鬱病に効く代替的処置

鬱病

早分かり -

  • 鬱病の処置には抗うつ剤以外の多くの代替手段があり、これには栄養を取る、光療法、運動等さまざまある
  • 処置が効かない鬱病の患者が、サイロシビンを一回服用するか魔法のキノコを摂取して一週間後に症状が改善したか、患者の半数は処置から5週間後に鬱状態がなくなった
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Dr. Mercolaより

世界で3憶5000万人が鬱病を被っており障害者になる最も多い原因の一つとなっています。

この事実にも拘わらず、約1/3の人々しか鬱病治療を受けておらず、残りの2/3は未処置のまま自殺や生活の質下落のリスクに瀕して取り残されています。

未処置の鬱病に苦しむ人々は鬱病にかかっていない人の二倍死亡率が高く、その他の疾患につながるさらに悪い結果に瀕しています。

鬱病処置は重要なことは明白ですが、推奨される一般的な処置は抗うつ剤と精神療法です。

しかし抗うつ剤を飲む前に思い直すにはそれなりの根拠があります。抗うつ剤はその他の健康リスクを増やし、しかも効能があるかどうかは疑わしいからです。

この場合こそ、鬱病の代替処置が肉体的、精神的健康を医薬品を使わない安全な手法で回復するのを助ける真の救い手になりうるのです。

抗うつ剤は糖尿病、心臓発作、認知障害に直結

抗うつ剤を検討している方は、終了日を通常指定されず長期的に処方されるので、この処置を受けることに決める際覚悟しなければなりません。

例えば、抗うつ剤を飲むと肥満指数(BMI)等のリスク要因で調整した後でさえ、2型糖尿病リスクが高まります。

抗うつ剤で動脈は分厚くなり、このため心臓病や心臓発作のリスクが高まります。

抗うつ剤特に三環系抗うつ剤による心臓発作のリスクは36%も高いです。

これらの薬剤は認知障害をも引き起こし、「SSRI、MAOI、複素環抗うつ剤、その他の抗うつ剤による認知障害のリスクは高い」と研究者らは指摘しており、用量が増えるほどリスクが増大します。

これらの薬により補酵素Q10やビタミンB12を含む多くの種類の栄養素が身体から枯渇し、— 三環系抗うつ剤の場合特にこれが著しい — これらの栄養素はミトコンドリアの正常な機能に欠かせません。SSRIはヨウ素や葉酸を枯渇する。

さらに重要な点として、抗うつ剤は軽度から中度の鬱病については偽薬と効果が変わらないことが研究で実証済みなので、極めて僅かしかない効能のために重大なリスクを負うことになります。大切なこととして、他の代替策を利用できます。

「不治の」鬱病を治す魔法のキノコ

魔法のキノコとも言われるサイケな薬剤サイロシビンは鬱病の治療に有望なことが継続的に実証されています。処置が効かない鬱病患者19人について行った小規模な研究では、全員が魔法のキノコを一回だけ投与されてから一週間後に症状が回復し、半数は処置後5週間経ってから鬱状態から回復しました。

脳スキャンにより鬱病に関連する脳の部位が実際に変化したことが見られ、感情の処理に関わる偏桃体の活性が減り、デフォルト状態でのネットワークではより安定した活性が確認されました(このネットワークの活性と鬱病の間の連関が発見された)。

実験参加者の脳がある意味では「リセット」されて鬱病を克服するのに役立ったと、その研究者らは示唆しています。Scientific Reportsで報告されている通り:

「サイロシビンは医用に古代さらに近代の利用実績がある。支援的環境において準備を整え統合的な心理的世話をして投与した場合、感情面の画期や新たな見通しを生み易くするために使用される。累積を続ける証拠はサイロシビンを心理的支援を伴いながら投与すると多くの精神病処置に安全に応用できる。」

