知力を高める上位7種類の食品

知力を高める食品

早分かり -

  • 食事は脳の健康に大きな役割を果たし、神経変性を促進することも、また、予防することもできます
  • 知力を高めてくれる食品の上位には、ウコン、アラスカ野生鮭、ブロッコリーとカリフラワー、クルミ、セロリ、ココナッツオイル、ブルーベリーなどが挙げられます
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Dr. Mercolaより

知力を向上させたいのであれば、最良の選択肢の一つは、もっと未加工の食品をまるごと食べることです。本当の食品には、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質、そして脳細胞に栄養を与える(新しい脳細胞を成長させたりもする)植物化学物質が満載です。

こちらをじっくり考えてみてください:たくさんの野菜や果物(約1.6カップ、もしくは400グラムの分量)を1日1回食べる人は、認知テストで良い成績を収めるのですが、一方、砂糖を多く摂取する人は軽度の認知障害を発症する確率が1.5倍になります 。

そこで、食品を選ぶ際は、そこに含まれるカロリー量だけではなく、「太る」かどうかも問題となることを忘れないでください。これは、脳に良いかどうかということを含め、最適な健康をサポートするための栄養素を含む食品を選ぶ、という課題なのです。

脳に良い上位7種類の食品

1. ウコン

ウコンは、抗炎症性・抗酸化物質のクルクミンを含み、カレーによく使用される黄色のスパイスです。クルクミンは、血液脳関門にまたがって効用があります。これは、クルクミンが広範な神経学的障害における神経保護剤として有望視される理由の1つです。

研究では、クルクミンがアルツハイマー病患者の脳内の破壊性ベータアミロイドの蓄積を阻害し、既存のプラークを分解するのに役立つことが分かってています。 クルクミンが記憶力を増強し、ニューロン新生として知られているプロセスである、新しい脳細胞の産生を活性化することさえあることも確認されています。

更に注目に値するのは、動物研究では芳香族ターメルンと呼ばれるウコンの別の生物活性化合物が、ある濃度では脳の神経幹細胞増殖を80%も増加させるということ示唆している点です。神経幹細胞は、ニューロンへ分化し、自己修復に重要な役割を果たします。

この所見では、アルツハイマー病や脳卒中などの神経変性疾患において、芳香族ターメルンが脳機能の回復に役立つことが示唆されています(その効用がヒトにも適用されうる場合)。

この一言でお分かりになるはずです...カレーパウダーの中には、ウコンのパウダーと比べるとクルクミンをほとんど含んでいない場合があるため、健康のための効果を最大限獲得するためにもウコンのパウダーを選びましょう。

2. アラスカ野生鮭

アラスカ野生鮭に見られるオメガ3脂肪は、脳も含めた身体全体に抗炎効果をもたらし、脳細胞の保護に多くの効用があります。

例えば、Neurology誌に掲載された研究は、次のように結論しています。「オメガ3脂肪が最も高濃度であった年配女性は、オメガ3脂肪濃度が低い人よりも脳細胞の維持状態が良好であり、つまり、更に1、2年間、脳の機能を良好に保つことができるということなのです。」

別の研究では、少年たちにオメガ3サプリメントを投与した際、脳の前外側前頭皮質領域の活性が有意に増加しました。

脳のこの領域は、ワーキングメモリーに関連しています。研究者たちはまた、後頭皮質(視覚を処理する領域)および小脳皮質(運動を制御する役割を担う領域)を含む、脳の他の部位における変化も認めました。

オキアミ油のようなサプリメントを摂取することで、治療に必要な用量のオメガ3脂肪を得ることができます。一方で、オメガ3を食物源で摂りたいのであれば、野アラスカ野生鮭 (イワシとアンチョビも一緒に)が最高です。

多くの人が福島の放射線による鮭の汚染を心配していますが、これまでVital Choiceから主情報を得ており、またVital Choiceは定期的に鮭に含まれる放射線をチェックしていますが、これまで一度も検出されていません。

3. ブロッコリーとカリフラワー

ブロッコリーとカリフラワーは、脳の発達においてその役割が良く知られているビタミンBであるコリンの優れた供給源です。

妊娠中にコリンを摂取すると、子宮内にいる動物の脳の活動を「スーパーチャージ」して認知機能を高め、学習と記憶を向上させ、人生の後半にまで脳の保護に寄与して、加齢に伴う記憶低下や幼少期の毒素に対する脆弱性を低下させます。卵と肉はコリンのまた別の食物源として利用できます。

ブロッコリーには、抗炎症性フラボノイドケンフェロールや3種類のグルコシノレートフィトニュートリエントなど、身体の解毒作用をサポートする追補的な効用もあります。

4. クルミ

クルミは植物性オメガ3脂肪、天然植物ステロール、抗酸化物質の優れた供給源であり、高齢のラットでは、脳の老化を逆行させることが示されています。特にDHAは脳の機能を向上させ、ときに脳の治癒を促進することさえあることが確認されているオメガ3脂肪の一種で、クルミとは対照的に、オキアミ油やアラスカ野生鮭などの動物性のオメガ3の供給源に多く含まれています。

クルミには、脳に対し多くの効用があるビタミンE、葉酸、メラトニン、抗酸化物質などの多くの神経保護化合物も含まれています。研究では、たとえば、クルミの消費が若い成人の推論的思考を増加させ、脳の健康を支持している可能性を示しています。

また別の研究では、クルミのように高濃度の抗酸化物質を含む食品を摂取することで「加齢に伴う酸化ストレスに対する脆弱性の増加が緩和される」、「健康寿命が向上する」、および「加齢時の認知機能および運動機能が向上する」ことが分かっています。

