Dr. Mercolaより
水は人体の2/3以上を占めており、正常な機能に欠かせません。
その結果、脱水が偏頭痛や便秘をはじめ腎臓結石等その他多くの病気につながります。
脳の健康にもたいへんな害を与え、気分や脳の機能全体に悪影響が及びます。脱水症の度合いが悪いくなるほど、いらいら、不安や倦怠感が起きやすくなります。
脱水症は、水を補給しないまま体内の水分を多量に失ったときに発生し、身体の適切な機能に悪影響を及ぼします。
軽度の脱水症であれば簡単に手当てできますが、重度の脱水症は生命を脅かす可能性があり、直ちに医師の診察が必要です。
脳の約3/4は水なので、脱水状態になれば、脳の体積は実際に小さくなります。(脱水によるこの縮小が原因で頭が痛くなる。)
軽度や一時的な脱水でさえ脳の機能を変化させ、気分に悪影響することが、2013年に行われたある研究で実証されました。この研究では20代中ごろの20人の健康な女性に24時間一切の飲み物を飲ませませんでした。
生物学的パラメータ(尿、血液、唾液)については臨床的な異常は観察されませんでしたが、渇きと鼓動が増し、排尿量が急減していました。期待していた通り尿も濃い色になっていました。気分へのインパクトについては著者らは次のように説明しています:
「[水分欠如]が気分に与えた目立つ悪影響には注意力の減少、眠気、倦怠感や混同の増加でした。脱水が気分に与える常に見られたマイルドな影響には睡眠/目覚めのパラメータに対するものでした。」
幸いにも、水を飲むと20分以内にこうした悪影響がよくなりました。脱水によって誘発される頭痛もまた水を飲むことで急速に回復しました。
興味深いことに冷水はぬるい水より20%速く吸収されるので、回復を速めるには室温の水ではなく冷水を飲んでください。
お子様が頻繁に疲れや情緒不安定で苦しんでいれば、十分に水を飲ませてください。確実に水和する方法について以下にいくつかヒントをご紹介します。子供は普通の水よりソーダやフルーツジュース等の甘いドリンクを好むという単純な事実からして脱水状態になりやすいです。
ハーバード大学で行われたある研究では子供の半数以上は脱水状態にあり、このために健康や学業に悪影響がありうるそうです。米国の子供たちの約1/4は毎日水を飲んでいません。全体としては、男子の75%は女子より水を適量飲んでいないようで — この事実は男の子のほうが女の子より甘いオリンクを飲むことを示した以前の研究とぴたりと一致します。
2011年に公開された別の研究では、運動で汗をかいたために脱水状態になると実行機能を使用する作業の間に、前頭頂部のBOLD(血液酸素濃度依存性)応答性が増加した一方、休憩中の脳かん流には影響しなかった」ことが判明しました。
BOLD応答の増大が認知能力の逓減を伴っていなかったので、その研究者らは脱水が脳内の新陳代謝活動に支障をきたしたこと、その結果として、参加者は普通のパフォーマンスを維持するために神経的活動をより多く必要としたという結論に達しました。
「脳の新陳代謝リソースの可用性は限られていることから、これらの発見事実から水を長時間飲まないでいると、計画立案、空間視覚処理といった実行機能に悪影響を及ぼします」とその研究者らは言っています。
認知機能が悪影響を受け集中力が減るという事実は車を運転しているときに重大ないくつもの悪影響につながります。
脱水状態のドライバーは正常に水を補給していたドライバーより2時間の運転中に倍もミスの回数が多く、これが飲酒運転と同様の状態であることを、ある研究が示しています。その研究のために水を補給されたドライバーには200ccの水を1時間ごとに飲ませ、脱水状態にしたドライバーには1時間に25ccしか与えませんでした。
The Daily Mail紙の報告によると:
「普通に水を飲ませたテストでは運転ミスが47回であった。参加者を脱水状態にした場合はこれが101回に上昇したが、これはドライバーが睡眠不足か飲酒で運転できる限界の酩酊状態に等しい運転ミス回数であった。
脱水状態になると脳の活動が衰えるほかにも注意力と短時間の記憶力も劣ると研究者らは見ている。」
下にあるHealth Firstから引用した図を見るとわかるように、脱水状態のとき全身に害があります。少しでも脱水状態になると全身のバランスが崩れます。脱水症は身体から失われる水のパーセンテージによって軽度、中度、重篤に分かれます。
1~2%でも脱水状態になっときに渇きのメカニズムが作動して、何か飲みたくなるわけですが、このときすでに身体機能には悪影響が及んでいます。軽度の脱水症では体液の最大5%を失った状態です。
