片頭痛ですか?粉末ショウガが役立つかもしれません

ショウガによる偏頭痛軽減

早分かり -

  • ショウガは甘くて、不思議に嫌味のないスパイシーさがあるので、生のまま、乾燥させたもの、砂糖漬け、飴掛け、酢漬け、プリザーブド、粉末あるいは、挽いたもの等々、数多くの焼き菓子、炒め物、お茶によく合います
  • 伝統的にショウガが吐き気、頭痛やその他の病気の治療に数世紀、使用された後に、臨床試験によって、主要な処方薬のスマトリプタン(イミトレックス)と同じくらいの効果があり、素早く効くことが分かっています
  • ショウガは、スマトリプタンよりも遥かに安価で、スマトリプタンがしばしば胸やけ、空間識失調、めまい、眠気、多数のさらに深刻な合併症や死にも至る原因となるのに対し、副作用もほとんどありません
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Dr. Mercolaより

味付けのためだけでなく、身体の諸症状にショウガを使うことは、その歴史が数千年に及ぶ伝統中国医学と同じくらい古いのです。東インドアーユルヴェーダ医学が、同様にショウガの医療的利用を行ってきています。

臨床試験によって、大昔に伝統的な薬の効能がうたわれたハーブや野菜が、まさにその通りであることが確認されるようになった今日、科学者たちが見直すようになった植物や植物由来の食品が多くあります。根茎、つまりは根っこであるショウガが使われてきた手法は、予防・治療・軽減することのできる不調や不均衡状態の観点から、確実に何百にも達します。そのうち最も重要な一つが、吐き気です。

最も目覚ましいことの一つは、ショウガが吐き気が起きた時に効果的である、偏頭痛に利用されていることです。2800万人もの人たちが経験する偏頭痛が、頭の血管が極度に拡張する際に起こるということが研究で明らかになっているように、もし知っていたなら、この情報がどれだけ大勢の人の救済になったでしょう。偏頭痛は、頭が割れるような、物凄い痛みとなることがあります。Migraine.comでは、以下のように伝えています。

「成人の13%が偏頭痛を持ち、2~300万人が慢性的な発作に悩まされている、と推定している偏頭痛の研究もあります。また、少なくとも1カ月に1回、約500万人に偏頭痛が起きているのです。」

誰が初めに伝統的な植物由来の鎮痛という考え方を、科学に結び付けたのかは定かではありませんが、より効果的な治療はないかと困った時に、ある医師が ショウガ が偏頭痛の領域に役立つことがあるという噂を耳にしたことを思い出したのかもしれません。Michael Greger博士は次のように述べています。

「ショウガは、まさしく安全かつ一般的なのスパイスであることから、(その医師は)偏頭痛持ちの担当患者の一人に試してみるよう勧めたのです。偏頭痛が襲ってくるときの最初の兆候がある時に、その患者は、小さじ4分の1の粉末ショウガを水に入れて混ぜて服用し、一息入れたところ、30分以内に偏頭痛がなくなりました。そして、副作用もなく、毎回効果があるのです。」

事例証拠、臨床試験および商品

ある研究で、粉末ショウガは、噂以上のパワーがあることが示されています。スマトリプタン(イミトレックスのブランド名)として知られる数十億ドル規模の医薬品に対抗して行われた、あるランダム化二重盲検比較臨床試験は、世界で最も売れている偏頭痛治療薬の一つであり、大変有名です。面白いことに、研究者たちは、すぐに(約2時間以内)、効果があるのは小さじ4分の1の粉末ショウガであることを発見しました。

驚いたことに、科学者たちはもう一度試しに、相当な服用量の薬と前回の半分量のショウガを比較してみました。結果は同様で、どちらも効能があり、どちらもすぐに作用したのです。軽度の痛みもしくは激痛を訴えた患者は、軽度の痛みも激痛のいずれも、最終的にはなくなりました。

