Dr. Mercolaより
風邪が細菌によって引き起こされるというのは一般的な誤解です。実際にはウィルスが原因で風邪を引くので、医者が抗生剤を処方したらこれは全く無駄です
この点については後半にまた戻りますが、簡素な風邪の予防と治療方法について詳しくご説明する前に、まずいかに風邪を引くのかについて把握しておくのが重要です
風邪ウィルスが広がる最もよくある経路は咳やくしゃみまたは雨の中を裸足で歩くことによるのではなく、手と手の接触が原因です。
例えば、風邪を引いている人が鼻をかみますが、そのかんだ手で握手したり、あなたも触る表面に触ることで移ります。風邪ウィルスはペン、キーボード、コーヒーカップその他の物に数時間は生き延びていますので、日常生活でこうしたウィルスに接触する確率は高いです。
しかし覚えておくべきポイントは、単に風邪ウィルスに暴露されたからといって風邪を引くわけではありません。免疫系が最適に機能していれば、実際には病気にならずにウィルスを阻止するのは極めて容易です。
その反面、免疫系に支障があると、ウィルスに門戸開放したようなもので、体内に容易に陣取ります。従って、単純明快な答えは、免疫系の機能が弱まることで風邪を引きます。
免疫系が弱まるには多くの原因がありますが、最も一般的なものは:
風邪とインフルエンザを引くこと自体はその背景にあるビタミンD欠乏症の症状であることが研究で確認されました。
ビタミンDはバクテリア、ウィルス、真菌を殺す200~300種類の異なる抗菌性ペプチドを体内に生産し効能に優れる抗菌剤です。ビタミンD濃度が低いと免疫応答に大幅な支障をきたし、風邪、インフルエンザ、その他の呼吸器系感染症に罹りやすくなります。
ビタミンDの最適な摂取源は日光浴です。多くの人にとって冬には日光に当たりにくいですが、UVBに当たることでビタミンDを作り出すどんな機会も利用すべきで、この方法によるとビタミンDの他にも多くの付加的なメリットを得られます。
日光に次ぐ最適な方法は安全な屋内日焼け装置です。自然光も人工光も無理な方は、ビタミンD3のサプリメントを飲むことはできますが、サプリでは日光の比較にならないという山のような証拠があります。UV照射はサプリからは得られない多くのメリットを提供してくれるからです。
最新の研究に基づいて言うと、体重1kg当たり約70 IUのビタミンDが必要であるという点に研究者らの見解は一致しています。この推奨値は子供、高齢者、妊婦も含みます。
しかしビタミンDの必要量は極めて個人差が大きく、ビタミンDの状態は皮膚の色、いる場所、規則的に当たる日光の量等多くの要因により異なります。
従って、この推奨値はたいていの人が必要とする量の範囲に近い可能性がありますが、誰にも適用できる共通の推奨値というのはありません。
最適な用量を見極める唯一の方法は血液検査を受けることです。最適には一年を通じてビタミンDを50~70 ng/ml以上体内に維持する必要があります。
最も軽い風邪で8~9日で治りますが、25%は2週間、5~10%は3週間はかかります。最も頑固な風邪でも通常は数週間で治るので、これが風邪とアレルギーを区別する基準にもなります。
たいていの場合は風邪は数週間続き、アレルギー症状は一シーズン中続きます。
どれくらい早く風邪が治るかは健康状態と全体的なライフスタイル上の習慣に依存しています -- しかしこの習慣といっても薬屋さんで咳や風邪の薬剤あるいは解熱剤を買うことを意味していません。
実際に風邪で熱が38.9℃より低い限り、これを下げようとする必要はありません。風邪ウィルスは体温が高いほど繁殖せず、若干の熱ならウィルスを早く退治でき、回復します。
OTCの鎮痛剤を買うのを避け、また、アスピリン、タアイレノール(アセタミノフェン)が風邪ウィルスを破壊するための抗体を作る身体の能力をだめにすることは研究により実証済みです。
アスピリンは摂り過ぎると、肺に異常に体液が溜まる病気、肺水腫を含む肺の合併症に関連しています。こうした医薬品は熱が40.5℃を超したり、筋肉痛がひどいまたは虚弱になったとき等絶対服用したほうがよいときしか摂るべきではありません。
風邪やインフルエンザに罹ったなと思ったときは、糖分、人工甘味料、加工食品を食べる時ではありません。砂糖が特に免疫系にダメージを与えます。風邪のひき際にこれをやっつけるためには、免疫系を強くするべきで、抑制する時ではありません。
風邪と闘っているときは、砂糖を疫病だと思って一切摂らないことです。これにはフルーツジュースや穀類(これは体内で分解されて糖になる)の形態での糖分を含みます。
風邪を引いてしまったら、風邪に寄与する全ての要因に対して対策を取ることが重要です。これには免疫応答を強化する食品を優先して摂るように食生活を変えることを含みます。これらの要因を下表にまとめました。
有機牧草で育てた牛から取れる牛乳や品質の高いホェイのタンパク質
プロバイオティックや善玉細菌が豊富な生のケフィール、キムチ、味噌、ピクルズ、ザウアークラウト等の発酵食品
放し飼いで飼育したできれば地鶏の有機の生玉子
牧草で育てた牛肉
ココナッツおよびココナッツオイル
オキアミ油等の動物性オメガ3脂肪
地元産の果物や野菜の中でも自分の栄養パターンに合うもの
キノコ特にレイシ、しいたけや舞茸:免疫を強めるベータグルタンが含まれる。
