Dr. Mercolaより
トマトは実際には果物であって野菜ではなく、多くの貴重な栄養素を含んでいます。近年の研究によると、 有機栽培したトマトは、従来手法で栽培されたトマトよりもずっと栄養価が高いということです。
トマトに含まれる栄養素で最もよく知られる1つがトマトに濃い赤色を与えている化合物であるリコピンです。
リコピンは強力な 抗ガン活性のあることが証明されている、極めて重要な抗酸化物質です。リコピンは体内で自然に産生されるものではないため、食事で補給しなければなりません。
他の果物や野菜にはリコピンも含まれていますが、トマトが誇るほどの高濃度のリコピンを含むものは他にありません。
興味深いことに、加熱は貴重な栄養素を壊してしまいがちなため、他の多くの生の食品の場合、栄養素の生体利用効率が減少してしまいますが、リコピンの場合は、調理するとその生体利用効率が減少するどころか 増加 するのです。
つまり、缶の内面素材には、有害な内分泌かく乱化学物質であるビスフェノールA(BPA)のような潜在的エストロゲン模倣化合物を含む傾向があるため、缶詰のトマトやトマトソースは、避けるのが一番です。最善策は、自分のオーガニックトマトソースをゼロから作るか、ガラス瓶入りで売られているオーガニックソースを購入することです。
天然の肥料で合成農薬を含まない健康な土壌で栽培された食品は、より栄養価があるというのは、全く持って道理にかなっていると分かります。これは農家の常識なのですが、大規模な産業農業モデルを保護するため、この古来の良識が米国では大幅に抑制されているのです。
機関誌の PLOS One誌 に掲載された最近の調査では、有機栽培規格に従ってトマトを栽培した場合、農薬を使用した従来どおりの栽培によるトマトと比較して、フェノール含量が劇的に上昇するそうです。
研究者たちは、ブラジル近郊の土地で栽培された有機栽培と従来栽培のトマトの総フェノール含有量を比較しました。土壌や気候条件は栄養成分に影響するであろうと考えられますが、この研究においては両方の品種がよく似た土壌および気候条件で栽培されたため、トマトがずっと正確に比較できました。です。
著者によると:
「この研究は、農業システムに関連するストレス条件の結果として、有機農業のトマト果実はフェノールやビタミンCなどの栄養化合物をより多く蓄えるとう、という仮説を検証する目的で実施されました。」
販売向けに成熟した段階で、従来の栽培手法で育ったトマトと比較すると、有機栽培トマトはビタミンCは、55%多く、フェノール含量は、139%多く含まれることが分かりました。著者によると:
「これは、有機栽培した果実の実が発達したことから観察されたフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)が2倍以上の活性を示したことと一致しているとようです。
両者併せて考えると、有機農業のトマト果実は酸化ストレスが引き起こすストレス条件を経た結果、果糖やビタミンCやフェノール化合物などの果物の栄養品質に寄与する糖やその他の化合物である可溶性固形物が高濃度で蓄積することになったと見ています。」
トレードオフが存在しており、これは サイズでした。従来のトマトは、かなり大きかったです。しかし、多くの消費者は気にせず、サイズと品質を同一視しますが、それはまったくもって正しくありません。少なくとも有機栽培トマトの場合、それがたとえ更に小さな「パッケージ」に入っていても、より多くの栄養が得られます。
もっとも、このことは他の有機栽培農産物にも当てはまる傾向があります。2009年に発表された調査によると、アメリカ産の 農産品は、これまで以上に大きい一方で、祖父母時代の作物よりも含まれる栄養素が少なく、味も貧弱です。
実際、今日のスーパーマーケットで販売される平均的な野菜では、ほんの50年前に収穫されていた野菜に含まれるマグネシウム、鉄、カルシウム、亜鉛などのミネラルがどれも5%から40%少なくなっているのです。特集の研究記事が示しているように、ジャンボサイズの農産物は、他のいずれの作物よりも多くの「乾燥分」を含み、これがミネラル濃度を希釈することになります。
これまでの研究で、有機栽培の野菜と従来の栽培方法で育てた野菜の間に栄養の違いがあることが分かっています。例えば、 Journal of Agricultural Food Chemistry誌 に掲載された2003年の研究では、有機栽培された食品はガンと闘病する上でずっと有効であることが示されていました。また、2005年には、科学者たちは従来の餌を摂取したラットと比較して、有機栽培した餌を給餌されたラットに様々な健康上有益であることが判明しました。
有機栽培または最小限の肥料で栽培された食餌を摂取したラットは、以下の事項が観察されました:。
栄養の組成、および、有機栽培の作物と従来の作物の違いを評価する他の研究には、以下などがあります:
研究者たちは果物や野菜を栽培し、更に、隣接する有機作物および非有機作物耕地で牛を飼育し、以下のことが分かりました:
この結果は、1日に推奨される果物と野菜の5品を食べていない人たちが有機栽培された食品を食べることで、その栄養摂取量の増加に役立つ、と述べているなど、非常に衝撃的でした。ます。栄養が改善される可能性に加え、有機栽培の理想的な地元産の食品を選ぶ他の理由としては、食糧の質の良さ、味の良さ、そして地元の食品の場合は長距離の輸送時間が無かった故に新鮮さが増す、ということなどがあります。
