工場式農場の感染した畜産肉がアルツハイマー病の別因子である可能性

狂牛病

早分かり -

  • 研究者たちは、アルツハイマー病と、大規模畜産施設(CAFO)で飼育された家畜の肉を食べることとが、関連している可能性があると、問題提起しています
  • ウシの狂牛病、およびシカやヘラジカの慢性消耗病の原因である同じ異種感染性タンパク質も、アルツハイマー病の発症において重要な役割を果たしていると思われます
  • 異種タンパク質が取り込まれると、体は炎症反応を起こします。ご存知のとおり、慢性炎症は、アルツハイマー病を含めた多くの消耗性疾患の特徴です
  • 狂牛病感染とアルツハイマーが異なるのは、発症や死亡するまでに要する時間だけです。アルツハイマー犠牲者全体の最大13パーセントの人が、実は狂牛病であると考えられています
文字サイズ:

Dr. Mercolaより

アルツハイマー病は、時間をかけてゆっくりと発症し、末期には確実に死に至る、破壊的な変性脳疾患です。

過去にも治療法はなく、一旦アルツハイマー病にかかると、うまくいく治療法はほとんどありません。しかしながら、食生活が大きな役割を果たすことを示した、動かしがたい証拠があります。これはつまり、予防ということであれば、コントロールできるかもしれないということです。

アルツハイマー病、狂牛病、慢性消耗病の興味深いつながり

ここで重要なのは、TDP-43と呼ばれる感染性タンパク質です。このタンパク質は、以下を含め、すでに数多くの動物およびヒトの疾患と関連性があります。

  • 筋萎縮性側索硬化症(ALSは、ルー・ゲーリッグ病としても知られています)
  • 狂牛病
  • 慢性消耗病、シカやヘラジカの伝染性神経系疾患

このタンパク質が海馬の収縮と関連があることにより、物忘れが引き起こされることから、アルツハイマー病 においても重要な役割を果たしていることが、研究者たちによって発見されました。

家畜に動物性副産物を餌として与えることは、一般的なCAFO農業技術であっても、極めて有害です

狂牛病と慢性消耗病の共通点は、本来は草食動物である家畜に、動物を無理に食べさせていることです。動物性副産物は、CAFOの家畜に与える餌に様々な方法で混ぜられており、私たちは、この慣習による破壊的な影響を何度も目の当たりにしてきました。

たとえ豚のような雑食動物を、同類の動物から作られた副産物で育てた場合でも、単独の病畜が起因の感染であっても、急激にまん延するため、この慣習は深刻な問題を提起しています。

慢性消耗病同盟(Chronic Wasting Disease Alliance)の説明によると、狂牛病と慢性消耗病の両方の原因となる感染因子は、感染性のタンパク質であるプリオンであり、バクテリアやウィルスではないと考えられているそうです。プリオンには、有益な細胞機能を持つものもありますが、それ以外は感染因子として作用し、神経変性の原因となることが分かっています。TDP-43は、この後者に分類されます。

狂牛病は、人工的な疫病

狂牛病は、CAFO式の「共食い」ソリューション(例えば、動物を同種の動物に餌として与え戻すこ)がよくない考えになりうるといえる、もう一つの典型例です。狂牛病の主な感染経路の一つに、狂牛病に感染した別の家畜から作られた肉骨粉や廃棄物を餌として与えられたケースがあります。

結果として、牛に牛由来の製品を餌として与えるにすることは、現在違法となっています。しかし、残念なことに、牛肉業界は、この規制を「鶏くず」として知られる飼料を使って巧みに回避しており、これもまた、この破壊的な疾患をヒトの食糧システムにもたらす原因になっています。

鶏くずを使う場合であっても、鶏くずが鶏肉製肥料、死んだ鶏、羽毛が混じったものでできており、、これが鶏の餌のほぼ3分の1に上り。 さらに、これらには、牛肉や肉骨粉が含まれているため、やはり狂牛病が要因となるのです。まさに、こうした原料こそ、ウシを規制 するべき なのです。

