ビタミンE欠乏症:本当に必要なビタミンEの摂取量

ビタミンE

早分かり -

  • ビタミンEは重要な油溶性ビタミンであり抗酸化剤で、炎症抑制効果があり、赤血球の生産資材です。心臓の健康に欠かせないビタミンKの代謝も助ける
  • 健康水準とされている30 μmol/Lを達成するには毎日50 IU以上のビタミンEが必要です。14歳以上のビタミンE推奨一日摂取量は15 mg
  • サプリを摂るなら天然(合成品ではなく)のビタミンE原料製のビタミンEでありその成分の化合物8種類がよくバランスとれていることを確認してください。 高品質ビタミンEサプリの追加的判断基準もご説明します
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Dr. Mercolaより

ビタミンEは重要な油溶性ビタミンであり、健康に有害なフリーラジカルに対抗できる抗酸化剤でもあります。さらに、赤血球の生産に欠かせない成分であり、ビタミンKの代謝を助けます。後者の効果は心臓の健康のために重要です。

世界公衆衛生栄養会議で最近発表されたレビューによると、成人の90%以上がビタミンEの一日推奨摂取量(RDA)を取れていません。

2012年に公表されたこれより早期のレビューでは、75%以上の人がビタミンEの最低RDA量を摂取できていないという結果が出ていました。 14歳以上の人の場合、ビタミンEのRDAは1日15ミリグラム(mg)ですが、大半のアメリカ人はこの半分しか取れていません。

ビタミンEが不足すると様々な病気のリスクが増加します。これには免疫不全、認知衰退、心臓血管病が含まれます。Prevent Diseaseサイトはこう説明しています :

「必須微量栄養素であるビタミンEの適正濃度は特に乳幼児、高齢者、妊娠中または妊娠予定の女子に不可欠です。

このビタミンの不足は警告を発するほどの頻度で発生しており、その影響は短期的にはあまりはっきりと現れません。これには生殖能力をはじめアルツハイマー病まで多岐にわたります。」

最適な健康状態のためのビタミンE必要量

上記の最近のレビューによると、研究対象の人々のうち21%しか血清アルファトコフェロール(ビタミンE)の健康保護濃度がありませんでした。研究による1㍑当たり30マイクロモル (μmol/L)が必要と規定されています。

この濃度を超すと人体の様々な部位にはっきりと特定可能な効果を発揮できる閾値と見られています。人体の研究からもビタミンE濃度30 μmol/Lを達成するには、毎日50国際ユニット(IUs)のビタミンEが必要であることが判明しました。

驚くことなかれ、こうした広範な欠乏の主な原因は、大半の人が主に加工食品の食習慣を持っていることです。加工食品はビタミンEだけではなく、他の重要な健康によい脂肪を含む抗酸化性物質や微量栄養素が欠如している傾向があります。

ビタミンEは油溶性で、脂肪を取らないようにしている方の場合、脂肪分が少なすぎて食事やサプリに含まれるビタミンEを正常に吸収できない可能性があります。

実際に、研究によると、脂肪を取らないとサプリのビタミンE中10%程度しか身体が吸収できないことが判明しています。これも低脂肪の食習慣を勧める欠陥が生むもう一つの重篤な影響です。

ビタミンE欠乏症の兆候、症状、健康への害

重篤なビタミンE欠乏症の兆候と症状に含まれるもの:

虚弱な筋肉

筋肉質量の損失

不整脈

視覚障害。視野狭窄、異常眼球運動、失明が含まれます。

ヒント

肝臓や腎臓の問題

すでにご説明しましたが、ビタミンEは一生欠かせないものです。妊娠中の欠乏は特に問題があります。世界で約13%の人が「機能障害をきたす不足レベル」とされている12 μmol/LよりビタミンE濃度が低く、その大半が新生児や乳幼児です。

ビタミンE不足の乳児は免疫や視覚の障害リスクが高いです。妊娠中のビタミンE欠乏は流産のリスクが高いです。

研究によるとビタミンE低濃度はガンや心臓病のハイリスクと関連していることが判明しました。

中には、ビタミンEサプリが実際にはガンのリスクを高めるため、心臓の健康に何らメリットがないとする研究は注目に値する一方、こうした研究は人工と自然のビタミンEの違いを実証しているようで、この相違について以下ではご説明します。

