運動 エンドルフィン

早分かり

  • 高強度運動が痛み/報酬/感情に関連する脳の特定の異なる野でエンドルフィンを分泌させること — 適度な集中運動よりも多く出ることを研究者らは発見した
  • 高強度運動は辛さを感じ痛みを増すことに関連すると見られるエンドルフィンを分泌するが、エンドルフィンの分泌は運動の感情的、肉体的チャレンジの程度に応じて対応するために必要である
  • 高揚した気分を期待できることを知ると、運動したがらない腰の重い人でもどの日常運動なら取り入れられるかを考慮することができる
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エンドルフィンの分泌は運動の強度により異なる

2017年12月29日 | 912 ビュー |
バージョン:日本語

Dr. Mercolaより

「ランナーズハイ」についてはすでにご存知かもしれません。これはよく運動した後で脳と筋肉が同期することから来る高揚のスリルと呼んでもよさそうな状態です。

これは「エンドルフィンラッシュ」とも呼ばれており、程度は異なるが喜びや満足感で満たしてくれます。

(運動を含む)物事をうまくできたことに対する誇り、唐辛子類を食べたり、自分の子供が自然を発見するのを見守ったりすることも同じような効果がありますが、最新の科学研究ではエンドルフィンが運動の強度が高いほど多く出ることがわかっています。特に高強度インターバルトレーニング (HIIT)は身体全体によい効果がある脳内の強力な応答を生み出します。Shape Magazineは次のように説明しています:

「高強度インターバルトレーニング」とは運動を一気に集中して行うのと穏やかな動きまたは休憩を交互に行うものです。

例えば、初めに行うのによい方法として1分間全力で走り、2分間ウォーキングすることです。この3分のインターバルを5回15分で脂肪を燃やせます。」

その感覚はエネルギー消費の増大に伴うものですが、疲れたり消耗した感じになるのではなく、むしろ逆の効果があります。エンドルフィンは実際に身体の自然なオピオイドと呼ばれたことがあります。HowStuffWorks(ウェブサイト)が説明しているように、初期の科学研究でこの応答の源泉を突き止めています:

1970年代初頭、研究者らはヘロインやモルフィネなどのオピオイドで脳がいかに影響を受けるかを研究していました。その結果オピオイドが脳や脊髄に集中している細胞内の特化した受容体に作用することが判明しました。オピオイドがこれらの受容体に入ると、細胞は痛みの信号伝達ができなくなります。

この現象を研究していた研究者らはこうした特化受容体がそもそも存在するのはなぜかと考えました。最も信憑性の高い回答はオピオイドの受容体は体内で自然に生産されるアヘン剤状の物質が存在するためにあるというものです。」

研究: 脳内エンドルフィン量は運動強度に依存する

エンドルフィンはいくつか他の目的のために機能しますが、脳の視床下部と下垂体の領域で生産される神経伝達物質であるので、モルフィネに似た構造をした自然な鎮痛剤と考えられています。

エンドルフィンは脳内のオピオイド受容体さえ活性化して痛みを和らげます。Science Dailyはエンドルフィンのことを「脳のアヘン剤受容体に結合するペプチドで、疼痛感覚を和らげ、高揚した気分を生み出す働きがある」と説明しています。

エンドルフィン は運動中に出ますが、これが肉体的、精神的、感情的、当然のことながら生理的に影響します。しかし最新研究は運動の強度しだいであることを示しています。

エンドルフィンの分泌は「中心的オピオイド作動性メカニズム」としてその研究の中で呼ばれており、その研究アプローチは気分高揚やストレス軽減などの運動のプラスの効果を変化しうるという知識に基づくことでした。

研究者らは22人の健康で活発にリクリエーションをしている21~36歳の男子参加者のオピオイド受容体を陽電子放射断層撮影(PET)スキャンで活発な運動の最中に観察しました。エンドルフィンの分泌を3日間毎日異なる合計3つの手法で反復測定しました。

  • 60分の軽度の有酸素集中運動後
  • HIIT後
  • 休憩後

運動後の参加者の気分についても計測しました。その研究を行ったのはフィンランドのトゥルク大学PETセンターで、Neuropsychopharmacology(神経心理薬理学専門誌)に掲載されました。

米国連邦保健社会福祉省の疾病管理予防センター(CDC)で基準としている現状の肉体活動ガイドラインによると、成人が肉体的健康をよくするまたは維持するには、1週間で150分以上の中強度有酸素運動をするか、75分以上の極めて強度の高い有酸素運動をするとよいとしています。

エンドルフィンの分泌量は軽度な運動と強度運動によって異なるか?

