それほど昔のことではないのですが、研究者が長距離や漕艇および、最低100のマラソンを完走したことのある、国内代表およびオリンピックチームにいた非常に健康な年配のアスリートの心臓について調査しました。結果は、不穏でした-これらの生涯アスリートの半数に心筋瘢痕化の証拠が認められたのです。
影響のあった男性は、常に最も長く、過酷なトレーニングを積んだ人たちでした。そして、今度は、新たな調査で、ラットを用いた実験を行たところ、特定の種目の長時間運動と心臓損傷との直接関連の確固たる証拠となる、人間の持久力アスリートに見られるのと同様の瘢痕化および構造変化が提供されました。
この調査では、事実上、激しいカーディオエクササイズが心臓に有害となる可能性を示しています。
ニューヨーク・タイムスによると:
「残念なことに、今の時点では、特定の人間に対する閾値が何であり、どのアスリートが過度な運動の結果、心臓の不良に対して、最も脆弱となるのかを予測することは、不可能なままです。」
Dr. Mercolaのコメント
この調査についてお話する前に、私個人の運動経験について回想してみることが重要であると感じます。
私は、1968年にランニングを始めてから、止めるまで40年間走っていました。医大時代、シカゴ大学の陸上部の部員で、2時間50分のマラソンに出場しました。地域レベルでは、闘争心に燃えており、いくつかのレースで優勝したので、集中的有酸素運動の経験が若干あります。
我々医師の多くが実にこれまで、そして今後のエクササイズについて警告してきたことへの科学的証拠書類のパイオニア的なるこれらの研究について嬉しく思います。運動する大多数の人は、何らかの形で、有酸素系やカーディオ運動を選んでいます。この研究が今では、この選択が長期に渡ると、最良でない可能性があるという考えを支持しています。
極端な例に焦点を当てることで、運動となった場合に真実とされたものが崩れることがあります。これらの調査は、よく鍛えられたプロのアスリートがなぜ、心不全で突然死することがあるのかを説明してくれます。例えば、4年前、嘗てない一番のアメリカ人マラソン選手の一人である、 アルベルト・サラザールは、49歳の年齢で、心臓発作により危うく亡くなりかけた のです。
アルベルト選手が1981年のニューヨークシティマラソンで優勝し、2時間8分13秒で世界記録を大きく破ったことは、記憶に新しいです。残念なことに、このコースが後に147ヤード短かったことが発覚して、記録は取りあげられました。一方で、アルベルト選手は、いまだ世界で最も早い長距離ランナーの一人であり、彼よりも、有酸素的に運動をした人は、それほど容易に多くはいないでしょう。
従来のカーディオエクササイズが事実非生産的である可能性が出るため、これは、カーディオエクササイズを膨大に従事したすべての人に対する大きな教訓となります。ですから、これを読むほとんどの人は、ほぼ十分な運動をしていないにも関わらず、特に従来のカーディオエクササイズに主眼を置いた場合、実に 過度な運動を行う可能性があると理解することが尚重要です。
過去数十年に渡り出現してきた研究が今、運動の観点から身体に必要なことを全体的に新たに理解させ、そして多数の過去の考え方が覆されるようになりました。