人工ビタミンEは石油化学品の派生製品であり、毒性の影響が周知です。しかし人工アルファトコフェロールはビタミンEの健康への効果を調査する際最もよく使用されるタイプです。

このため人工ビタミンEサプリが健康へのメリットを提供せず、健康へのリスクを増大する潜在性があることは驚くべきことではありません。

ビタミンE欠乏症のリスクを高めるメタボ症候群

メタボ症候群に罹った肥満な人はビタミンE欠乏症のリスクが高いです。その一つの理由はまず(酸化性ストレスが増大しているので)ビタミンEの必要量が増大していること、もう一つの理由は肥満であることがビタミンE代謝を妨げているからです。

メタボ症候群とは異常な腹部脂肪、高血圧、低濃度のHDLコレステロール、高血糖、トリグリセリド増加を含む症状の集合体を指します。リヌス・ポーリング研究所の主任研究員マレット・トレーバー博士は次のように説明しています:

「ビタミンEは血中の脂肪すなわち脂質と関連しており、同乗している微量栄養素であるにすぎません...肥満な人の組織は脂肪があり余っているのでこうした脂質の一部の吸収を拒否しています。この過程で関連しているビタミンEまで拒絶しています。」

ビタミンEをココナッツオイルやアボカド等の健康な脂肪とともに取るとビタミンEの生物学的利用能を改善するのに役立ちます。

天然ビタミンE vs人工ビタミンE

ビタミンEは8種類の化合物から構成されており、これらの成分バランスが抗酸化機能の最適化に寄与しています。これらの化合物は2つの分子グループに分かれます:

トコフェロール

アルファ

ベータ

ガンマー

デルタ

トコトリエノール

アルファ

ベータ

ガンマー

デルタ

トコフェロールは「本物の」ビタミンEと見なされ、多くの人がこれのみ健康にメリットがある種類であると主張します。トコトリエノールにさほど科学者が注目していないことも問題です。トコトリエノールを対象にした研究は全ビタミンE関連文献の1%にすぎません。

それにも拘わらず、研究によると、トコトリエノールは正常なコレステロールレベルを支持し、フリーラジカルによるダメージや加齢による正常な影響から保護し、トコフェロールとともに脳の健康を促進するのに役立つ可能性があると言われています。

私の見解では一種類だけ取らずにこれらを全てバランスよく摂るとメリットがあると考えます。食糧にはビタミンEの全8種類の化合物が含まれているので、ビタミンEの最適な摂取源です。

人工ビタミンEのサプリには通常8種類のうちアルファトコフェロールしか含まれていません。サプリ自身はこれが合成だとは言わないわけですが、自分でラベルをよく読み取れば区別がつきます。

  • 人工アルファトコフェロールは通常「dl」(つまりdl-アルファ-トコフェロール)と付記されてラベルに掲載されています。
  • 非人工のつまり天然由来のものは通常、「d」(d-アルファ-トコフェロール)と付記されてラベルに掲載されています。

避けるべきビタミンEサプリ

人工ビタミンEサプリは多量または長期的に摂ると毒性効果があることが証明されているので、摂らないように強くお勧めします。それでもサプリを摂るなら、人工物ではなく、バランスの取れた全天然ビタミンEを摂るようにしてください。

たいていのサプリに見られるもう一つの大きな問題は、アルファトコフェロールのみを大量に摂取すると、体内にある他のトコフェロールやトコトリエノールを枯渇させるおそれがあることです。

この点は天然物か人工物かに関わらず該当するので、アルファ-トコフェロールのみがビタミンEの成分ではないものをお探しください。多くのビタミンEサプリは大豆等その他の有害な成分も含んでいます。大豆の場合次のような数々の懸念化合物を含みます:

  • ゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)。これは甲状腺ホルモンの合成阻害因子であり、ヨウ素代謝を阻害します。
  • イソフラボン。これはヒトエストロゲンに似ており、内分泌機能の障害をきたすおそれがあります。
  • フィチン酸。フィチン酸は金属イオンに結合する物質であり、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等一部の有益な鉱物の吸収を妨害します。