にんにく:バクテリア、ウィルス、真菌を殺す効能の強い抗菌剤。最適なのは新鮮なにんにくを生で食べるか食べる直前に潰して食べます。
ORACスコアが高いハーブやスパイス: ウコン、オレガノ、シナモン、丁字
新鮮な清水をたくさん飲んでください。水は体内のどの系統にも最適な機能のために欠かせないもので、鼻詰まりや分泌物を緩める効果があります。尿の色が明るい黄色になるよう十分な水を飲みましょう。
チキンスープ.これは確かに効きます! チキンには自然のアミノ酸、システインが含まれており、これが肺の粘液を希釈し、粘度を下げるので体外へ吐き出しやすくなります。缶入りのスープや自家製スープは効きません。
ビタミンDをチェック! 過酸化水素をチェック! 健康な食生活をチェック! 風邪と闘う兵器庫に用意すべき主な「武器」のうちいくつかを以上でご紹介してきましたが、その他の物がまだあります。
1. 品質の高い睡眠をよくとる — どういう寝方をしているかに注意してください。睡眠不足または元気を取り戻す睡眠を十分にとっていなければ、敵対的なウィルスにやられる確率が高いです。免疫系は睡眠不足でないときに最も強いです。
2. 定期的な運動 — 定期的な運動は病気への抵抗力を増すために欠かせない戦略です。定期的に適度の運動をすると免疫系を強くするので呼吸器系の病気リスクを下げる証拠があります。定期的に運動する人(一週間に5日かそれ以上)ほぼ50%も風邪に罹りにくいことがある研究で実証されました。
しかしもう風邪を引いてしまったと感じたら、運動しすぎないことです。運動しすぎは身体へのストレスを高め、免疫系を抑制するので、これはどちらとも避けたいものです。風邪の引き始めかと思ったら散歩するとか、日常の運動を単に軽くするようにしましょう。
3. 感情的ストレスに対処すること — 感情的ストレスの元になるものは感染しやすくし、風邪の症状が悪化します。日常的なストレスを管理する方法を確立しておけば強力で忍耐力のある免疫系にするのに寄与します。
サプリメントでも風邪に効き目があるかもしれませんが、すでに説明したようなライフスタイル上の措置への補足程度にすべきです。
亜鉛 — 風邪症状が最初に出た日の内に、亜鉛を摂ると風邪の期間を24時間ほど短くでき、症状も軽くなります。
ビタミン C — とても効能がある抗酸化剤ですが、関連する微量栄養素も含むアセロラ等の天然の形態のものを摂りましょう。下痢症状に似たようにならない限り、回復するまで1時間毎に数グラムを摂っても構いません。
オレガノ油 — カルバクロール濃度が高いほど、効き目があります。カルバクロールはオレガノ油に含まれる最も活性の高い抗菌剤です。
プロポリス — ミツバチの樹脂で世界で最も多くの種類の抗菌性化合物である、プロポリスはカフェイン酸やアピゲニンが最も豊富で、これらは免疫応答を高め、がんにさえ効く重要な2つの化合物です。
エルダーフラワー、ノコギリソウ、藤袴、菩提樹、ペパーミント、生姜 — 風邪やインフルエンザと闘うには熱いのを飲みます。これで汗をかき、体内のウィルスを絶つのに役立ちます。
オリーブの葉の抽出物 — 太古のエジプトや地中海文化はこれを多くの健康上の目的で利用していました。しかも自然の無毒な免疫系を丈夫にする材料として周知のものです。
手を頻繁によく洗うのがばい菌やウィルスを洗い流して病気になるリスクを下げるためのいちばん簡単な方法です。よく手を洗うのが本当に大切な予防方法です。キスするより握手で風邪はよく移ります。
体を洗うなら、普通の石鹸と水がよいです。抗菌クレンザーを使うのはミスです。これをよく使うと耐性のある細菌すなわち「スーパーバグ」の菌種を生み出すからです。このため本来必要な時に成分の効能が無くなります。これは手術前に執刀医がいなくなるようなものです。
さらに、たいていの抗菌薬剤の有効成分はトリクロサンで、これは(ウィルスではなく)細菌を殺し、細菌増殖を阻害する抗菌剤です。細菌を殺すだけでなく、体内の細胞まで殺すことが実証されています。
もう一つ覚えておきたい但し書き:石鹸ではなく、実際には皮膚こそバクテリアに対する主な防御です。あまり極端に手を洗いたくなっても我慢してください。あまりに頻繁に手を洗うと手の自然な保護油膜を洗い流してしまうので、皮膚のひび割れや出血につながります。
皮膚にいるばい菌が問題を起こすことは稀ですが -- ばい菌を鼻、口、ひび割れた皮膚のような開いた傷にばい菌を移すことが問題なのです。このため、過度の手洗いは体内に潜在的な病原菌が入り込む隙を与えるのでかえってよくありません。
300種類以上のウィルスが風邪を引き起こすので、風邪を引く度に特定のウィルス(アデノウィルス、リノウィルス、パラインフルエンザウィルス、コロナウィルス)が原因です。ウィルスはバクテリアよりはるかに小さく、タンパク質のラップで覆われた遺伝形質からなる微小な塊です。
こうしたウィルスを殺せる薬は当面皆無です。ペニシリンを含む抗生剤はウィルスには効果がないにも拘わらず、こうした(無駄な)目的のために無駄遣いされてきました。家畜に過剰な抗生剤が投与されている事実と合わせ、このことは抗生物質耐性を持つ疾患の急増に寄与しています。
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