5. セロリ

セロリは、神経変性の第一原因である脳内の炎症を緩和する、植物性化合物のルテオリンが豊富な供給源です。また、ルテオリンはマウスの加齢に伴う記憶喪失率の低下と関連しており、ルテオリンを含んだ飼料を与えた高齢のマウスは、学習と記憶に関連した実験でスコアが良好でした。セロリに加えて、ピーマンやニンジンもルテオリンの優れた供給源です。

6. ココナッツオイル

脳が必要とするエネルギーの主な燃料がグルコースです。一方で、脳は1種類以上の燃料で稼働でき、そのうちの一つは、ケトン(ケトン体)、またはケト酸です。ケトンは、 (グルコースとは対照的に) 脂肪をエネルギーに変換するときに身体で産生されます。

ココナッツオイルの約66%が中鎖トリグリセリド(MCT)であるため、ココナッツオイルに含まれるMCTは、ケトン体の「偉大なる」供給源となっています。中鎖トリグリセリドは直接肝臓に向かい、ここで脂肪分を自然にケトンに変換します。それから肝臓は即座にケトンを血流中に放出し、そこでケトンは脳に運ばれ、燃料として即座に利用されます。脳はグルコースで稼働すると満足しますが、脳内のニューロンや神経機能が損傷を受けた後でも、ケトン体がその回復と再生を実際に助けている可能性がある、という証拠があります。

治療で用いるMCTの摂取レベルは、20g /日として研究されます。Mary Newport博士の研究によると、ココナッツオイル大さじ2杯分(約35 ml、または小さじ7杯分)が、20グラムのMCTに供給に相当します。これを変性神経疾患に対する予防措置、 またはすでに確立された症例の治療法としてのいずれでも使用することができます。

7. ブルーベリー

ブルーベリーに含まれる抗酸化物質やその他の植物性化学物質は、学習、思考および記憶の改善と神経変性の酸化ストレスの減少に関連しています。ブルーベリーは他の果物と比較してフルクトースの含有も比較的少なく、健康に良い果物の一つとなっています。アントシアニンや抗酸化物質を多く含む野生ブルーベリーは、アルツハイマー病やその他神経疾患を防ぐことで知られています。

野生ブルーベリーは、望ましくない食事(高血圧性の全身性炎症など)の影響を軽減しうることさえあることが分かっています。最近の動物実験では、野生ブルーベリーが望ましくない食生活による炎症促進作用を軽減し、高血圧を予防して、脳の健康にも有益であることが示されています。

甘党は脳をだめにするのでしょうか?

糖分や穀類に過度に依存するようになると、脳が常に高濃度のグルコースとインスリンに圧倒され、これによりインスリン信号伝達が阻害され、思考や記憶能力の支障につながり、場合によっては永続的な脳の損傷となってしまいます。

更に、肝臓がフルクトース(肝臓で脂肪に変わる)の処理に忙殺されていると、コレステロールを生成する能力が著しく妨げられますが、コレステロールは脳の重要な防御機能であり、脳機能を最適に維持するために不可欠です。実際、多くの証拠により、果糖の消費を大幅に減らすことがアルツハイマー病予防のための極めて重要な手順であることが裏付けされています。

更に、グルテンに反応し、腸内でゾヌリンと呼ばれるものが作り出されます。小麦、大麦およびライ麦に含まれるグルテンタンパク質は、腸の浸透性を良くし、本来なら排出されていたはずの未消化のタンパク質や細菌などの腸の内容物を血流に乗せます。このようにして免疫系が増感され、炎症と自己免疫を促進されます。

グルテンが腸内の透過性を増加し過ぎてしまうと「漏れ」状態となり、カゼインや他の乳タンパク質を含む、過去に排出されていたタンパク質のすべてが血流に直接乗ることになるため、自己免疫のまさに定義にある通り、免疫システムに負荷となってしまいます。

Perlmutter博士によると、脳疾患を含む現在の疾患の負荷の多くは、人類の歴史の中で、免疫系がこれまで一度も晒されたことのないタンパク質がヒトの免疫系を汚染していることに起因しているからだそうです。

より健康的な脳を作るためのライフスタイル上の戦略

脳は加齢に伴って収縮し、うまく動かなくなるように当然として「プログラム化」されているわけではありません。実際、賢い選択をすることで、ずっと大きく、ずっと優れた脳を作ることができます。脳細胞のニューロン新生および再増殖を促進するためのライフスタイル上の戦略には、以下が含まれます。これらの戦略はすべて、BDNF、または脳由来の神経栄養因子と呼ばれる特定の遺伝子経路を標的とし、MRIスキャンで示されるように脳細胞の増殖および連結を促進するものです。

  • 運動。身体活動は生化学的な変化をもたらし、身体だけでなく脳、特に記憶と学習に関連する領域を強化し更新します。
  • インスリン抵抗性がある場合は、断続的な絶食など、全体的なカロリー消費を減らす。
  • 砂糖や穀物を含む炭水化物の消費量を減らす。
  • 健康的な脂肪の摂取を増やす。特に体と脳が最適に機能するために必要とする健康増進型の有益な脂肪には、生乳から作った有機バター、ギーと呼ばれている浄化された液状バター、有機の牧草を食べた牛乳から取れる生バター、有機バージンオリーブオイル、ココナッツオイル、ピーナッツやマカダミアなどのナッツ類、放し飼いの鶏から取れる玉子、アラスカ野生鮭、アボカドなどが例として挙げられます。
  • オメガ3脂肪の摂取量を増やし、オメガ3脂肪とオメガ6脂肪のバランスをとるために、損傷したオメガ6脂肪(加工された植物油のことと考えて下さい)の摂取量を減らす。オキアミ油は、(アラスカ野生鮭のように)脳の健康に特に有益な アスタキサンチンを含んでいるので、上手く作用します。