有機、ケージフリー、放し飼いもしくは放牧...卵のラベルの紛らわしさを整理する


放牧卵

早分かり -

  • 現在益々「放牧卵」と呼ばれている本当に放し飼いの卵は、種、緑色植物、昆虫や虫などの天然の餌を探しまわれる牧草のある屋外で自由に歩き回る雌鶏の卵です
  • 「放し飼い」という用語を使用する上での規則は、雌鶏が屋外で過ごす時間に定めがない、もしくは各雌鶏が出入りする屋外の空間領域を特定しないということです。もしくは、雌鶏が牧草地の餌にありつけるという表示がされていることでもありません
  • 認証された有機家禽類は、抗生物質がフリーであることを100パーセント保証された家禽製品のみです
  • 新鮮な卵の一番の源は、雌鶏が屋外で自由にえさを探しまわれる地元の農家です
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Dr. Mercolaより

タンパク質は、皮膚、内臓、筋肉などの体の組織の構築、維持、そして修復に不可欠な栄養素です。そしてまた、免疫システムとホルモンの主要成分でもあります。

タンパク質はあらゆる種類の食品に含まれていますが、肉や卵などの動物由来の食品には完全なタンパク質が含まれているため、8種類の必須アミノ酸を提供します。

卵は、それを産んだ鶏と同様にいずれもタンパク質の健康的な供給源ですが、それは自然が意図した方法で育成された場合にのみ当てはまります。残念なことに、上のビデオで例証しているように、今日の工場式畜産業モデルは、かつては単純だった事柄を複雑にしてしまいました。

オーガニック、ケージフリー、放し飼い、それとも放牧飼育?

健康について意識の高い消費者は、「オーガニック」、「放し飼い」、「放牧」および「ケージフリー」のような表記を認識しており、これらには共通性があると思われるかもしれませんが、実際はそうではありません。様々な意味で、これらのラベルはそこそこにクリエイティブな広告です。

「放し飼い」の定義は、鶏の給餌条件が一般に天然と呼ぶものとはまったく違うという事実にもかかわらず、市販の鶏卵産業が産卵施設を稼働できるようになっており、 依然として 「放し飼い」卵である、と呼んでいるようなものです。

例えば、「放し飼い」という用語の使用における規定では、鶏が屋外で過ごすべき時間量や、それぞれの鶏が自由に過ごせる屋外の空間の広さを既定してはなりません。もしくは、雌鶏が牧草地の餌にありつけるという表示がされていることでもありません。

今では 「放し飼い卵」と称されている真の放し飼い卵は、種子、緑の植物、昆虫、および虫などの自然の餌を飼料として飼育できる野外の牧草地で自由に歩き回る鶏が産んだものです。

大規模な商業用産卵施設は、一般的には数万羽の鶏を収容し、ときに数十万羽の鶏を飼育している場合があります。明らかに、このような施設ではすべての鶏は自由に餌を求めていくことができません。それでも、個々のケージに閉じ込められてさえいなければ、これらを「ケージフリー」または「放し飼い」と呼ぶことが可能なのです。しかし、これらのラベルでは、鶏たちがいまだ嘆かわしいままに置かれている条件については何も伝えていません。

したがって、「放し飼い」や「ケージフリー」という根拠薄弱な定義は、そういった施設が自社の製品を放し飼い品として販売することを可能にしていますが、1日にわずか数分間、不毛の地へ出して飼育され、 トウモロコシ、大豆、綿実油、合成飼料を飼料として与えられた鶏は放し飼いの鶏ではなく、本当に放し飼いで育った鶏と同じ品質の卵は生産しません。しかも獣医薬の汚染の問題もあります。前記の特集記事には次のように報告されています:

「公式に認定されたオーガニック認定(メンバーシップをベースとした過程を経て包装にロゴが付いている認定)は、鶏が不自然な添加物や処理がされていないかどうかを示します。実際は、ほとんどのブランドがこの認定を保持していません。

