感謝の心 — 健康と幸福のための隠された鍵

感謝の心

早分かり -

  • 感謝の心は人生の中の善を認め、その源を認識することと関わっています。この心は人生が自分に対して何も借りが無いこと、人生の善は当然のこととして受け止めてはならなず贈り物であるということを理解することです
  • 感謝の心には数々の潜在的な健康上の利点があることが増続ける研究で確認されています。この心は精神的、肉体的健康を改善し、人生の満足感を増大し、ストレスに対処する等まだ他にいくつものことを助けます
  • 感謝の心は練習で強くすることができます。簡単な実際的練習には有りがたいと思っている人宛に手紙をしたため、次の7日間心からありがとうと言うことを練習すること
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Dr. Mercolaより

感謝の心には数々の潜在的な健康上の利点があることが増続ける研究で確認されています。脳と心の健康のエキスパートであるP・ムラリ・ドライスワミ博士が次のように説明しています:

 「もし(感謝に溢れる心)が薬だったら、どの主な器官にもよい健康維持に適応した世界で最もよく売れる製品になるでしょう。」

感謝の心は実際に脳を改善します。さらに次のようなことに役立ちます:

  1. 概して痛みを和らげる効果、血糖値や炎症の軽減、免疫機能の改善、血圧を改善し、心臓の健康によく、一般的な自助による注意を促進することによる肉体的健康の改善
  2. ストレスや感情的落ち込みを軽減することによる幸福感や人生への満足感増大
  3. ストレスと不安対策にも役立つ感情的強靭さの改善
  4. セロトニン、ドーパミン、ノレピネフリン、イキシトシン等抗鬱化学物質や気分調節化学物質の放出を促し、ストレスホルモンであるコルチゾルを阻害することによる精神的健康の改善
  5. 睡眠の改善、これには肉体的、精神的健康にはるかに効果を及ぼす利点があります

感謝の心はよい関係のための唯一最善な予測要因であることを研究も実証しました。こうしたメリットを現代の科学者が確認するよりはるか昔すでに、古代の哲学者は感謝の心を健全さ、よい健康、人生への満足に向かう道であると信奉していました。

感謝の心とは

ロバート・エモンズ著「The Little Book of Gratitude(ありがとうの小さな練習帳)」を私は最近読みました。いくらか新しい考え方が必要ならこの本はお勧めできる素晴らしい著作です。著者いわく、「私たちは自分で自分を生み出したのでも今の存在のし方を自分で作り出したのでもないし、人生の中で今ある地位に自分たちで至ったのでもありません。

感謝の心の中に生きることは真理の中に生きることです。これが人生に対する最も正確で正直なアプローチです。」

エモンズさんによると、感謝の心は「善を肯定し、その源を認識することです。これは人生が自分に対して借りは一切なく、自分が持っているすべての善は贈り物で、これには何も当然のこととして受け止めてはならないという意識が伴わなければなりません。」

寛大さと幸福は神経的に連関しています

興味深いことに、寛大さも幸福と連関してきました。このことは他者に与えることが自分の物質的と感情的な源の一部を犠牲にすることを意味するので直感に反することのように見えます。それでも、多くの人はいずれにせよ寛大であることに決めます。おそらく後味の良さを期待しているのかもしれません。

 この体験は現在科学的に妥当性が検証済みで、それによると寛大さと幸福感は脳内で実際につながっています。.

残念ながら、多くの人は寛大さと幸福感の連関性を過小評価しており、実際には反対のことを前提にしています。例えば、他者のためより自分のためにお金を使った後のほうが幸せに感じるといったことがあげられます。 

今や逆の事実をご存知なので、この智恵の真珠を善いことに使用することができるはずです。チューリヒ大学経済学部教授で研究の著者であるフィリップ・トブラー氏はあるニュースリリースでこのように言っています:「今より幸せに感じるために自己犠牲の殉教者にまでなる必要はありません。もう少し寛大になるだけで十分です。」

感謝の心は寛大さの一形態

寛大さ(気前のよさ)は必ずしも現金に関するだけである必要はありません。実際に、感謝の心は寛大さ(気前のよさ)の一形態です。これは他者に「何か」を提供するまたは差し渡すことに関しているからです。それが口頭で感謝の念を述べることだけであってもです。

結局は、自分に対して有りがたいと思うのではなく、自分以外の何かまたは誰かに向かうものです。エモンズさんをまた引用します:

「感謝の心が存在するためには、与える側は何か価値あるものを授けるために典型的な、ある程度の自己犠牲を伴って意図した行為を行う必要があります。その贈り物を受け取る側はそれを贈り物として認識し、何か良い物がただでもらえたという認識をすることが条件です。

従って、感謝の心は心の3種類以上の側面に関わります。私たちは知的にメリットを認識し、そのメリットを進んで認め、贈り物と与えた人を感情面でありがたいと思います。

この文脈において「贈り物」という用語は重要です。なぜなら贈り物は稼ぎ取ったものではなく、私たちに対し与える人が何か借りがあるものではなく、私たちの所有権がないものだからです。

私たちが有りがたく思うとき、受け取った贈り物やメリットに対して請求権がなく、同情、寛大さ(気前のよさ)、愛からただで授かったものであることを認識します。

この贈り物を認識することは感謝の心の始まりです。感謝の心はよりいい気持になったり、自分の幸福感を増すための戦略または戦術であるだけにとどまりません。感謝の心はそれを超えた何かを遂げます。感謝の心は人の気持ちをよくし、善い行いも可能にします