長期的脱水症やさらに重篤な脱水症にはコレステロールの増加、鼓動や呼吸が速くなる、低血圧、「干からびた」乾燥肌のような早期老化の兆候が挙げられます。脱水症で新陳代謝も遅くなります。
ある研究によると、一日に水を470ccほど飲むだけでも代謝率が30%も上がるそうです。2%程度の脱水状態でも運動能力が10%悪化することも証明されています。
どのくらいの水を飲ばよいかの目安として「のどの渇く頃飲む」のを基準にすると、個々人のニーズが毎日確実に満たされるために明らかによい1つの方法です。極端な空腹感 — 特に糖分渇望 — は身体がもっと水を必要としているもう1つの共通の兆候です。
実際に、咽喉の渇き以外に、空腹感は脱水症の最初に起きる明らかな兆候の1つです。そこで、お腹がすいたらスナックに手を出す前に、水をグラス1杯飲んで20分待つことです。
もっと水を飲んだほうがよいことを示すその他の兆候には次のようなものがあります。せん妄や無意識状態は急性の重篤な脱水症の2つの症状で、生命に危険があるので直ちに医師の治療を受ける必要があります。
倦怠やめまい
頭痛
ぼやっとして考えられないとか集中力の低下
悪寒
筋肉の痙攣
背中や関節の痛み
口内の乾燥やねばねばする
便秘
排尿の回数が少ない。尿が濃厚で色が濃い
気分変動、不安による緊張感の増加
尿の量が減る
糖分への渇望
兆候や症状に注意する以外にも、脱水度を測るのに役立つ簡単な「一気飲みして排尿」テストがあります:
その他の脱水状態を測る方法には次のものがあります:
• 排尿頻度:だいたい人は一日に4~7回排尿しますが、これは膀胱のサイズや排出する必要がある尿の量によって異なります。しかし4回にも満たない場合はもっと水を飲んだほうがよいでしょう
• 尿の色:色は脱水の状況を見極めるためにいちばん簡単な方法の一つです。尿の色はその液中にある老廃物の濃度によって決まります。腎臓が老廃物と混ぜるために必要な水分が体内に多くあるほど、尿の色は薄くなります。尿が薄い藁の色か淡い黄色であるためには十分な水を飲む必要があります。
尿がこれより濃ければ、腎臓は老廃物を濃縮して、さらに脱水症になることなく体外へ排出するのに大変な努力をしていることを示します。肉体的能力や認識力の低下には意識しないかもしれませんが、確実に起きています。
一部の栄養補助食品が尿を明るい色、ほとんど蛍光色的な黄色にする場合があるので、尿本来の色を見極めにくいことに注意してください。
尿がほとんど透き通っていれば、水の飲み過ぎです。脱水症よりはるかに症例は稀ですが、過剰な保湿も生命への脅威になる場合があります。
医師のティム・ノークス(Dr. Tim Noakes)の著作「Waterlogged: The Serious Problem of Overhydration in Endurance Sports」(びしょぬれ:耐久性スポーツにおける過剰な水吸収の深刻な問題)はいかに飲料業界がスポーツマンのための飲むガイドラインに影響を及ぼしたかを説明しています。この影響は過剰水和による無駄な死にさえつながります。
• 臭い:尿はあまり臭わない方がよいです。その臭いは脱水の程度、24時間以内に食べた物や膀胱感染症の有無によって異なります。尿が濃いほど(腎臓から排出される老廃物による)、尿はアンモニア臭くなります。
一部の医薬品や尿道感染症によっても尿の色や臭いが変わります。感染していれば、尿の濁りや血が混ざる場合があります。尿が異常に甘い臭いがすれば未制御の糖尿病による尿中グルコースの高濃度を表します。
尿の臭いに影響するその他の疾患や状態には腎不全や尿中ケトン高濃度の尿中ケトンが挙げられます。
最適な健康のためには、純粋な水が必要なのは疑いありません。食事は長時間食べずにいられますが、毎日十分に水を飲まないと、体の調子や健康が速く悪化し始めます。
甘いボトル入り飲料を全部止めて清水を飲むようにするだけでも健康改善にかなり役立ちます。体内の生化学反応の全ては水が必要ですが、砂糖は不要です。
次の点を検討してください:身体の組成の内水が42リットルを占め、これは体重の50~70%に当たります。血液は85%が水で、筋肉は80%、脳は75%、骨でさえ25%は水で。つまり水がいかに健康のために欠かせないかがおわかりになるでしょう。
しかし、その量は個々人の状況に合わせて微調整する必要があります。どれくらいの水が必要かは年齢、活動レベル、気候その他により異なります。しかし自分の身体に必要な水の量を精確に測ろうとしたり、一日に何杯水を飲んだかを追跡するほど面倒なことをせずに済みます。自分の体に耳を傾けると、いつ頃水の補給が必要かを言ってくれます。
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