正しく着座して背痛を防止する

背痛

早分かり -

  • パソコンやその他の電子機器を使用することに関連した過度な着座は、多くの場合、姿勢を悪くし、背痛、首の痛み、手根管、およびその他多くの身体の不具合を助長します
  • 多数の研究で、定期的に長時間に渡り座ると、例え運動していても寿命を縮めることがあると分かっています
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Dr. Mercolaより

スマホからパソコン、iPadに至るまで、わたしたちの大切な電子機器たちは、姿勢を悪くし、肥満、背痛、および手根管症候群のような関節の問題の一因となっています。

幸い、頻繁に姿勢を変えてみたり、胴体を「再編成する」ことなどで、これらの潜在的問題の多くに対処して、より良い健康を維持し、正しく位置を調節できる方法や運動がいくつかあります。

もし、自分の時間のかなりの部分を価値のないことに費やしているならば、 背痛ほど悲惨で、それなのに 些細な 悩みは、ないかもしれません。実際のところ、着座によって寿命が短くなる可能性があります。運動不足は、着座の凶悪な主犯です。座れば座るほど、体は動きたがります。

 British Medical Journal(イギリス医師会雑誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル) によると、座っている平均時間を一日3時間未満に減らすことで、平均余命を2年増やすことができる可能性があり、これは、現在椅子やソファに座って過ごす一日の平均時間が4.5時間から5時間を大幅に減らすことになります。

18の研究を分析したところ、最も長時間座っていた人は最も座っている時間が短かった人と比較して、糖尿病または心臓病の危険が倍増することが分かっています。着座は、実際、喫煙と肥満を合わせたのと同じくらい、慢性疾患の重要な危険因子となります。

体を動かさない生活に支払う代価

数多い研究で、体を動かさない生活における健康上の派生問題を調査しています。これらの研究が疾患や若死にの危険が増えることと座り過ぎていることを関連付けているのは、実に注目に値します。

  1. 2010年の Medicine & Science in Sports & Exerciseによると、一週間に体を動かさない時間が23時間であった人は、一週間に体を動かさない時間が11時間未満であった人よりも、心臓病で亡くなるリスクが、64パーセント高かったそうです。
  2. また、ある調査では、日々着座している時間が最も多かった人と着座の頻度が少ない人と比較したところ、17,000人以上のカナダ人は、すべての死亡原因ににおいて死亡リスクが1.54倍高くなることが明らかになりました。
  3. オーストラリアの調査によると、消費するカロリーや運動などゆったりした身体活動を調整した後でさえも、女性においては、座っている時間が体重増加の予測因子だそうです。
  4. 一週間に最低11時間パソコンを使う人や一週間に21時間以上テレビを見ている人は、パソコンの使用やテレビを見ている時間が週に5時間以上の人よりも肥満になり易いのです。
  5. メタボリック症候群になるリスクは、用量依存的様式での「スクリーン時間」(テレビをみたり、パソコンを使うのに費やす時間量)により、高くなります。身体活動は、スクリーン時間とメタボリック症候群との関連性には、わずかな影響力しかありません。

スポーツジムに通うだけでは十分でないかもしれない

興味深いことに、ある研究では、定期的な運動療法では、一日の残りの時間帯で極端に体を動かさない習慣による影響を相殺するのに不十分な可能性があることをも示唆しています。特に運動療法は、エアロバイクやローイングマシンのような、背中を着座した位置に置く運動機器が中心です。

2009年のある調査では、 着座と低代謝性健康状態の生物マーカーとが関連するという当時の証拠に特に焦点を当てており、これは、着座の総合時間が2型糖尿病、心臓病およびその他の一般的な慢性健康問題とどの程度相関があるるのかが分かります。

著者によると:

例え誰かが、毎週、ほとんど毎日30分の身体活動を行うという目下の推奨を満たしたとしても、延々と座り続けるという、ほとんどの人の一日の残りの「非活動的な」起きている時間を、支配する活動よって著しく有害な代謝や健康状態となる可能性があります。」

別の言い方をすると、週に4,5日エアロバイクを漕いだり、運動ジムに通って、例え相当身体的に活動的であっても、一日の大半を机や長椅子にかじりついて過ごせば、座り過ぎの影響に圧倒されてしまう可能性があるというのです。研究者は、この現象を「アクティブなカウチポテト効果」ではないかと疑っています。