認定された有機飼育鶏は、抗生物質を含まず100%品質保証された唯一の鶏製品です.「抗生物質は、体重の増加を加速させ、病気の治療または予防のために従来のニワトリに給餌することができます。「放し飼い鶏は、獣医学の指導のもとで治療抗生物質を用いて治療し、抗コクシジウム剤[動物飼料に添加された化学物質]を使用して販売することができます」と、 Eat Yourself Healthy in 28 Days...の著者、Sallyは言います。」

そこでまとめると、本当に求められているのは、有機栽培であり、真の放牧飼育であるという証明のある鶏  卵の両方なのです。多くの小規模農家にとっては莫大なコストが掛かるオーガニック認定が障壁となっていますが、オーガニック、および放し飼いの基準に従って農家が鶏を飼育し、自家飼料を自由に飼育して、抗生物質やトウモロコシ、大豆を与えないようにすることができます 。

有機的牧草で育った鶏の卵に含まれる優れた栄養素

テスト の結果、真に放し飼いの卵は、商業的に産卵された卵よりはるかに栄養価が高いことが
確認されています。非常に優れた栄養水準は、放し飼いで牧草育ちの鶏と商業的に養鶏された鶏との間にある餌の相違の結果である可能性が最も高いと思われます。

2007年の卵検査プロジェクトでは、 Mother Earth News が公式に米農務省(USDA)の商業卵用栄養データと牧草地で飼育された鶏の卵とを比較し、後者が一般的に以下の栄養を含むことが明らかになっています:

3分の2以上のビタミンA 3倍以上のビタミンE
2倍以上のオメガ-3脂肪酸 7倍のβカロテン

高品質の放牧飼育卵を見つけるための場所と方法

新鮮な卵を入手できる最高の供給元は、鶏が自由に屋外で飼料を食べることができる地元の農家です。都市部に居住している場合、地元の健康食品店を訪れるのが、通常は高品質の地元産の卵の供給元を見つけるための最短ルートです。地方の農家市場 は、新鮮な「放牧飼育」卵のもう一つの供給元であり、食糧を生産する人々と出会える素晴らしい方法です。

対面でのやりとりで、質問に対する答えを得、自身が購入するものについて正確に知ることができます。更に良い方法は、農場へ行き、見学ツアーを依頼することです。

ほとんどの農家は、何か隠さなければならないものが無い限り、自分たちの飼育方法を見せたいと思っています。鶏卵農家は、適切な栄養、清潔な水、適切な飼育スペース、および良好な換気に注意を払って、鶏のストレスを軽減し、免疫を支持する必要があります。

卵は、卵黄の色によって放し飼いであるかどうか、または、放牧飼育されているかどうかを知ることができます。飼育された鶏は明るいオレンジの卵黄のある卵を産みます。卵黄がくすんで、薄い色なのは、自然な飼料を与えられることなくケージ内で育てられた鶏の卵である確実な印です。

Cornucopia.orgは、有機卵の消費者にとって重要な、22の基準に基づいた卵メーカーを評価するのに便利な 有機卵スコアカード を提供しています。Cornucopiaによると、その報告書は「倫理的な家畜農家とそのブランドを展示し、有機畜産農業の継承を脅かすような食料品店のクーラー内の商品の工場の農家の生産者とブランドを公開する」と述べているそうです。

卵は心臓病を引き起こすという時代錯誤な警告は無視しましょう

飽和脂肪の源である卵が不健康で心臓病を促進するという発想は、全くもって真実ではありません。動物由来の脂肪にコレステロールが含まれているのは事実ですが、それが必ずしも有害となるわけではありません。反対に、その証拠に、卵は安心して食べられる最も健康的な食品の1つであり、実際には心臓病を含む 病気を予防するのに役立つことが明白に示されています。

例えば、2009年のとある研究 では、調理された卵中のタンパク質が胃腸の酵素によって変換され、ACE阻害剤(血圧降下の一般的な処方薬)として作用するペプチドを産生することを発見しました。更に、卵黄はコレステロールが比較的高いものの、卵はコレステロールを上昇させることと事実上は無関係であることが数多くの研究によって確認されています。