こうした理由に基づいて、全般的には非発酵大豆を含む食品やサプリ、特に大豆油を含むものを摂らないようにお勧めします。米国で栽培されている大豆の大半は遺伝子操作(GE)されているためさらにデメリットがあります。即ち、有毒除草剤ラウンドアップによる深刻な汚染を受けています。

ビタミンEが豊富な食品

健康補助食品は、健康な食事に代わるものではなく、補完するために、しかも本当に必要なときのみに摂るものです。ビタミンEやその他のサプリの必要性を自分で評価する方法の一つは、https://cronometer.com/mercola/等の栄養トラッカーをご使用になることです。これは、不正確な大量ソースから得たデータを抹消することにしたので、市販の中で最も正確です。

ビタミンEは健康な食事からじゅうぶん摂れるので、サプリを検討する前に、食事にもっとビタミンEが豊富な食材を含めるように強くお勧めします。ビタミンEが豊富な一般的な3つの食材分類:

  • 緑の葉物
  • ナッツ類、種子類、脂の乗った魚/シーフード(エビやイワシを含む)等高脂肪分の食材
  • オリーブやアボカド等オイルが豊富/高脂肪植物

調理すると自然成分の一部を破壊するので、これらの食材は生食が最適です。当然、例外は明らかにあります。例えばエビを生では食べないでください。ビタミンEが特に豊富なその他の食材例:

フード サービングのサイズ ビタミンE(mg)

フード: 小麦の新芽オイル

サービングのサイズ: 小さじ1杯の

ビタミンE(mg): 20.3 mg

フード: ひまわりの種

サービングのサイズ: 1オンス

ビタミンE(mg): 7.4 mg

フード: アーモンド

サービングのサイズ: 1オンス

ビタミンE(mg): 6.8 mg

フード: サンフラワーオイル

サービングのサイズ: 小さじ1杯の

ビタミンE(mg): 5.6 mg

フード: ヘーゼルナッツ

サービングのサイズ: 1オンス

ビタミンE(mg): 4.3 mg

フード: アボカド (薄切り)

サービングのサイズ: アボカド半個

ビタミンE(mg): 2.0 mg

フード: ブロッコリ(茹で物/蒸し物)

サービングのサイズ: 半カップの

ビタミンE(mg): 1.2 mg

フード: マンゴ(薄切り)

サービングのサイズ: 半カップの

ビタミンE(mg): 0.7 mg

フード: ほうれん草(生)

サービングのサイズ: 1カップ

ビタミンE(mg): 0.6 mg

高品質ビタミンEサプリの見分け方

サプリをあえて取ろうという方は、全天然成分の高品質サプリであることを確認してください。次に、選ぶときのいくつか判断基準をご説明します:

  • 天然ビタミンE製。人工物は頭文字列「dl」が付いています(dl-アルファ-トコフェロール)が、非人工系は「d」(d-アルファ-トコフェロール).と記載されています。
  • 大豆や大豆油派生物を含まないもの。(既述の通り)健康へのリスクが高いので、大豆を含むビタミンEを避けてください。
  • 遺伝子操作成分を含まないもの。メーカーは遺伝子操作成分に関する詳細まで記載が義務付けられていないので、これは少々難しいかもしれません。しかし、ビタミンEは多くの植物に自然に形成されるものですが、これらの植物が今や遺伝子操作品(特に米国産)なので、トウモロコシ、大豆、綿の種由来のサプリを避けるようにお勧めします。
  • トコフェロール全4種類のバランスが肝心人工ビタミンEの場合他のトコフェロール (ベータ, ガンマー、デルタ)を通常含みません。私の考えでは、これらも健康全体には欠かせないもので含めるべきです。
  • トコフェロール全4種類の成分バランスのあるものを摂るビタミンEラベルにこれらの不可欠な化合物が掲載されていることはめったになく、その訳は人工物はトコトリエノールを含まないからです。私の見解では、これらの成分はバランスのよくとれた調製の基幹部分です。