線維筋痛症が実在する証拠

疲労感

早分かり -

  • 研究者たちは線維筋痛症のある人の脳に、筋肉痛や疲労などの症状である慢性的症状としての、異常を検出しました。
  • 線維筋痛症による疼痛がうつ症状によるものだということを示唆する研究者もいますが、新たな研究では別の点について示唆しています。この異常は、不安や気分の落ち込みの度合いから独立していました。
  • 研究者は、線維筋痛症と診断された女性20人とこの症状のない、コントロールグループとして待遇した10人の健常人女性について評価を行いました。
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研究者たちは線維筋痛症のある人の脳に、筋肉痛や疲労などの症状である慢性的症状としての、異常を検出しました。

線維筋痛症による疼痛がうつ症状によるものだということを示唆する研究者もいますが、新たな研究では別の点について示唆しています。この異常は、不安や気分の落ち込みの度合いから独立していました。

研究者は、線維筋痛症と診断された女性20人とこの症状のない、コントロールグループとして待遇した10人の健常人女性について評価を行いました。研究者は、単光子放射型コンピュータ断層撮影、つまりSPECTと呼ばれる脳画像診断を実施しました。

この画像診断により、病的な症状のある女性に「脳灌流」、つまり脳内の血流異常があることが分かりました。この異常は、病状の深刻度と直接相関性がありました。

痛みの強さを識別することで知られる脳の領域には、血流の増大が認められました。

Dr. Mercolaより

米国の人口の2パーセントから4パーセントが線維筋痛症であり、そのうちの10人中9人が女性であると推定されています。上記の調査のような研究が現われるようになれば、線維筋痛症が「実在する」かどうかに関する論争は休止となるはずです。

そして事実、線維筋痛症は、実在し、時として体を衰弱させる疾患です。線維筋痛症を患う人は、極度疲労と共に、筋肉、じん帯、腱など体中の痛みを訴えます。また、典型的な「圧痛点」、つまり僅かな圧でさえひどい痛みが起きる部位も体にあります。

線維筋痛症の物理的証拠

線維筋痛症の原因は、未だ不明ですが、リウマチの国内データバンクの部門長であり、線維筋痛症診断ガイドラインを最初に定義した1990年の論文の筆頭著者である、Frederick Wolfe博士は、線維筋痛症が主に精神的なストレスや情動性ストレス、うつ症状、および経済的な問題や社会的な問題に対する不安への身体的反応であると考えています。

私が会ったことのある線維筋痛症の人は、ほぼすべて、根底にある情緒構成要素に悩んでいたので、博士の主張には同意せざるを得ません。

これは、線維筋痛症が「みな頭で考えていることに関連している」という意味ではありません。上記の研究で明らかな通り、SPECT画像診断では、線維筋痛症の女性の脳に血流異常が確認されています。特に、痛みの強さを識別することで知られる脳の領域には、血流の増大が認められました。

数年前に実施された同様の調査 では、ほぼ同一結果となりました。 この調査では器具で断続的に、線維筋痛症患者の左の親指の爪に異なる圧力レベルをかけながら、機能核磁気共鳴断層装置(fMRI)で知られる詳細な脳スキャンを受けました。

調査に参加した全員が同様の中程度の圧力を受けた時、線維筋痛症患者の脳内には、コントロールグループの脳内より血流の上昇がずっと高くなったのです。これより最近の調査では、神経作用の「代替処置」として、痛みと関連する脳の領域に血流上昇が発現しました。

更に、研究参加者に異なる圧力レベルを与えた際、線維筋痛症患者は、健常コントロールグループが同様の痛みを感じた圧力レベルの半分のレベルで痛みを訴えていました。よって、線維筋痛症患者の中央神経系統が痛みによる刺激を処理する過程に何か間違いがあるのは明らかです。

リリカに関する簡単な警告

線維筋痛症の疼痛は、ひどくなることがあり、大抵の人は、従来の痛み止めでは、効きません。ですから、線維筋痛症疼痛治療として承認された最初の薬剤であり、リリカをFDAが承認した時にあれほどまで派手に宣伝をした理由が容易に分かります。

リリカ は、元々、結果が芳しくなかったために却下された、糖尿病性神経疼痛向けに設計された薬剤で、体重増加、浮腫、めまい、眠気などの副作用がたくさんあります。

リリカを取り巻く主な事柄の一つは、多くの線維筋痛症患者が既に体重超過であることを特に考慮すると、この薬剤が実質的な体重増加の原因となる傾向があることです。この薬の治験が3カ月行われた際は、患者の9パーセントが7パーセント超の体重が増加となり、経時的にこの体重が一定して増え続けました。

そして、既にお気づきのように、 線維筋痛症は、薬で治療できないことを考えると、これは、途方もないリスクです。

自然な手法で線維筋痛症疼痛と症状を緩和する

線維筋痛症の自然治癒プログラムでは、三方向のアプローチを網羅してください:

1. 情緒面の回復

過去の心的外傷に対する生体エネルギー正常化は、今の時点で知る限り、線維筋痛症の最も効果的な単独治療です。

ここで利用できる技法は、たくさんありますが 感情開放テクニック (EFT) が今でも私のお気です。EFTは、非常にもてはやされたアルバート・アインシュタイン(身体も含めすべてがエネルギーで構成されている)と更に古の知恵である中国の鍼を取り入れた手法です。

本質的にEFTは、鍼が使われないこと以外は、鍼の感情バージョンです。鍼の代わりに、指先で特定の開放点をトントンと叩いて刺激します。更に、基本的なEFTは、誰でも習得でき、自分にも応用できます(通常は数分)。

2. 食生活を変える

線維筋痛症の人は、以下を含む食品を一つあるいは複数、食卓から取り除くことで症状の緩和が実感できる場合があります:

  • トウモロコシ
  • 小麦
  • 乳製品
  • 柑橘類
  • 大豆
  • ナッツ類

3. 運動

線維筋痛症の痛みに悩む人は、運動を敬遠しがちであり、それは理解できます。一方で、研究から分かるように、有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせれば、線維筋痛症病状の改善が可能です。

ハーバード大学の研究者による調査の一つでは、20週間の運動を行った後に線維筋痛症の症状のあった女性に筋力および筋持久力の改善が観察され、疼痛、こわばり、疲労感およびうつ状態などの症状が少なくなりました。

もし、読者もしくは読者の大切な人が線維筋痛症であるならば、治癒過程を安全に助長する運動を指導できる運動の専門家と一緒に行うことを強くお勧めします。

最後に、心的外傷の正常化をめざして努力しているなら、以下の治療法は、痛みを和らげ、適正な健康状態に正しく戻していくために更に役立ちます。

  • 神経構造的統合テクニック(NST) -- NSTは、奥深い、驚きの筋肉正常化効果を持つ、穏やかなマッサージようの一連の技術です。 マッサージや、大抵の整骨や整体とは異なり、この有効性は、長時間持続するらしく、食生活や過去の心的外傷に取り組んでいると仮定した場合には、通常は3分から10分のセッションで恒常的な軽減をもたらします。
  • カイロプラクティック療法 -- 特にTBM、NETおよびBESTなどの情緒構成要素を扱うカイロプラクティックにおける原理です。
  • 鍼治療 -- 西洋医学では、鎮痛点に鍼を使うと数秒以内に脳の主要な領域の血流を遮断することが分かっており、これでこの古代の技術が疼痛をどのように緩和しているかが説明できるかもしれません。 また、鍼は、体の天然鎮痛化学物質の働きを助ける場合があり、調査では、 線維筋痛症の疼痛が最大16週間緩和することが分かりました。