たったの7分間のエクササイズで本当に体型をキープできるか?

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7 分間 エクササイズ

早分かり -

  • 短時間高強度のインターバルトレーニング(HIIT)は長時間低~中強度のトレーニングと比べて、比較的短時間で大きなフィットネス効果を得られる
  • HIITの利点は、体脂肪の減少、インスリン感受性および筋力の改善、VO2 maxの上昇、心臓血管内圧の測定がある
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Dr. Mercolaより

短時間の高強度トレーニングはフィットネス界隈で大流行しています。かつては、トレッドミルやエリプティカルマシンで長く運動するほど、より良い成果が得られると信じられていましたが、現在では、強度が十分に高ければ、休憩時間がない分、時間をかけずに体力を最大限に引き出すことができることが知られています。

私はトレンドと呼ぶには程遠いと思っていましたが、7分間の超短時間トレーニングはフィットネスシーンで普及し始めています。実は、人間は大昔から非常に短時間の激しい運動をしていましたが、それを運動とは言わず、「サバイバル」と呼んでいたのです。

人体は生物学的に、これと同様の激しい活動に反応できるようにプログラムされています。しかし、私達現代人の多くはそのような運動を日常的に行わなくなったので、高強度インターバルトレーニング (HIIT).に打ち込んでいます。

上のビデオは、健康サイト「HBFit」の創設者であるHannah Bronfman氏による全身を使う7分間の運動ルーチンの1つの例です。

このエクササイズは、機器を必要とせず、場所を選ばず運動を(ジャンピングジャック、サイドキック、腹筋トレーニングなどの組み合わせ)を行えるため、特に便利です。

短時間HIITトレーニングは、そのメニューを紙に書いてみると一見簡単なように思われますが、実践してみると達成が困難であることに驚くでしょう。時間はたったの7分間です。本当に効果があるのでしょうか?

「最小限の投資で最大の成果を得る」

フロリダ州オーランドにあるヒューマン・パフォーマンス・インスティチュート(HPI)のパフォーマンス・コーチであるBrett KlikaとHPIの運動生理学ディレクターのChris Jordanは、高強度サーキットトレーニング(HICT)の健康上の利点を判断するための調査を実施しました。彼らの研究では自重トレーニングのみを行いました。

この調査で特に注目すべきは、ほとんどが頻繁に各地へ遠征している、「常に必要とされている」プロフェッショナルとアスリートに協力を仰いだ点です。2人は、典型的には、有酸素運動と筋力トレーニングが週が2日または3日間隔で行われることを指摘しました。

筋力トレーニングについては、米国スポーツ医学会(ACSM)は各主要筋肉群について、1セット8〜12回を2〜4セット行うことを推奨しています。

エアロビクストレーニングについては、1セッションあたり30〜60分間の中強度の運動を1週間あたり150分および/または1セッションあたり20〜60分間の激しい運動を週も75分行うことを推奨しています。

「こうした従来のプロトコルは効果的であるかもしれないが、各プログラムを完了するために時間が必要であり、忙しい成人が実践するのは現実的ではないかもしれない」とACSMは述べています。

これを受けて、2人は有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせたプログラムを開発しました。これは場所を選ばず、特別なトレーニング用具を必要とせず、短時間(7分間)で実践できます。

7分間のトレーニングの効果は実証済み

KlikaとJordanが開発したHICTプログラムは大まかに、1953年に英国のリーズ大学でR.E. MorganとG.Tアンダーソンが最初に開発したサーキット形式のトレーニングに基づいていました。

そのプログラムは9~12種類のエクササイズを中強度で指定回数繰り返すものでした。これを実践することで筋力、持久力および有酸素運動で改善が見られることが注目されました。この研修では、HICTトレーニングの複数の利点についても説明しました。

脂肪燃焼と体重減量

HICTは、セット間の休憩をほとんど取らずに複数の大きな筋肉を使うことで有酸素能力と代謝機能の向上をもたらします。代謝機能については、運動を終えてから最大72時間まで効果が継続することがあります。

