Dr. Mercolaより
葉酸などの見事な濃度のビタミンKやビタミンB類のように、 アスパラガスがごちそうとなる理由はたくさんあります。葉酸は、体内でドーパミン、セロトニン、ノルエピネフリンなどの生成を助けることから、アスパラガスは、気分を盛り上げてくれる「幸せな気分になる」野菜とも言えるのです。
アスパラガスには、重要な抗発癌物質であるグルタチオンも多く含まれ、また、小血管壁が炸裂するのを防ぎ、放射線によるダメージから守るルチンも含まれます。アスパラガスは、ビタミンA、CおよびE、カリウムおよび亜鉛の優れた供給源でもあります。
さらに、腸内の有益バクテリアの養分として作用するプレバイオテックであるイヌリンはもちろん、不溶性・可溶性食物繊維の両方を備えており、消化機能の健康にとって真のスーパーフードです。
しかし、食卓に有益な栄養を添えてくれる以上に、アスパラガスを定期的に食べなければならないもう1つの理由があります。それは、心臓の健康への影響、特に高血圧に対するメリットと関連しているのです。
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤は、一般的に高血圧治療に処方されます。これらは、血管を狭くする物質を生成する際に必要な酵素を遮断することにより作用します。同様に、ACE阻害薬は、血管を緩めたり、広げたりする役割があり、これにより血液が流れやすくなり、血圧が下がるのです。
ACE阻害薬の問題は、重篤な副作用がある場合があることで、これには、影響を受けた人の30パーセントが致死に至る急性腎不全などがあります。深刻な心臓の問題につながることのある、カリウム濃度の上昇や、生殖機能の低下、めまい、頭痛、倦怠感、肝障害、うつ病などの可能性もあります。
一方で、最近になって研究者たちは、アスパラガスに入っている天然ACE阻害剤を発見し、これには血圧を下げる役目があるようです。この研究では、アスパラガスの芽に含まれるアスパラプチンとして知られる、含硫代謝物質が新たに発見されました。この研究によれば、この化合物は、「新たなACE阻害剤」として作用するようです。
更に、Journal of Agricultural and Food Chemistry誌 に掲載された先の研究では、アスパラガスを5%含む餌を10週間投与されたマウスは、そうでないマウスと比較して、収縮期血圧(上の数値)が有意に下がったことが観察されました。
また、研究者たちは、ACE酵素の活性が低下したことに着目し、アスパラガスに含まれるまた別の化合物である、2"-ヒドロキシニコチアナミンもACE阻害剤として作用する可能性があると考えています。アスパラガス族は、クレアチニンクリアランス率も上昇させ、これは、腎臓の働きがどのくらい良いか判断する材料となります。
ヒトに対する研究においても、粉末アスパラガス(1日6gを10週間)を摂取した 健康被験者28人は、血圧が有意に下がる結果となりました。Epoch Timesは、次のように伝えています。
「この研究が示しているのは、アスパラガスが腎臓全体に良い効果があり、高血圧症の場合は、血圧が下がるということです。」
高血圧と診断された場合は、血圧をコントロールするために 食事療法の取り組み が重要になります。そして、もし高血圧予備軍であれば、一般的には、食事の仕方を変えるだけで、その進行を止め 、健康なレベルまで回復することができます。
アスパラガスを食べることに加え、毎日ブルーベリーを摂取することも、血圧を下げることになるでしょう。この研究では、特に高血圧症の発症率が高く、度々動脈硬化を起こしている閉経後の女性たちが対象となっており、心臓病のリスクも相当高まっていました。
高血圧予備軍、またはすでに高血圧症の女性には、凍結乾燥したブルーベリー粉末(新鮮なブルーベリーの約1カップ相当量)、もしくはプラセボ粉末を毎日与え、これを8週間続けました。
研究終了時には、ブルーベリー摂取群では収縮期血圧が5%低下し、拡張期血圧(血圧の低いほうの数値)が6%以上減少しましたが、プラセボ摂取群には有意な変化は見られませんでした。
ブルーベリー摂取群では、一酸化窒素(NO)の測定値も有意に上昇していましたが、対照のプラセボ摂取群では、そのような変化はみられませんでした。一酸化窒素は、血管が弾力性を維持するのを助け、血管を拡張することで、血圧を低下させています。この研究の著者は、次のように述べました。
「毎日のブルーベリー摂取は、血圧や動脈の硬化を低下させているとみられ、また、これはある程度、酸化窒素の生成量増加によるものかもしれません。」
高血圧の根本的な原因には、高炭水化物(すなわち 糖分 が高い)や加工食品に反応して、インスリンやレプチンを過剰に生成する身体に関連性があるものがあります。インスリンやレプチンのレベルが上昇すると、血圧も上昇してしまいます。最終的に、インスリンや レプチン 抵抗になる可能性があります。
