Dr. Mercolaより
例えば、ビューテイコ呼吸法は、その技術を開発したロシアの内科医の名前に由来していますが、これは、過呼吸および口呼吸の最も典型的なもので、誤った呼吸に伴う健康上の問題を解決する強力なアプローチです。
口呼吸を止めて、呼吸量を正常値に持っていける方法を身に付ければ、脳も含めて、細胞や内臓の酸素化が良くなります。
現代の生活要素である、ストレス、加工食品、深呼吸することは良いという意見、運動不足などは、すべて日々の呼吸を増やしてしまいます。
過剰呼吸の典型的な特徴としては、口呼吸、胸郭上部式呼吸、ため息、休憩中の荒い息づかい、話す前に深呼吸するなどがあります。
博士が亡くなる前年の、2002年にButeyko博士から資格を得た、Patrick McKeownは、今や世界でトップのビューテイコ呼吸法の先生です。Patrick McKeown氏は、母国のアイルランドで過去11年間、専任で教授にあたっています。
私は、20年以上かけてこの技法を学び、この間に喘息治療が大幅に促進されました。しかし、これまで自分の患者の治療では、上手くいかなかったため、止めにして、一緒に、咽頭の筋膜治療を行ったことのあるJoy Moellerが最近になって再度紹介してくれるまでは、二度と試すことはありませんでした。
喘息や高血圧の他にも、ビューテイコ呼吸法が有効な分野は、不安症や無呼吸症候群などたくさんあります。呼吸の仕方は、内蔵の酸素化に影響します。口呼吸、換気亢進、過呼吸の有害影響は、明確に記録されています。
ビューテイコ呼吸法は、自身が依存する食品、水および空気の前提によって作られます。もちろん、それぞれの品質が最重要事項となりますが、空気となった場合、呼吸する空気の 量 となると、それほど莫大で深刻な健康への影響があると考える人はほとんどいないのです。
興味深いことに、加工食品は、正常なpHを維持しようとして血液を酸性にする傾向にあり、その結果、呼吸が深くなります。これは、血中の二酸化炭素の役割の一つがpHを調整するためです。水以外では、生の果物や野菜 は、調理済みの野菜に次いで呼吸への影響は小さくなります。
加工した高タンパク、高穀物の食事は、呼吸する方法に最悪の影響を与えます。
ビューテイコ呼吸法は、呼吸量を正常に戻せる方法を教えてくれるもので、言い換えると、慢性呼吸亢進症あるいは慢性過呼吸症候群を反転させるということです。呼吸が正常な場合は、脳も含め、細胞や内臓の酸素化が良好です。
鼻炎は、鼻閉および鼻水を伴い、口呼吸の最も一般的な原因です。これは、以下の症状を含め、どんどん厄介な問題と結びついていくことになります。
一酸化炭素 は、鼻の中にあるため、鼻で呼吸した時に少量の一酸化炭素ガスを肺に送ります。Patrickが説明したように、一酸化炭素は、ホメオスタシス、つまり体内のバランスを維持する、大きな役割を果たしています。一酸化炭素には、次のような役割もあります:
これが、私が注目した、ビューテイコ呼吸法治療の素晴らしい側面の一つです。鼻からだけ呼吸をして、口から呼吸をしないようにすると、鼻から水分が出始め、頻繁に鼻を鳴らさないといけなくなります。しかし、凄いのは、鼻腔が最後には、劇的に拡張して、口からよりも鼻から空気をすべて取り込む方がずっと楽になります。
ピーク フィットネスのような高負荷運動についてさえ、これは真実です。
鍛えられるまで数カ月かかる場合がありますが、一旦そうなれば、大抵の極端な状況下に置かれたとしても、再び口呼吸が必要となることさえ、少なくなるでしょう。
喘息患者は通常口で呼吸します。喘息患者も呼吸が深くなる傾向があり、非喘息患者よりも呼吸速度が早くなります。Patrickによると、フィードバックループがあって、この中で、肺に入る呼吸量が過剰になると、二酸化炭素(CO2)喪失など、血中ガス異常の原因となります。
俗説とは反対に、二酸化炭素は、単なる廃ガスなどではないのです。呼吸は、余分な二酸化炭素を除去するためのものですが、肺の中にある一定の二酸化炭素の量を維持するためには、呼吸量が正常であることが非常に重要となります。
気道が収縮すると、代償機構としてより激しく呼吸しようとする自然な反応があります。一方で、これは、もっと二酸化炭素をたくさん喪失する原因とさえなり、軌道が冷えて更に狭くなってしまうのです。つまりは、喘息の症状は、その状態へと発展していくものです。
口で5、6回大きく息を吸ったり吐いたりして、そうなるか試してもいいです。大抵の人は、軽い頭痛が起きたり、めまいがし始めるでしょう。口で深呼吸することで体内にたくさん酸素が取り込めるようになると推論できる一方、これは気分が良くなったとしても、実際には逆のことが起こることになります。
これは、肺から二酸化炭素をたくさん除去してしまうことから、血管が収縮することになり、よって軽い頭痛が起きるためです。ですから、深呼吸すればするほど、二酸化炭素不足によって体内に実際に送られる酸素が 少なく なり、血管が収縮してしまいます。