従来の有酸素運動または筋力トレーニングと比べて、HICT は脂肪を燃焼しやすい可能性があります。なぜなら、安静時のエネルギー消費量を増加させるカテコールアミン代謝と血中のヒト成長ホルモン (HGH)レベルを上昇させるからです。

VO2 Maxの改善

VO2は、運動中に取り入れることができる酸素の最大量を最大化します。VO2maxは、心臓血管の持久力の尺度として使用することができます。「HICTプロトコルが従来の定常状態プロトコルと比較したところ、HICTは、運動量が大幅に減少しても、同様の、そして時には比較的大きなVO2 maxの増加を引き出す」と記述されています。

インスリン耐性を正常に近づける

諸研究では、2型糖尿病の発症に寄与する因子である、インスリン抵抗性を低下させるためにHICT(およびHIIT)の有効性が支持されています。不健康な中年を対象とした研究により、インスリン感作と血糖値調節機能は週三回のインターバルトレーニングを二週間しただけで改善することが判明しました。

その後の研究で、HIITがインスリン感受性に正の影響を与えることも発見されました。この研究では、2型糖尿病患者が参加しており、1回のセッションで24時間以内に血糖値の制御に改善することができました。KilkaとJordanは次のように述べています。「VO2 maxが100 [%]以上の強度で週1に度、8分間のトレーニングを実施した場合、インスリン抵抗性に正の変化が観察された」

7分間で12種類のエクササイズをこなす

KilkaとJordanのサンプルのHICTプログラムが何を意味するのだろうかと疑問に思うかもしれません。このエクササイズは以下の目的で設計されました。

すべての主要筋肉群の筋力発達を促進する

大きな筋肉群を動かすことで筋力トレーニングと有酸素運動の強度を増す

全身のバランスを取るために使う筋肉を動かす

強度を増減させるために必要に応じて直ちに修正または適合させる

実践者の安全を守り、適切な負荷をかける

階段や壁など、トレーニングに利用できる環境を使う

休憩時間を最小限にして次々にトレーニングをする

各エクササイズを約30秒間行い、次のエクササイズに移るまでに10秒間待機します。これにより、約7分のトレーニングが追加されます。トレーニングは、全体で2〜3回繰り返されます。このエクササイズは、使う筋肉をエクササイズごとに変えていくことで体の部位を休ませつつ進むため、決まった順序で行わなければなりません。

1.ジャンピングジャック(全身)

2.ウォールシット(下半身)

3.プッシュアップ(上半身)

4.腹部クランチ(体幹)

5.イス昇り降り(全身)

6.スクワット(下半身)

7.椅子を使った上腕三頭筋トレーニング(上半身)

8.プランク(体幹)

9.膝上げ運動/その場でランニング(全身)

10.ランジ(下半身)

11.腕立てと側転(上半身)

12.サイドプランク(体幹)

強度が増加するにつれて、継続時間が短くなる

7分間のトレーニングのセット数(1〜3回)は、強度を含むさまざまな要因によって決定しましょう。仕事が難しくなればなるほど、運動に使える時間は短くなります。

研究では、わずか4分間のHIIT運動で、VO2 maxおよびインスリン感受性の改善を含む利点が証明されています。しかし、これらの利点を得るには、VO2 maxの100%以上の強度でトレーニングに励む必要があります。

これは、多くの人にとっては達成できない、あるいは習慣化できないほどの強度です。基本のHIITトレーニングについて、American Council on Exercise(ACE)は、「トレーニングは極度のレベルで行われ、最大の有酸素運動能力の約80〜95%を引き出す」と述べています。

つまり、1から10の間で運動強度を測るとすると、ランニングまたは階段登りなどの典型的な中強度のトレーニングは5〜6レベルです。典型的なHIITトレーニングは、7以上の運動レベルで行われます。Tabataトレーニングなどの非常に短時間のHIITトレーニングならば、レベルは10です。

HIITの良い点は、ニーズに合わせて調整できることです。トレーニング強度が低めでもメリットを得ることができます。自分の目標に合わせて強度を調整しましょう。繰り返し言いますが、強度が高いほど運動時間も短くしてください。