感謝の心の種を毎日撒くこと

感謝の心を正に今感じることは頻繁にはないとしても、練習によってこれを養い、強化するこができます。感謝の心の持つプラスの力を醸成する一つの方法としては、感謝の心日記を付けることで、毎日自分が有りがたいと思うことを書き留めます。

2015年に実施されたある研究では、参加者に感謝の心日記を付けてもらい、感謝の対象について週に4回内省させたところ、3週間後、参加者は鬱、ストレス、幸福感の改善が報告されました。

よく心がけることに関する日記とよく心がける瞑想から構成するよく心がけることを日常生活に含めることも同様の改善につながります。実際には、自分がフォーカスを当てる対象からより多くのことが得られるので、自分で楽しむ思考の種類によく心がけてください、特に夜が大切なことを念頭に置くことは大切です。エモンズさんは次のように説明しています:

「床に就いてから寝付くまでに、楽しい思考にフォーカスを当てるように試してください。家族や友人に起こってるよいこと、寝室に響く癒すサウンド、よい健康でいられることがいかに幸運なことか、休日や予定中の旅行など将来計画、この2、3日中に行った楽しいこと、自分がどの程度リラックスしていると感じるか、他者が自分にしてくれたよいこと等々…

神経科学者リック・ハンソン氏は、脳が心の向く先に合致した形を取ると言っています。心を心配、悲しみ、やっかいさ、苛立ちに向けていると、脳は不安、鬱や憤怒の形を神経的に取り始めます。

脳に感謝しているか尋ねていると、感謝の対象を見つけるのがうまくなっていき、感謝の心の形を取り始めます。

私たちが行うことはすべて、脳内ネットワークの接続を生み出し、何かを繰り返せば繰り返すほど、この結合が強くなります。心ひとつで脳が持続的に変わっていきます。言い換えると、心によぎることが脳を彫り上げます。」

悪い知らせにはまらないようにすることはこの方程式のもう一面に当たります。世界の出来事を前にして建設的な見通しを維持するのが困難だと思われる場合は、マスコミを遠ざけるのが賢明です。感情解放テクニック(EFT)は悲観主義にもがいている場合役立つ手段です。

EFTは針で使うツボに基づく一種の心理的針です。.これは内面のバランスと癒しを速く回復するために効果的方法で、心から否定的想念を解消するのに役立ちます。

感謝の心筋肉を強化する簡単な練習

結論までに、エモンズさんの著作「The Little Book of Gratitude」(ありがとうの小さな練習帳 ―幸せを招き寄せる感謝のレッスン26)に纏められている提案一覧を引用させていただきます。これで感謝の気持ちを強める練習になります。

自己中心的であることを止め、他者の慈悲心(温情、慈善、善行)に焦点を当てる。こうすると人生から支えられる感覚が増大し、不要な心配が減ります。他者のご親切を称賛することも、それを当然のこととしないようになる可能性が高いです。

拒絶されたものごとではなく、自分がもらえたものごとに焦点を当てる。エモンズさんは「『余剰』モードの心が価値あるというフィーリングを増やし、『赤字(不足)』モードは人生の不完全さ(不備さ)を考えさせる方向に向けます」と言っています。

建設的な情感を抑圧せず承認する。「感謝の心は喜び、満足、希望等他のプラスの感情を獲得し始め、こうした産物が免疫系や内分泌系を通して直接的な肉体へのメリットを生み出します」と、エモンズさんは書いています。「人生においてありがたみを持つ見通しはストレス解消策になり、ありがたみを持つ人々のほうが他者より不確実性、曖昧模糊、不安を起こすような状況を乗り切るための手段を具備していいます。」

自分より多くの優位性(有利な点)を持つと自分がとらえる人々と自分を比較しないこと。これを犯すと自分の安全性感覚を浸食し始めます。エモンズさんが注意している通りで、「欲の増大は不安や不幸感の増大に関連しています。

より健全な比較としては、今享受している楽しみがなければ人生がどんなふうになってしまうだろうかと熟考することです。感謝の心は不安を駆り立てる情感からの緩衝材になります。ありがたいと思いつつ羨望することはできないし、後悔の念を抱きつつありがたみを感じることはできません。」

自分自身の寄与を認めつつ他者のことも認める。感謝の気持は二者択一の提案ではありません。他者の助けに対して感謝することで自分の寄与は否定されません。

エモンズさんはこの著作の中で数々の練習も含めています。感謝の心筋を解すための2つを以下にご紹介します。

1. 自分が有りがたいと思っている人に手紙をしたためる。エモンズさんのヒントとしては、「なぜ感謝しているかを具体的に、自分の人生にとってその人がいかに影響があったか、その人の取組についていくどとなく内省したかを書くのです」と言っています。「書いた手紙に[いいね]をあげられると自分で思えば、その手紙を自分でその人に届けるため、訪問できるように約束をとりますが、なぜ訪問したいかは伏せておきます。

受け取る本人の前でその手紙を朗読します。自分の心が感動でき、相手の心も感動を受けることを確認できる状態にしておきます。あなたと相手ふたりともにそれがどんな経験になるのか心を開いておき、その時のことを友達としばらく話すために時間を費やすことです。」

2. 数日間続けて心からのありがとうが言えるように練習してください。「あなたのために何かをしてくれた人に感謝するときは、そのことの規模に関わらず、具体的に描写し、取組についてコメントし、さらに費用についてもコメントし、その人にフォーカスを当て続けます」とエモンズさんは説明しています。「例えば、『ベッドまで紅茶を運んでくださってありがとうございます。毎日早起きされていることを実に称えています。.あなたはそれほど思慮深いお方です。」この効果を生むためには親切な行為と自分の表現の間に若干期間をおくようにすることです。」