Dr. Mercolaより
さくらんぼは数々の健康へのメリットがある人気があるお楽しみです。伝統的なさくらんぼはスイートチェリー(セイヨウミザクラ)とタルトチェリー(スミミザクラ)に大きく二分できます。アメリカンチェリー等の甘系品種は通常生で食べますが、モンモレンシータルトチェリーは通常はドライフルーツ、冷凍品やジュースにして売られています。
タルトチェリーは料理に使うと豊饒な風味を出します。このため焼いたデザートによく使われます。サクランボマーケティング研究所によると:
「栄養科学とさくらんぼを取り上げると、大半の研究はモンモレンシータルトチェリーに関しています。実際に50本以上の研究がモンモレンシータルトチェリーの健康への潜在的メリットを分析しました。研究は今なお継続しています。
この研究はモンモレンシータルトチェリーの抗炎症効果や関節炎等の疾患からの筋肉の回復や痛みの軽減というメリットがあることも支持しています。異なる研究がモンモレンシータルトチェリーにメラトニンが含有されることも発見しました。この物質は天然物質で、睡眠パターンを調節するのに役立ちます。」
タルトチェリー ジュースを約240mlのグラス一杯飲むと得られるもの:
スイートチェリーはカリウムの理想的な摂取源です。カリウムは正常な血圧を維持するために欠かせません。カリウムは体液の平衡維持にも重要な役割を持っており、ナトリウムの高血圧効果を相殺するのに役立っています。スイートチェリーには以下のような、効能のある抗がん性物質も各種含んでいます。
• ベータカロチン。これはビタミンA(レチノール)に変わります。ビタミンAは健康な視力のために欠かせません。
• ビタミンC。伝統的抗酸化剤の定番的物質。その健康へのメリットはすでに明確に確立しています。ビタミンCは強力な抗酸化剤で、細胞を損傷する遊離基(フリーラジカル)を中和するのに役立ちます。
• アンソシアニン。ケルセチンを含む。スイートチェリーはタルトチェリーより3倍多いアンソシアニンを含んでいます。深い紫色素を持つ玉(赤ではなく)に最もその量が多いです。
ケルセチンは抗酸化活性の点では最も効能があるほか、その他様々な健康促進的特性もあります。物質の群としてのアンソシアニンは、突然変異細胞の細胞周期停止やアポトーシス(細胞の自然死)を促進します。このためガンのリスクを軽減します。
• シアニジン。これは強力な抗酸化活性を持つ有機色素化合物です。この物質は細胞分裂を促進し、健康な細胞がガン細胞に転換するのを抑制します。ある研究では、タルトチェリーから分離したシアニジンがビタミンEから分離したシアニジンより優れ、市販の抗酸化製品に匹敵することが判明しました。
• エラグ酸。このポリフェノール「は発癌物質のDNAへの結合を阻害し、結合組織を強化し」、ガン細胞の転移を阻止します。エラグ酸はDNA突然変異を阻害し、ガン細胞のアポトーシス(細胞の死)を開始するのでガンを阻害します。
さくらんぼは甘いのでも酸っぱいのでも果糖を比較的多く含んでいます。約10個入り1カップに約4 gの果糖を含んでいます。果糖摂取量を追跡している場合にはこの点を考慮すべきです。
これといった異常がない健常な方は1日合計果糖を25 gまでに抑えること、インスリン耐性に関連する健康の問題でお悩みの場合、1日に15 gまでにしておくことをお勧めします。適量の抗酸化剤を摂取するのに一握り以上のものを食べる必要がないことはこの摂取量に関するよい知らせです。
代替的には、主要燃料として脂肪を燃やし、強化トレーニングを行っている日に(週に二回程度)周期的なケトン体生成に取り組んでいることをご自分で確認した方は、正味炭水化物量を1日に100~150 gまで増やすことはできます。その日にはさくらんぼを多めに食べても構いません。
不要な新陳代謝上の課題について問題にしているので、さくらんぼの季節を通して毎日食べまくらないように注意してください。
