Dr. Mercolaより
前立腺がんは男性に最もよく発生するがんの一つです。前立腺がんの旧来の診断や治療では不足です。
旧来の診断にはPSA検査や生検がありますが、これらは偽陽性が多く、後者の場合副作用のリスクがあります。
通常の処置には薬剤投与、手術や放射線治療がありますが、これらすべてが危ないです。前立腺がんの診断と治療にはもっと安全で侵撃度の低い方法があるので、男性は選択肢について調べるのが賢いやりかたです。
*数々の安全で全く自然な戦略がケトーシス(脂肪を燃やす身体のモード)、運動、サプリメント等前立腺がんに対抗できることが証明されています。
植物のニーム(Azadirachta indica)に含まれる生理活性のある化合物が前立腺がんを抑えることが最近の研究で発見されました。
さらに胃腸障害を和らげ、免疫機能を強くし、殺精子薬でも虫よけでもあります。Biojournal of Science and Technology (BJST、生物学関係の専門誌)では次のように紹介されています:
「[ニームの]葉、幹、果実、種子、根ともに証明済みの抗炎症、抗発熱、抗ヒスタミン、抗真菌、抗菌、抗潰瘍、鎮痛、抗不整脈、抗結核、抗マラリア、利尿、殺精子、抗関節炎、抗原生動物、虫よけ、摂食抑制、抗ホルモン特性、抗がん用に応用可能な化合物を含む。…
現在では、動物実験によると、ニンボリド — ニームに含まれる生理活性のあるテルペノイド — が前立腺腫瘍を70%も縮小し、転移をほぼ50%抑制することが示されています。検出されるような副作用は観察されていません。
シンガポール国立大学ヨンルーリン(Yong Loo Lin)医学校で薬理学助教授であり主任研究員のゴータム・セティ(Gautam Sethi, Ph.D.)氏は次のように説明しています:
「ニンボリドの異なるタイプのがんに対する抗がん作用は報告されていますが、前立腺がんの発生と進行への潜在的な効果は科学研究ではまだ解明されていません。
「前立腺がんにおいてニンボリドの直接標的はグルタチオン還元酵素です。この酵素は体内のSTAT3遺伝子を調節する抗酸化系を維持する機能を果たします。
STAT3遺伝子の活性化は前立腺腫瘍の増大と転移に寄与することが報告されています。ニンボリドはSTAT3の活性化を持続的に阻害し、これにより前立腺腫瘍の増大と転移を抑えることを発見しました。」
ねずみ類(齧歯動物)では極めて有望視されるニンボリドですが人体ではまだ実験されておらず、今後の研究が待たれます。その研究チームは化合物の解析を継続しており、一般に投与されている前立腺がん薬とも併用した場合の効能を評価しています。
以上のことを念頭に置いて、サプリメントや茶として飲むとニームはニンボリドを自然に供給してくれます。
以前の研究は実際にニームエキスが前立腺がんに対して有用であることを発見していました。2006年には研究者らによるは次のような報告があります:
「ニームのエタノールエキスが前立腺がん細胞の細胞死を起こすことが証明された。その証拠は用量に応じてDNA断片化が進行し、細胞の生存率減少により細胞死を誘発することである。従ってニームエキスは潜在的に前立腺がんに対して効能がありうる。」
前立腺がん(やその他のがん)の処置と予防にはサプリを飲む以上の取組が必要です。食習慣は治癒のために必須の要素で、運動はもう1つの重要な代謝の最適化要因です。
以前の研究によると減量すると前立腺、乳房、大腸それぞれのがんリスクが20%も低下することが示されており、この効果はこれらのタンパク質その他脂肪細胞に蓄積されている炎症性化合物の減少によるものと考えられています。
2011年にPLoS One([参考:NPOで出版活動を行う])に掲載されたある研究によると悪性前立腺がんは肥満と関連付けられています。運動の面では、心臓呼吸系フィットネス(CRF)を中年でよくしておくと前立腺がんによる男性の死亡率がほぼ3分の1(32%)減少することを研究が示しています。
運動によるがんの低減はインスリン受容体の感度改善とミトコンドリア生合成を促すPGC 1-α遺伝子に関係がある可能性が極めて高いです。
ビタミンDのほかにもビタミンK2が前立腺がんに注目すべき機能を果たしているようです。