よって、鶏くずを食べた牛も、様々な牛由来の副産物を摂取している可能性があり、この副産物がまさに、狂牛病に最も拍車をかけている餌なのです。

豚、鶏、および七面鳥も畜牛副産物を餌として与えられており、現在の法律では、これらの家畜の副産物を畜牛の餌として牛に 与え戻す ことが許されてしまっています。これが、健康な畜牛が狂牛病因子に感染する抜け穴となっているため、皆さんはつまり、これらの感染した食肉を食べることを一切やめなければならないのです。

CAFOとアルツハイマー病の関連性

CAFO畜産肉を食べることは、狂牛病の稀有な発現も含め、数多くの健康上の危険を伴います。しかし、狂牛病、慢性消耗病、およびアルツハイマー病に関連性のある、感染性タンパク質プリオンは、CAFO畜産肉を介してまん延することもあり得るのでしょうか。狂牛病は、まるで山火事のようにCAFO内で広がる可能性があるプリオン病です。鶏やその他の非ウシ属の動物の餌としてすりつぶされた病気の畜牛は、食物連鎖により受け継がれ、間接的とはいえ、病気を再伝播する可能性があるのでは、という憶測もあります。

異種タンパク質が取り込まれると、体は、炎症反応を起こします。ご存知のとおり、慢性炎症は、ほとんどの消耗性疾患の特徴です。TDP-43は、このような異種タンパク質ですが、CAFO式食品を介してヒトが摂取する可能性のある唯一の異種タンパク質ではないことは確かです。

CAFOの家畜も、遺伝子組み換え(GE)穀物を主成分とする餌を与えられており、GE植物 また、 得体の知れないタンパク質を生成することが分かっています。事実、これらのタンパク質の中には、GE食品が導入される以前には、ヒトの食物連鎖には存在しなかったものもあります。研究者たちが、GE食品が非GE食品よりも遥かにアレルギー性があることを発見し続けていたとしても、不思議ではありません。

これが、CAFO畜産肉である鶏肉、豚肉、あるいは牛肉に含まれるとなると、あらゆる種類の異種タンパク質にもさらされることになります。おそらく、TDP-43は、このうちの一つでしょう・・・変異型クロイツフェルト・ヤコブ病 (vCJD)は、狂牛病がヒトに感染した例であり、潜伏期間が長く、これまでの調査では、米国における認知症関連死はほとんど報告されていません。感染した人は、通常60代になって症状が現われ始めます。食品安全センター(Centers for Food Safety)が特筆しているように、 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の症状は、足元のふらつき、物忘れ、視覚障害、および認知症など、アルツハイマー病と類似しています。

慢性消耗病―この問題における別の側面

牛海綿状脳症(BSE)のもう1つのの疾患として、慢性消耗病(CWE)が知られており、、シカやヘラジカの間で目下急速にまん延しています。狂牛病については、野生動物を飼いならした結果起きた病気です。CWDは、現在、米国の22の州にいる動物に影響を及ぼしており、カナダのサスカチュワン州にある68の狩猟動物農場では、米国の狩猟動物農場の家畜が輸入されたことにより、家畜が感染しています。CWDに感染した動物は、感染後3カ月程度で、唾液や尿で感染性プリオンを振りまき始めます。これらの家畜は、死ぬまで感染したままであり、自分たちの通った地面や水辺を汚染します。

ある専門家によると、CADを引き起こすプリオンは、現在知られている限り、最も耐性がある病原体のようです。付属の動画でも説明しているように、万一、CWDがシカにまん延したようにヒトにも広まったら、それと比較すれば、HIV・エイズへの対応は「公園を散歩する(くらい簡単)」だということです。

狩猟動物農場は、ハンターに狩りを多少なりとも保証しており、これらの狩猟動物を摂取することにより、ヒトにまん延する可能性があることが深刻な問題なのです。 Landes Bioscience誌の最近の論文で、慢性消耗病(CWD)がヒトに影響を及ぼす可能性について、次のような身が引き締まる評価を下しています。

「私たちは、ネコを介在したBSEプリオンとCWDプリオンはいずれも、本来の宿主のBSEやCWDよりも効率的にrecPrP をヒトにまき散らすと仮定しており、その証拠に、新たな宿主はヒトとBSE、あるいはヒトとCWDの間の種の壁を曖昧にしてしまうのです。私たちが、プリオン病が種を超えて伝染する潜在的手段を調査しているように、新たな宿主の影響は特に関連性があります。