Rosedale博士が説明するように、インスリンはマグネシウムを貯蔵しますが、インスリン受容体が鈍くなり、細胞がインスリン抵抗になるとマグネシウムを貯蔵することができなくなり、排尿によってマグネシウムが体外に排出されるようになります。細胞に貯蔵されたマグネシウムは、筋肉を弛緩してくれます。
マグネシウム値が低すぎると、血管は完全に弛緩することができなくなり、その狭窄によって血圧を上昇させることになります。フルクトース も尿酸値をさらに上昇させ、血管中の酸化窒素を阻害することにより、血圧を上昇させてしまいます。(尿酸は、 フルクトース代謝の副産物です。フルクトースは、通常、摂取後数分で尿酸を増加させます。
酸化窒素は、血管をしなやかにし、弾性が維持されるのを助けます。したがって、酸化窒素の阻害は、血圧上昇に結びつくのです。そこで、高血圧治療用プログラムは、インスリン感受性と尿酸値の両方を標準値に戻すためのものである必要があります。
つまり、食事から過剰な砂糖/フルクトースを除去することにより、一気に3つの問題(インスリン、レプチン、尿酸)すべてに対応できるのです。高血圧(または糖尿病、心臓病、もしくは他の慢性疾患)がある場合、標準的な推奨として、フルクトース摂取を1日あたり25g以下、または1日あたり15g以下を維持することを勧めています。
加工食品(砂糖/フルクトース、穀物、トランス脂肪 、その他の劣化した脂肪や加工塩が多いため)を避けることを、 高血圧症の方へ最も強く勧めています。代わりに、理想的には有機栽培の、まるごとの食品を重視した食事にしてみましょう。
加工食品やその他野菜以外からの炭水化物を食事から減らす場合、それらを健康的な脂肪に置き換えることが望ましいです。食事に加えるべき健康的な脂肪の供給源は、以下のとおりです。
✓ アボガド
✓ バター(生のグラスフェッドオーガニックミルクからから作ったもの)
✓ 生の乳製品
✓ 有機的放牧で育った鶏の卵黄
✓ ココナツとココナツオイル
✓ 非加熱の有機ナッツオイル
✓ ピーナツやマカダミアなどの生のナッツ類(たんぱく質が低く、健康な脂肪を多く含んでいます)
✓ 牧草で育てた食肉や放し飼いで育てた鶏肉
健康的な血圧に関係するのは、食事 だけ ではありません。総合的な運動プログラムは、血圧や心臓の健康を複数のレベル(インスリン感受性の改善など)において改善するもう一つの戦略です。
最高の成果を得るためには、 高強度のインターバル運動 を日々の習慣に取り入れることを強くお勧めします。また、ウエイトトレーニングを取り入れてもいいでしょう。それぞれのの筋肉を動かすと、その筋肉への血流が増加し、良好な血流がインスリン感受性を増強します。一石二鳥どころか三鳥、四鳥を狙うなら、晴れた日に屋外へ出て裸足で運動してください。
たくさんの日差しを浴びて、心臓に健康的なビタミンDの生成を促進するだけでなく、日中の明るい日差しを浴びることで、健康的な 体内時計を維持し、睡眠の質を高めることができます。眠りが浅いこと は、見逃されることが多いですが、耐性高血圧症を引き起こす可能性のある、もう一つの重要な要素です。一方、裸足でいることは、地面をしっかりをつかむのに役立ちます。実験によれば、裸足での歩行は アーシング または接地とも呼ばれ、血液の粘性と血流を改善し、血圧を調節するのに役立つことが分かっています。
多くの場合、高血圧は、自然な生活習慣へ変えることで好転・管理できる、体の状態のひとつである、ということを覚えておいてください。高血圧の予防・治療に関する手法についてリストにある全てを熟読することをお勧めしますが、以下にポイントをご紹介します。
1. 朝食を抜きましょう:研究によると、 時々食事回数を減らすこと は、高血圧の危険因子である肥満症と2型糖尿病との闘病に役立ちます。身体は、食事を抜いた後、インスリンやレプチンに対して最も感受性が高まります。絶食療法には多くの種類がありますが、一番簡単に対応できるのは、毎日、特定の短い時間帯で食事を制限するスケジュールです。朝食を抜くことからまず始め、インスリン抵抗性を解決するまでの間は、昼食を一日の最初の食事にすることを、まずお勧めしています。空腹時のインスリンレベルを正常に維持できるようになったら、朝食を食べることができます。
2. 身体の ビタミンD レベルを最適化しましょう:動脈硬化(アテローム性動脈硬化症) は、高血圧症の原動力となってしまいます。血液が心臓から流れていくと、圧受容器と呼ばれる大動脈の壁にある細胞が圧力負荷を感知し、圧力を上げるべきか、それとも下げるべきかを神経系に知らせます。しかし、動脈があまりに固くなってしまうと、圧受容体の感受性が鈍くなり、適切な信号を送る際、その効率が低下します。ビタミンDの欠乏は、動脈硬化につながります。そのため、 身体のビタミンDレベルを最適化すること が重要なのです。
