Dr. Mercolaより
若さの源泉を発見することは、世界中で最も珍重されていますが、とらえどころのない試みでもあります。新しい情報によると、代謝を増強することが健康と長寿のための重要なカギとなりうることが示唆されています。
ハワイのJohn A. Burns医科大学とライフサイエンス企業Cardaxの科学者は、老化防止療法の確立を約束し、自然発生化学物質の評価を目的とした研究に協力しました。
FOXO3は長寿につながることが証明された遺伝子であり、アスタキサンチン化合物CDX-085はこの研究において重要な役割を果たしました。
クアキニ・ホノルル・ハート・プログラムの高齢者医学研究部のディレクターであるBradley Willcox医師とバイオジェネシス・リサーチ機関の准教授であり研究者であるRichard Allsopp博士がこの研究の主な研究者でした。
Willcox医師によると、誰でもヒトの老化に関連するFOXO3遺伝子を持っているのですが、3人に1人は長寿に関連のあるFOX3遺伝子を持っているのです。
しかし、全てのヒトに共通にFOXO3遺伝子を活性化することで科学者はそれを「長寿の遺伝子」のように振る舞わせることが出来、アスタキサンチンはその活性化を司る不思議な成分なのです。
研究者たちは多数の動物実験からアスタキサンチンが炎症、心臓および肝臓の損傷、および脳卒中の危険性を軽減することが既に分かっていました。ヒトにおいては、アスタキサンチンは特に炎症とトリグリセリドの低減効果が高いのです。この研究はその種の研究で初めてのものだ、とAllsopp博士は言いました。
この研究においては、マウスに通常の餌、少量のアスタキサンチン化合物CDX-085を含んだ餌、もしくは同化合物を高濃度で含んだ餌が与えられました。
その結果、後者グループに属するマウスの心臓組織はFOXO3遺伝子の活性化に関して、有意に高くなる傾向が見られました。実際に、90%に近い遺伝子の活性化が見られたのです。Biz Journals誌は以下のように報じました:
「科学者たちは、FOX[O]3が発現する肝臓、筋肉、脳を含むより多くの他の組織の研究を計画しています。また、アスタキサンチンを含むサプリメントが認知症の初期段階の人々の認知機能を改善できるかどうか、に関するヒト臨床試験も計画されています。」
多くの食品には、明るい色の発色をもたらす700種天然カロテノイドが存在しますが、それらは非常に強力な抗酸化物質としても作用します。さらに、科学者たちはアスタキサンチンが自然界で最も強力な抗酸化物質であると信じています。
アスタキサンチンは天然に生成された化合物で、人工的もしくは化学的な手助けを得ずとも天然に存在し得ます。
免疫系をサポートするサプリメントとして、アスタキサンチンは、また、DNAを損傷から保護し、脳の機能を改善し、ミトコンドリアに対し劇的な効果をもたらします。ミトコンドリアは細胞呼吸を行うことを主たる働きとし、細胞の発電所と称されています。ソフト・スクールの説明:
「これは、細胞から栄養素を取り入れ、分解してエネルギーに変換することを意味します。このエネルギーは次に、様々な機能を発揮するために細胞によって消費されます。
それぞれの細胞の持つミトコンドリアの個数は異なります。存在するミトコンドリアの個数は、細胞が必要とするエネルギーの量に依存します。より多くのエネルギーを細胞が必要とするほど、より多くのミトコンドリアが存在することになります。
細胞は必要に応じてさらに多くのミトコンドリアを生成する能力を有しています。細胞はまた、複数のミトコンドリアを束ねてよりおおきなものにすることもできます。」
ミトコンドリアは身体のエネルギーの95%を生成できるため、筋肉組織中に存在していることは理にかなっています。しかし、エネルギー生成にかかり切りになる間に、引き続いてフリー・ラジカルの生成が行われ、細胞が破損し、筋肉の痛みと疲労につながります。
アスタキサンチンがサプリメントのような形態で摂取されると、これらの症状は軽減し、持久力の改善が見られます。他の抗酸化物質との比較において、研究の結果、アスタキサンチンはビタミンCよし64倍強力であり、β-カロテンよりも54倍強力な作用があり、さらに他の長所を有することが示されています。
ある研究では、FOXO3(フォークヘッド・ボックス・Oに由来します)はミトコンドリアの活性酸素種(ROS)レベルを上昇させるだけでなく、アポトーシス(プログラム化された細胞の死)および細胞の周期停止をも助長することもを示しています。加えて、
「ニューロン腫瘍細胞では、FOXO3はFOXO3誘発アポトーシスに不可欠な短期的ミトコンドリア外膜透過化の結果としてROSの蓄積を誘起します…