例えば、 International Journal of Cardiology誌 に掲載された研究では、健康な成人は毎日卵を食べても内皮機能(心臓リスクの総計尺度)に悪影響は 与えません でしたし、コレステロール値も上昇しませんでした。幸い、主流のメディアはついにこの問題について真実を伝え始めています。例えばCNNは、最近、卵が健康にもたらす利益がどんな潜在的なリスクよりもいかに明らかに優れているかを報道しました。

卵をどのように調理するかが 大切 

注意点が1つあります:私は、卵が調理方法にかかわらず健康にいいと言うCNNの声明には同意しません。

理想的には、卵は生のまま、もしくは生にできるだけ近い方法で食べたいと思われることでしょう。CAFO卵は、 サルモネラ菌のような病原性の細菌で汚染されがちなので、卵が本当に有機飼料で放牧飼育されていることを確認することが重要です新鮮な牧草地で育った鶏の卵を手に入れている限り、生の卵から病気になるリスクは非常に低くなります。

卵黄を生で食べないという選択をした場合は、 ポーチドエッグ または半熟が次善の選択肢となります。卵黄中のコレステロールを酸化してしまうため、スクランブルエッグ、またはフライドエッグの場合は最悪です。コレステロール値が高いと、コレステロールが酸化されて体に何らかのダメージを与えることがあり、問題を起こす可能性があります。卵黄は貴重な 抗酸化物質も含んでおり、卵が揚げられたりゆでられたりするとそれらは50%も減少します。卵を電子レンジで温めると、抗酸化物質の含有量を更に減らすことになります。更に加熱は、アレルギー反応につながる卵タンパク質の化学組成を容易に変化させます。生の状態で卵を食べるなら、卵アレルギーの発生は極まれです。

また、一般的な考えとは対照的に、無傷のキューティクルを持つ新鮮な牧草を食べて育った鶏の卵は、比較的短時間内に消費すれば冷蔵が不要です。このことはヨーロッパの国の一部を含む多くの国でよく知られており、有機農家の多くは卵を冷蔵しません。

冷蔵しない卵の保存期間は、冷蔵する時の30から45日に比べて、7から10日ほどとなります。食料品店で卵を購入するときは、棚に陳列された時点で既に3週間以上が経過している可能性があるため、このことを覚えておいてください。

自分の鶏を自分で飼育してみようという覚悟はありますか?

思うよりも鶏を育てるのは簡単です。また、アメリカでは、大勢の人が自宅の裏庭に鶏舎を持っています。ご自身が数羽の鶏を飼育できるかどうか興味をお持ちならば、自分自身にいくつか質問をすることからまず始めるのが良いでしょう。鶏を育てる方法の詳細については、Joelの Polyface Farmのウェブサイト をご覧ください。

  1. 毎日何時間も養鶏に費やすことができますか?1日に10分、1ヶ月に1時間、年2回に数時間、鶏の世話と管理に時間を割くことになります。
  2. 十分なスペースがありますか?鶏たちがうろうろ歩き回るには1羽あたり最低10平方フィート(約0.9平方メートル)、できればそれ以上の広さが必要です。より多くの餌を狩猟することができれば、鶏たちはより健康的で幸せになり、卵が更に良くなることでしょう。
  3. 自分の町の養鶏に関する規則は何でしょうか?養鶏を開始する前にこれを調べることは必要です。飼育ゾーンの制約や騒音規制までも(特に雄鶏を飼育する場合に当てはまります)があるからです。
  4. 近隣の人たちはこの考えに乗り気ですか?早い段階で近隣の人たちが懸念を抱くかどうか確認するのは良い考えです。近隣の人たちは、ひょっとして農家の新鮮な卵の分け前に預かれると気付いたら、乗り気になるかもしれません。
  5. 鶏の群れの面倒が見られますか?自身の卵を育成することには多くの利点がありますが、倹約はその利点の一つとはなりません。鶏小屋の設置には大きな先行費用がかかりますし、継続的に消耗品に対して費用がかかることになります。