3. ストレスに対処しましょう: ストレスと高血圧との関連性は、十分立証されています。恐れ、怒り、悲しみなどの否定的な感情を抑えてしまうと、避けようのない毎日のストレスに対する処理能力が著しく制限されてしまいかねません。それ自身は有害なストレスを伴う出来事ではなくとも、対処能力の不足となります。抑圧された負の感情を変え、ストレスを和らげるためにも、 エモーショナルフリーダムテクニック(EFT) をお勧めします。
4. オメガ-6:3に戻しましょう:多くの場合、オメガ-6は摂取しすぎ、 オメガ-3は摂取しなさすぎです。インスリン抵抗性に悩まされている場合は、オメガ-3脂肪を摂取することでインスリン受容体が再増感するのに役立ちます。オメガ-6脂肪は、トウモロコシ、大豆、キャノーラ、ベニバナ、ヒマワリ油に含まれています。これらのオイル類を多く摂取しているならば、そのオイルの摂取をやめるか、制限するかした方がよいでしょう。オメガ-3に関しては、魚という安全な供給源を見つけることが一番良い方法となります。また、それが難しい、あるいはコストがかかると思われる場合は、高品質のオキアミオイルで補いましょう。これは魚油よりも48倍も強力であることが判明しています。
5. 身体の腸内フローラを最適化しましょう:プラセボと比較した場合、プロバイオティクスを摂取した高血圧の人たちは、収縮期血圧(上の数字)が3.56mmHg、拡張期血圧(下の数字)が2.38mmHg低下しました。腸内フローラを最適化するのに一番良い方法は、砂糖と加工食品を控えて、自然発酵食品を食べることです。これには、ボトル入りの高効力プロバイオティクスの約100倍のバクテリアが含まれています。Kinetic Cultureのようなスターターカルチャー製品で発酵食品を食べ始めると、ビタミンK2のような重要な栄養素の治療効果が更に上がります。
6. 最適なナトリウム-カリウム比を維持しましょう: 上述したように、バランス悪い比率は、高血圧症につながる可能性があります。最適な食生活を確かなものとするためにも、加工塩類を非常に多く含み、カリウムやその他の必須栄養素が少ない加工食品は捨ててしまいましょう。その代わりに、最適な栄養成分を確実に摂取するためには、地元で有機栽培された未加工の食品をまるごと食べることが理想的です。このタイプの食事であれば、ナトリウムと比較して、遥かに多くのカリウムを自然と摂取できることになります。
7. カフェインは除去しましょう:コーヒー の消費量と高血圧との関連性は、まだ十分に周知されていませんが、高血圧症の場合、コーヒーやその他のカフェイン飲料や食品が、身体の状態を悪化させる可能性のあることは、十分な証拠と共に証明されています。
8. ビタミンCとE:複数の研究が、ビタミンCとEは血圧を下げるのに役立つ可能性があることを示しています。食品をまるごと食べる療法を実施しているなら、食事だけでこれらの栄養素は十分な量が得られているはずです。もし、サプリメントが必要と判断した場合は、 ビタミンEを(合成ではない)天然の形で摂取することを忘れないでください。商品のラベルを注意深く読めば、買おうとしているものが分かるはずです。天然ビタミンEは常に「d-」形(d-α-トコフェロールやd-β-トコフェロールなど)として書かれています。合成ビタミンEは「dl-」形として書かれています。
9. オリーブの葉の抽出物: 2008年のある研究では、8週間にわたって毎日1,000mgのオリーブ葉抽出物を投与すると、実質高血圧症である人たちの血圧およびLDL(「悪玉」)コレステロールの両方が、大幅に低下しました。オリーブの葉を、栄養的に健全な食事への天然のサプリとして取り入れる場合は、新鮮な葉の液体抽出物にするようにし、最大の相乗効果が発揮されるようにして下さい。また、お茶のボールやハーブの袋に大さじ一杯の乾燥したオリーブの葉を入れておけば、自分だけのオリーブ葉のお茶を作るすることができます。約2クォートの沸騰した熱湯の中にオリーブの葉を入れ、3~10分間浸出します。お茶の色がちょうどよい琥珀色になれば、出来上がりです。
10. ちょっとしたコツ: 血液中の酸化窒素量が増加すると、狭窄した血管が拡張し、血圧を下げることができます。酸化窒素を増やす方法としては、温かいお風呂に入る、片側の鼻孔だけ(もう一方の鼻孔と口は閉じる)で息を吸ったり吐いたりする、アミノ酸とビタミンCが豊富なゴーヤを食べる、などがあります。
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