呼吸の方法も心臓に影響し、Patrickは過去二年間の運動選手における呼吸の影響について検査してきています。一般的に、心肺停止や心臓発作を経験したことのある運動選手は、心臓の問題がある人の典型と一致していません。ほとんどが健康の全盛期です。
Patrickは、息こらえ(これについては、次の項で解説します)の観点から高強度運動も調査しています。
幸い、実際に口呼吸をやってみるのはかなり簡単です。鼻から少しだけ息を吸い、鼻から少しだけ息を吐くだけのことです。次に、鼻を押さえたまま頭を静かに上げ下げし、可能な限り息を止めたままにします。その後、鼻でもう一度呼吸するために手を鼻から離します。
約30秒から1分ほど待ってから、もう一度この手順を繰り返します。
大部分の人にとっては確実に安全な呼吸なのですが、高血圧、妊娠中、1型糖尿病、パニック発作など心臓に負担が掛かる要因を抱えている場合は、最初に息を吸いたいという衝動を我慢してまでは息を止めないようにしてください。
ビューテイコ呼吸法に役立つ方法は、コントロールポーズと呼ばれる単純な概念です。コントロールポーズからは相対的な呼吸量に関するフィードバックが得られます。正確な測定結果を得るために、測定前に10分間の休憩を取りましょう。
コントロールポーズにおいては、呼吸筋の不随意運動、または、体に掛かっているストレスが「呼吸しなさい」と初めて命じるまでは息を止め続けていることが大切である、ということを忘れないようにしましょう。息を止め続けた後に、大きく息を吸いたくなったとしたら、これは、あまりにも長い時間息を止め過ぎているからです。
非常に望ましいコントロールポーズは、40秒の長さに達した状態で、良好なコントロールポーズは30秒の長さとなります。
コントロールポーズが25秒であれば、なんらかの改善の余地があることを示しており、15秒以下であれば、呼吸愁訴(喘息、喘鳴、咳、胸部圧迫または鼻腔の問題)、睡眠呼吸障害(不眠症、疲労、いびきや閉塞性睡眠時無呼吸)や不安の愁訴(過度の心配、高いストレス、集中力の欠如)、または慢性過呼吸に起因する、その他の様態を含む可能性があります。
自分は、普段、活動している時に口呼吸をしてこなかったと思っていますが、高強度運動の最中には、思い切り口を開けて最大限に口呼吸をしていました。これが酸素摂取量を最大限にする最善の方法だと思い込んでいたのです。しかし、その思い込みと実際の理解は完全に間違っていました。
しかし、ビューテイコ呼吸法で自分自身のことを再認識してからは、ピークフィットネスの練習中も口を閉じたままにしようと、少しずつ心がけ始めました。最初の2つのインターバルをこなすのはかなり簡単ですが、その後は次第に難しくなっていきます。
実際にこのタイプの呼吸法を推奨するアスリートである、John Douillard氏の勧めに従い3、4年前にこの方法を試したことがあったので自分でも驚きでした。かつてその呼吸法の実践を放棄してしまったときは、単に難しすぎると感じたのです。
しかし、今、この呼吸法の重要性に対する認識が高くなったので、もう一度試してみて、更にだんだん増やしていくことにしました。そして1ヶ月程度の長期間をかけて、実際に自分のピークフィットネスの練習をすべて完了することができました。心拍数は、計算上の最大値162を上回りながらも口は閉じたままでも大丈夫でした。
以前は、ここまで達成できるとは思いもよりませんでした。数ヶ月間これを継続していて、今や非常に快適に鼻呼吸ができるようになり、空気を求めて喘ぎたくなることもありません。私にとっては、本当に素晴らしい改善となりました。もう一度試してみて本当に良かった、と喜んでいます。
最初に気付いたことは、鼻水が出やすくなったことでした。呼吸法をやった後では、鼻をかむ必要がありました。しかし、最終的には鼻水を拭いたり鼻をかんだりする必要も完全になくなり、簡単に呼吸できるようになりました。繰り返しになりますが、鼻の通りを良くするための(上述の)練習を行うことで、鼻詰まりが解消されると思います。
不安またはパニック発作が起きた場合、または非常に大きなストレスを感じ、胸の動悸が収まらない場合に役立つもう1つの呼吸運動は以下のとおりです。鼻から小さく息を吸い、その後小さく息を吐き、5秒間鼻を手で塞いで息を止め、次に手を離して再び普通の呼吸に戻します。普通に10秒間呼吸をします。
次の手順を繰り返します。鼻から小さく息を吸い、その後小さく息を吐き、5秒間息を止め、その後普段通り10秒間呼吸します。この一連の呼吸法によって、二酸化炭素を体内に保持して穏やかに蓄積し、穏やかな呼吸へと導いて、不安を軽減するのに役立ちます。言い換えれば、よりリラックスした状態になるにつれ、呼吸しようという衝動が減少することになるということです。
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