別の研究では、サイロシビンを一回投与しただけでがん患者の80%に6か月間不安や鬱病の軽減が診られ、一部の患者は4年後も不安がないと報告されています。

残念ながら、サイロシビンはマリファナと同じスケジュール1の薬物に指定されており、試験コストが他の合法薬物の10倍もし、精神病の処置に応用しうる段階まで研究を推進するには、フェーズ3の臨床検査を数千人の参加者に実施しなければなりません。これが可能になるためには、サイロシビンの分類を変更しなければなりません。

ロンドンに本拠を置く精神科医James Rucker(ジェームズ・ラッカー)氏はBritish Medical Journal (BMJ)に掲載されたLSDや魔法のキノコの分類見直しを勧めたコメントを書き込んだのですが — 同氏はヘロインやコカインよりはるかに依存症になる度合いが低く、無害であり — 必要な医療研究を実施し易くすべきと指摘しました。

しかし法律に触れるほかネガティブな体験につながる可能性もあるので、自己処置は勧められません。従ってサイロシビンを使用するには慎重な監督とプロの指導は極めて重要です。

マグネシウムのサプリメント、オメガ3、ビタミンBが鬱病を軽減する

抗うつ剤に替わるもう一つの手段はマグネシウムのサプリメントが挙げられます。PLOS Oneに掲載された研究によると、マグネシウムのサプリメントが成人の軽度から中度の鬱病に効能があり、処置後2週間以内に有益な効果が確認されています。

マグネシウムはセロトニン等の気分調節に係る神経伝達物質の触媒として機能します。2015年のある研究でも、特に若い清純の場合に微量のマグネシウム摂取と鬱病の有意な相関性が実証されました。マグネシウムの他にも、動物性オメガ3脂肪EPA (エイコサペンタエン酸)とDHA (ドコサヘキサエン酸)も脳の健康のために欠かせません。

野生のアラスカ産サケ、鰯およびアンチョビを含む食事から、あるいは高品質のクリル油といった動物性オメガ3栄養補助食品から十分なオメガ-3を得ていることを確かめることは、あなたの健康に絶対に 重要 です。

ビタミンB群は必須であり、鬱病患者のビタミンBが僅かしかないことは共通しており、ビタミンBサプリメントが症状を和らげることが実証されています。

何を食べるかで気分を変えられる

「人はその人が食べる物その物」と言っても過言ではなく、食事の選択は気分に重要な効果があります。一日に67g以上の砂糖を摂取する男性が5年以内に不安や鬱病を訴える確率は一日に40g以下の砂糖を消費していた人より23%高いことが判明しており、砂糖を制限するのは気分増進のための1つの戦略です。

従って腸の健康を支持し、これが精神的健康のために欠かせないもう一つの要因です。発酵食品を日常食べるかプロバイオティックサプリメントを日常摂るのもこうした目的のために有用です。

IBS (炎症性腸疾患)と鬱病と診断された成人に関して行われたある小規模な研究がプロバイオティック ビフィドバクテリウム・ロンガムで鬱病が軽減されることを発見したことは念頭に置くべきです。6週目に、鬱度の減少率が処置した群で64%であったのに対し、偽薬で処置した対照群では32%足らずでした。「The Happiness Diet」という本はダイエットソーダ等気分に影響するその他の食品について注意しています。

多くのダイエットソーダに含まれるアスパルテームにはセロトニンの生産を阻害するアミノ酸フェニルアラニンが含まれています。一方では、一握りのアーモンドに80 mgのマグネシウムが含まれています。マグネシウムは脳を落ち着ける効果があります。その他の食品で気分のためになるものにはダークチョコレート、バナナ、ウコン、さらには有機ブラックコーヒーもあります。

鬱病のための光療法

もう一つ有望な処置法に光療法があります。フルスペクトル光療法は季節性感情障害(SAD)の処置用に抗うつ剤よりもよく勧められますが、重篤な鬱病にもこちらのほうがより好ましい処置です。ある8週間の研究では、光療法のみと偽薬ともに中度から重度の鬱病に対してProzacっより効能がありました。