このような症例報告は、科学的なものとはみなされないため、多くの場合、医学界から過小評価されてしまいます。医療関係者の中には、極めてまれなものとして無視する人もいますが、実際には、臨床試験は、採算性がない限り実施される可能性が極めて低いのです。2023年までに、偏頭痛市場は、37億円に達する勢いです。Nutrition Factsの見方は、冷ややかです。

「問題は、誰が出資してくれるのかということです。偏頭痛治療薬の市場は、数十億規模に値します。小さじ4分の1杯の粉末ショウガは、1 ペニーほどしかかかりません。ですから、ショウガを主要な偏頭痛治療薬に対抗させる臨床試験に、誰が出資するかというのです。」

ショウガ対スマトリプタンおよびその他の処方薬

困難をものともせず、ショウガは、大会の優勝者とみなすことができます。スマトプリタンは、 胸やけ, 空間識失調、めまい、眠気などのうんざりするような副作用を伴うのに対し、ショウガは、数十億ドルも安価で、副作用もほとんどありません。そうでした、副作用には致死もありましたね。事実、スマトプリタン、つまりイミトレックスの副作用リストは長すぎて、しかも複雑です。Drug Libにアカウントをお持ちの方は、そこでご覧になれるはずです。Nutrition Factsは、更に次のように進言しています。

「小さじ8分の1杯のショウガは、処方薬の3000倍安価なだけでなく、治療薬を摂取した後で心臓発作が起きたとか、亡くなったとか、スマトプリタンのために起こった惨事を自分自身の症例報告として上げる羽目になってしまう可能性も少なくなるのです。」

このようなリスクにも関わらず、米食品医薬品局(FDA)は、2003年にスマトプリタンを承認し、この決定は決して覆されることはありませんでした。反対に、ショウガを処方した臨床試験参加者の約25人中の1人が胃のむかつきを訴えましたが、これは、たった大さじ1杯を空腹時に摂取したためであり、場合によっては胃のむかつきを引き起こした人誰もいなかった可能性もありました。小さじ4分の1杯あるいはその半分であっても、副作用が全くない、合理的でかつ効果的な量です。

スマトプリタン合併症

苦しむ人々が、市販治療薬(これは、一般的に ひどい偏頭痛には、役に立たない)を入手するか、または、多くの医療関係者から得た標準的な反応は、処方箋を患者に出すというものです。Michael Murray博士が、自身の健康ウェブサイトで次のように解説するところによると、一般的に、これはトプリタンのことのようです。

「これらの薬剤は、脳の中にある痛みの経路を遮断すると共に、血管を収縮させて作用します。スマトプリタン(イミトレックス)の実績は最もながく、また最も研究されているため、これらの薬剤の至適基準とみなされています。スマトプリタンは、多くの患者の場合、すぐに鎮静作用がありますが、約40%の人は、この薬剤を摂取してから24時間以内に頭痛が再発しています。

トプリタンのマイナーな副作用には、吐き気、めまい、眠気および筋力低下などがあります。しかし、これらの薬物治療は、冠動脈攣縮、心臓発作、脳卒中、異常心拍や心因性発作など、もっと多くの重篤な副作用を引き起こすこともあるのです。」

Drugs.com では、スマトプリタンが頭痛の予防とはならず、もしなるとすれば、実際に偏頭痛を起こした場合に服用した時のみで、また、 群発頭痛の安全性については、確立されていません。服用量は、50~100mgと幅がありますが、服用量が増えると「有害反応になる恐れが大きく」なります。

禁忌には、「軽度から中度の肝臓障害」、別名肝不全などがあり、以下の不調ならびに合併症を持つ人はもちろん、喫煙者、閉経後の女性、40歳以上の男性も含まれます。

特定の頭痛薬の直近の使用

モノアミン酸化酵素 (MAO)A阻害薬(うつ病用)との同時使用

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群と関連した不整脈、心臓副伝導路障害

脳卒中もしくは一過性脳虚血発作(TIA)