細胞のROSレベルは、FOXO標的のBim、BclxLおよびスルビビンの影響を受けます。3種のたんぱく質はすべてミトコンドリアに局在し、ミトコンドリアの膜電位、呼吸および細胞のROSレベルに影響を与えます。」
スルビビンはアポトーシスを抑制しますが、たとえばBimは「肺胞上皮細胞におけるミトコンドリアが制御する粒子状物質誘発性アポトーシスを媒介します。」
新鮮な有機栽培の果物や野菜をたくさん摂取することで多くの抗酸化物質を摂ることが出来ますが、実際のアスタキサンチンはヘマトコッカス藻と呼ばれる微細藻類からのみ得られます。
この種の藻類の水分が乾燥すると、強力な日光、紫外線の放射および低栄養状態から自身を守るために「生存のしくみ」もしくは「力場」のような作用が働きます。
つまり、2種類の天然のアスタキサンチン供給源があることを意味します:それを産生する微細藻類と、サケやオキアミのように藻類を消費する海の生き物たちです。これらの食品の最大の供給源は、野生のアラスカ・サーモンやキアミ油サプリメントですが、これらは他にも多数の栄養上の利点を有しています。
魚介類のサプリメントとして、合成アスタキサンチンは養殖されているサケにピンク色またはオレンジ色の色合いを与えるためによく使われれます。
しかし、合成アスタキサンチンは石油化学製品(鉱油と天然ガスから得られるもの)から生成されているため、これは避けたほうが無難です。長寿の薬としての食品について、Huffington Post誌は次のように述べました:
「沖縄産のサツマイモ、ターメリック、および魚介由来のカロテノイドに富んだ食品(海藻や昆布など)には、特に豊富に特定の微量栄養素が含まれています…
中でも沖縄の料理に含まれる特定の働きをもつ海洋性カロテノイドはアスタキサンチンであり、主に微細藻類から得られるサプリメントとして利用可能な天然の産物です。
この化合物は、強力で広範囲の抗酸化および抗炎症特性を有します。
研究によると、アスタキサンチンは関節炎やリウマチ性の障害[さらに]代謝性疾患および心血管疾患、神経系疾患や肝臓疾患を含んだ疾病に罹患している人々に恩恵をもたらす可能性が示されている。」
さらに、アスタキサンチンは完全に安全です。
「アスタキサンチンにまつわる最も興味深い特徴の1つは、ステロイドやアスピリン(および関連する化合物)など従来の抗炎症両方がもたらす厄介な副作用が無い、ということです。その安全性は盤石です…
アスタキサンチンに関する1,000以上の査読済みの出版物が入手可能で、科学的な関心の高まりを反映して過去3年間に数百種以上が公開されています。」
筋肉の能力と持久力を増強するという事実以外に、アスタキサンチンは運動からの回復と筋肉痛の解消に掛かる時間を短縮し、他にも多数の印象的な健康上の利点を有しています:
✓ 炎症を軽減
✓ 視力を保護
✓ ガンとの闘病
✓ 免疫システムを高める
✓ 血糖のバランスを取る
✓ 心臓の健康を増進
✓ 酸化ストレスを減少
✓ 日焼けを防止
研究にはアスタキサンチンが合成的に製造されるときの形態であるCDX-085が含まれていました。アスタキサンチンはアテローム性動脈硬化(動脈硬化症としても知られる)および血栓を減少させるのに加え、トリグリセリドを72%減少させました。
さらに、FOXO3遺伝子の「G」型を持つ人々は、その遺伝子を持たない人々に比較して、加齢していく際に死亡リスクに対し「特別な防御」を有します。EurekAlert は以下のように述べました:
「研究者たちはこのFOXO3遺伝子を持つ人々は、全体的に致死リスクが10%低く、17年間に冠状動脈性心疾患による死亡リスクが26%低いことを発見しました。データは、クアキニ・ホノルル・ハート・プログラムの日本人を祖先に持つ3,584人のアメリカ人の高齢者についての17年間の予測的コホート研究と、ヘルスABCコホートの1,595人の白人と1,056人のアフリカ系アメリカ人の高齢者についての17年間の再現研究に基づいています。」
最適な健康を維持するために食べることが、長く人生を生きるための最善の方法の1つです。最も重要なその理由の1つがミトコンドリアの中にあります。ミトコンドリアがどのように機能するかを理解することは、代謝とガンとの闘病を効果的にバランスさせる道筋でもあります。
身体のエネルギーの主要な供給源であるミトコンドリアは、臓器機能が確実に本来の正常な働きをするように働きかけます。これは、身体が病気と闘うのを助けるアスタキサンチンを含んだ抗酸化物質と栄養素を体内に十分に摂取するように心がけるのが最善の方法である、という理由にも通じるものです。
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