Dr. Mercolaより
高麗人参は最も一般的な薬草のサプリメントの1つであり、おそらくは記憶とエネルギーレベルを上げるという伝統的な使用目的でいちばんよく知られています。しかし、他にもまだ多くの用途があります。最初に、高麗人参は適応促進薬とみなされます。これは身体が精神的なストレスや体力的なストレスに耐える時に役立つことを意味しています。
その恩恵を更に深めるために、最初に利用可能な様々なタイプの高麗人参を理解する必要があります。実際には高麗人参は2種だけですが、それぞれ固有の属性を持つ3つの主要な品種があります。
しかしながらアメリカ人参やアジア人参同様、シベリア人参は伝統的にエネルギーを増強し、免疫系を刺激し、寿命を延ばすよう用いられてきた適応促進薬です。
アメリカ人参は、少なくとも6歳(頸部付け根の周りのしわの数がその年齢を示します)までは薬用に使用することはできません。過剰な収穫によって野生のアメリカ人参は絶滅の危機に瀕しており、今では農場でも栽培されてはいますが、購入する場合は非常に高価です。
今日まで、ほとんどの研究が、アジア人参に関わるものでしたが、アメリカ人参の多様性に関する研究では、免疫系を強化し抗酸化物質として機能し、炎症状態を改善するであろうことが示唆されています。また、オールラウンドな耐ストレス強壮剤としても有用でしょう。Journal of Herbs誌およびSpices & Medicinal Plants誌に掲載された研究で、以下が示されました。
「[アメリカ] 高麗人参は身体機能を調整し、生理的なストレスから生じる多くの病気を緩和する、という伝統的な評価があります。その有益な効果は、制御ホルモンの生産と使用に非特異的な影響を与える、と考えられています。
高麗人参は「適応促進薬」として抗疲労、抗ストレス、老化防止作用、ならびに精神的および肉体的な能力の一般的な改善効果をもたらし、多くの国際規制当局によって許可された治療方針として認められています。」
その他の利点は次のとおりです。
✓ 記憶力:アメリカ人参が若年者と中年の成人の両方で作業記憶と気分を改善することが判明しました。
また別の研究では、「アメリカ人参の投与後の顕著な作業記憶の強化」が明らかになりました。
✓ 糖尿病:アメリカ人参は抗糖尿病の性質を有する模様です。ある動物試験において、アメリカ人参の根からの抽出物が2型糖尿病マウスの体重の減少および血糖値の低下の原因となりました。
健康な人においてはインスリン感受性を高めることも示されています。
✓ ガン:アメリカ人参は腫瘍の増殖を抑制する抗ガンん特性を有します。大腸ガンんの治療において特に有望であることが示されています。
✓ 風邪とインフルエンザ:アメリカ人参の抽出物を投与された高齢者は、相対的なリスクが48%、呼吸器系疾患にかかる持続時間が55%短縮されました。
この薬草はまた「再発性のある風邪の絶対的リスクと1人あたりの風邪罹患の回数を減らすための安全で効果的な治療法」であることも判明しました。
✓ 注意欠陥多動性障害:アメリカ人参とイチョウ葉を組み合わせた場合、小児および10代の若者の注意欠陥多動性障害(ADHD) 症状を改善する可能性があります。
✓ 免疫システム機能:アメリカ人参が免疫系を刺激し、身体が感染症や病気を克服するのに役立つことも分かっています。
どちらの人参のタイプが自分に適合するのか疑問に思っているのであれば、こう考えてください。ストレスに関連する問題を鎮静させる薬草を探しているなら、2種のうち、アメリカ人参はストレスを「冷却効果のある」、または「落ち着かせる」バージョンのほうです。アジア人参は発熱作用があるとみなされ、一般にストレスの軽減には推奨されません。
8つの主要なジンセノシドのレベル差でこれら植物の様々な特性を説明できると考えられます。例えば、アジア人参はジンセノシドRb1とRg1をほぼ等量含有しますが、アメリカ人参にはRg1は非常にわずかしか含有されません。Rg1は、中枢神経系(CNS)覚醒剤、肉体疲労回復、精神的能力の増強剤とみなされています。
ちなみに、Rb1は精神安定性および抗精神病性を有する中枢神経抑制薬です。次のようにPhytochemistry誌には、書かれています:
「アメリカ人参はRg1 / Rb1の比率が低いため、CNSを落ち着かせるようです。対照的に、アジア人参は明らかにCNSを刺激します。」
また、アメリカ人参は2型糖尿病に有効であると思われますが、アジア人参に関してはまだあまり定かではありません。いくつかの研究によって糖尿病への効能が示唆されていますが、他の研究では血糖値を上昇させる可能性があることも分かっており、以前として研究が必要な領域があります。そのことを念頭に置いた上で、アジア人参は他にどんなメリットがあるのでしょうか?
