また直近の研究によれば、抑うつを経験する十代の数は2011年以来急上昇しており、この年代で十代の少女は少年より抑うつになりがちです。研究者は、ソーシャルメディアがその問題の一部となっている可能性を示唆します。
2005年から2014年まで米国のデータを分析すると、5百万名あまりの十代が抑うつと戦っています。また、それらの4分の3以上が女子です。
さらにジェンダー傾向は年を取っても現われます。精神科の薬を使用している成人女性は、男性と比べてほぼ2倍です。(女性は21パーセントおよび男性は12パーセント)
さらに精神障害は、両方の性別で1980年以来急激に上昇した疾患です。この危険な流れを変えるためには、どうすればいいでしょうか?
Steiner-Adair(シュタイナー=アデア)は、ソーシャルメディアからの過度の刺激および影響を受けないためのマインドフルネストレーニングが有効になりえることを示唆します。見落すべきでない他の要因は食事内容改善と日光浴を含んでいます。
研究は、食事内容がメンタル・ヘルス改善に大きな効果がありうることを示します。胃腸の異常は、うつ病、不安、活動過多および統合失調症を含む、様々な精神的な問題につながりがあることがわかっています。
その理由は、人にはいわば1つではなく2つの脳(頭と腸)があり、迷走神経がを接続していることに関係があります。迷走神経は脳幹から腹に及びます。
迷走神経から脳に情報を送信するために、腸内細菌を主要なルートとして使用することが実証されています。これこそ、腸内フローラが複雑にメンタル・ヘルスに関係がある理由なのです。
例えば、発酵食品は、若者でも成人でも、社会不安障害を抑える効果があることが示されました。また、動物実験で、 バクテロイデス・フラジリスという細菌株の導入により、強迫反復行動が和らげられることが分かりました。
腸内細菌が気分を安定させる脳内化学物質を作りだすのです。実際、セロトニンが最も多く集中する場所は、脳ではなく腸です。ただし腸で生成された神経伝達物質は脳血液関門を通過しないため、こうした物質は、あくまで腸内で作用しています。
また腸内細菌は、中枢神経系が神経刺激物質を使用する方法を変えることができます。抑うつに対する微生物の影響の調査を目指したある実験では、研究者はラットの中に人間の患者からの糞便試料の移植を行ないました。
うつ病と診断された患者から糞便試料を移植されたラットは、急速にうつ病と不安の兆候や症状を示し始めました。研究者のう1人によれば、「それらの行動は、劇的に変わりました。」抑うつではない人から糞便試料を移植されたラットは、行動の変化は見られませんでした。
これらの発見(公開されていません)に基づいて、研究者は、健康上の理由で糞移植を選ぶ人は、他の伝染病歴チェックに加えて精神病歴のないドナーを選ぶことが必要だと警告しています。
腸を治療することでは精神の問題を緩和するかもしれません 抑うつの根本の原因およびこの問題に取り組む最も迅速で最も容易な方法のうちの1つは、適切な食事の改善であることがわかってきました。研究者は腸炎症に注目し始めています。健康な腸内フローラ(腸内細菌叢)を養うための食事内容としては:
さらに下記は腸内フローラを傷つけることが知られているため、摂取はできるだけ避けてください:
最近、ニュージーランドの研究者が、新鮮な果物の摂取を増やすことでわずか2週間ほどで精神の安定を改善できる可能性を報告しました。Medical News Todayによれば: 「14日間にわたり毎日、果物および野菜を多く与えられた若者は、食欲が増し、意欲と生活力の上昇を経験しました。」
アメリカの食事指針では毎日果物2カップ分および野菜の2~3カップ分を食べることを推奨します。しかし大多数が、この量すら不足しているのです。この研究では、治療を行うグループに、2週間毎日、ニンジン、キウイ、りんごおよびオレンジを含む新鮮な果物と野菜を2品分だけ多く食べてもらい、普通食を継続した対照群と比較しました。
1日当たり平均3.7品と最も多く果物および野菜を食べた人は、特に「生活力、意欲および気力」において精神状態に最も顕著な改善がありました。著者によれば、「この調査結果は、[果物および野菜]と健康の間の因果関係の最初の確認となりました。大規模介入研究でも同じ結果を示唆しています。」としています。
食事内容に加えて、日光も、他の天候現象よりメンタル・ヘルスに大きな影響を及ぼします。これは学生のグループでの、天候と抑うつの間の関係を調査した最近の研究の結論でした。
毎冬、20パーセントもの人が季節性情動障害(SAD)によって影響を受けると推測されました。日光が不足することで現れるこれらの症状は抑うつ症、疲労、そしてさらに重いうつ症状にもつながります。