多くの「健康」専門家が、有機栽培された農産物と従来どおり栽培された農産物との間にはほとんど違いがない、と主張していますが、その主張はどうみても薄弱です。たとえば、スタンフォード大学 による2012年のメタ分析が広範な報道取材を受けましたが、従来の報道各社はほぼ例外なくオーガニック食品の価値について疑問を投げかけていました。そこで皆さんが、この研究がスクープした 本当の 意味を知るためには代わりのメディアの読者となる必要がありました…。
一言で言えば、このメタ分析は、有機栽培の食品と従来栽培の食品(17のヒトの研究を含む)を比較した240の報告書から、有機栽培の食品なら毒素の摂取量が少なくて身体にとって健康的で安全であるという確信があるならば、有機栽培の食品は従来栽培の食品よりも安全で、更におそらくは健康的であると掲載したのでした。スタンフォードの研究では、興味深いことに有機栽培された食品は特にフェノールの含有レベルが高い傾向があること も 判明しました。
健康な土壌で有機栽培された食品は、腐敗した土壌上で合成化学物質と共に栽培された従来の食品よりも栄養価が高くなると私は考えていますが、有機栽培された食品の本当の 大きな 利点は、 毒素負荷の軽減なのです。合成肥料、除草剤、殺虫剤などの農薬は、次のような様々な健康上の問題を引き起こす可能性があります。
トマトには、抗ガン作用を有するフラボノイドおよび他の植物化学物質が豊富に含まれます。トマトはまた、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB複合体、カリウム、マンガン、リンに加え、種子を取り巻くゼリー様の物質に最も集中して含まれるルチン、ゼアキサンチン、ビタミンCの優れた供給源です。それほど知られているわけではありませんが、次のような他の植物栄養素がトマト内で発見されています:
リコピンに話を戻すと、これはカロチノイド抗酸化物質で、トマトやスイカのような果物や野菜をピンクや赤色に染めるものです。そしてリコピンは十分に摂取しているかどうかを常に確かめたい重要な栄養素です。
リコピンの抗酸化作用は、βカロチンなどの他のカロチノイドよりも強力であることが長年にわたって示されており、最近の研究で 脳卒中 のリスクを大幅に低下する場合があることが明らかになりました(他の抗酸化物質にはこの作用はありません)。これは40歳代の半ばから50歳代までの男性1000人以上に対し12年以上継続した2012年の分析結果です。
高齢にともなう疾病や糖尿病など脳卒中以外の危険因子を制御した後で、リコピンの血中濃度が最高であった男性は、リコピンの血中濃度が最低だった男性よりも脳卒中になる確率が55%低くなることが判明したのです。αカロチン、βカロチン、αトコフェロール(ビタミンE)、レチノール(ビタミンA)を含む他の抗酸化物質では、そのような効果は表われませんでした。
リコピンは脂溶性の栄養素であり、適切に吸収されるためには食事中の脂肪と一緒に摂取されることが必須となります。従って、オリーブオイルや牧草を食べた牛の肉など、健康な脂肪源を含んだ、じっくりと調理されたトマトソースが理想的な供給源になりそうです。
注意点: トマトソースを作るときは、新鮮なトマトを使いましょう。缶詰のトマトには、糖尿病、心臓病、乳ガンおよび前立腺ガンのリスク増大、神経学的な影響、生殖障害および肥満をなど、数々の健康問題に関係する強力なエストロゲン模倣薬であるビスフェノールA(BPA) を含むライニングが使われているからです。
もう一つのポイント:ケチャップをたくさん食べる場合は、有機栽培バージョンのケチャップを選ぶ(もしくは、一般的な砂糖と高果糖コーンシロップを原料とする通常のケチャップではない甘味を加えていないケチャップを同様に選ぶ)よう検討するとよいでしょう。有機栽培トマトのケチャップは、従来の国内ブランド品よりリコピンが57%多く含まれています。
トマトは、他の多くの生の食品とは違い、生で食べるよりも 調理 したほうが実際は身体に良いかもしれません。研究によると、調理されたトマト(トマトソースやトマトペーストなど)は、体内に吸収されるリコピンの量を増加させるだけでなく、抗酸化作用を向上させます。ある研究では、 トマトを2分間、15分間、および30分間、華氏190度(摂氏88度)に加熱すると以下の効能が示されたのです。
健康に立ち返る最も簡単な方法は、自然が意図して通りに栽培され、あるいは自然のまま育成された、総合的な有機栽培食品に重点を置くことです。つまり、持続可能な農法を使用し、化学添加物、農薬、肥料を使用せずに作物を栽培育成することです。自分自身で育成することもできます。蒔く種子の種類を選べば、自身の庭が豊かで肥沃になるようじっくり取り組むことができ、そこで育てる野菜がどれくらいみずみずしく健丈となるかですらきまります。先祖伝来の種子は可能な限り最良の作物を産出するため慎重に栽培されてきた種子であり、頑丈で実り多いです。
特集記事となった研究から明らかな通り、有機栽培の規格に従って育てられた果物や野菜は通常、栄養価が優れていますが、たとえそうで なくても、有機栽培農産物は最終的に摂取することになる毒性のある残渣の量を制約することになり、このことは有機栽培の作物自体の大きな利点といえます。
トマトに関して言えば、リコピンの最も強力な供給源の一つであり、抗ガン作用があり、脳卒中リスクを減少させる可能性があることが示されています。リコピンは脂溶性の栄養素であるため、生で食べる場合や調理する場合のいずれにおいてもオリーブ油などの脂肪分と一緒にトマトを食べるよう心掛けてください。トマトの酸性度が缶の内側の表面の素材からの有毒なBPAの放出を増加させるので、缶入りトマトは避け、トマトペースト、ケチャップ、またはトマトソース、もしくは丸ごと一個のトマトを使う場合は有機栽培の品種を選ぶようにしましょう。
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