ビタミンA

早分かり

  • 大腸がんの原因である遺伝子の突然変異はがん治療後でも幹細胞(未熟な細胞)の中には残り、再現して再発を引き起す可能性がある
  • レチノイン酸というビタミンAの化合物の機能とこれが大腸がん再発や転移を防止する仕組みを最近科学者らが発見しました
  • 大腸がんのあるマウスにはレチノイン酸濃度が低いこと、さらに、小腸にレチノイン酸を追加投与した後、がんの進行が遅くなったことを複数の研究が証明しました
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ビタミンAは大腸がんの予防を助けます

2017年10月25日 | 933 ビュー |

Dr. Mercolaより

ビタミンAから体内で作られる化合物のレチノイン酸と世界中で主ながんの1つである大腸がんの阻害の間に相関性がありそうなことを、最近の臨床検査で科学者らが発見しました。

Philly.comの記事の中で、スタンフォード大学医学校の病理学・医学教授エドガー・エングルマン博士(Dr. Edgar Engleman)が次のように書いています:レチノイン酸が小腸の炎症を阻止する機能があることは長年科学者らには周知だったので、同教授のチームはこの物質がいかにがんの発生に関連するかを探り当てるために「点をつなぐ」研究を行いました。

Immunity(免疫学専門)誌に掲載された初期研究でその研究者チームは、大腸がんのあるマウスのレチノイン酸濃度が低いことを発見しました。

次に、大腸がんがあるマウスの小腸にレチノイン酸を多めに投与したら、がんの進行が遅くなったことを発見しました。

しかし、この記事が注意するように、「動物実験から必ずしも人でも同じ結果が出るとはいえない」のです。エングルマン博士は次のように説明します

「小腸は常に外界の微生物により攻撃を受けています。その結果免疫系統はとても複雑です。バクテリアやバクテリアが生産する分子がレチノイン酸メタボリズムに直接インパクトがある腸内の大規模な炎症反応を引き起こすようです。」

特定のタンパク質が大腸がん患者の小腸細胞の中でレチノイン酸を大幅に分解して不活性化させ、これが生じている患者は他の患者より「ひどい結果」に及ぶ傾向があります。エングルマン氏によると:

「結腸直腸がんに見られるレチノイン酸不足を引き起こす役割を証明したので、人の体内でこうした変化のトリガーとなっている特定の微生物を識別することに取り組んでいます。研究の成果が結腸直腸がんの予防か治療のために役立つ可能性があるか否かを最終的に見極めたいと思っています。」

大腸がんの再発とHOXA5

Science Dailyが説明するように、理論上は、大腸がん患者が化学治療を受けると、大部分のがん細胞は殺されます。しかし、

「がんをもともと起こした遺伝子の突然変異は特定の大腸細胞群の中には残ります。これらの変異細胞は成熟した普通の大腸細胞に成長するのを待っている未熟な細胞である幹細胞を意味します。

がんの治療が終わった後でも、発癌性変異を含んだままの幹細胞が再現して再発させる可能性があります。」

Swiss Federal Institute of Technology in Lausanne (EPFL、スイス連邦工科大学ローザンヌ校)のイェルク・ヒュルスケン氏チームによる研究では、腸内でHOXA5と呼ばれるタンパク質に幹細胞のほかにもこれを作り上げている細胞の数を制限する主な役割があることを発見しました。

科学者らはHOXA5の高濃度に着目しました。このタンパク質には早期の胎児成長を制御する役割がある一群のタンパク質の中の1つで、組織が正しく配列され、本来の機能を果たすようにする機能があります。成人では、これと同類のタンパク質が幹細胞を調節しており、組織の機能とアイデンティティーを維持しています。

特定遺伝子に由来するHOXA5は発生する幹細胞の個数をある程度まで決定しています。大腸がんの幹細胞は生体仕組みまたは信号伝達経路を使用してHOXA5を阻止します。一個の分子はドミノ効果によりもう一つの分子を活性化し、これが次の分子を活性化していきます。Science Dailyは次のように説明しています:

「信号伝達経路の目的は生体情報を細胞の一部から別の部分へ伝達することであり、例えば、外の細胞膜からずっと奥の核までといった具合です。HOXA5遺伝子を阻害することにより、大腸がん原生幹細胞が制御されずに成長し、拡散し、再発や転移を引き起こします。」

EPFLの研究者らはがん幹細胞のHOXA5阻害機能を逆転する方法を求めて研究をつづけた結果、レチノイドがこのタンパク質を再活性化させる可能性があるこを発見しました。Science Dailyは次のようにさらに説明しています:

大腸がんのマウスをレチノイドで治療したら腫瘍の進行を阻害し、組織を正常にしました。

HOXA5を作る遺伝子が回復したので、動物の生体では、この処置によりがん幹細胞を絶滅させ、転移を阻止しました。実際の患者から取ったサンプルでも同じ結果が得られました。」

EPFLの科学者らはこの研究が既存の患者だけではなく予防措置としても、「レチノイド分化療法」で大腸がんの死に到るプロセスを変化させることができるようになる画期的な発見になれば、と期待しています。

研究が明かす多くの根拠:ビタミンAはがんと闘うのを助ける

過去、Orthomolecular.orgに掲載されたある記事によると、科学者らは実際にはビタミンAががんの原因であると考えていましたが、同時に「幹細胞を『分化』するのに役立ち、これを成熟した細胞にさせるためには必須である」ことは認めていました。

1926年のある研究がビタミンAによるがんの阻害可能性を示す初の関連性ともいえる事実を発見していました。その事実は簡単なことでした:ビタミンAに乏しい餌を与えたマウスは胃がんが発生しました。1941年には胃がんの人に焦点を当てたある研究も患者のビタミンA濃度が低いことを発見していました。