SADと慢性の抑うつを区別することは、春と夏の数か月に症状が明らかに軽くなるということです。例えば、研究では、ビタミンDレベルが血中で1ml (ナノグラム/mL)当たり20ナノグラム未満の人は、血中ビタミンDレベルが30ナノグラム/mLを超える人と比較して、抑うつのリスクが85パーセントも上がりうることを示しました。
さらに多くの研究では、ビタミンDの血中レベルを適切に維持することで、抑うつの症状を緩和できることが確認されました。この作用のメカニズムの1つは、ビタミンDの持つ抗炎症特性であると考えられています。これは抑うつの根本的原因が炎症であるということも示唆しています。
2015年に公表された研究で、秋、冬および春に太平洋側北西部で暮らしていた、18~25歳の健康な女性を調査し、ビタミンD不全症(血中で30ナノグラム/ml以下)の人では、臨床的に著しい抑うつ症状が予測されました。季節、ボディますインデックス(BMI)、人種、食事内容、運動および戸外ですごす時間などの要因の影響が同じになるようコントロールした後でも、因果関係が認められました。
しかしながら、ビタミンDだけでは、日光に関連したメンタル・ヘルスの有益性をのすべて説明することはできません。Dermato Endocrinology という雑誌で公開された論文によれば、多くの光を吸収する分子(発色団)が、皮膚のさまざまな層に見つかりました。これらは、紫外線を吸収し相互作用することで、多くの複雑な相乗効果を生み出しています。
私は、日光の有益性はビタミンDを生成する紫外線、UVBの効果だけではないと強く確信しています。近赤外線、中赤外線および遠赤外線も工化があると考えています。光の強さはさらに大きな要因です。屋外は屋内よりはるかに明るい殻です。ミトコンドリア電子伝達系には、近赤外線に応答する別の発色団があります。この日光からの複雑な刺激は、病気の予防という体の健康への効果だけでなく、気分とメンタル・ヘルスにも強い影響を与えます。影響します例えば:
さらに、UVAは、血液中で、感染症の原因となる悪玉菌を殺すことを支援します。赤外線は細胞のバッテリーを充電に使われます。酸化窒素(NO)はさらに炎症を低下させます。慢性的な炎症が低いレベルでも長期に続くことは、抑うつと強いつながりがあることがわかっています。このため炎症抑制はメンタル・ヘルスに有益な影響を及ぼす可能性があります。
興味深いことには、多くの研究で、マジックマッシュルームとして知られているサイロシビンが重いうつ病および不安の治療で大きな効果があるかもしれないことを示唆します。2つの別個の研究で、この薬の単回投与を行った癌患者の80~90パーセントが、不安、および死に対する恐れからの即時かつ永続的な軽減を達成できました。こうした著しい回復の大部分は、体験の精神的な強度と関係しているようです。
精神的なつながり自体とは別に、愛を感じることおよびすべてとの一体感を持つことは、脳の変質も帰着するように見えます。脳は体験に応じて実際に変わります。これは、神経細胞の可塑性によるメカニズムです。大多数の参加者はこうした感覚を生活の中で「最も意味のある」体験中にそれを評価していました。それは、自分の努力を含めすべてに目的があるという意識に帰着しました。
私の印象ですが、近年、人間自身よりも大きなものとのつながりが不足していると感じる人が非常に増加しています。また、薬剤で人間の情動をシャット・ダウンしたり、覆いかくすことは、けして正しい対処ではありません。
求められる解決策は、人間の持つ情緒的な回復力(レジリエンス)を押し上げる戦略として、注意深く自分を見つめ直すことです。自分の傾向および精神的な考え方の癖に応じて、特定の宗派にはかたよらない瞑想およびスピリチュアルな活動が効果がある可能性があります。
サイロシビンは、現在は違法な薬として分類され、研究以外に物理療法として使用することはできませんが、これは今後変わるかもしれません。サイロシピンが解禁されるまでは、生活に意味と目的を加えるものを捜し出すように奨励します。
さらに典型的に抑うつおよびその他のメンタル・ヘルスの問題が、腸機能不全および慢性炎症に原因があることを覚えておいてください。したがって、食事内容の改善に取り組むことは、長期的なメンタル・ヘルス治療のための基本のステップです。日光浴も重要な役割を果たします。適切な睡眠と運動の2つもライフスタイルに加えることを忘れてはなりません。
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