重度の鬱病が再発する双極性障害の患者に関するある研究では、明るい白の光療法も気分高揚に効果があり、患者の68%は処置後4~6週間で正常な気分に戻り、偽薬で処置された患者では22%にしか達しませんでした。

これに平行する事実として、日光浴も重要です。ビタミンD濃度(鬱病に関連しているもう1つの要因)の最適化を助けるからだけではなく、概日リズムや日光に当たることに応答して分泌されるセロトニンの生産を調節するなどその他のメカニズムによっても効果があるからです。

運動 — 一週間に1時間でさえ — は欠かせない

人によってはごくわずかな運動でさえ鬱病に対して効果があります — 11年に及んだある研究では1週間に1時間でも定期的に余暇時間の運動を行った人は鬱状態になりにくかったことが判明しています。

その反面、運動しなかった人は一週間に1~2時間でも運動した人より44%余計に鬱状態になりやすかったのです。

この保護的効果の大半は運動量が低いときに発生しており、強度に関わりなく観察された」として、研究者らはさらに、「鬱病の再発症例の12%は全ての参加者が毎週1時間でも肉体的運動を行っていたら発症しなかったはずだ」と報告しています。

2008年に鬱病治療に心身療法を応用することで世界的に知られるDr. James Gordon(ジェームズ・ゴードン医師)に私が会見したとき、肉体運動は鬱病の人を助けるために少なくとも抗うつ剤と同じくらい効き目があり、理由の一つは脳内のセロトニンを増加させるからであり、また他方では海馬で鬱病患者では時として減少している脳細胞を増大させるからである、と説明してくれました。

有酸素運動以外に、ヨガなどの心身運動が有望であることは実証されています。例えば、イェンガーヨガは深呼吸を組み合わせて詳細かつ精確な姿勢の調和に焦点を当てるもので、薬剤を服用していない患者や3カ月以上薬剤を投与されてきた患者の鬱病症状を軽減します。

鬱病が共通して見られる看護学生に関する別の研究では、肉体運動とよく注意を向ける瞑想は鬱病管理に効果がありました(この場合は運動より瞑想の方が効果があった)。

肉体的運動は「運動」そのものばかりではなく、多くの運動以外の日常動作も含めることが重要です。これには(寝ていないときは)もっと動くように心がけることが挙げられます。運動以外の動作は最適な健康の基本的要素であり — 特定の規則に従うフィットネスルーチンよりさらに重要ですが、最適なのは両方とも行うことです。

情緒面の健康に注意

エネルギー心理学は一種の心理的針治療で、5,000年以上心身の疾患を処置するために使われてきたハリ治療と同じ気のツボを刺激するもので、ハリのような侵撃的なものではなく、肉体的、感情的障害を処置します。その一つの形態は感情解放テクニック(EFT)で、精神的健康(鬱病を含む)の改善に効果があることがわかっています。

30人の軽度から重篤な鬱状態の学生を対象にしたある研究では鬱状態の学生に90分のEFTトレーニングを行わせました。3週間後に評価したところ、EFTを受けた学生は対照群よりうつの程度が大幅に下がっていました。

重篤な状態や複雑な問題があれば、EFTのトレーニングを受けてプロセスを通して指導できる有資格ヘルスケアプロに依頼すべきです。鬱状態の多くの人にとって、自分でもできる効果のあるテクニックです。

「Letting Go: The Pathway of Surrender」(Dr. David Hawkins著)という本も私のお気に入りです。この本は最近読んだ本の中で私が最も気に入っているもので、つらい感情から解放される方法を教えてくれる有用な手段を教えてくれました。鬱状態に苦しむ方なら一読の価値があります。さらに、精神的健康を改善するために、代替的な各種の処置方法をはじめ健全な睡眠に注意するなどのライフスタイル上の戦略によってメリットを受けれる方は多くいることを念頭に置いてください。

押し黙ったまま苦しむ必要はありません。カウンセラー、ホーリスティックな精神科医や他の自然な健康実践家の助けを求め、治癒に向けたジャーニーを始めてください。