Dr. Mercolaより
最高の健康状態でいるには、十分な量のきれいな水を飲むことが不可欠です。水と適切な水分補給はスポーツマンや運動を楽しむ人にとっては特に重要です。
高強度エクササイズや、その他の激しい活動に取り組む時、身体は混じりけのない、きれいな水を大量に欲します。激しい活動をしている時は、身体の働きに大切な電解質とミネラルが汗で排出されるのため、それらを補う必要があります。一番の対処法は、水分補給飲料を飲むことです。
お店の棚や世界中の自動販売機に並べられている、蛍光色のスポーツドリンクを手に取る人が多いのではないでしょうか。こうした商品は、テレビやウェブ広告や、印刷広告で絶え間なく宣伝されており、必ず目に入ります。
その結果、ボトル入りスポーツ飲料の世界市場は爆発的に成長し、年間売上高は50億ドル近くに達しています。大げさに宣伝されていますが、こうした飲み物は非常に有毒なので、買わないことをお勧めします。混じり気のないきれいな水を、常に飲料のファーストチョイスとすべき、というのが私の意見です。トレーニングやスポーツで大量に発汗し、電解質を摂取する必要がある場合は、手作りの水分補給飲料を用意することを検討してもいいでしょう。
全身の1〜2%の水分が失われると、のどが渇き、水分補給の必要性を訴えます。どのくらいの水を飲む必要があるかの目安として「のどの渇き」を使用することは、個々人の必要性が毎日確実に満たされるための良い方法です。
上記のビデオでは、体内の水分が十分にあるかどうかを判断するのに役立ちます。残念ながら、そのメカニズムが働く頃には、若干脱水状態になっている可能性があります。多くの研究によれば、約3人に2人は習慣的に脱水状態であり、水分をもっと摂取する必要があります。
年齢を重ねるほど、よりこの事実に当てはまります。したがって、身体がより多くの水を必要としているか知るためには、以下のような身体が発する微かな信号を捉える方が賢明でしょう。
✓ 暗色尿、濃縮尿、または排尿頻度が少ない
✓ 方向感覚の喪失、疲労感、または気分変動
✓ 頭痛
✓ 食べたばかりなのに空腹を感じること
✓ 運動中の発汗不足
✓ 体力減退
✓ 口、目、皮膚の乾燥・たるみ
✓ 筋痙攣または筋痙縮
ご存じのとおり、純粋できれいな水は、あなたの活動レベルにかかわらず、生きるために不可欠です。しかし、スポーツマンや運動を定期的に行う人は、脱水状態にならないように水分補給の問題を迅速に解決しなくてはなりません。
その一方で、水分を摂り過ぎたくはないはずです。基本的には、「渇く前に飲む」ようにしましょう。重度の脱水症状は命を脅かす危険がありますが、軽度の脱水症状であっても、痙攣、頭痛、過敏症および認知障害を引き起こします。水分補給を適切に行わないと、確実にパフォーマンスに影響を及ぼし、トレーニングの効果が低下します。CNN のスポーツ栄養士エイミー・グッドソンは、次のように報告しています。
「体内の水分が2%失われると運動能力は10%低下します。水分を失うほど、パフォーマンスも低下します。」
運動中に適切な水分補給を怠ると、血液の循環量が減少し、これにより筋肉が痙攣を起こす場合があります。運動中に 筋痙攣 を起こすと、極度の不快感と痛みを感じる場合があります。汗をかくと筋痙攣を起こす可能性があるので、体内の カリウムとナトリウム量の変化に気をつけましょう。
エネルギーを増やすために運動する前、スポーツドリンクを飲もうと思ったり、運動後に失われた体液や電解質を補給するために飲みたいと思うかもしれませんが、スポーツドリンクには大量の砂糖やその他の有害成分が含まれているため、控えた方が良いでしょう。
絶大な市場シェアと人気を誇ってはいますが、スポーツ飲料は、水の代用品としては全くふさわしくありません。スポーツドリンクは、手に入る飲料の中でも最悪の飲み物の一つというのが、私の意見です。これは、真面目に言っています。以下は、ある人気ブランドの成分一覧です。
✓ 水
✓ 異性化糖(グルコース・果糖シロップ)
✓ ショ糖シロップ
✓ クエン酸
✓ 天然香料
✓ 塩
✓ クエン酸ナトリウム
✓ リン酸一カリウム
✓ 加工デンプン
✓ 赤色40号
✓ ロジングリセリンエステル
多くのスポーツ飲料には、同量の炭酸飲料の3分の2の砂糖が含まれています。加えて、上記のように、人工香料、人工着色料、 異性化糖などの健康を損なう可能性のある有毒成分でいっぱいです。その上、低カロリーや無糖バージョンの商品には、人工甘味料が含まれている可能性がありますが、これは果糖よりも悪いものです。
一日に必要なの糖分を飲み物(2本以上かもしれない)だけで毎日摂取する習慣がある場合は、直ちに気をつけるべきです。スポーツドリンク1本には砂糖が29グラム含まれています。これは、インスリン抵抗性のある人に推奨される一日あたりのフルクトース摂取許容量の約2倍に相当し、インスリン抵抗性の無い人にとっても、4グラムオーバーしています。
肝臓が、すべての砂糖を処理しなければならないので、砂糖の過剰摂取は、慢性的な代謝性疾患とインスリン抵抗性低下の危険に自分の身をさらすことになるのです。インスリン抵抗性を持つ人で、検査を受けていない人は、 メタボリックシンドローム や 2型糖尿病まで悪化することがあります。また、肝臓によるフルクトースの代謝作用によって、大量の尿酸を含む多量の老廃物と毒素が作られ、これにより血圧が上昇して 痛風 の原因となります。