この結果は75年後にエングルマン氏が発見したことと同じでした。科学者らはレチノールを投与した患者では中皮腫の症例が少ないことを発見しましたのは、こうしたビタミンA研究へのこれらの初期の進出をヒントにしたものかもしれません。

このほか、Linus Pauling Institute (ライナス・ポーリン研究所)は次のように説明しています:

「細胞培養と動物実験による研究では自然および合成レチノイドが皮膚、乳房、肝臓、大腸、前立腺その他の部位でがんの発生を大幅に抑制する機能があることが発見されています。」

VN/14-1という抗癌剤はレチノイン酸の分解を阻止することで、ヒトの前立腺がん細胞を移植したマウスにおいて、腫瘍サイズがほぼ半減し、5週間後には腫瘍はもはや成長しなくなったことが発見されました。

もう1つの研究は、ビタミンAとCを乳がん細胞に投与したところ、これらのビタミンが共同で効果を上げ、未処置の細胞と比べて拡散阻止効果が3倍以上あることが発見されています。Journal of Nutritional Biochemistry(栄養生化学専門誌)は次のように説明しています:

「レチノイン酸(ビタミン A)が腫瘍細胞の拡散を阻害する機能は周知だが、メカニズムはまだ解明されていない。

この研究が示す相乗効果はアスコルビン酸がレチノイン酸の分解を遅くし、このためビタミンAの細胞拡散阻害効果が増加したためであると、著者らは考える。」

実際に、ビタミンAはその他様々なビタミンやミネラルと相乗的に機能します。これらにはビタミンDとK2、亜鉛、マグネシウムを含み、これとのの協業がないと、ビタミンA本来の機能を発揮できません。

ビタミンA:レチノイドとカロチノイド

ニンジンやさつまいもをたくさん食べれば十分なビタミンAがたぶん摂れると多くの人は思いますが、これは必ずしも当たっていません。

ビタミンAには2種類あります:生物学的利用能のある動物性レチノイドと、植物系食物に含まれるカロチノイド。

George Mateljan Foundation(ジョージ・マテリヤン基金、科学的に実証された情報を共有し、最適な健康のための食事や調理法情報で人々を助けている)は次のように説明しています:

「これら2つの形態は化学的組成が異なるだけではなく、異なるタイプの健康メリットがあります。レチノイドからしか得られない特定の免疫、炎症、遺伝子、生殖関連のメリットがいくつかあります。

レチノイド形態のビタミンAは妊娠や出産、乳幼児期の成長、夜間の視覚、赤血球細胞の生産、感染病への抵抗力のために特に重要です。こうした特殊な状態になっていなくても、ビタミンAのレチノイド形態は私たち一人一人にとって必要です。」

ビタミンAのうちレチノイド形態しか体内で吸収されないことにすでにお気づきかもしれません。逆に、身体は植物から摂るカロチノイドをレチノイドに変換する必要がありますが、以下のような要因がこのプロセスを阻害する可能性があります:

飲酒

特定の食品

低脂肪の食事

毒素の侵入

特定の薬物

脂肪吸収を阻止する医学的障害

悪い知らせはこのリストに多くの人があてはまることです。ビタミンA不足は米国では一般的にあるとは考えられていませんが、工業国では確かに言えています。ビタミンA摂取を増やさないと悪化する鳥目は最初の兆候の1つです。

ビタミンA:視力、細胞成長、神経機能その他に効く

ビタミンAは抗酸化剤なので、抗炎症性機能があるほか、フリーラジカル(遊離基)によるダメージから守る効果があります。レチノイドとカロチノイド ビタミンA摂取源以外に、身体へのメリットには次のようなものがあります:

免疫システム機能

遺伝子調節

細胞の分化

加齢プロセスの遅延

健康な視力

骨を強くする

神経機能

健康な皮膚

ビタミンAの最適な摂取源

ビタミンA摂取量を増やすための最適な方法は食物によることです。草を食べさせた有機鶏の玉子(生のままか、できるだけ生に近いかたちで摂る)、有機的に草を食べさせた牛から取れる絞りたての生牛乳やクリーム、有機バターやチーズはすべて最適な摂取源です。ビタミンAが豊富なその他の食品:

有機的に飼育し草で育てた家畜のレバー

ほうれん草

冬カボチャ

カラシやコラードの緑の葉

エビ(注意:大部分は養殖製品)

ニンジン

天然捕獲したアラスカサーモン

ケール

さつまいも

ロメイン・レタス

ビタミンやミネラルは最適な健康のために必要です

偶然ですが、Orthomolecular.orgの記事も、栄養を供給してくれる食物を食べること、または食物を薬として食べ食物を薬として見なす」ともいわれことを勧めずに、薬剤開発を食品から行うという明示的目的でどれほど頻繁に食品の栄養上のメリットが研究されているかについて説明しています。

「自然のビタミンAががんを誘発するという っと驚かせるような警告や全く間違った文句が実際には、新聞の読み手やテレビの視聴者を扇動しています。よく調べてみると、「ビタミンががんを促す」という研究は意図している事を証明する方向へ誘導しているように見えます。

その筆者らがビタミンAについての恐れに油を差すに伴い、これらの筆者は意図している目的を自ら明かしています:『これらの発見事実が医薬品開発への新たな扉を開きます』特許にしうる疑似ビタミンAの薬剤の開発を目指す新たなマーケティグの経路があると、医薬品業界が見逃すはずがない商機になるわけです。」

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