アルコールの毒性作用を少なくする助けとなります。
NACがどの程度強力なのかと思われているなら、アルコールのように、タイレノールが肝臓に損傷を与える1つの方法は、グルタチオンを枯渇させることであることを考えてみてください。グルタチオンレベルを高値に保てば、アセトアミノフェンによる損傷の大部分が予防可能となります。このため、タイレノールを大量に服用した人には、救急救命室で大量のNACを投与します。グルタチオンを増加させるためです。
2. ビタミンB群
NACは、チアミン(ビタミンB1)を併用することで、よりうまく作用すると考えられています。また、ビタミンB6も二日酔いの症状を軽減する役に立つことがあります。アルコールは体内のビタミンB群を枯渇させますが、ビタミンB群は体内からアルコールを取り除くために必要なので、飲酒前と翌日にビタミンB群のサプリメントを摂取することが有効になり得ます。
3. アオアザミ
アオアザミには、シリマリンとシリビンという飲酒の作用を含む毒素から肝臓を守る助けとなることで知られる抗酸化物質が含まれています。シリマリンはグルタチオンを増加させるだけでなく、肝臓の細胞の再生を助けることが分かっています。アオアザミのサプリメントは、1回以上カクテルを飲むとあらかじめ分かっている場合は、休暇中を通してずっと飲み続けると効果的です。
4. ビタミンC
アルコールは、体内のビタミンを枯渇させますが、このビタミンCは肝臓内でアルコールによって誘発された酸化ストレスを軽減するために重要です。興味深いことに、1件の動物実験で、アルコール摂取後でもビタミンCは、シリマリン(アオアザミ)摂取より、肝臓をさらに よく 保護することが示されました。歯科医の麻酔と同様に、ビタミンCはアルコールの解毒にも役立つため、アルコール飲料を楽しむ前に、サプリメントや食品のいずれからでも十分な量のビタミンCを摂取するようにしてください。
5. マグネシウム
マグネシウムも、アルコールによって枯渇する栄養素の1つであり、多くの人は普段から不足しがちな栄養素です。さらに、マグネシウムには抗炎症特性があるため、二日酔いの症状の中には、軽減できるものもあります。マグネシウムを豊富に含む食品をあまり食べていないのであれば、飲酒を伴う食事前にマグネシウムのサプリメントを摂取すると有効です。
体にビタミン、抗酸化物質、肝臓を守り、体内システムでアルコールを分解したり、取り除いたりするのを助けるその他の栄養素で体を補うためには、上記の事前解毒作戦が重要になります。役に立ちそうなその他の実用的な方法には以下があります:
理想的には、上記の手順で二日酔いを防止すればよいのですが、過度に飲みすぎる人に対しては、すべての有害な作用を防止する簡単な方法は現実的に存在しないことを忘れないでください。
過度の飲酒の後で、二日酔いを感じたら、「向かい酒」での解消法でさらにアルコールを摂取することは, やめてください 。体内の反応が長期化するだけです。また、アセトアミノフェン(タイレノール)を飲むことも避けてください。さらに肝臓に毒を与えるだけです。その代り、より早く気分を良くするために、以下の解消法を試してください:
二日酔いの事前解毒や上記の解消法を使用している場合、飲酒はごくたまにだけにするのが望ましいと言えます。それほど頻繁に飲酒しなければ、過度の損傷が生じることはほとんどないでしょう。特に健康的なライフスタイルの実践とともに、アルコールが脳に毒を与えたり、ホルモンバランスを乱す可能性がある神経毒であることに気付くことが重要です。
アルコールを摂取する場合は、ほどほどにすることが重要であり、過度の飲酒は健康を損なうことが事実上確実であることをを忘れないでください。通常「節度のある」アルコール摂取量は、1日に食事と一緒に取る、5オンス(約14.7グラム)のワイン、12オンス(約340.2g)のビールもしくは1オンス(約28.3g)の蒸留酒と定義できるでしょう。
さらに高い健康レベルに達するまで前進するのなら、あらゆるアルコールを摂取しないことをお勧めします。
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