NFLスーパーボウル優勝チームのニューイングランド・ペイトリオッツの名クオーターバックであるトム・ブレイディは、ボトル入りスポーツ飲料を嫌うエリートプロ選手の1人です。
39歳のブレイディは、健康的な抗炎症食を実践していることで有名です。中には、身体的疲労とケガの回復が大事なアメリカンフットボールにおいて、彼がスポーツ選手として寿命が長い理由をこの食生活にあると考えている人もいます。。ブレイディの成功のもう一つの鍵は、試合中に特別な電解質飲料を飲んでいることかもしれません。試合中に彼がサイドラインでゲータレードのカップを持っていることを見ることがありますが、飲んでいるのはゲータレードではありません。チームトレーナーがブレイディ専用ドリンクを作っていますが、何が入っているかは知らないと言っています。ブレイディはこう話します。
「このレモンドリンクには、多量の電解質を入れている。砂糖は一切入れていない。電解質をたくさん摂取しておけば、必要なときにパフォーマンスを発揮できるんだ」
ココナッツウォーター が、地球上で最も優れた水分補給ドリンクの一つであることをご存知ですか?ココナッツウォーターは、天然の電解質源としてよく知られており、ブレイディの飲み物にも入っている可能性があります。栄養面で優れており、第二次世界大戦中には、ココナッツウォーターは栄養が短時間で静脈に届くと考えられ、緊急時に重病患者への水分補給方法として使われていました。今でも世界中の辺境地域で、この習慣が続けられている、という意見もあります。
ココナッツウォーターは、多量に発汗する活動を行う場合に、特に役立ちます。そのまま普通に飲むか、レモン、ライムまたはオレンジのような柑橘類の果汁を加えて風味をつけることができます。ヤシの木は、豊かな火山性土壌とミネラル豊富な海水からなる土壌で育つため、木に実るココナッツウォーターの栄養上の利点は、目を見張るものがあります。ココナッツウォーターには、以下のような特徴があります。
ペンシルベニア州立大学のスポーツ医学専門家は、体を動かすイベント中、子供はボトル入りのスポーツドリンクよりも飲料水で水分補給することを提案しています。専門家によると、若いアスリートの多くは、スポーツドリンクに含まれる余分な塩や砂糖に相当するほどの、十分な運動強度または運動時間を維持できないようです。。ペンシルベニア州立大学ヘルスメディカルセンターのプライマリケアスポーツ医学部長マシュー・シルヴィス博士は、次のように述べます。
「スポーツドリンクによって、運動中に失ったものの一部を補給できますが、これを飲むことを考える前に、本当であれば45分から1時間以上運動する必要があります。多くの子供は、そこまで長く運動していられません」
シルヴィス博士と彼の同僚は、スポーツドリンクは糖度が高く、子供の体重増加や虫歯を引き起こす可能性があると指摘しています。こうした飲料には、カフェインやその他の刺激物が含まれており、血圧の問題、頭痛、動悸、胃の不調の原因となる可能性があります。
ペンシルベニア州立大学メディカルグループのプライマリケアスポーツ医師であるケイティ・グロイヤー博士は、次のように述べました。「子供と青少年はスポーツドリンクを飲むべきではありません。水を飲むのは、水分補給として最善の方法です。 米国小児科学会(American Academy of Pediatrics、AAP)もスポーツドリンクやエネルギードリンクは若者には不適切であると考えています。AAP 委員の小児科医のマーシー・ベス・シュナイダー博士は、2011年に栄養に関する報告書と共同著作で次のように述べています。
「スポーツドリンクとエネルギードリンクについては多くの誤解があり、青少年は商品の違いをあまり認識していません。運動後に水分補給するだけの場合でも、カフェインを多量に含むエネルギードリンクを飲んでいる子供もいます。…
多くの場合、ラベルを見てカフェイン含有量を知ることは難しいです。一部の缶やペットボトル入りのエネルギードリンクには、カフェインが500mg以上含まれており、これはソーダ缶14本分と同等です。」
このような懸念があるので、子供にはペットボトル入りのスポーツ飲料を与えないのが最善で、少なくとも習慣的に飲ませないようにしましょう。若きアスリートの渇きを満たす飲み物は、自宅で簡単に手作りできます。
健康状態を最高に保つためには、混じりけのないきれいな水が必要であることに、疑いの余地はありません。砂糖を含むボトル入りボトル飲料の代わりに水を飲む習慣を身につければ、健康増進に大いに役立ち、理想的な体重を維持できます。しかし、1日に必要な水分量は、個々人の必要と状況に合わせて微調整しなければなりません。
身体に耳を傾けることを忘れないで下さい。のどの渇きは、体液を補充する時を知らせる明白な信号です。疲労や憂鬱も、より多くの水を飲む必要があることを示しています。
しかし、水の必要性を測る最善の方法はおそらく、尿の色を観察することと、どれだけ頻繁に排尿するかに注意することでしょう。通常、尿の色は薄い黄色をしています。(ビタミンBサプリメントを服用すると、尿が明るい黄色になりますが、これは正常です。)トイレに行く一日あたりの平均回数は、約7~8回です。
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