Dr. Mercolaより
米国では推定540万人が アルツハイマー病に罹っていると見られます。この病気は認知障害の重篤な形態の病です。 さらに、最近判明したこととしては、「海馬温存型」アルツハイマー病とい診断ミスされがちなアルツハイマー病亜種に数十万人が掛かっている可能性があります。
ニューヨークタイムズのブログで最近ダニエル・オフリ医師が紹介しているように、マインドの喪失とこれに付随する自分としての人格性や尊厳の大半の喪失は恐るべきことです。この事情をさらに悪化させていることとして、多くの医師は同僚や患者ともに認知障害に対処することを避ける傾向があります。
これには多くの理由があります。オフリ医師の示唆するところによると、アルツハイマー病は多くの臨床医師の感情的な核心部分にとってのショックなので、彼らのキャリアは自分のマインドと知性の安定性と機能に依存しているからです。端的に言うと、この病気について打ち明けることが怖いのです。
しかし、アルツハイマー病の進行を予防または修正させる戦略がないする同医師のコメントに私は強く反対します。初期診断テストは供給不足であり、成功する治療は事実上皆無である一方では、予防のこととなると望みはあり余るほどあることが判明しています。
そうだからこそ、医師は状況に望みが無く患者が手の差し伸べようがない犠牲者である、という発想の罠に陥らずに、この予防プログラムに取組み、患者を健康なライフスタイルに指向させるようにすべきなのです。
アルツハイマー病には従来確立した治療法がないので、今すぐまたは近い将来に、予防という問題はアルツハイマー病に掛かりたくなければ絶対重要なことであると、私は確信します。
医師は心臓と脳の健康を生涯促進するようなライフスタイル戦略について20~30代の患者にカウンセリングを開始すれば理想的といえます。そうすればこの世代のアルツハイマー病発生統計に大きな変化が生まれる可能性があります。
現状を見るとわかる通りで、特に食習慣といったライフスタイルの要因が認知障害の駆動力となっていることを示す証拠があります。アルツハイマー病と食習慣に関連する糖尿病や心臓病といったその他の疾患の間に多くの関連性があり、これら全ての疾患は共通の手段を用いて予防することができます。
例えば、以前の研究は、糖尿病患者はアルツハイマー病になるリスクが二倍高いことを示唆していました。2005年に研究者らがすい臓のほか脳が脳細胞の生存に欠かせないインスリンを生成することを発見したとき、アルツハイマー病は「III型糖尿病」とまで試みまでに呼ばれたことがあります。
ADDLと呼ばれる毒性タンパク質がインスリン受容体を神経細胞から消滅させ、ニューロンにインスリン耐性が具備され、ADDLの蓄積にともない、記憶力が減退し始めることを、医師らは発見しました。最近の研究では、心臓病がアルツハイマー病の確率を高めることも指摘されています。
ニューヨークタイムズのベストセラー 『「いつものパン」があなたを殺す』(原題:Grain Brain)の著書デイビッド・パールマター医師に私は昨年と今年春に会見しました。私の見解では、パールマター医師はおそらく米国では先導的統合医療神経科医であってその助言は明確です: アルツハイマー病は正しい食習慣によって予防できる。
神経学的症状を長年処置してきた同医師は、この分野の医療が根本原因を突き止められないことに益々憤りを感じていました。この憤りが結局彼をして栄養素の役割について研究させることとなり、脳の機能障害が現代的穀物の多い食習慣に根付いているという確信に至らせました。パールマター医師によると:
「[アルツハイマー病]は予防可能な病気です。これほど多くの壊滅的神経疾患が実際にはライフスタイルの選択に基づいて修正できることについて議論する人が誰もいないことに本心驚いています。本質的に今までに把握した事実は端的に言うと、糖分と炭水化物の多い食習慣と同様に低脂肪の食習慣が脳には壊滅的であることです。炭水化物入りの食事をする限り、アルツハイマー病に突き進んでいるようなものです。
私はこの点について根本的に明確にしておきます。炭水化物を含む食習慣はアルツハイマー病につながる。これはかなり奥行のある言明ですが、それでも自分で食習慣を管理できることに気付くと、このことは力付けてくれます。私たちは脂肪か炭水化物のどちらを好むか自分で選択を制御しています。」
