ショウガは運動後の筋肉の負傷に伴う痛みを和らげることができます。スポーツ選手のために自然の鎮痛剤になります。
生ショウガも加熱したショウガとも筋肉の負傷に伴う痛みをおよそ24%和らげました。
NutraIngredientsは次のように説明しています:
「ショウガ(Zingiber officinale)に含まれるリゾームはジンジェロール、ショガオール、ジンゲロンその他のケトン派生物質を含む抗酸化物質を豊富に含み、... ジンジェロール、ショガオール、ジンゲロンが炎症性化合物に及ぼす効果を示す試験管内試験と動物生体実験に基づいて、ショウガ'による痛み軽減効果は生物学的に妥当です。」
Dr. Mercolaのコメント:
ショウガは医療用途では長い歴史があり、主に吐き気や胃のむかつきを抑え、目まいを和らげるのに使われてきました。
それだけではなく、天然の免疫系を元気にする物質でもあり、抗炎症や鎮痛特性があり、 -- 上記の近年の研究で確認されたこと -- 心臓血管の健康をよくすることも発見されています。
上記の無作為二重盲検プラセボ対照試験では、参加者に2gの生または加熱したショウガサプリメントか偽薬を11日間連続で投与しました。
次に彼らは重いウェートを使用して、腕に「軽度の筋肉負傷」を負うほどきつい運動を行いました。痛みと炎症の程度を運動の前とその後の3日間評価しました。
両タイプのショウガとも偽薬よりよい結果が出たと同時に、生ショウガのほうが若干効果がよく、運動による痛みが24時間以内に25%軽減しました。加熱したショウガは痛みを23%和らげました。
ショウガが痛みを和らげるのはなぜかについては効き目が高い抗酸化性成分によるものであることが一つにはいえます。この抗酸化成分にはジンジェロール、ショガオール、ジンゲロンが含まれます。これらの化合物は特に、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)に匹敵する抗炎症性と鎮痛特性があると考えられています。
共著者のパトリック・オコナー氏(Patrick O'Connor)の説明を次に引用します:
「痛みの経済的及び個人的費用はあまりにも高すぎます。筋肉痛は一般的に最もよくあるタイプの痛みで、特に度外れた運動が誘因になった筋肉痛はスポーツをはじめ、ガーデニングなどのリクリエーションから生じるタイプのよくある一種の怪我です。
この痛みが起きる多くの人は本当にこの種の痛みを和らげてくれるものならおおいにありがたいわけです。」
その通りです。従来式の鎮痛薬に比べたら微々たる費用のもっと安全なやり方があることを知るのは、実にとても貴重な情報です。
Vioxx, Celebrex等のNSAID、さらにもっと普及している店頭販売(OTC)鎮痛薬の健康への危険について私はこれまでよく注意を促してきました。こうしたタイプの薬剤が持つ短期、長期の副作用は直そうとしている痛みよりはるかに害を被る場合があります。
ショウガ以外にも、鎮痛効果がある数種類の自然産物や戦略があります:
ボスウェリア
ボスウェリンまたは「インドの乳香」としても知られているこのハーブには、特に活性の強い抗炎症成分が含まれています。
オキアミ油
オキアミ油に含まれるオメガ3脂肪EPAやDHAは多くの動物実験や臨床検査から関節炎を軽減して関節を潤滑する抗炎症特性があることが発見されました。
ブロメライン:
この酵素は、パイナップルで発見される天然の抗炎症成分です。サプリメントとして摂ることもできますが、新鮮なパイナップルを食べても良いでしょう。
セチルミリストレイン(CMO):
このオイルは、魚や乳製品のバターに含まれ、「関節の潤滑剤」として、また、抗炎症剤として作用します。私はこれを自分自身のために使用しています。私が人間工学に基づかないキーボードであまりに入力し過ぎたときに現れるガングリオン嚢胞や、ちょっと悩ましい手根管症候群を緩和するために使います。私は局所用製剤を使うのです。
月見草、ブラックカラント、ルリヂサ油:
これらは、関節痛の処置に有用な必須脂肪酸、γ-リノレン酸(GLA)を含みます。私個人としては月見草油から作るGLAサプリのほうが好みですが、ルリヂサ油のほうがGLAの濃度が高く、少ないカプセルで済む上、こちらのほうが安い傾向にあります。
カイエンクリーム:カプサイシンクリームとも呼ばれもので、このスパイスは乾燥した唐辛子に由来します。カイエンクリームは、脳に痛みの信号を送る神経細胞の化学構成物であるサブスタンスPの身体への供給を止めることにより痛みを緩和します。