2月の Journal of Applied Physiology(応用生理学ジャーナル) に掲載された、上記で述べた最初の調査で、研究者たちは、極めて健康な年配者グループをリクルートしました。かれら全員が100マラソンクラブの会員であるということは、最低100のマラソンを完走しているアスリートということです。年齢幅は、26から67歳で、全員、成人してからずっと精力的に鍛錬してきています。
比較群は、50歳を超える20名の健常男性から構成されますが、持久力アスリートは誰もいません。
ニューヨーク・タイムス によると :
「別のグループは、心筋内の線維形成、つまり心筋瘢痕化の初期兆候を特定できる新しいタイプの磁気共鳴映像で心臓を検査しました。線維形成は、重度になった場合、心臓の一部の硬直や肥大につながることがあり、これが不規則な心臓機能の原因となって、最終的に心不全を引き起こすことがあります。 応用生理学ジャーナルのオンラインに掲載された結果は、どちらかと言えば、不穏です。 若年のアスリートも年配のノンアスリートも、心臓に線維形成があった人はいませんでした。しかし、生涯アスリートだった年配の人の半数に心筋瘢痕化が見つかりました。影響のあった男性たちは、どのケースも最も長く過酷な練習を重ねた人たちでした。この研究では、年を重ねて激しい運動をしてきたり、いくつものマラソンやウルトラマラソンレースに出場してきたことと、心臓に大きな損傷を与える可能性があることとを関係付けています。」
「別のグループは、心筋内の線維形成、つまり心筋瘢痕化の初期兆候を特定できる新しいタイプの磁気共鳴映像で心臓を検査しました。線維形成は、重度になった場合、心臓の一部の硬直や肥大につながることがあり、これが不規則な心臓機能の原因となって、最終的に心不全を引き起こすことがあります。
応用生理学ジャーナルのオンラインに掲載された結果は、どちらかと言えば、不穏です。
若年のアスリートも年配のノンアスリートも、心臓に線維形成があった人はいませんでした。しかし、生涯アスリートだった年配の人の半数に心筋瘢痕化が見つかりました。影響のあった男性たちは、どのケースも最も長く過酷な練習を重ねた人たちでした。この研究では、年を重ねて激しい運動をしてきたり、いくつものマラソンやウルトラマラソンレースに出場してきたことと、心臓に大きな損傷を与える可能性があることとを関係付けています。」
それでも尚、極度な運動自体が心臓損傷の原因であったのかどうかという疑問がありました。残りの答えは、ラットと使って行った、別の調査で明らかになり、これは、 ニューヨーク・タイムス によると、「ある種の長時間運動と微細な心臓損傷との直接的関連の確証を初めて提供。」しているそうです。
最近 循環器ジャーナル に掲載された, 調査では、真面目なマラソン走者が10年間の期間にわたり日常的に激しく運動を行った場合にかかる負荷を相似するようデザインしています。 ラットは研究の開始時点で、すべて正常で、心臓も健康なものでした。
最後には、ラットのほとんどが「ヒトの持久力アスリートに見られる変化と同様の汎発性瘢痕および構造変化」が起きました。
要点は、一般的に良いとされていることも過ぎれば、反対の作用を起こすことがあるということです。これは、実に言い得ており、一人の研究者が The Reverse Effect(反転作用)と呼ばれることについて本にしたほど重要な考え方ですこの本は絶対的に反直感的でありながら、この分野における最近の発見の観点から今日において納得させられる、魅力的な一冊です。
では、このすべてが自分にとっても意味があるのでしょうか?
