Dr. Mercolaより
きゅうり は、瓜、かぼちゃ、 スイカ (ウリ科)と同じ植物に属します。スイカ同様、きゅうりは、ほとんど(95パーセント)が水でできており、これにより暑い夏場にきゅうりを食べると水分補給になる訳です。
一方で、年間を通してきゅうりを食べた方がよい理由もあります。ビタミンK、ビタミンB類、同、カリウム、ビタミンCそしてマグネシウムのあるきゅうりは、一般的なアメリカ人の食卓にならぶ食物に広く知られる栄養不足を解消するのに役立ちます。
加えて、きゅうりには、慢性疾患、およびそれよりももっとたくさんの疾患のリスクを低減することのできる独自のポリフェノールやその他の化合物が含まれます。
1. 脳を守る
きゅうりには、抗炎症作用を持つフィセチンと呼ばれるフラボノールが含まれ、これが脳の健康に重要な役割を果たします。年齢と関連して低下していく記憶や神経細胞を向上し、保護することに加えて、 フィセチンは、アルツハイマー病のマウスにおいて進行性記憶障害や、学習障害を予防することが分かっています。
2. ガンのリスクを低減する
きゅうりには、リグナン(ピノレジノール、ラリシレシノール、セコイソラリシレジノール)と呼ばれるポリフェノールも含まれ、リグナンは、乳ガン、子宮ガン、卵巣ガン、前立腺ガンのリスクを低減する役割をする可能性があります。これらの物質にもククルビタシンと呼ばれる、やはり抗ガン作用を備える植物栄養素が含まれます。ジョーッジ・メーテリアン財団によると次のようなことも分かっています:
「科学者たちはすでに、ガン細胞発現やその存続に必要な違うシグナル経路が複数(例えば、JAK-STATやMAPK経路など)がククルビタシンの作用によってブロックできると結論しています。」
3. 炎症緩和
きゅうりは、体内の炎症性反応を「冷却」するのを助け、また、研究では、きゅうりエキスが炎症誘発性酵素(シクロオキシゲナーゼ-2、つまりCOX-2など)の作用を抑制するなど、好ましくない炎症性反応を低減するのに役立つということを示唆しています。
4. 抗酸化特性
きゅうりには、ビタミンCやベータカロチンとして既知のものを含め、多数の抗酸化物質が含まれています。これらの抗酸化物質には、ケルセチン、アピゲニン、ルテオリンおよびケンフェロールなどの、更なる効能を提供する 抗酸化フラボノイドも含まれます。
例えば、ケルセチンは、多くの人がヒスタミンの放出を防止すると信じている抗酸化物質であることから、ケルセチンリッチな食品を「天然の抗ヒスタミン」と足らしめています。一方で、ケンフェロールはは、ガンと戦うのを助けたり、心臓病など慢性疾患のリスクを低減する可能性もあります。
5. 息を爽やかにする
口の口蓋の上にきゅうりをひと切れ載せれば、口臭の原因となる細菌を取り除いてくれる可能性があります。アーユルヴェーダの原理によると、きゅうりを食べると、嫌な口臭の主要な原因と言われている、胃の内部の余剰な熱を放熱する役目をすることがあります。
6. ストレス管理
きゅうりには、ビタミンB1、ビタミンB5、ビタミンB7(ビオチン)などのビタミンB群が含まれています。ビタミンBは、不安な気持ちを和らげたり、ストレスの影響によるダメージを多少緩衝する働きがあることで知られています。
7. 良好な消化を促進
きゅうりは消化の健康に必要な基本要素の2つを豊富に含みます。水と食物繊維です。ジュースやサラダにきゅうりを加えれば、1000カロリー摂取するごとに50グラムが体に必要とされる、理想的な食物繊維の量を満たすこともできるでしょう。呑酸に悩まされている場合は、 水を飲むこと で一時的に胃のPHが上がることによる呑酸の急性症状を抑えることができます。
きゅうりの表皮には、不溶性繊維が含まれており、これが便の嵩を増やす役目を果たします。きゅうりの不溶性繊維が 腸管をより素早く通過して 健康的な排せつを促します。
8. 健康的な体重を維持する