最近ある研究で、モンモレンシータルトチェリーを濃縮ジュースとして摂取すると、セミプロのサッカー選手が運動の成果を改善でき、回復力が高まったこと、練習後の炎症や筋肉痛を軽減できたことが判明しました。
同様に、長距離走前にタルトチェリー ジュースを飲んだスポーツ選手は飲まなかった選手より痛みが少なかったのです。別の研究はタルトチェリー ジュースが価値ある耐久力増進のスポーツドリンクであることを確認しました。Running Competitorは次のように伝えています:
「練習後の筋肉回復を速める最適な方法は練習中に筋肉を損傷させないことです。練習中の筋肉損傷を阻止する最適な方法の一つは練習前に適正な栄養素を取ることです。タルトチェリー ジュースが正にこれに該当します。このことは2010年にScandinavian Journal of Medicine & Science in Sportsに発表されたある研究で実証されたことです。」
さくらんぼはビタミンCを多く含むおかげで、運動により誘発される喘息をもくい止めることができます。この喘息の症状には練習中の咳、くしゃみ、息切れが挙げられます。フィンランドで実施されたあるメタ分析はビタミンCが運動に起因する気管支収縮をほぼ50%削減することを発見しました。
チェリー類には、アントシアニンとバイオフラボノイドという二種類の強力な化合物が含まれます。アントシアニンとバイオフラボノイドともに酵素のシクロオキシゲナーゼ-1と-2の活性を低下させ、これが関節炎や痛風を軽減し予防するのに役立ちます。痛風が起こる原因は、血中の尿酸濃度を制御する新陳代謝プロセス異常です。
関節に尿酸結晶が形成されると、こわばりや腫れが出てきます。この異常に伴う痛みは尿酸結晶に対する身体の炎症反応に起因して発生します。国内では著名なリューマチ専門医のDr.ネーサン・ウェイ氏がさくらんぼの痛風に対して持つ強力な効果について次の話をしてくれました:
「ユートヴィック・W・ブラウ博士はある日ボール一杯のさくらんぼを食べたら痛みが完全に消えた話に触発されて、痛風治療のためのさくらんぼ利用に突然興味を抱き始めました。ブラウ博士の痛風は車椅子に座ったままでいざるを得ない程重症でした。ある日、全く偶然に大きいボール一杯のさくらんぼを平らげたら、その翌日に足の痛みが無くなっていました。
「ブラウ博士は毎日6個以上はさくらんぼを食べ続け、痛みが無くなり、車いすから立ち上がることができました。 … ブラウ博士の研究は痛風に罹っていた他の多くの人々を率先し、さくらんぼのおかげで助かっていると伝えられるようになりました。」
痛風に罹った600人以上についてのある研究で、1日にコップ半分のさくらんぼを2日間食べたかさくらんぼのエキスを飲んだ人々は、その後痛風の発作が発生するリスクがおよそ35%下がっていました。さらに多くのさくらんぼを2日で最大コップ3杯分を食べた人はこのリスクが半減しました。その他の研究は次のようなことを発見しています:
• 一夜絶食後に甘いアメリカンチェリーを2カップ(280 g)食べたら尿酸濃度は15%減少し、一酸化窒素とCRP値(痛風等の炎症性疾患に関連するC反応性タンパク質)が減りました。
研究者は同研究が「さくらんぼの有名な抗痛風効果」や「さくらんぼに含まれる化合物が炎症経路を阻害する証拠」を支持することを指摘しています
• 毎日タルトチェリー ジュースを4週間飲むと尿酸濃度が下がる
炎症を軽減するので、さくらんぼに含まれるアントシアニンやバイオフラボノイドが軽減すると思われるものには次のようなものがあります:
興味深いことに、さくらんぼには強力な抗酸化剤でフリーラジカル捕捉剤の天然メラトニンが含まれており、これが過剰な炎症や関連する酸化促進的なストレスを「冷ます」のに役立っています。メラトニンは睡眠、ガン予防、一般的な再生のためにきわめて重要な役割も演じています。毎日の光と闇の環境から来る信号を基に、松果体は睡眠を助けるメラトニンを生産して分泌するように進化しました、。