 ニューヨークタイムズ の記事によれば、たった一時間の着座後には、体内の脂肪を燃焼する酵素の生産が90パーセントにまで落ちるそうです。延々と座り続けることが、グルコースの体内代謝を遅くし、少ないよりも多くないといけない種類の脂質であるHDLを低減させてしまいます。これで、なぜ長時間に渡り習慣的に座っている人が2型糖尿病や循環器系の問題になるリスクが高いことがお分かりいただけたでしょう。

うまく座るためのキー:立ち上がる

基本的な矯正方法は、立ち上がり、少し簡単な運動をすることですが、これは、生涯椅子に座る時間が長い場合は、 頻繁に 行わなければなりません。大抵の背痛、首やその他の筋肉の痛みは、長時間に渡り、不自然な姿勢で作業することにより生成される、体内全体に吸収される力の不均衡に関連しています。自分の体が正しい姿勢に立て直し続けるように教えれば、大抵の痛みはなくなります。

足、骨盤、胴体、肩および首の位置は、良い姿勢と平衡に必要であるため、修正する必要があります。これらのコアとなる部位が間違った位置になっていると、その部位にまず痛みが起こるようになり、別の部位が引き続いてまもなく痛くなるでしょう。体の中心は、その主人が最も頻繁に出す要求通りに構造を変えて調整しようとし、四肢がこれに従います。

例えば、手根管の問題の大部分は、単に手首の位置が悪くなる原因となるだけでなく、肩の正回転方向にも影響します。肩の正回転方向は、腰、そして骨盤の位置に直接つながっています。肩の位置が変わると肩より下にある筋肉や神経のすべてが悪影響を受けます。結果として手首だけであった症状が手首で直すことができなくなります。

基本的な処置はとにかく立ち上がることです!しかし、更に言うと、着座の悪影響をもっと抑える実行可能なある種の運動があるのです。

特にパソコンやメールを打っている時の着座は、頭、首、肩、として上背を前向きにかがめることになりがちです。よりニュートラルな位置に体を支持するよう体に教えるためのキーは、 直し過ぎないことです。

体を再調整する5つの簡単な方法

Starrettは、体の「再編成」つまり再調整をする一連の5つのステップを以下の順序で行うことを推奨しています:

  1. つま先を真っすぐあるいはわずかに内側に入るように向けて立ちます。
  2. Kellyのインタビューでは、お尻を単にぎゅっと絞って骨盤の再調整をするよう勧めていますが、大半の人にとっては、これに加えて足を10から15度内側(親指を互いの方に若干引き寄せる)に入れ、足の土踏まずの外側を丸くして、かかとを動かさずに足の後ろを一緒に後ろに引く方がずっと効果的です。これで、太ももやお尻の筋肉を一緒に働かせることができますが、お尻を絞るだけでは、効果は薄いのです。
  3. お腹を わずかに 引き締めて、少し緊張させます(これは、極度に締めずに、最大の20パーセント程度にします)
  4. 肩と(ネジを緩めるイメージで)を腕を(肩を後ろに回して)外側に回して、肩の位置を修正すると、肩の肩甲骨が近づき、胸が上下して、手の親指が体から離れます。
  5. 肩を外側に回転させたまま、手を元の位置に戻して親指が前を向くようにします。

これらの基本的な再調整は、立った状態、座った状態、膝をついた状態など何かの合間に、どんな姿勢を取っていても適用できます。ビデオでStarrettは、これらのシンプルな修正方法の正確なやり方を順序立てて説明し、目で見て分かるようになっています。これらの運動を定期的に行えば、通常起こる問題の多くを予防できるでしょう。

椅子を単純にバランスボールで代替できないかと考えている場合ですが、その効果については、ほとんど根拠がありません。研究では、効果があったとしても、最低限の姿勢の改善のみが示され、ある研究では、バランスボールを椅子として使ったことによる「脊髄の縮み」を認めたとさえあります。皆さんが座っている機器は、自分が体に座るよう教える位置よりも、それほど重要ではありません。