前立腺がんの発生・増殖と治療に対するビタミンK1とK2の効果を評価しているドイツの医師らは、K2を最も多く摂取した人の場合、後期前立腺がんに至る確率が63%減少したことを発見しましたビタミンK1では前立腺にメリットがないことは判明しています。
前立腺がんリスクを下げる効果が発見されたその他の栄養素や食物には(限定することなく)次のようなものが含まれます:
• オメガ3脂肪が豊富な食物が前立腺がんの転移を阻止することが証明されました。 2006年に出版されたある臨床研究では、オメガ6脂肪(たいていのサラダオイルに含まれる種類)が前立腺腫瘍細胞の骨髄への転移を促進した一方で、がん細胞の転移はオメガ3脂肪によって阻止されることが発見されました。これはオメガ3脂肪が豊富な食事が早期前立腺がんの男性ではこの疾患を阻害する可能性があることを示しています。
2010年に出版されたその後入手可能な研究に関するメタ分析からは、魚を食べることと前立腺がん発生率の相当の減少の間の関連性は発見されなかったにも拘わらず、魚を食べると前立腺がんによる死亡率が63%低下することが発見されました。
このことはDHAにほとんど変換されない植物性オメガ3脂肪ではなく、毒素のないシーフードがDHAの最適な摂取源であるという事実と関係しています。
• ブロッコリ等アブラナ科の野菜にあるスルホラファンは前立腺がん細胞の細胞死(プログラムされた細胞の死)を起こすことが示されています。一週間にブロッコリを3回食べると前立腺がんリスクが60%以上下がる可能性があります。
• ノコギリヤシ(ソーパルメット)。このハーブは前立腺の健康を改善するため普及しており、デヒドロテストステロン(DHT)までこのホルモン変換を進行させずに、テストステロン濃度を40%も高める可能性があります。
健康な男性のテストステロンは加齢とともに減少し、前立腺が健康であり続けるにはテストステロンを必要とするので、この減少は前立腺がんに関与している要因の1つです。
根拠の件数は限られていますが、数件のラボ実験からはノコギリヤシ(ソーパルメット)がミトコンドリアを標的にし、アポトーシス経路を活性化し、炎症を軽減することで前立腺がんから守る効果があるそうです。
ノコギリヤシ(ソーパルメット)のサプリメントを選ぶときはノコギリヤシ(ソーパルメット)オイルの有機的超臨界CO2エキスを必ず探してください。その色は濃い緑です。ノコギリヤシ(ソーパルメット)は油溶性のサプリなので、少量のココナッツオイル、MCTオイル(中鎖脂肪酸油)、アボカド、玉子等等の健康的な脂肪とともに摂ると栄養素の吸収を促します。
• アスタキサンチンとノコギリヤシ(ソーパルメット)の併用ノコギリヤシ(ソーパルメット)とアスタキサンチンを併用すると大いに相乗効果があることを研究が示しています。2009年にある研究は、ノコギリヤシ(ソーパルメット)とアスタキサンチンの最適な用量を投与したら、テストステロンを増加させると同時にDHTやエストロゲン(女性ホルモン)を減らしたことを発見しました。
• アシュワガンダ。古代からあるインドのハーブでスタミナ、耐久性、性的エネルギーを促すアダプトゲンの一種です。ある2010年に出版された研究はハーブであるアシュワガンダを摂取していた男性の男性ホルモン(テストステロン)濃度が著しく増加したことを発見しました。
毒素を避けることも重要です。乳がん同様、私たちの住まいや環境の至るところに存在する化学物質の多くががんのリスクを高めることはすでに実証されています。最もよくある犯人の一部に内分泌機能かく乱物質があります。
内分泌機能かく乱化学物質に関する今日までに最も包括的な研究として鼓舞されてきたその報告書は、前立腺がんを含め、こうした物質に暴露されると多くの健康上の問題が発生することを強調しています。警戒すべき最も蔓延している内分泌かく乱物質の例:
ご自分の暴露量が想像よるはるかに多い可能性があることにご注意ください。2011年のある研究は、スープの缶詰を単に5日食べただけで、新鮮な作り立てのスープに比べ、研究参加者の尿中BPA濃度が1000%以上も増加したことを発見しました。
American Academy of Family Physicians (AAFP、米国家庭医学会)の「賢く選ぶ」キャンペーンで特定された十数種類以上の検査手順がほとんど無価値でむしろ多くの症例では害こそあれ有益なことがないらしいことが判明しています。