研究によると、タルトチェリー ジュースを飲むとメラトニン濃度が上がり、就寝時間、合計睡眠時間、睡眠効率を改善することが示されています。研究者によると:
「… タルトチェリー ジュース 濃縮液を飲むと外因性メラトニンが増加します。このメラトニンは健全な男女の睡眠時間と睡眠品質をよくする効果があり、睡眠障害の管理にメリットがありそうです。」
タルトチェリーやスイートチェリーには他にも重要な健康へのメリットがあります。次の例のような効果が確認されています:
• 糖尿病や心臓病と関連するリスク要因を改善する。ある動物実験で、ラットにタルトチェリー粉末と高脂肪の食品を与えたら体重増加度は低く、タルトチェリーを与えなかったラットより体脂肪蓄積度が低かったのです。タルトチェリーを食べさせた群は炎症の程度やトリグリセリド濃度が低くなり、心臓の健康のために一役買っていそうなことがわかりました。
ケルセチンは血圧を下げる効果があり心臓血管の健康に有益なインパクトがあることも知られています。ケルセチンが高血圧に対して持つ効果を調査したある研究によると、「このメタ分析の結果、ケルセチンが血圧低下のために重要な補助的効果を持つことが判明しました。つまりこの機能性食品が高血圧療法を補完しうると見なしてもよいかもしれません」
• 脳卒中のリスクを低減タルトチェリーは組織内のペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)を活性化します。この受容体は脂肪とグルコースの新陳代謝に関与する遺伝子の調節を促します。PPAR活性は血圧、コレステロール濃度、糖尿病、心臓病、脳卒中にメリットのある効果を持っています。
実際に、ある研究は、さくらんぼはメタボ症候群に対す処方薬であるPPAR刺激薬同様の心臓へのメリットを提供する可能性を示しています。こうした薬剤の問題は、心臓病に関連しているリスク要因を改善する可能性があるようでも、発作リスクを増大させることです。
Science Dailyの報じるところによると、「… U-M心臓保護研究ラボによる研究は、タルトチェリーには処方薬同様の心臓血管へのメリットがあるだけではなく、医薬品といっしょに取っても発作リスクを下げる可能性があることを示しています」
• 痴呆リスクを下げる。炎症と酸化促進的なストレスは痴呆リスク増加に関連しています。タルトチェリーに含まれるポリフェノールはこれらの両方と効果的に対峙し、認知力低下リスクを軽減します。
• ハンバーガーのミートに添加すると芳香族複素環アミン類(HAAs)の形成を大幅に削減するので大腸がんリスクを軽減します。この物質は肉の腐敗も遅くします。HAAsは食材が黒焦げになると生成される強力な発癌化合物で、大腸がんのリスク増大と関連があるものとされてきました。タルトチェリーを11%ちょっと混ぜたハンバーガーのミートに含まれるHAAsが調理後、これを混ぜない標準ミートより69~78.5%も少ないことが判明しています。
さくらんぼの風味を最適に保つには、室温では2日以内に新鮮なうちに食べ、これより長く保つには冷蔵庫に保管しましょう。洗うと劣化を速めるので、貯蔵する前に洗わないようにしてください。むしろ食べる直前に洗うのがよいです。
すでに述べたことがありますが、裏庭で二三本のさくらんぼの木を栽培するとこの効能あるスーパーフードを年に数カ月楽しめます。市販のさくらんぼに頼ると年にニ、三週間しか買えません。私の場合自宅の有機ガーデンで取れたアセロラチェリーを毎日2、3個食しています。
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