Dr. Mercolaより
ストレスが精神的、肉体的健康に及ぼす影響は近年集中的に研究されています。不安はストレス応答の1種と見なすことができ、通常は恐れ、恐怖、心配等の感覚を伴います。
短期的に不安があっても、これは潜在的脅威に対する自然な適合性の応答なので、身体が一段高い警戒レベルになって、害悪を回避することができます。筋肉が咄嗟の行動に準備するので鼓動が早まり、発汗が増えます。
断崖わきでハイキング中に感じる不安は注意力を高め、慎重に動くようになります。現実的脅威がないのに不安が恒久的な状態になると問題が起きます。
不安が慢性化すると、多くの精神的、肉体的健康上の問題リスクが増えます。不安をしょっちゅう感じている自分に気づいたら、健康を害する可能性が出る前にその不安を軽減するための処置を取るのが肝心です。
生活不安を全くなくすのは無理ですが、上のビデオでご紹介している感情開放テクニック(EFT)などのエネルギー心理学的ツールは不安になった時に起きる生体電気の短絡を効果的に体が補償できるようにしてストレスを軽減するのに役立ちます。
ストレスと不安は同じものではなくても、身体への悪影響という点で大幅に一致するところがあります。ストレスは外的刺激(配偶者との口喧嘩など)のせいで起こることがありますが、不安はより内的な状態で起きる傾向があります。
不安障害は先天的なもの(遺伝)と後天的なもの(環境)の組み合わせから生じる可能性があると多くの専門家は考えています。
言い換えると、子供の時虐待されたり放っておかれた人は不安障害を持つ高いリスクがあります。それが発症するかしないかは部分的にはストレスを感じるような状況に対処する内的能力に依存しています。つまり、「内的資源」すなわち人格的特徴、社会的支援制度に依存しています。
不安はストレスと同じ「立ち向かうか逃げるかフリーズ」という応答を呼び起こします。つまり、不安はストレスホルモンをどっと分泌させます。これには緊急事態で応答するのに役立つアドレナリン、コルチゾルがあります。
公演とか就職面接等のストレスを感じる出来事で不安を感じるのは正常ですが、通常の場合不安はその出来事が終わればなくなります。
長期的に不安を感じている人は、脳が不安を感じるような「回路」を作っており、潜在的に望ましくない状況が生物的なアラームをアウトプットさせる事態に至ります。慢性的不安は実際には何でもないのに潜在的な脅威に対してしょっちゅう気を付けるようにさせます。
さらに悪いことには、不安感に慣れてしまい、それが問題であると気付かず、沈黙のうちにただ苦しんでいる人もいます。不安が長期化すると、社会的孤立、身体症状、うつ病のような精神的健康障害につながる可能性があります。
慢性的不安と不安障害は人生の途上での出来事とは関係なく、数カ月または数年にも及ぶことがあります。米国国立精神衛生研究所(NIMH)は脳が不安を処理する仕組みを説明しています:
「脳の一部は恐怖や不安を産む主体である...科学者は、扁桃体および海馬がほとんどの不安障害において重要な役割を果たすことが発見されている。
扁桃体は、脳の奥にあるアーモンド型の組織であり、入ってくる感覚シグナルを処理する脳の部分と、これらのシグナルを解釈する部分との間の通信ハブのはたらきをしていると考えられている。脅威が存在し、恐怖や不安応答を引き起こす脳の残りの部分に警告を発することができる。
扁桃体の中央部に記憶された感情的記憶は不安障害の発症に大きく関わっている可能性があり、犬、クモ、またはハエなどの生物が感じる恐怖とは非常に異なる恐怖を引き起こす。海馬は、脅威となる事象を記憶に取り込むはたらきのある脳の一部である」
米国疾病管理予防センター(CDC)はあらゆる病気の85%が情緒面の要素があり(おそらくこの数値は控えめな推計だと思われます)、ストレスや不安はその上位に位置づけられています。
ストレス下にあるとき、ストレスホルモンが緊急事態に対応できるように身体を準備しますが、これが一時的に免疫系を抑止する働きがあり、病原体その他外的侵入者に対する応答性を脆弱にします。