PSA検査では処置が実際には不要な軽度の前立腺腫瘍が重大であるかのような結果が出る傾向があります。
Prostate Cancer Foundation(米国の前立腺がん財団法人)によると、前立腺がんの治療を受けた男性の内30~40%は問題が起きるはずかなかった無害な腫瘍しか実際にありませんでした。推計によると、15個の前立腺を切除しないとたった1個の前立腺がんによる死亡を予防できないことが示されています。しかもこうした外科手術の手順が原因んで勃起不能や失禁を含む重篤な副作用が発生します。
高齢者男性の半分以上は前立腺がんの病理学的証跡があるので、PSAスクリーニングはほとんど意味がありません。PSAは炎症の標識であり前立腺炎、軽度の過形成やがん以外に健康の問題があることを示す可能性があります。
この検査は最終判断ができるような検査では全くなく、生検を実施する意思決定のためにこれだけに基づいてはならず、生検自体が重大なダメージを起こす可能性があります。
一つの選択肢としては毎年1回直腸の指診を受けることです。指診では医師が前立腺の感触を探り、硬くなっているかいなかや顕著な小結節が発生しているかどうかを調べます。次に、すぐ生検へ進む前に3Dカラードップラー超音波検査を最初に検討すべきです。
ライフスタイルを見れば多かれ少なかれがんになりそうなことを予測できることを念頭においてください。従って常に基本から始めることです:栄養価の高い、無毒な食事をするよう心がけてください。こうすることは基本的に加工食品をすっかり止めて食事を未加工の自然食品、最適には有機で育ったものを摂ることに注力し、がんリスクを増やす可能性がある有毒な殺虫剤を避けることを意味します。
高密度家畜飼養経営体(CAFO)から生産される家畜製品を避けましょう。これらの動物は日常的にホルモン、抗生物質、グリフォセートに汚染された遺伝子操作(GE)穀物で飼育されているからです。
加工食品はいい健康のためには破門されたも同然で、特にがんを予防するためには全く摂らない方がよいものです。
有毒物質のスクリーニングで身体に高濃度の毒素が発見された場合、デトックス(解毒)を開始すべきです。私がこの上なく気に入っているデトックスは近赤外領域の全周波数帯域を出し、しかも電磁波が低いサウナです。
ホルモン濃度を唾液検査で見ることも検討に値します。低テストステロンであったり、エストロゲン濃度が高すぎるなら修正すべきです。
ビタミンDの検査も受けることをお忘れなく。最適な健康とがんの予防のためには40~60 ng/mlを常時維持するようにしてください。この濃度があれば臨床的にいって正常範囲です。すでにがんの方はこれより多い濃度が必要になるでしょう。
インスリン抵抗性の管理は日常の食生活を調整することと併行して行われるべきことです。インスリン抵抗性がある方の場合は砂糖を削減するように特に注意すべきです。理想的にはあらゆる摂取源から得る合計果糖摂取量を1日に15g未満に抑えることです。
ありがたいことに、ケトーシスという状態はインスリン受容体の感度を改善する最適な道です。
ケトーシスを維持するための強力な手段の1つは間歇的絶食です。ケトーシスは一生維持するものではなく、身体に脂肪を燃やす能力を維持させると同時に身体の修復や再生を可能にする絶食や飢えの周期の一環なのです。
食事の内容を一新してから、ノコギリヤシ(ソーパルメット)(アスタキサンチンの有無を問わない)やアシュワガンダ等のハーブサプリメントが前立腺の健康を支持するのに役立つでしょう。
以上は前立腺がんリスクを軽減し、それと診断されたら処置を補助しうる数例のヒントにすぎません。例えば、カルシウムを減らしセレニウムとマグネシウムを増やすと前立腺がんのリスクを軽減できる可能性があり、前立腺マッサージなどの簡単な方法が前立腺がん治療と併行して行うと役立つ場合があります。
念頭に置くべき主なメッセージとして、予防、診断、治療に関してはオプションがあることです。がんと診断されるのは苦悩を与えることですが、前立腺がんに関していえばいくつか異なる代替治療の手段を求める時間的余裕があります。
直ぐに薬剤投与、手術、放射線治療に飛躍する必要はめったにありません。不安や恐れのために決断できないようにご注意ください。
このウェブサイトの閲覧を続けとクッキーの使用、改訂個人情報保護方針、サービスの提供条件に同意したものとみなされます。
同意する