繰り返しますが、高いレベルもしくはエリートの持久力訓練に従事していない限り、この情報にはほとんど価値がなく、もちろん全く運動を遠ざけるための言い訳にも使えません!運動は、高いレベルの健康にとって絶対不可欠ですが、心臓病になるリスクを低減することが運動をする主な理由とは通常なりません。
運動をするのは、気分を良くしてくれるからであり、その一番は、体重を最適レベルに維持できるようにしてくれるからです。運動はまた、不眠症の最良の治療方法のひとつであり、うつ病の治療を非常に促進するだけでなく、インシュリン耐性も抑えてくれます。ですから、運動をする理由はたくさんあります。ゆっくり初めて、最も重要なのは、 体に尋ねてみれば、自分自身を極端な問題に貶めるようなことにはならないはずです。
一方で、もし、真面目なアスリートであれば、 どのように トレーニングするのか再検討する必要があるかもしれません。
先にお話ししたように、研究では、これらの長時間のカーディオトレーニングをSprint 8のような、高集中型バーストタイプの運動による短時間運動に切り替えると、実際に少ない時間で大きな成果が得られることを示しています。
4年前に、American College of Sports Medicine(米国スポーツ医学会)が 新たな運動ガイドラインを発行し、生理学上の利点を得るには、運動は、「苦しく」なければならないと記しています。これには、混乱する人も中にはいるかもしれないので、すなわち 節制、そして 個別化という、2つのキーポイントを常に心しておく必要があるということを繰り返しておきましょう。
ここでは、これらの最新のガイドラインは、 高集中型エクササイズの優れた健康利点を示したその他の研究に則していると言っています。重要なのは、最適な成果を生み出すために大切なのは、運動の長さでなく、強さであることです。しかし、繰り返しますが、最適な運動の強度は、個々人によって異なります。
著書、Peak Fitness(ピークフィットネス)プログラムで述べたように、3分間のワームアップの後、 20から30秒間、 無酸素性作業閾値まで心拍数を上げていき、その後90秒間の回復時間を取ります。それから、このサイクルを合計8回繰り返します。
走行部分を適切に行うには、超えていなければ、最大心拍数を最後の間隔まで近づけていきましょう。最大心拍数は、220から自分の年齢を差し引いて算出します。(心拍数は、150を上回ると、手で正確に測定するのは、ほぼ不可能であるため、心拍系が必要であることを覚えておきましょう。)
これらのサイクルの前後には、3分間のワームアップと2分間のクールダウンが来るようにして、合計の運動時間が20分で、実際の走行合計時間は、4分間だけにしましょう!
ところで、どのようにして 少ない 運動量で、より良い成果を得ることができるのでしょうか?
この理由は、高集中型エクササイズが、有酸素運動カーディオトレーニングによっては、従事できない、特定の筋肉繊維のグループを使うからなのです。
まず、これらの筋肉繊維には、以下の3種類あることを理解する必要があります:
これで、自然に成長ホルモン(HGH)の生成を体内で増やすためには、 超高速 筋肉繊維を使う必要があることが分かりましたね。
HGHは、体力、健康そして長寿のキーとなる必須ホルモンです。
勝手行っていた有酸素カーディオトレーニングも、従来の筋トレのいずれも何の役にも立たないどころか、筋肉繊維を弱めてしまい、よってHGHの生成に影響がありません。反対に、超高速筋肉繊維が少なくなったり、減退する実際の原因となる好ましくない影響があります。
筋トレ、すなわちプライオメトリックバーストタイプの運動は、超高速筋繊維を動かしますが、Sprint 8のような、 高集中型バーストカーディオトレーニングのみが超高速繊維を動かして、HGHを促進し、また これが 伝統的な有酸素カーディオトレーニングよりもずっと有益となる理由を説明付ける「魔法」の要素です。
これらの20分間エクササイズに週に2回程度定期的に酸化すれば、大抵の人は、以下に気付くでしょう:
ここで持ち帰るメッセージは、心臓を 守る ための一番の運動の形式の一つが、 短時間の突発的な動きの後に休憩時間を入れることです。
短時間の突発運動を行った後で、回復時間を設ければ、つまり最適な健康に必要な身体を再生できます。心臓発作 は、心臓の持久力がないために起こるのではありません。 心臓発作が起こるのは、ストレスのかかっている間に、心臓が多くのエネルギーや吐出容量が必要なのにない時です。
心臓病やその他の心配のある方は、Sprint 8 エクササイズを始める前に、必ず医師の指示をあおいでください。一方で、8回の繰り返しで 鍛え上げる ためにどのくらいの時間を要するのか、だけが問題となるため、平均的な健康状態にある人ならば、これらの運動を行うことができるでしょう。 この手法の素晴らしい点は、体調不良の場合であっても、乳酸が筋肉中で素早く蓄積されて、心臓に負荷がかかり過ぎるのを防ぐため、非常に激しい運動はともかく行えないことです。
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