従って、常日頃ストレスを感じている人は慢性的不安と同様に、自分自身を全体的な健康面で墜落に向かわせているようなものです。ストレス関連の健康の問題は多くあり、そのリストは常時長くなるばかりです。以下のことは1例にすぎません:
不安障害を持つ人の1/3しか治療を受けず、しかもその「治療」と言われるものの大半は単なる処方薬にすぎないと推定されます。ベンゾジアゼピン類等の抗不安薬(Ativan(アティバン)、Xanax(ザナックス)、Valium(バリウム)を含む)は乏しい処置にすぎず、記憶喪失、臀部の骨折、依存症を含む多くの重篤な副作用のリスクをともなっています。
長期的な有効性と安全性が証明されていないにもかかわらず、高齢成人の最大43%までが不安や不眠症のためにベンゾジアゼピン類を慢性的に使用しています。これらの医薬を飲む人は飲まない人より早死にする確率がほぼ4倍も高く、がんには35%余計かかりやすくなっています。
高齢者のベンゾジアゼピン服用が認知症リスクを50%高めることも判明しています。
ベンゾジアゼピン類は、オピオイド(ヘロイン)やカンナビノイド(大麻)と同じように、γ-アミノ酪酸(GABA)と呼ばれる神経伝達物質の作用を増強することにより、鎮静作用を発揮します。その次に、満足感を得る脳内のホルモンであるドーパミンを活性化させます。
抗不安薬を取るうちに依存症や肉体的な依存症に陥り、止めることが大きな課題、さらに極めてつらくなります。「ベンゾジアゼピン退薬症候」というのはパニック、不眠症、異常発汗、嘔吐、脳卒中、筋肉痛、2週間立て続けに発生するその他多くの症状が特徴です。不安を管理するもっとよい方法があると私は考えています。
感情開放テクニック(EFT)等のエネルギー心理テクニックは身体の反応を起こしている生体電気の短絡を副作用なく補正することで不安を軽減するのにとても効果があります。EFTは自分の回路を「プログラムし直す」ツールとしてとらえることができ、現実と想像上のストレス要因に対して効果があります。
EFTは一種の心理的針で、5,000年以上ハリ治療で使われてきたのと同じ気のツボを刺激するもので、ハリのような侵撃的なものではなく、肉体的、感情的障害を処置します。2012年にAmerican Psychological Association(米国心理学会)の専門誌Review of General Psychologyに掲載された論評でEFTは「根拠に基づく治療」の基準をあと一歩で満たせるところまで来ていました。
EFTは希望や喜びといった前向きな気持ちを大幅に増やし、不安などマイナスの心の状態を少なくすることを近年の研究が実証しました。EFTは何かが脅威かどうかを判断する際の脳の部位である偏桃体や海馬を特にターゲットとしているため、ストレスや不安といった気持ちの処理に特に強力なのです。
偏桃体や海馬が不安障害に関わっていることに関するNIMHによる説明を思い起こすと、タップという行為がそれほどパワフルなツールである理由がおわかりになると思います。EFTがコルチゾル濃度を下げることもすでにわかっています。
EFTの基礎は自学できますが、あなたやお子様が重篤な不安障害をお持ちなら、EFTの有資格治療師に相談するようお勧めします。重大な問題や複雑な問題がある場合は、EFTに関して訓練を受けた有資格ヘルスケアプロに手順を案内してもらうのが必要です。奥深く根付いた重大な問題を軽減するタップのスキルを身につけるには通常何年もの訓練が必要です。
EFTは自学し易く、大人も子供も効果的に実践できます。私たちのウェブサイトにはその方法を自学するための無償の記事、ビデオ、説明書がたくさんありますので、ご自分でタップすればするほど、うまくなります。EFTはお子様に日々のストレスを発散させてくれる教えがいのある素晴らしいツールです。膿のように悪化したり慢性的不安になる前に予防することができるようになります。
不安症のような気分の障害を持つ子供たちは警告を要する速さ薬漬けにされており、感情のコントロールがを身に着けられなくなっています。お子様の不安が制御が効かないほどになっていれば、成人してからも尾を引く可能性が高いので、これまでに説明してきたすべての問題につながっています。