✓ 心臓の健康:高麗人参は、抗高血圧効果および心不全に対する防御を含む心臓の健康を保護する働きを示しています。特に、アジア人参は心臓病の症状から保護し、コレステロールレベルを健康なレベルでサポートしているようです。
心臓の健康については、アジア産とアメリカ産の高麗人参の効果をより深く調査する必要があるまた別の領域です。
いくつかの研究で、アジア人参は、一般的な用量で血圧が上昇するにも関わらず、使用量が多い場合は血圧を下げることを示唆しており、高血圧の人の場合にはその使用に注意する必要があります。
✓ 神経変性疾患について:アジア人参は、恒常性および抗炎症、抗酸化、抗アポトーシスおよび免疫刺激活性の維持を含む神経保護特性があるのではないか、いう証拠が蓄積されています。
パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、多発性硬化症、および他の神経学的障害に対し、高麗人参は潜在的に有用だと考えられています。
✓ 脳卒中:アジア人参の持つ抗酸化および抗炎症特性が脳卒中の神経保護に有望な方策として考えられています。
Frontier in Cellular Neuroscience誌に掲載されたある研究に拠ると、「脳卒中による神経細胞の死滅を防止し、解剖学的および機能的脳卒中による損傷を少なくすることができます。」
✓ ガンに関連した疲労(CRF):CRFはガン患者が抱える最も一般的な症状です。アジア人参を高用量(800mgの29日間の経口摂取) 使用した人は、疲労、生活の質、食欲および睡眠の質の改善が報告されました。
✓ ガン:Alternative Medicine Review誌で発表された研究によれば、「アジア人参がガン予防・治療薬としての役割を果たすと考えられるメカニズムには、DNA損傷の緩和、発ガンに伴う炎症の抗炎作用、抗酸化化学予防、アポトーシス誘導、ガンの抑制細胞の増殖、および免疫調節が含まれます。
複数の研究によって肝臓ガン、黒色腫および腺ガン細胞における細胞分化を修復および逆行させる人参の能力が示されています…アジア人参は、白血病、メラノーマ、結腸ガン、胃ガン、肝ガン、腎臓ガン、卵巣ガン、前立腺ガン、および肺ガンを含むいくつかの特定の種類のガンの治療において、有効な働きを示しています。」
✓ 風邪とインフルエンザ:アメリカ人参と同様、アジア人参は免疫系を刺激するようです。ある研究では、毎日400mgのアジア人参を4ヶ月間にわたり服用した人は風邪をひくことが少なく、一方、風邪にかかった人は高麗人参の服用期間が短期間の人たちでした。
✓ 勃起不全:アジア人参は勃起不全の治療に有益で、精子の産生、性的活動、および性的な能力をも改善することができます。
✓ 精神的なパフォーマンス:アジア人参は、思考や学習のみならず敏捷性をも高めることが明らかなようです。
メリーランド大学メディカルセンターによると、「以前の研究では、アジア人参は精神的な計算、集中、記憶などのパフォーマンスを改善する可能性を示しています。」
✓ 更年期症状:アジア人参には、特定の更年期症状、特にうつ病を緩和し、健康で安心感を維持するのに役立つことを示唆する証拠がいくつかあります。
前述したとおり、シベリア人参は真の高麗人参ではありませんが、時に薬草と混同されます。シベリア人参の主な用途は、エネルギーと活力を増強するための免疫系の刺激であり、ストレスを受けた時に使用できる汎用性の広い薬草でもあります。
また、シベリア人参は抗ウイルス性を有することが判明しており、単純ヘルペスウイルス2型を有する人々のヘルペス発症数が低減しました。Germany's Commission Eは、シベリア人参を承認し、「疲労時・衰弱時または仕事と集中によって能力が低下したときの活力回復と強化のための強壮剤として、高麗人参はまた、回復期にも使用できることが承認されました。」
短期的に高麗人参を使用する場合、大人であれば安全であると考えられています。アジア人参を2、3週間などのサイクルで毎日摂取し、その後の2、3週間は摂取を休止するのが最善の方法です。サプリメントを選ぶ場合、非発酵の品種と比較すると、 発酵させた 高麗人参はより素早く、より一貫した吸収性が確保されます。そして、もしアジア人参を選ぶ場合は、生物活性化合物をより多く摂取するために、皮をむいていない品種(紅参とも呼ばれます)を求めましょう。
一般的には安全なのですが、高麗人参を高用量で摂取した場合、神経症や不眠症につながる可能性があります。また、妊娠中または授乳中の場合、もしくは以下のような特定の薬を服用している場合、高麗人参を使用する時には注意を払う必要があります。
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