ハンバーガーのために自分を見失う

アルツハイマーやALSのような神経変性疾患がCAFO食品を介してまん延する可能性があるという考え方は、全く新しいものではありません。 Medical Hypotheses誌に掲載された2005年の調査には、次のようなタイトルが付けられました。「思いもよらないことを考える:アルツハイマー病、クロイツフェルト・ヤコブ病および狂牛病:年齢によって再現する有毒な食物起因の牛結核病、あるいはシェイクやハンバーガーのために自分を見失うこと」内容は以下のとおりです。

「専門家の意見では、アルツハイマー病、クロイツフェルト・ヤコブ病および狂牛病などのその他の海綿状脳症と類似する病因を考えるにあたり、十分な正当性が存在するということです。事実、 クロイツフェルト・ヤコブ病およびアルツハイマー病は、共存することがよくあり、この点において、単に時間依存的な物理的変化による違いにすぎないと考えられます。最近の調査は、 「アルツハイマー病」犠牲者全体の最大13パーセントが、本当はクロイツフェルト・ヤコブ病を患っていたことに関連しています。」[編集者強調]

研究者たちは、牛結核病がヒトの狂牛病のベクターとして機能することについても注目しています。牛結核病(ウシ型結核菌およびマイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ、もしくは副結核症によるもの)は、米国のCAFOで最も流行している病気の脅威の一つであり、研究者たちは、、米国の泌乳牛群の20~40%は、どの時点でも感染していることを示すUSDAデータを引用しています。著者によると、

「M. bovis に汚染されたミルクによる健康上のリスクは、長年知られており、どの牛乳パックにも「ツベルクリン検査済」と印字されていたのは、それほど昔の話ではありません。Schliesserは、 結核にかかった家畜の肉も、感染のリスクを高める可能性があると述べています。20世紀の変わり目には、TBで死亡した米国成人の25パーセントは、M. bovisが原因でした。乳製品はさておき、 過去および現在の食肉の摂取を要因として織り込んだ場合、肉派の人は、ベジタリアンの人とは対照的に、アルツハイマー病を発病するリスクが3倍になっています

短期間であることを除いて、アルツハイマー病と区別がつかないクロイツフェルト・ヤコブ病は、その原因を追跡した調査で、臨床学的、病理学的および疫学上の立場からM. bovisおよび関連する副結核症である畜牛の狂牛病と関連している、Roel'sおよびそれ以外向けでない部分では、冷めてしまったかもしれません。英国の南西、まさに英国BSEおよびCJDの発祥地では、海面症発生のほんの少し前に、牛結核病の急激な増加がみられました。この全てが思いもよらないこととなりました アルツハイマー病、クロイツフェルト・ヤコブ病および狂牛病は、最終消費製品もしくは食事で食肉および乳製品を食べたことにより発生した可能性があるということです。[編集者強調]

安価な肉に途方もないお金を払うのでしょうか?

私の意見では、この質問に対する答えは、「YES」です。私たちは、工場生産式の食品に、法外なお金を払うのです。CAFO畜産製品に関連した健康への影響には、他よりも簡単に想像できるものがあります。現在アメリカの死因第3位であるアルツハイマー病が、狂牛病や慢性消耗病の遅効性によるものであるかもしれないというニュースは、おそらく、大勢の人に大きなショックを与えるということです。それでも、これらの疾患同士の関連性は、受け入れざるを得ないものであり、全員で、ひとりの元凶を指差すことになるのです。工場式農場は、不衛生で、動物性副産物が混入された不自然な穀物で、動物の本来の食生活を置き換えてしまいました。

有機的で 牧草で育てられた加工肉は、人道的に飼育・解体されており、本当に 唯一 健康的に食べられる種類の食肉です。有機食品原理に従い、人道的な手法で動物を飼育している小規模な農場の肉を購入することで、このような農場が広まることの手助けとなり、これが最終的に自身の健康を守るのに役立つのみならず、積極的に消耗性疾患の種をまいている農場慣習にブレーキをかけ、最終的には、動物も含め、すべての人に利益をもたらすことになります。