末梢血管病(もしくは動脈疾患)、および狭窄動脈

虚血性大腸炎、別名 虚血性腸炎

治療抵抗性 高血圧

スマトプリタンに対する過敏症

最後の注意事項は、過去の使用のみがその過敏性を警告するものであるため、興味深いです。また、不整脈あるいは「致死につながる心室性頻拍および心室細動などの生命を脅かす心調律の障害および」脳溢血、てんかん発作、梗塞、疼痛、前胸部(心臓付近の胸部)、のど、首およびあごの圧迫および重苦しさといった記述もあります。

吐き気および重篤な反応を含む、その他の精神状態変化、扇動、幻覚、昏睡、自律神経不安定(人事不省や高熱など)、神経筋異常(協調運動障害など)および、もしくは消化器症状に基づくセロトニン症候群もあります。使用者は、これらの症状もしくはその他の症状があった場合は、使用を中止するよう指示があります。

更なるショウガのメリット

ショウガは、偏頭痛に劇的な効果がありますが、それに留まりません。ショウガは、唾液の流れを刺激するため、妊娠、 抗ガン剤治療、乗り物酔いや食べ合わせが悪いことによる、吐き気や嘔吐の治療(予防にも)使われてきました。ショウガは、腸内ガスの排出を促すことから、駆風薬として指定されており、腸管の緊張を解いて鎮静させる、鎮痙薬としても指定されています。

ウコン およびカルダモンと同族植物であるショウガは、ケトン固有のスパイシーな芳香を放ち、最も多い有効成分となるのは、一番重要なギンゲロールです。「Herbal Medicine: Biomolecular and Clinical Aspect(生薬:生体分子および臨床面)」(第2版)と呼ばれる、徹底した科学論文で再話された、古代の物語は、最も参照されている章「The Amazing and Mighty Ginger」です。 ショウガ次のテーマと歴史に関するものです。

「ショウガは、歴史が正式に記録される前から香味料として使用されていました。ショウガは、貿易の極めて重要な品物であり、2000年超前にインドからローマ皇帝に輸出されています。ここでは、特にその薬効成分が重宝されました。

ショウガやその他のスパイス類の貿易は、アラブ系商人によって数世紀、支配されていました。[13] 世紀および [14] 世紀になると、1ポンドのショウガの価値は、羊1匹と同等となりました。中世までは、お菓子に使用できるプリザーブドタイプで輸入されていました。」

ショウガの商売は続いており、生、乾燥、砂糖漬け、飴掛け、酢漬け、プリザーブド、粉末および挽いたものなど、その用途の数は驚異的です。甘いともいえる、変わった風味があり、あらゆる焼き菓子、炒め物、そしてもちろんお茶にもよく合い、不思議と心地よいスパイシーさがあります。

抗炎症および天然の免疫システム効能促進剤として、ショウガは、無数の健康上のメリットをカバーしています。系統的に炎症を低減することから、体重および血糖値に肯定的な影響があり、 非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD)と呼ばれ、成人の最大40%が罹患する、別の重篤な神経変性疾患の予防に役立ちます。

肥満 もまた、ショウガが効果がある問題で、ショウガに含まれるジンガロールが体脂肪を燃焼することが確認されており、これがメタボリック症候群に有効である理由の一つとなっています。ショウガオールおよびパラドールなどの微量植物成分は、ジンガロールと共に作用し、グルタチオンパーオキシダーゼ、グルタチオンS-転移酵素およびグルタチオン還元酵素により、大腸、胃腸、卵巣、肝臓、皮膚、乳ガンおよび前立腺ガンと闘う威力があると、研究の記述にも引用されています。

Migraine.comでは、妊娠女性および胆石、炎症性腸疾患、および潰瘍のある人の場合、および血液希釈剤やその他の薬物治療を受けている人などは、過量または長期に渡りショウガを摂取しないよう、提言しています。服用に関しては、The Raw Food Worldは、次のように提言しています。

「摂取方法や正確な服用量については、いまだに意見が対立しています。[小さじ]3分の1杯の粉末ショウガが、条件を満たす[こと]を示している人もいます。また、生のショウガの方が粉末よりも好ましく、にんにく絞り器を使うと、有力な天然絞り汁が確保できるとしている人もいます。」