多くの情緒や行動の問題は薬剤なしで安全かつ効果的に処置できます。適切な方策には栄養、適切な運動、環境毒素の回避、EFT等のツールが挙げられます。感情の調節を学ぶことで子供たちは自分の気分や行動を管理しやすくなり、自尊心が増し、より「普通の人」と感じ、汚名を着せられた者とは感じないようになります。
タップの基礎は自分で習得でき、プロセスをお子様に教えてください。または有資格のEFT治療師に依頼することもできます。EFTの仕組みを学び、さらに幅広い応用性をよく知って頂けるので以下の出所をご利用になれます。
不安を被っている場合、精神的健康上の問題に関してしばしば見過ごされている基本的要因に取り組むことが大切です。以下の点に特にご注意ください:
糖分の摂り過ぎ。砂糖が多い食事と精神的健康の劣化の間に相関性が強いことを多くの研究が実証してきました。糖分やでんぷん質の炭水化物の摂りすぎはインスリンの過剰な放出につながり、血糖値が下がって低血糖になります。低血糖により、脳でグルタミン酸が分泌され、焦燥、うつ、怒り、不安、パニック発作などを引き起こします。さらに、砂糖は体内の炎症の炎を煽ります。
漏れがある腸と機能障害のある第二の脳ナターシャ・キャンプベル-マクブライド博士の説明によると、腸の中の毒素は身体を巡って脳に至り、不安や鬱を含む様々な精神病の症状を起こします。内臓疾患を減らすことは、精神的な健康に取り組むうえで必須であるため、腸内細菌叢の最適化は重要なことです。
腸から脳へ送られる信号の方が脳から腸へ送られる信号より多いです。腸には脳より多くのニューロンが存在し、より多くの神経伝達物質を生産しています。砂糖をなくし、善玉菌を増やして腸の健康を最適化してください。豊富な自然に発酵させた野菜を食事に取入、腸内細菌叢のバランスを維持してください。これが食べたくない人は高品質のプロバイオティックサプリメントを検討してください。
不活発さ。運動するとGABAを生む新たなニューロンが増え、これが自然な落ち着きの誘因になります。運動もセロトニン、ドーパミン、ノレピネフリンの濃度を上げ、これがストレスの影響に対する緩衝材として機能します。
説得力のある研究によって今や、たとえ規則的に運動しても、長時間の着座が健康にいかにひどく破壊的ダメージを与えることが実証されています。できる限り立ちましょう。間歇動作は定期的運動よりはるかに重要なので、毎日7,000~10,000歩歩く目標を実現してください。
動物性オメガ3の不足。食事にオキアミ油のような動物性のオメガ3脂肪の高品質摂取源を含むことをお勧めします。オメガ3脂肪のEPAとDHAは情緒面の健康のために重要な役割を持ち、不足すると気分障害につながることがわかっています。オメガ3を摂取している医学生の間では劇的な20%もの不安軽減が確認された研究があります。
食品添加物および遺伝子組み換え成分。数多くの食品添加物が精神的健康を悪化させると考えられており、その多くがヨーロッパでは禁止されています。避けたほうがよい添加物は、 青色1号/2号、緑色3号、オレンジB、赤色3号/40号、黄色5号/6号、保存料の安息香酸ナトリウムです。
研究ではまた、遺伝子操作穀物の大部分に使用されている、モンサント社の除草剤ラウンドアップの有効成分グリホサートが、身体の化学合成物の排毒機能を阻害することが示されています。
結果として、これら毒素の損傷の影響は拡大し、行動に影響を及ぼす可能性のある脳障害を含む幅広い疾病を引き起こすことがあります。
EMF(電磁場)。無線周波電磁界への暴露、携帯電話などの電磁汚染をなるべく制限しましょう。休息と回復の場所である寝る環境には特に気をつけましょう。
その他の有害物質。有害物質は避けましょう。これにはごく一部の例を挙げるだけでもグルタミン酸ナトリウム(MSG)、アスパルテームなどの人工甘味料、歯の「銀の」詰め物アマルガムに含まれる水銀、水道水中のフッ素などがあります。
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