薬剤やサプリメントやクリームを一切使用しないもう1つの痛みを和らげる方法はメリディアン タッピング テクニック/感情解放テクニック(MTT/EFT)などのエネルギーツールを利用するものです。
特に慢性の痛みなど多くのタイプの痛みは感情のわだかまりや感情的外傷が原因となった体内の微妙なエネルギーシステムに発生した障害の結果であるようです。
確かに、人から気持を気づ付けられても激しい運動で大きく負荷がかかった筋肉に感じる痛みとほとんんどつながりがないようです。
しかし、慢性またはなかなか治らない痛みがあれば、MTT/EFTなら簡単な自分できるテクニックとして、もっとよく知る価値がありそうです。これらは症例の約80%で鎮痛効果があることが証明されています。痛みは頭痛からがんの痛みまでなんでも対象になります。
ショウガに話を戻すと、この薬用塊茎の最も普及した伝統的な用途はつわりを含む吐き気対策です。つわりは妊婦のおよそ80%が経験します。
ショウガは偽薬より妊婦の吐き気や嘔吐を減らすのに効果的なことは証明されています。また、妊婦のつわり症状を和らげる効き目もあるビタミンB6と同じように作用します。
ショウガはどんな種類の吐き気にも効く最適な治療法の1つで、乗り物酔いにさえ効くと私は信じています。
しかし、2009年に発表されたNutraIngredientsの報告では、フィンランドの食品安全局Eviraが「ショウガサプリメントに警告ラベルを勧告し、これは妊婦に対するリスクに当局のリスク評価部が着目したのがきっかけでした。」
「その評価によると、ショウガの食品サプリメント、例えば、ジンジャーティーや飲料パウダーは妊婦の場合制限すべきだそうです。ショウガの成分は大量に飲むと胎児の成長に有害なおそれがあるからというものです。」[強調は私が付けました]
フィンランドで発行された警告ラベルは必ずしも科学的有害性の証拠に基づいたわけではなく、念のための注意として実施されました。
私は以前、ショウガは妊娠中に食べても安全であると表明したことがありますが、今でも適度なら安全であると考えます。
自然のままのショウガの根には多くの種類の相乗効果を生む化合物が含まれていることを考慮するに値します。この自然の相乗効果は典型的に、この食物の1つの化合物が他の化合物より「優越して」他の化合物を阻害することがないことが確実なことです。妊娠中に食べないほうがよいほど危険な自然食品があることはほとんどありません。
この懸念が典型的に生じるのは、個々の成分や化合物のみ食物や植物源から抽出するときです。この行為は薬品開発で行われ、これよりさらに程度は低いですが、一部のサプリメントでも行わます。
このことをおことわりしたうえで、自然なショウガは次のようにいろいろなしかたで摂ることができます:
以前私はショウガシロップもお勧めしたことがあります。これは自分でも作れるし、ほとんどのヘルスフーズ店なら扱っています。しかし、果糖による数多くのひどい健康への害悪について私たちは今やよく知っていることを念頭に置くと、シロップという代替手段を避けて、不要な砂糖を加えずにショウガを食べ、飲むことだけにするようにお勧めします。
全身の健康に関していうと、ショウガの約二倍の砂糖を含むショウガシロップを食べてもあまり意味はありません。– 特に日常的に飲むならこの通りです。
2000年代の十年間のうちに研究者らはショウガが心臓血管の健康を促すことを発見していました。この効果には次のようなものがあります:
ある動物実験では、250μgのショウガ油を毎日投与されたマウスに以下のようなことが起きました:
アテローム性大動脈硬化症が44%減少
トリグリセリドが27%減少
コレステロールが29%減少
VLDLコレステロールが53%減少
LDL(悪玉)コレステロールが33%減少
LDLの酸化と凝集の減少
以上でお分かりの通り、日常的にショウガ等新鮮なハーブやスパイス類を食べ(飲む)るようにするとよい多くの理由があります。
料理でショウガの使い方についてもっとヒントが欲しいですか?
About.comのHome Cooking(自宅で料理)の部を見るとショウガを含むレシピの長いリストがあります。
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