一方で、人間工学的改革が、立ったまま作業するというオプションを提供する、いくつかの興味深い机や作業机の誕生につながっています。これらの作業机にはウォーキング用の踏み車まで、下に備え付けられています。「TredDest」は、2008年の発売以来、10倍に売上増となっています。この分野での研究や開発に多額のお金を投じる企業は多数あり、個人的には、同じデザインのものがもっとたくさん登場するのではないかと怪しんでいます。

基礎トレーニングエクササイズ:

基礎トレーニング は、長時間座って過ごす埋め合わせとなる別の方法です。基礎トレーニングエクササイズは、体の姿勢を強くし、再調整するための強力で簡単な構造運動です。このプログラムは、指圧療法師のエリック・グッドマンが個人的に 慢性的な背痛に対処する手段として開発したもので、現代社会の増加していく身体上の難問題に対し、すばらしい回答を与えました。

出発点として、グッドマン博士は、座る際に体に以下の調整を行うことを勧めています。これらの推奨事項は、しょっちゅう座る習慣の代わりとなるということでなありませんが、代替的な姿勢として使うには便利です。体が必要とする頻度に合わせた頻度でやってみることをお勧めします。

  1. 背もたれは、極度な脊椎湾曲を助長する傾向があり、いわゆる前方ヘッドキャリッジになってしまいます。椅子の前端に真っすぐに座り、次の2つの秘訣を実行しましょう。最低太ももの3分の2を椅子から外し、実施している間、膝は約3センチ以上離します。
  2. 着座する際は、あごは、胸骨より引きます。あごが前に出過ぎていると、不注意に腰屈筋が異常に短くなったままとなってしまい、圧縮と縮退が増えることになります。
  3. 腰屈筋を脊髄を伸ばし過ぎずに伸ばす簡単な方法ですが、あごを喉に向けて入れたり、出したりし続けながら、ゆっくりと胸郭と骨盤の間隔を開けていきます。上に記載したTEDトークの最後の5分間でこれを実行しましょう。

 基礎トレーニングの詳細については、グッドマン博士がお気に入りの2種類のエクササイズを見せてくれるビデオを見たり、グッドマン博士の先の記事やインタビューでもご覧になれます。

更に、 エゴスキュー と呼ばれる別のタイプのエクササイズも座り過ぎによるダメージを軽減するのに便利です。

座るのは中断して地面に接地してみましょう

座ることの別の否定的側面は、着座が通常室内であることから、地面との接触が足りなくなることです。土、砂、あるいは草地であろうとなかろうと、地面の上を裸足で歩く時、どれだけ気持ちいいか、気付いたことがありますか?

科学は遂にこの神秘を解き明かしたのです!

人間の進化の歴史のほとんどで、人は地面と連続的に接触してきましたが、今日この限りでないことは明らかです。アスファルト、木、ラグ類、プラスチック、そして特に靴というバリヤーによって地面から引き離されてしまいました。地面に 体を 直接接地させて生活することで、潜在的に破壊性のある電磁場から自分を守ることができる電気生理学的変化の効果を作り出します。

わたしたちの体に近いEMFには、スマホやiPadのような、事実現代の付加物となってしまった電子機器によって発生するものがあります。

体に適正な量の電子が供給されると免疫系は最適に機能します。この電子は裸足や肌を大地と直に接触させることによって容易にまた自然に得られます。

研究によると、土壌の電子は、超抗酸化物であり、強力な抗炎症作用があります。慢性的な炎症は、健康上の問題を倍増させることにつながります。よって、 炎症 を抑えることで、極端な着座の負の影響を軽減できることになります。アース (接地)は、わたしたちが依存している電子機器によって放出される潜在的に破壊性のある電磁場の影響を低減します。

まとめ:地面の上を裸足で歩いたり立ったりすればするほど、健康になっていきます。可能な限り、屋外に出て冒険する時間を取り、裸足で濡れた草地や砂地の上にひととき裸足で佇んでみましょう!

人間の体は、環境内で良く動き、良く座り、良く遊ぶように作られています。体が作られた通りにこれらのことを行うよう体に教えることができるのは、わたしたち次第なのです。わたしたちができるのは、体が物理的な謀反を起こすもっと前に要求していることを取り除くだけです。