きゅうりは非常に低カロリーですが、満腹感のあるスナックにもなります(薄切りにしたきゅうり1カップ分がほんの16カロリーです)。きゅうりの可溶性食物繊維は、溶解して腸の中でゲル様の質感となり、消化速度を 緩やかに します。これが満腹感が長持ちするのを助け、また、 食物繊維豊富な食品 がウェイトコントロールに有効である理由の一つでもあります。
9. 心臓の健康に役立つ
きゅうりには、血圧を下げることに関連している カリウムが含まれます。体の細胞の内側と外側のカリウムのバランスが適切であることは、体が適切に機能するためには重要です。
電解質として、カリウムは神経電位制御、筋収縮および心臓機能を支援するためにナトリウムとの相互作用を含め、一定の濃度(細胞外よりも内部で約30倍)を維持することが必要な陽性の電荷イオンです。
きゅうりを美味しくいただく方法は、 発酵させたり 生でお酢をベースにしたサラダに入れるなどたくさんあります。もっと違う食べ方を探しているなら、マイルドな風味で水分の多いきゅうりは、 野菜ジュース のベースに理想的でしょう。もっと言えば、目新しいジュースを求める人には、きゅうりと セロリ だけのシンプルなジュースが理想的ですね。
そこからは パセリ やコリアンダーの葉と一緒にサニーレタス、ロメインレタス、ホウレン草、エンダイブまで自分流にアレンジできます。ジュースにするのは実際、きゅうりを摂取する上での理想的な方法です。
新鮮な野菜ジュールを飲むときは、ビタミン類、ミネラル類、酵素などが壊れることなく、体のシステムにまっすぐに取り込まれるため、これら栄養素の静脈内注入を受けるようなものです。体に必要な栄養素が十分にあり、pHの適正なバランスが取れていれば、元気いっぱいですし、免疫システムはアップします。
従来の栽培手法のものにするか有機栽培きゅうりを選ぶべきか迷っている場合は、有機ものをお勧めします。Environmental Working Group (EWG)(環境ワーキンググループ)によると、きゅうりは、 殺虫剤含有量で、最も汚染された食物の中で12番目にランク付けされ、ガンのリスクは2番目だったそうです。
更に、きゅうりは、市場に送られるまでの長時間の搬送に耐え、きゅうりに触れる手から保護するために収穫後に通常ワックスがけされます。このワックスは、食品用でかつ安全でなければなりませんが、使用されているものは様々な種類があります:
天然のワックス剤の方が、溶剤残渣やウッドロジンが含まれている可能性のある石油系ワックス剤より遥かに好ましいです。ワックス剤で塗布された農産物は、その旨の表示はないのですが、有機農産物は、石油系ワックス剤は使われません(ブラジルロウヤシワックスや昆虫シェラックは入っていることがありますが)。
これ以外の潜在的な問題は、ワックス剤が殺虫剤残渣や残骸を封じ込め、水で洗っただけでは取り除くのが更に難しくなることです。野菜や果物の表面下に埋もれた汚染物質に到達するためには、私の使う 果物や野菜洗浄 のように、ワックスも除去できる洗浄剤が必要です。きゅうりの皮をむくこともできますが、皮は、きゅうりの最も栄養素の濃い部分の一つ(もう一つは種)であるため、できれば摂取した方が良いのです。
きゅうり のフラボノイドやタンニン類は、多数の伝統民族が使用している一方、フリーラジカル消去および疼痛緩和作用があることが分かっています。 Journal of Young Pharmacistsには、以下のように記載があります:「伝統的に、この植物は頭痛に使用されており、きゅうりの種は、解熱や利尿に使われ、この植物を使ったフルーツジュースは、滋養やにきび防止ローションに入れる緩和薬です。」
世界で4番目に最も耕作される「野菜」(きゅうりは専門的には果物です)となっている様に、きゅうりは広範に入手できますが、できれば、地元の農家の市場で入手するようにしましょう。更に良いのは、中庭へのアクセスさえあれば、きゅうりは非常に育てやすいです。
きゅうりはコンテナで成長し(登る場所を据え付けてあげましょう)少量の苗から十分に収穫できるため、自分で育ててみることもできます。
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