同医師の著作「いつものパン」は砂糖と炭水化物が脳を破壊する仕組みと神経学的な健康のためになる食べ方を説明しています。炭水化物の多い食事が認知障害リスクを89%高めることに関連している一方、高脂肪分の食事がこのリスクを44%下げることを暴露したマヨークリニックの研究で同氏は注記しています。こうした健康によい脂肪分と極めて糖分と炭水化物を少なくした食事の組合せは、アルツハイマー病ばかりではなく、糖尿病や心臓病に対処するための鍵を握っています。
これらすべての条件はインスリンとレプチン耐性にルーツがあり、食習慣を改善すればこれらすべての要因に共通しています。このことを理解すれば、予防したい病気ごとにすべきこととしてはならないことを覚える必要がなくなり、生活し易くなります。その代わりに行うべきことは健康を最適化することに注目した心構えに発想を転換することです。このようにすると疾病予防がメリットのある「副作用」になります。
2013年8月にNew England Journal of Medicineに公表されたある研究は、105や110程度の血糖値の穏やかな上昇でさえ、認知障害のリスク増に関連していることを実証しました。パールマター医師は、この連関性を医師が認識し、たとえ若干でも血糖値が上昇することに関連するリスクを軽視しないとが極めて重要であると考えています。では、最適な空腹時の血糖値はどれ程でしょうか?
パールマター医師は92や93を超えれば高すぎると示唆しています。最適な空腹時血糖値は約70~85、最大でも95であると同氏は考えています。空腹時血糖値が95 mg/dlを超えていれば、食習慣を変えてこれを下げる時期です。脂肪に慣れている場合は、空腹時血糖値70未満を避ける理由はありません。体はエネルギー源として脂肪を貯蔵できるからです。パールマター医師によると:
「脳は糖分を必要とするという考えは実に古臭いニュースです。脂肪、特に脂肪の新陳代謝で生産されるケトンは今では「脳の超燃料」と呼ばれています。今や患者の血流内のケトンや脂肪濃度を高める、アルツハイマー病の治療用として現在は提供されている、処方することも可能な医療食品としての医薬品さえあります。どなたかご存知ですか?ポイントは、脳は脂肪を燃やすのがたいへん好きだということです。これこそ食習慣を変えるべき方向性です」
人類の祖先は飽和脂肪酸が極めて高くほぼ野菜以外の炭水化物のない食事をしていました。今日では、大量の炭水化物を食べるだけではなく、これらの炭水化物は精製され、高度に処理されています。過去十年間に遺伝子操作穀物と砂糖(GMOテンサイやトウモロコシ)への移行も生じました。火に油を注ぐ現象としては、これまでの60年間に旧来の医療権威者は飽和脂肪酸 が心臓病の原因となり、厳粛に制限すべきであるとさえ警告してきました。
こうした不適当な脂肪忌避が認知障害その他の神経系異常の劇的増加に重要な役割を疑いなく演じてきました。脳は脂肪なしでは正常に機能できないからです! 摂取する脂肪の種類こそこの世における大きな違いを生みます。日常食品の賞味期限を伸ばすために変性されたトランス脂肪や硬化脂肪をすべて回避するようにしましょう。これにはマーガリン、植物油およびバターを模した植物油のスプレッドが含まれいます。健康的な食事に追加したい、健康的な脂肪を含む食品には次があります:
✓ アボカド
✓ バター(牧草で育てた牛から絞った生乳から作ったもの)
✓ 生の乳製品
✓ 有機放牧されたトリの卵黄
✓ ココナッツとココナッツ油(ココナッツ油 はその本質上またこれのみを摂取するだけでもアルツハイマー病の効果的処置として現在有望視されています)
✓ 非加熱の有機落花生油
✓ ピーカンやマカダミアのような生のナッツ類(たんぱく質が低く、健康な脂肪を多く含みます)
✓ 牧草で育てた食肉や放し飼いで育てた鶏肉
脳の機能を最適にし、アルツハイマー病を予防するのに役立つ食習慣関連の戦略を以下にまとめました:
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