Dr. Mercolaより
20代後半や30代後半になると年齢に関連した体の変化が起こりますが、多くの人にとって、本当に「老い」を体感する時は40歳の誕生日です。
最初に、老化は逃れられない「事実」というより、ひとつの「ものの見方」であると理解しましょう。そして、ライフスタイル次第で時間の流れをスローダウン(またはスピードアップする)できます。
これを実現するにあたり、運動は、おとぎ話に出てくる若返りの泉の水を飲むのと同じように、現実でも効果を発揮します。適切な種類の運動を実践することで、加齢に関連した筋力減少を予防し、認知低下を防止し、さらにはその減少が老化において一般的であるミトコンドリア生合成を誘発することさえあります。
加齢によるミトコンドリア量の大幅減を回復し、老化の進行を抑えるのです。
最初のステップは単に体を動かすことですが、その後は40代の自分自身のためにトレーニングを調整したいと考えるようになるでしょう。これは気楽に実践できるという意味するものではありません。40歳以上でも人生の最良の体型になれるようにワークアウトを考案することを意味します。
柔軟性を高める
American Journal of Physiology 誌に掲載された研究によると、座った姿勢(足を床の上に着けて座っている状態)で手を伸ばして足指に触れることができないと、動脈が硬化しており、心臓発作または脳卒中のリスクが増大している可能性があります。
この研究で、被験者の柔軟性のスコアが、血圧、心肺持久力、およびその他の心臓健康の他の評価基準と相関することが分かりました。さらに、何もしなければ年を取るにつれて起こる柔軟性の低下によって、怪我の危険性が高まり、活発な生活を送りづらくなります。
ヨガとフォームローリングは柔軟性を高めるのに役立ちます。他にも、Aaron Mattes が考案したアクティブアイソレーティッドストレッチをお勧めします。
アクティブアイソレーティッドストレッチでは各ストレッチは2秒だけ保持し、これにより身体の自然な生理的組成と調和し、循環を改善し、筋肉接合部の弾力性が増します。
また、この手法では身体が自己修復できるようになり、日常生活に備えられるようになります。さらに、パワープレートのような運動器具はストレッチや柔軟性強化に役立ちます。
長時間の有酸素運動をやめる
マラソンやトライアスロントレーニングなどの高い持久力が必要なエクササイズは心臓に重大なリスクをもたらしますが、その中には回復不可能で生命を脅かすものもあります。
長距離ランニングは急激な負荷、炎症、心筋および動脈の肥大および硬化、冠動脈石灰化、不整脈および突然の心停止を起こす可能性があります。事実、オーバートレーニングや激しすぎる運動をしている時、次のような症状が起こることがあります。
有酸素運動は一度に45分以上行ってもメリットが少なく、むしろ有害である可能性があります。運動効率を考えるなら、ワークアウトをもっと短くすべきです。
40代以降のための高強度運動
2014年5月にオランダのアムステルダムで開催された「EuroPRevent」ミーティングで発表された研究によれば、40歳以降に集中的に運動を始める男性は、30歳前に開始した男性と同様の効果が得られ、運動をしていない男性に比べていくつかの健康上の利点があります。
例えば、両方の運動グループ(30歳前または40歳後)は、安静時心拍数が毎分約57〜58回であり、運動していない男性(毎分約70回)よりもかなり低いという結果が出ました。
また、運動している男性は、体力の基準のひとつである最大酸素摂取量が比較的高く、心臓構造と機能における運動関連の改善で同様の証拠が見られました。
かなり高強度の運動を週に4回、4分間行うことで、嫌気性キャパシティーを28%改善、VO2最大値と最大有酸素力をわずか6週間で15%改善することができます。
比較のために、週に5回1時間エアロバイクで有酸素運動を行った男性グループは、VO2最大値を10%改善しただけであり、この運動方法は嫌気性キャパシティーに影響しませんでした。
高強度インターバルトレーニング (HIIT)は、ヒト成長ホルモン(HGH)の自然な生成をさらに促進させ、老化に伴う典型的な筋力低下や萎縮への対策に役立ちます。
重要なヒト成長ホルモンの生成は、HIIT トレーニング中になんど771%も増加します。HGH のレベルが高いほど、体は強く「若々しく」なっていきます。
体幹を鍛えるトレーニングを試そう
エクササイズでは、運動中に最もシンプルなものがフィットネスの最大の利益をもたらすことがあります。プランクなどの体幹トレーニングは間違いなくこれに当てはまります。プランクをするには、身体(胴体)を地面から離して、一直線にします。
プランクを行うと深層のインナーマッスルが鍛えられ、6つに割れて見える腹筋の土台ができます。腹筋が強くなるにつれて、体の中心部が引き締まります。プランクは筋力を増強しながらポステリオール筋肉群の柔軟性も高めます。
肩まわり、肩甲骨、肩甲骨の周りの筋肉が伸び(日常ではほとんど意識しない部位)、さらにハムストリングスと土踏まずのストレッチにもなります。
さらに、プランクはバランスと姿勢の改善にも優れています。なぜなら、プランクを正しく行うためには、直立したまま腹筋に負荷をかける必要があるからです。サイドプランクや手足を伸ばして行うプランクは、バランスボールの上でプランクを行うような効果があるので、バランスを鍛えるのに特に効果があります。
ワークアウト間の回復
休養のとり方は高強度の運動をするときに特に重要です。HIIT の重要な概念の1つに、トレーニングの時間と強度が反比例することがあります。
つまり、強度が大きいほど、トレーニングに費やす時間が短くなります。さらに、強度が上がるにつれて、セッション間の回復時間も長くなるため、トレーニング頻度も少なくなります。ほとんどの場合、週に3回は HIIT を行うことができます。それ以上はおそらく著しく非生産的なものになるでしょう。
1日に10,000歩歩く
1日に10,000歩をとることは毎日適切な量の水分を摂取するのと同じように、最適な健康状態を保つための基本条件です。これは定期的な運動に代わるものではありませんが、座りがちな生活からの脱却に役立ち、長時間の座り姿勢の影響を相殺します。
ウェイトトレーニングをしないと筋肉は萎縮し、質量が減ります。加齢にともなう筋肉減少は筋肉減少症として知られており、それを食い止めるために何もしないでいると、30代から80代までの間に筋肉のおよそ15%が失われることを覚悟してください。
筋力トレーニングの経験がない方は、今こそ始める時です。筋力トレーニングは筋肉量を維持するだけでなく、骨密度の増強、転倒リスクの軽減、関節痛の軽減、血糖値コントロールの改善に役立ちます。
筋力トレーニングによって身体が成長因子を多く生産するようにもなります。成長因子は細胞の成長、拡散、分化を促進します。成長因子の一部はニューロンの成長、分化、生存も促進します。これこそ筋力トレーニングが脳にもメリットがあり、痴呆の予防にも役立ちます。
年齢を問わずウェイトトレーニングからメリットを受けられますが、中高年以上の場合は検討すべき一つの方法であることは間違いありません。動作を遅くすることでウェイトトレーニングが高度な集中運動に変わります。
超スロー(高集中)運動には4~5種類の複合動作を取り入れることをお勧めします。複合動作とは数種類の筋肉グループの調整が必要な運動で、例えば、スクワット、腕立て伏せや複合ローリングが挙げられます。参考までに、私の行っているテクニックを紹介します。
もう一度言いますが、あなたの年齢が40代または50代なら、70代でも80代でも健康でいられる可能性が非常に高いです。中高年の方であっても、運動プログラムを始め、続けることに没頭すれば非常に大きなメリットが得られます。
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