すでに見てきた通りで、結果は肉体レベルを超え、気分にも及び、エンドルフィンが運動で活性化される直接的結果として不安や鬱状態まで軽減することがわかっています。

ご紹介した研究の共同筆者で研究員ティーナ・サーニヨキ氏は、その研究が有意であるといえる1つの理由は、研究者らがすでに血漿β-エンドルフィンの濃度を知っていたこと、またはβエンドルフィンが集中的運動のさなかに増加する傾向があることを既知であったからで、エンドルフィン濃度と気分の間の相関性があるかどうかまでは証明されていないそうです。

エンドルフィンが運動の強さに応じて多かれ少なかれ有用なものかどうかについて、研究者らは男性22人の実験参加者に上記の運動中と休憩時について、脳のオピオイド受容体に結合する放射性化合物を投入し、PETを使用してエンドルフィン濃度を計測しました。

Medical News Todayによれば:

「研究者らはHIITが男性のエンドルフィン分泌を大幅に上昇させたことを発見しました。この現象は痛み/報酬/感情に関連する脳の野、例えば視床、島皮質、眼窩前頭皮質、海馬、前帯状皮質背側部で発生しました。

さらにその研究チームはHIITが男性ではつらい気持ちを起こしたが、これがエンドルフィンの分泌とも結びついていることを発見しました。」

サーニヨキ氏の説明によると、高強度運動がエンドルフィンを分泌させ、つらく感じる間隔や痛みが増すことと関連しているらしいこと、エンドルフィンの分泌は運動がどの程度感情的、肉体的に負荷が高いかに応じるために必要なようです。

HIITについてのつらい思いがこの運動を続けなくなることにつながる点がマイナス面だとサーニヨキ氏は言っています。

Medical News Todayが説明するように、より緩和な有酸素運動は楽しさや高揚した気分を生み、この事実によって研究者らはエンドルフィンの機能を把握することができました。Neuroscience Newsは同研究結果を次のように評価しています:

IITでエンドルフィンが脳内で分泌されると、高強度運動によって生じる肉体的ストレスや感情的ストレスを軽減するようです。あまり強度がない従来式の1時間有酸素運動をしても、同じようにエンドルフィンは分泌されません。

HIITは痛みや感情を制御する脳の野でエンドルフィンその他のオピオイドペプチド分泌量を増加させました。

また、HIITは試験参加者にマイナスの気持を生じさせ、これがエンドルフィンの分泌量増加に関連していました。1時間有酸素運動はエンドルフィンを有意なまでには分泌させませんでしたが、楽しい気持ちや高揚した気分を増大させたことは、エンドルフィンの分泌と相関性があります。」

研究: 自分によい高強度運動は何か

上記の研究から得られる概略としては、エンドルフィンが運動により分泌され、動機付けや規則的運動を続けるための重要な要因らしいことです。

さらに、高揚した気分を期待できることを知ると運動したがらない腰の重い人でもどの日常運動なら取り入れられるかを検討するようになるでしょう。

どんなHIITが自分のためになるかについて再度知るには次のことを検討してください: 10分間の運動の一部に強度の高い運動を1分間取り入れると通常のペースで45分間運動するのと同程度の効果が得られます。つまり12分間精一杯頑張ると軽度の運動を5時間したより効果があがります。そのために全体的な健康状態にも劇的に影響します。

HIITでいちばん信じられないような側面としては、こうした精一杯頑張る運動が他のどんなタイプの運動よりもグルコース耐性を改善し、熱量を6~15%余計に燃やすことができ、DNAにはすぐに変化が起き、ヒト成長ホルモンの生産やミトコンドリア生合成まで促進して、長寿につながります。

Oncology Nurse Advisor(がん治療学看護師向け専門誌)は、HIITが直腸がんで生き残った人にメリットがあったことを報告しています。それは心臓呼吸系の健常状態にメリットがある運動を延期すると、本人が気づくよりもっと多くの悪影響があるからです。実際に、こうした運動をしないことで抗がん治療を受けた患者の生存率が下がる傾向があります。

HIITまたはもっと軽度の運動を行ったらがんで生き残った患者の最大酸素消費量が改善したことをある研究が証明しました。

そのウェブサイトによると、HIITは安定期になった心臓移植患者はスタミナが付き、運動能力が増し、軽度の集中運動よりも血圧が改善し、様々な心臓病を持つ患者の運動能力をもっと能率よく安全に改善するそうです。

研究:HIITをしなくても日常的に運動すると脳を改善する

この事実が重要な理由は、アルツハイマー病その他の形態の認知症が急激に増え続けているからです。Alzheimer's Association(アルツハイマー病協会)によると実際に全世代において約550万人がアルツハイマー病患者であり、そのうち200,000人は65歳より若い人たちです。

以下に運動のメリットをさらにいくつかご紹介します: 皮膚を改善し、老化を遅め、慢性病から早期に回復できるようにし、減量に関しては脂肪細胞を縮小します。

ハーバードのある研究によると、心臓病、脳卒中、糖尿病という重篤な「三大病」の発症リスクを削減するほかにも、 — 運動を規則的に行うと血圧や体重が下がるほか、鬱さえ予防できます。しかし脳に関していうと、記憶力、思考力が改善するほか、脳霧を軽減します。

喜びのホルモン、エンドルフィン分泌によるメリットや幸福感が得られる運動は頭を使わずにできることであり、言い換えると、自分の脳が日々明晰になるように自分で確立できる習慣です。

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